24 / 50
第一章 悪役王女になりまして
23. 先読みされていた
しおりを挟む
「本当に馬鹿だったわね」
自分が馬鹿な王女を演じたら、すぐに口を滑らしてしまった。
相手が、アルフォンスのように、もう少し賢かったら、口では勝てなかっただろう。
相手がそこまで賢くないからこそできたことだった。
(でも、そうも言ってられない)
相手がそこまで賢くないからこそ、今回は勝てた。彩花の演技だけで、証言を引き出せた。だが、そんな馬鹿だけが相手になるとは限らない。
もしも、アルフォンスと同じくらいに賢かったら、演技だけでは引き出せなかった。自分の話術では、勝てなかった。
「話術はあまりいらなかったからなぁ」
演技は、台本のセリフを読んでいればいいだけだ。言ってしまえば、相手が次に何を言うのかを知っているから、アドリブもしやすい。
だが、現実は違う。相手がどんな言動を使うかなんて、100%はわからない。予測して、それに返す言葉を、常に考えなくてはならない。
(アルフォンス……は、相手してくれなさそうだし、フランキスカにでも行ってみようかな)
思い立ったが吉日と、彩花は、こっそりとお城を抜け出すために、お城の裏庭に向かう。フランキスカは、学園の領にいるはずなので、学園に向かわなければいけない。
その道中に、彩花はアルフォンスのことを思い浮かべる。
(あいつの話術力を半分でも分けてくれないかなぁ)
彩花は、腹の探り合いはできるほうだ。だからといって、話術が巧みというわけではない。
相手が自分をどう思っているのか。その言葉にはどんな副音声がこめられているのか。それがわかるくらいだ。
なので、それにアルフォンス並みの話術が合わされば、それなりに口で戦うことはできるはずだ。
(まぁ、それは無理だし、鍛えるしかないかなぁ……)
はぁとため息をつきながら、彩花は裏庭に向かった。
裏庭には、侍女が数人と、騎士もいる。侍女はなんとかごまかせるかもしれないが、騎士は視線を掻い潜らないと難しい。それも、気配を消さなければならない。
(私にステルスミッションは高難易度になるんだけどなぁ……)
正攻法でいけばいいだろと思われるかもしれないが、そうなると、さっそく言いつけを破ろうとしたことになるので、叱られるのは明白だ。
どっちにしろ、部屋に長くいなかったらばれるのだが、口では勝てないアルフォンスと国王の目がないうちに、抜け出すしか方法はない。外出を許してくれなかったら、いつぞやの二の舞だ。
(私はどっちかっていえばアウトドア派なのに、インドアみたいな生活を送れるわけがない!)
アルフォンスに軟禁生活されていたときも、我慢の限界を迎えて窓から外に出たくらいだ。
(そのまま外にーーっ!)
彩花は後ろに気配を感じて、咄嗟に魔法を起動して振り向く。
放とうとしたところで、見覚えのある顔だったので、すぐに魔法を破棄した。
「……なんであんたがここにいるのかしら?」
彩花が冷たい視線を向けるのは、なぜか目の前にいるマティアスだった。
「アルフォンス殿下に、あなたが勝手に外出しないか見張っていろと命じられましたので、登城していました」
「チッ……読まれてたのね」
「舌打ちしなくてもいいでしょう。やけにうまかったですけど、普段からやってたんですか?」
子役だったころから、あまり性格が変わっていない彩花は、昔から結構腹黒いところがあった。なので、ムカつくことがあると、よく舌打ちしていた。体は違えど、魂が覚えている。
「それよりも、よくここがわかったわね?気配はそんなに感じなかったから、つけてきてはいなかったんでしょ?」
彩花は、気配……特に、ストーカーのような、尾行などにはかなり敏感だ。後をつけられていたら、大体どこにいるのか勘でわかる。
「あなたは部屋以外なら、よくここに来ていましたから、ここを巡回していただけです」
警備員のような発言をする婚約者に、彩花はちょっと戸惑いながらも、表情には出さずに、冷たく「そう」と返した。
「王女殿下がここにおられるのなら、話は終わったのですか?」
「……ええ、一応ね」
(……?)
エルルーアの含みのある言い方に、マティアスは少しだけ首をかしげる。
「あんたならわかるでしょう?出る杭は打たれる。エルルーアがでしゃばれば、それを潰しに来るのが現れるわ」
王太子がアルフォンスとはいえ、この国は実力主義なので、実力を示せば、エルルーアが王位につく可能性もある。王太子というのは、確定ではない。剥奪される可能性だって、充分にあり得ることだ。
だからこそ、身内が王太子や王太女となったからと言って、黙っていない王族も、決して少なくはない。
そして、それは貴族も同じだ。貴族には、派閥がある。当然、自分の派閥の王族に王位についてもらう方がいい。唯一の側妃の娘であるエルルーアは、王妃派からすれば、唯一、王族でも邪魔な存在だ。
今まで大して狙われなかったのは、エルルーアが馬鹿だったから。王位につく可能性がない王女は、いずれ嫁いで王族から外れる。
「そのままなら、勝手に消えてくれたのに、あなたが変わっては危機感を覚えた者がいるということですか」
「そうね。サティレス侯爵もその一人だわ。私が毒を盛られたのは、ちょうど私がかわったとかいう噂が流れたころだったし……」
「あぁ、そんな馬鹿みたいな噂が流れてましたね」
「どういう意味かしら?」
まるで、その噂は嘘に決まっていると決めつけられたようで、彩花は少し腹を立てる。
「賢くはなったかもしれませんけど、性格が悪いのは大して変わってはーー」
そこまで言われたところで、彩花は真顔でマティアスの足を踏んづける。
自分で言う分にはかまわないが、人にそう言われると、腹が立つのだ。
「……結構、痛かったんですけど……?」
「その割には、声は出さなかったし、あまり表情にも出なかったじゃない」
「そりゃあ、踏まれなれてますし……」
「そうなの?なんで?」
(お前のダンスが下手だからだ!)
声を大にしてそう言いたかったが、本当に心当たりがないという風に言われれば、責めることなどできずに、軽く息を吐く。
「まぁ、いろいろありまして……」
「ふーん……」
つまらなそうに返事をして、もう興味がないと言わんばかりに背を向けるエルルーアに、マティアスは調子を狂わせられる。今までと違いすぎるからだ。まるで、皮を脱いだかのように、人が変わっている。性格はあまり変わってないかもしれないが。
「ところで、一つ聞きたいんだけど……」
背を向けたまま、エルルーアがたずねてくる。
「なんですか?」
「後ろにいるのはお友達かしら?」
えっ?と思いながらマティアスが後ろを向くと、そこには一人の少年がいた。
「後ろ向きでよくお気づきになられましたね~。私は、ソルディア・フォン・アクレミットと申します」
彩花は、その声に聞き覚えがあって、後ろを向いた。
それは、マティアスが妾の子と言っていたときに話していた人物と、容姿が一致していた。
(なんでこいつが……?)
自分が馬鹿な王女を演じたら、すぐに口を滑らしてしまった。
相手が、アルフォンスのように、もう少し賢かったら、口では勝てなかっただろう。
相手がそこまで賢くないからこそできたことだった。
(でも、そうも言ってられない)
相手がそこまで賢くないからこそ、今回は勝てた。彩花の演技だけで、証言を引き出せた。だが、そんな馬鹿だけが相手になるとは限らない。
もしも、アルフォンスと同じくらいに賢かったら、演技だけでは引き出せなかった。自分の話術では、勝てなかった。
「話術はあまりいらなかったからなぁ」
演技は、台本のセリフを読んでいればいいだけだ。言ってしまえば、相手が次に何を言うのかを知っているから、アドリブもしやすい。
だが、現実は違う。相手がどんな言動を使うかなんて、100%はわからない。予測して、それに返す言葉を、常に考えなくてはならない。
(アルフォンス……は、相手してくれなさそうだし、フランキスカにでも行ってみようかな)
思い立ったが吉日と、彩花は、こっそりとお城を抜け出すために、お城の裏庭に向かう。フランキスカは、学園の領にいるはずなので、学園に向かわなければいけない。
その道中に、彩花はアルフォンスのことを思い浮かべる。
(あいつの話術力を半分でも分けてくれないかなぁ)
彩花は、腹の探り合いはできるほうだ。だからといって、話術が巧みというわけではない。
相手が自分をどう思っているのか。その言葉にはどんな副音声がこめられているのか。それがわかるくらいだ。
なので、それにアルフォンス並みの話術が合わされば、それなりに口で戦うことはできるはずだ。
(まぁ、それは無理だし、鍛えるしかないかなぁ……)
はぁとため息をつきながら、彩花は裏庭に向かった。
裏庭には、侍女が数人と、騎士もいる。侍女はなんとかごまかせるかもしれないが、騎士は視線を掻い潜らないと難しい。それも、気配を消さなければならない。
(私にステルスミッションは高難易度になるんだけどなぁ……)
正攻法でいけばいいだろと思われるかもしれないが、そうなると、さっそく言いつけを破ろうとしたことになるので、叱られるのは明白だ。
どっちにしろ、部屋に長くいなかったらばれるのだが、口では勝てないアルフォンスと国王の目がないうちに、抜け出すしか方法はない。外出を許してくれなかったら、いつぞやの二の舞だ。
(私はどっちかっていえばアウトドア派なのに、インドアみたいな生活を送れるわけがない!)
アルフォンスに軟禁生活されていたときも、我慢の限界を迎えて窓から外に出たくらいだ。
(そのまま外にーーっ!)
彩花は後ろに気配を感じて、咄嗟に魔法を起動して振り向く。
放とうとしたところで、見覚えのある顔だったので、すぐに魔法を破棄した。
「……なんであんたがここにいるのかしら?」
彩花が冷たい視線を向けるのは、なぜか目の前にいるマティアスだった。
「アルフォンス殿下に、あなたが勝手に外出しないか見張っていろと命じられましたので、登城していました」
「チッ……読まれてたのね」
「舌打ちしなくてもいいでしょう。やけにうまかったですけど、普段からやってたんですか?」
子役だったころから、あまり性格が変わっていない彩花は、昔から結構腹黒いところがあった。なので、ムカつくことがあると、よく舌打ちしていた。体は違えど、魂が覚えている。
「それよりも、よくここがわかったわね?気配はそんなに感じなかったから、つけてきてはいなかったんでしょ?」
彩花は、気配……特に、ストーカーのような、尾行などにはかなり敏感だ。後をつけられていたら、大体どこにいるのか勘でわかる。
「あなたは部屋以外なら、よくここに来ていましたから、ここを巡回していただけです」
警備員のような発言をする婚約者に、彩花はちょっと戸惑いながらも、表情には出さずに、冷たく「そう」と返した。
「王女殿下がここにおられるのなら、話は終わったのですか?」
「……ええ、一応ね」
(……?)
エルルーアの含みのある言い方に、マティアスは少しだけ首をかしげる。
「あんたならわかるでしょう?出る杭は打たれる。エルルーアがでしゃばれば、それを潰しに来るのが現れるわ」
王太子がアルフォンスとはいえ、この国は実力主義なので、実力を示せば、エルルーアが王位につく可能性もある。王太子というのは、確定ではない。剥奪される可能性だって、充分にあり得ることだ。
だからこそ、身内が王太子や王太女となったからと言って、黙っていない王族も、決して少なくはない。
そして、それは貴族も同じだ。貴族には、派閥がある。当然、自分の派閥の王族に王位についてもらう方がいい。唯一の側妃の娘であるエルルーアは、王妃派からすれば、唯一、王族でも邪魔な存在だ。
今まで大して狙われなかったのは、エルルーアが馬鹿だったから。王位につく可能性がない王女は、いずれ嫁いで王族から外れる。
「そのままなら、勝手に消えてくれたのに、あなたが変わっては危機感を覚えた者がいるということですか」
「そうね。サティレス侯爵もその一人だわ。私が毒を盛られたのは、ちょうど私がかわったとかいう噂が流れたころだったし……」
「あぁ、そんな馬鹿みたいな噂が流れてましたね」
「どういう意味かしら?」
まるで、その噂は嘘に決まっていると決めつけられたようで、彩花は少し腹を立てる。
「賢くはなったかもしれませんけど、性格が悪いのは大して変わってはーー」
そこまで言われたところで、彩花は真顔でマティアスの足を踏んづける。
自分で言う分にはかまわないが、人にそう言われると、腹が立つのだ。
「……結構、痛かったんですけど……?」
「その割には、声は出さなかったし、あまり表情にも出なかったじゃない」
「そりゃあ、踏まれなれてますし……」
「そうなの?なんで?」
(お前のダンスが下手だからだ!)
声を大にしてそう言いたかったが、本当に心当たりがないという風に言われれば、責めることなどできずに、軽く息を吐く。
「まぁ、いろいろありまして……」
「ふーん……」
つまらなそうに返事をして、もう興味がないと言わんばかりに背を向けるエルルーアに、マティアスは調子を狂わせられる。今までと違いすぎるからだ。まるで、皮を脱いだかのように、人が変わっている。性格はあまり変わってないかもしれないが。
「ところで、一つ聞きたいんだけど……」
背を向けたまま、エルルーアがたずねてくる。
「なんですか?」
「後ろにいるのはお友達かしら?」
えっ?と思いながらマティアスが後ろを向くと、そこには一人の少年がいた。
「後ろ向きでよくお気づきになられましたね~。私は、ソルディア・フォン・アクレミットと申します」
彩花は、その声に聞き覚えがあって、後ろを向いた。
それは、マティアスが妾の子と言っていたときに話していた人物と、容姿が一致していた。
(なんでこいつが……?)
35
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。
ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。
俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。
そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。
こんな女とは婚約解消だ。
この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる