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ヒースの秘密と愛するということ
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「ねえ、ヒース。私、愛について知りたいわ。あなたの呪いを解くためにも」
アンナは部屋に戻って着替えを終えると、ヒースと目線を合わせて言った。アンナの顔は真剣そのものだ。
「愛について、ですか。そうですね。愛するとは息をするようなもので、それでいて難しい。まず言っておきますが、私を救うために私を愛そうというのなら、それは本当の愛と言えるか怪しいです。愛とは強制されるものではないからです。愛とは自発的に生まれるものなのです」
アンナは口をへの字に曲げた。
「別に強制なんかされてないわ」
「まあ、そうだといいのですが」
ヒースは困ったようにアンナを見つめた。そんなヒースをアンナは抱き起こして、ベッドに座る。ヒースはそんなアンナに少し驚きながらも、口を開いた。
「愛、について、でしたよね。アンナ様はご自分に対してはどう思われますか?」
「私は美しい! 可愛い! いつ見ても飽きない! そして……」
アンナが次々に口にしだしたのでヒースは前脚を振って止めた。
「ストップ。うーん、そういうことではなくてですね……。では質問を変えましょう。アンナ様はご自身が健康であるとどうですか?」
アンナはヒースの言葉の意味がわからず首を傾げる。
「もちろん嬉しいわ。逆に病気だと悲しいわ。当然よね?」
「嬉しい出来事があると?」
「嬉しいに決まってるわ?」
「そうですね。それと同じことを他人にも思えるかどうか」
ヒースの言葉にアンナは得意げな顔をした。
「それなら簡単だわ。私はヒースが病気だと悲しいし、ヒースが嬉しそうだったら嬉しいわ」
ヒースは、自分が思っていた以上にアンナが自分を気にかけていることに驚き、嬉しく思った。
「それは嬉しいことですね。ありがとうございます。でも、アンナ様。王様と王妃様であってもそう思うでしょう?」
「それはそうね」
ヒースはこれ以上どう説明すべきか困ってしまった。しばらく考え、口を開く。
「アンナ様は何かに対して、特別だと思ったり、大事だと思ったり、独り占めしたいと思ったりすることはないですか? これだけは他の人に渡したくない、と」
「私の美貌は誰にも渡したくないわ」
ヒースは頭を抱えた。また振り出しに戻ってしまった。
「ではバルザックに対してそう思うことは?」
ヒースは探るようにアンナを見て言った。
「バルザック? ないわ。彼には感謝はしてるけど、そこまでは思えないわ」
「では……私に対してはどうですか?」
アンナは左腕でヒースを抱き抱えたまま、右手を顎に当てて考え込む。
「そうね。ヒースは特別だわ! だってヒースは私の世界を変えてくれたんだもの! それに、他の人にヒースが懐くのはなんだか面白くないわ」
ヒースはアンナの言葉に照れたように目を伏せ、顔を前脚で拭った。
「一緒にいると嬉しかったり、ドキドキしたり、温かな気持ちになったりはどうですか?」
「ヒースといて? そうねえ、ドキドキはわからないけれど、楽しいし、優しい気持ちになれるわ」
ヒースは嬉しそうに一度頷いて、質問を続けた。
「では、一人だけ無人島に連れて行けるとしたら誰を連れて行きたいですか?」
「無人島? 変な例えね? じゃあ連れて行く人とずっと二人ということね?」
アンナはうーんと唸って答えがだせなかった。
「ヒース。これは宿題にしてもいい?」
可愛らしく頼まれ、ヒースは、
「構いませんよ。よく考えてください」
と快諾した。そして、付け加える。
「もう一つ宿題を出しましょう。アンナ様が一番死なれたら困るのはどなたですか? これも考えておいてください」
「分かったわ」
「疲れたんじゃないですか? 難しい質問ばかりしましたから」
「そうね。でも、少し分かったわ。私は自分で思っていた以上にヒースが好きなんだって」
アンナはにっこりヒースに微笑みかけた。
「そ、そうですか……」
ヒースは一瞬ポカンとアンナを見つめて、また恥ずかしそうに顔を前脚で拭った。
アンナは部屋に戻って着替えを終えると、ヒースと目線を合わせて言った。アンナの顔は真剣そのものだ。
「愛について、ですか。そうですね。愛するとは息をするようなもので、それでいて難しい。まず言っておきますが、私を救うために私を愛そうというのなら、それは本当の愛と言えるか怪しいです。愛とは強制されるものではないからです。愛とは自発的に生まれるものなのです」
アンナは口をへの字に曲げた。
「別に強制なんかされてないわ」
「まあ、そうだといいのですが」
ヒースは困ったようにアンナを見つめた。そんなヒースをアンナは抱き起こして、ベッドに座る。ヒースはそんなアンナに少し驚きながらも、口を開いた。
「愛、について、でしたよね。アンナ様はご自分に対してはどう思われますか?」
「私は美しい! 可愛い! いつ見ても飽きない! そして……」
アンナが次々に口にしだしたのでヒースは前脚を振って止めた。
「ストップ。うーん、そういうことではなくてですね……。では質問を変えましょう。アンナ様はご自身が健康であるとどうですか?」
アンナはヒースの言葉の意味がわからず首を傾げる。
「もちろん嬉しいわ。逆に病気だと悲しいわ。当然よね?」
「嬉しい出来事があると?」
「嬉しいに決まってるわ?」
「そうですね。それと同じことを他人にも思えるかどうか」
ヒースの言葉にアンナは得意げな顔をした。
「それなら簡単だわ。私はヒースが病気だと悲しいし、ヒースが嬉しそうだったら嬉しいわ」
ヒースは、自分が思っていた以上にアンナが自分を気にかけていることに驚き、嬉しく思った。
「それは嬉しいことですね。ありがとうございます。でも、アンナ様。王様と王妃様であってもそう思うでしょう?」
「それはそうね」
ヒースはこれ以上どう説明すべきか困ってしまった。しばらく考え、口を開く。
「アンナ様は何かに対して、特別だと思ったり、大事だと思ったり、独り占めしたいと思ったりすることはないですか? これだけは他の人に渡したくない、と」
「私の美貌は誰にも渡したくないわ」
ヒースは頭を抱えた。また振り出しに戻ってしまった。
「ではバルザックに対してそう思うことは?」
ヒースは探るようにアンナを見て言った。
「バルザック? ないわ。彼には感謝はしてるけど、そこまでは思えないわ」
「では……私に対してはどうですか?」
アンナは左腕でヒースを抱き抱えたまま、右手を顎に当てて考え込む。
「そうね。ヒースは特別だわ! だってヒースは私の世界を変えてくれたんだもの! それに、他の人にヒースが懐くのはなんだか面白くないわ」
ヒースはアンナの言葉に照れたように目を伏せ、顔を前脚で拭った。
「一緒にいると嬉しかったり、ドキドキしたり、温かな気持ちになったりはどうですか?」
「ヒースといて? そうねえ、ドキドキはわからないけれど、楽しいし、優しい気持ちになれるわ」
ヒースは嬉しそうに一度頷いて、質問を続けた。
「では、一人だけ無人島に連れて行けるとしたら誰を連れて行きたいですか?」
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アンナはうーんと唸って答えがだせなかった。
「ヒース。これは宿題にしてもいい?」
可愛らしく頼まれ、ヒースは、
「構いませんよ。よく考えてください」
と快諾した。そして、付け加える。
「もう一つ宿題を出しましょう。アンナ様が一番死なれたら困るのはどなたですか? これも考えておいてください」
「分かったわ」
「疲れたんじゃないですか? 難しい質問ばかりしましたから」
「そうね。でも、少し分かったわ。私は自分で思っていた以上にヒースが好きなんだって」
アンナはにっこりヒースに微笑みかけた。
「そ、そうですか……」
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