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宮殿
38.どちらを選ぶか
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周囲に集まってくる精霊が慰めてくれているような気がして、祈りをささげる姿勢のまま、キアラはそっと彼らの気配を感覚だけで追った。傍にいるのはどれくらいだろうか。みっしりと取り囲まれているような気さえする。礼拝堂には大勢の人が集まっているはずなのに、精霊の気配しかわからないくらいだ。
人の気配より、精霊の気配のほうがずっと心地よい。
「……神子様」
総主の声でぱっと精霊たちが散っていって、キアラはゆっくりと手を下ろした。振り返ると総主が手を差し出してくれていて、その手を借りて立ち上がる。このあとは、施療院で薬を配らなければいけない。
総主に手を借りてしずしずと歩くキアラの左右から、ささやき声が広がっていく。
ゲラルド様。
ご成婚。
礼拝堂を埋め尽くしているらしい信徒たちにも、昨日ゲラルドから聞かされた話が知られているようだった。キアラも総主に聞きたいところだったが、機会を掴めないままだ。
「ときに神子様、体調はいかがですかな。昨日あまり思わしくなかったようですが」
廊下に出てミオとシアが後ろについてくれて、意を決して切り出そうとしたのだが、先に話を始められてしまった。
「……今日は、大丈夫です」
キアラが体調を崩したことを知っているなら、ゲラルドの執務室で休ませてもらったことも知っていそうに思えたが、総主はゲラルドについて何も言わなかった。
ゲラルドがキアラを妻にしたいと思っていることを、総主がどう考えているのかわからない。
「それはようございました。ですが無理をなさらず、疲れを感じたらおっしゃってください。今日はそこで切り上げることといたしましょう」
「……はい」
施療院につくと、あとはけが人や病人の手当てをして回ることになる。前回会った人たちは元気を取り戻して、それぞれの家に帰っていったそうだ。また新しい人たちに、薬を飲ませたり、塗ったりしながら、少しずつ言葉を交わしていく。
「神子様、ありがとうございます、私にまで声をかけてくださるなんて……」
「……遠慮なさることはありません、私は、私にできることをしているだけですから」
とても感謝されるけれど、キアラがしているのは、たった一日のほんの些細なことでしかない。苦しんでいる人たちを普段から支えている導士たちのほうが、すごいと思う。
けがに薬を塗っていた体を起こし、小さくため息を漏らしたのが聞こえたのか、ミオとシアがすかさず左右に寄り添ってくる。
「神子様、本日は終わりにいたしましょう」
「……ですが……」
「無理はなさらない約束ですよ」
手に持っていた壺をそれぞれ別の人に手渡して、キアラの両手を取って連れていこうとする。
「わ、わかりました、から、待ってください、二人とも」
手を取ってもらえるのは助かるが、王都の礼拝堂に来るときの恰好では、普段よりさらにゆっくり歩いてもらわなければ怖いのだ。
施療院を出て礼拝堂の廊下を進み、念のためと言われて小部屋の一つで休ませてもらう。昨日ふらふらしていたのは血を取られすぎたからだろうし、一晩休んだのだからそこまで心配することはないと思うけれど、ミオとシアが本当に心配してくれているのはわかっているから、断るのも申し訳ない。
ぽわぽわと集まってきてくれる精霊の気配に、まどろんでしまいそうだ。宮殿でも王都でも、礼拝堂は、精霊の気配が濃くて心地いい。
「ミオ、シア、総主様と、お話がしたいです」
うっかり眠ってしまわないように、キアラは姿勢を正した。ここで眠り込んでしまったら、今日も調子が悪いのだとミオとシアに誤解されてしまいかねない。
それに、気がかりをなんとかしなくてはならない。
「……お時間をいただけるか、確認してまいります」
「ありがとうございます、ミオ」
シアが水を用意してくれて、ベールを外して口に含む。精霊がたくさん触れていたからか、普段の水よりなんとなく甘い気がする。
一息ついた心地でいたら、精霊がすっといなくなって、ミオが総主とともに戻ってきた。
「神子様、いかがされましたかな、話がしたいとのことですが」
ぺこりと頭を下げて感謝を示し、傍の椅子に腰かけた総主に今度こそと尋ねる。
「総主様、ゲラルド様が私を妻に迎えるとおっしゃっていたのですが、本当なのですか」
聞いた途端、総主が難しい顔になって、腕を組んだ。
「……神子様のご意向を伺ってから、とお話ししたのですが……」
ゲラルドからその申し出があったのは、実は少し前のことなのだという。キアラがオメガであるのは事実だし、オメガのヒートはアルファでなければ鎮められないというのもその通りだが、何よりキアラは神子なのだ。たとえ王族といえど、己の好き勝手に話を進めていい相手ではない。
まずは総主がキアラに話し、気持ちを確認したうえで、改めてゲラルドに返事をする、と伝えていたのだそうだ。
「しかしゲラルド殿下は、まあ……行動力のある方ですから、すでに段取りを進めていらっしゃるのかもしれません」
「……そう、なのですか……」
嫌だ、と言っていいのかどうか、キアラにはわからなかった。キアラにはすでに番がいるということは、総主であっても話さないほうがいいだろうし、ヨラガンに行く前のカガルトゥラードでは、すべての人にお仕えしなさいと言われていた。今の暮らしと、ヨラガンの暮らしと、それ以前の暮らし。すべてが違いすぎて、どれを普通と考えていいのかわからない。
けれど、でも、キアラがお嫁さんになりたいと思う相手は、ユクガしかいない。
きゅ、と両手を握りしめて、キアラはうつむくことしかできなかった。
「……ゲラルド殿下のおっしゃることもわからぬではないですがな。神子様のヒートには、確かに対策が必要です」
ヒートの周期はだいたい、三月に一度程度だとベルリアーナから教えてもらっている。環境の変化や体調によって早まったり遅れたりすることもあるらしいが、キアラがカガルトゥラードに来てそろそろ三月は経とうとしていて、ヒートが来てもおかしくはない頃合いではあった。
あの体の熱を、キアラが一人で鎮めるのは難しいだろう。誰か、アルファに助けてもらわなければいけないのかもしれない。
それでも、ユクガ以外の誰かに体を開くのは嫌だ。
「神子様にふさわしいアルファというのも、そうそうおりませんからな」
元々アルファとオメガの数自体が少ないものだが、探せば見つけられないものではない。
しかし、精霊に祝福された神子であるキアラは、カガルトゥラードではとても身分が高い。その身分に釣り合うアルファは、はっきり言ってゲラルドくらいのものだ。
総主にいろいろと説明されても、ゲラルドのことを受け入れられる気はしなかった。
「……ヒート、が、来たら」
キアラはオメガだから、ヒートが来るのは避けられない。
「私を、部屋で……一人に、してください」
だったらいっそ、一人でヒートを耐えるほうがずっといい。
そう決めて総主にお願いしたら、後ろに控えていたミオとシアのほうが慌ててしまった。
「神子様、いけません、お体にさわります」
「無理をなさらないでください、今もお加減がよくないのに」
「ミオ……シア……」
そう言って、手を取ったり、背中を撫でてくれたりする二人の手は、嫌ではない。
それでも、もし肌を重ねると考えたら、例えミオとシアでも嫌だ。
しゅんと肩を落としたキアラと二人の前で、腕を組んだ総主も考え込んでいる様子だった。
「……神子様は、ゲラルド殿下よりエドゥアルド殿下のほうがお好みですかな?」
何を言われたのか、よくわからなかった。今はゲラルドがキアラを妻にしようとしている、という話の途中であって、エドゥアルドのことは関係がないはずだ。
「こ……この、み……?」
「はい。この先、神子様と結ばれた方が王位継承に近づくのは間違いございません」
導の灯火としては、どちらが王位継承者になっても構わない。しかし、神子を保護する組織である以上、キアラが心穏やかに、健やかに過ごすことが最優先なので、その意思は尊重したい。
総主のだいたいの話を、キアラは呆然と聞いていた。
「それ、は……私、は、エドゥアルド様か、ゲラルド様に……嫁がなければ、ならないということ、ですか」
「……王家の方々がそれを望んでおられますので、お断りするのは難しいかと存じます」
キアラの意思を尊重するとは、言われたけれど。
どちらかを選ばなければいけないというのは、絶対のようだった。
人の気配より、精霊の気配のほうがずっと心地よい。
「……神子様」
総主の声でぱっと精霊たちが散っていって、キアラはゆっくりと手を下ろした。振り返ると総主が手を差し出してくれていて、その手を借りて立ち上がる。このあとは、施療院で薬を配らなければいけない。
総主に手を借りてしずしずと歩くキアラの左右から、ささやき声が広がっていく。
ゲラルド様。
ご成婚。
礼拝堂を埋め尽くしているらしい信徒たちにも、昨日ゲラルドから聞かされた話が知られているようだった。キアラも総主に聞きたいところだったが、機会を掴めないままだ。
「ときに神子様、体調はいかがですかな。昨日あまり思わしくなかったようですが」
廊下に出てミオとシアが後ろについてくれて、意を決して切り出そうとしたのだが、先に話を始められてしまった。
「……今日は、大丈夫です」
キアラが体調を崩したことを知っているなら、ゲラルドの執務室で休ませてもらったことも知っていそうに思えたが、総主はゲラルドについて何も言わなかった。
ゲラルドがキアラを妻にしたいと思っていることを、総主がどう考えているのかわからない。
「それはようございました。ですが無理をなさらず、疲れを感じたらおっしゃってください。今日はそこで切り上げることといたしましょう」
「……はい」
施療院につくと、あとはけが人や病人の手当てをして回ることになる。前回会った人たちは元気を取り戻して、それぞれの家に帰っていったそうだ。また新しい人たちに、薬を飲ませたり、塗ったりしながら、少しずつ言葉を交わしていく。
「神子様、ありがとうございます、私にまで声をかけてくださるなんて……」
「……遠慮なさることはありません、私は、私にできることをしているだけですから」
とても感謝されるけれど、キアラがしているのは、たった一日のほんの些細なことでしかない。苦しんでいる人たちを普段から支えている導士たちのほうが、すごいと思う。
けがに薬を塗っていた体を起こし、小さくため息を漏らしたのが聞こえたのか、ミオとシアがすかさず左右に寄り添ってくる。
「神子様、本日は終わりにいたしましょう」
「……ですが……」
「無理はなさらない約束ですよ」
手に持っていた壺をそれぞれ別の人に手渡して、キアラの両手を取って連れていこうとする。
「わ、わかりました、から、待ってください、二人とも」
手を取ってもらえるのは助かるが、王都の礼拝堂に来るときの恰好では、普段よりさらにゆっくり歩いてもらわなければ怖いのだ。
施療院を出て礼拝堂の廊下を進み、念のためと言われて小部屋の一つで休ませてもらう。昨日ふらふらしていたのは血を取られすぎたからだろうし、一晩休んだのだからそこまで心配することはないと思うけれど、ミオとシアが本当に心配してくれているのはわかっているから、断るのも申し訳ない。
ぽわぽわと集まってきてくれる精霊の気配に、まどろんでしまいそうだ。宮殿でも王都でも、礼拝堂は、精霊の気配が濃くて心地いい。
「ミオ、シア、総主様と、お話がしたいです」
うっかり眠ってしまわないように、キアラは姿勢を正した。ここで眠り込んでしまったら、今日も調子が悪いのだとミオとシアに誤解されてしまいかねない。
それに、気がかりをなんとかしなくてはならない。
「……お時間をいただけるか、確認してまいります」
「ありがとうございます、ミオ」
シアが水を用意してくれて、ベールを外して口に含む。精霊がたくさん触れていたからか、普段の水よりなんとなく甘い気がする。
一息ついた心地でいたら、精霊がすっといなくなって、ミオが総主とともに戻ってきた。
「神子様、いかがされましたかな、話がしたいとのことですが」
ぺこりと頭を下げて感謝を示し、傍の椅子に腰かけた総主に今度こそと尋ねる。
「総主様、ゲラルド様が私を妻に迎えるとおっしゃっていたのですが、本当なのですか」
聞いた途端、総主が難しい顔になって、腕を組んだ。
「……神子様のご意向を伺ってから、とお話ししたのですが……」
ゲラルドからその申し出があったのは、実は少し前のことなのだという。キアラがオメガであるのは事実だし、オメガのヒートはアルファでなければ鎮められないというのもその通りだが、何よりキアラは神子なのだ。たとえ王族といえど、己の好き勝手に話を進めていい相手ではない。
まずは総主がキアラに話し、気持ちを確認したうえで、改めてゲラルドに返事をする、と伝えていたのだそうだ。
「しかしゲラルド殿下は、まあ……行動力のある方ですから、すでに段取りを進めていらっしゃるのかもしれません」
「……そう、なのですか……」
嫌だ、と言っていいのかどうか、キアラにはわからなかった。キアラにはすでに番がいるということは、総主であっても話さないほうがいいだろうし、ヨラガンに行く前のカガルトゥラードでは、すべての人にお仕えしなさいと言われていた。今の暮らしと、ヨラガンの暮らしと、それ以前の暮らし。すべてが違いすぎて、どれを普通と考えていいのかわからない。
けれど、でも、キアラがお嫁さんになりたいと思う相手は、ユクガしかいない。
きゅ、と両手を握りしめて、キアラはうつむくことしかできなかった。
「……ゲラルド殿下のおっしゃることもわからぬではないですがな。神子様のヒートには、確かに対策が必要です」
ヒートの周期はだいたい、三月に一度程度だとベルリアーナから教えてもらっている。環境の変化や体調によって早まったり遅れたりすることもあるらしいが、キアラがカガルトゥラードに来てそろそろ三月は経とうとしていて、ヒートが来てもおかしくはない頃合いではあった。
あの体の熱を、キアラが一人で鎮めるのは難しいだろう。誰か、アルファに助けてもらわなければいけないのかもしれない。
それでも、ユクガ以外の誰かに体を開くのは嫌だ。
「神子様にふさわしいアルファというのも、そうそうおりませんからな」
元々アルファとオメガの数自体が少ないものだが、探せば見つけられないものではない。
しかし、精霊に祝福された神子であるキアラは、カガルトゥラードではとても身分が高い。その身分に釣り合うアルファは、はっきり言ってゲラルドくらいのものだ。
総主にいろいろと説明されても、ゲラルドのことを受け入れられる気はしなかった。
「……ヒート、が、来たら」
キアラはオメガだから、ヒートが来るのは避けられない。
「私を、部屋で……一人に、してください」
だったらいっそ、一人でヒートを耐えるほうがずっといい。
そう決めて総主にお願いしたら、後ろに控えていたミオとシアのほうが慌ててしまった。
「神子様、いけません、お体にさわります」
「無理をなさらないでください、今もお加減がよくないのに」
「ミオ……シア……」
そう言って、手を取ったり、背中を撫でてくれたりする二人の手は、嫌ではない。
それでも、もし肌を重ねると考えたら、例えミオとシアでも嫌だ。
しゅんと肩を落としたキアラと二人の前で、腕を組んだ総主も考え込んでいる様子だった。
「……神子様は、ゲラルド殿下よりエドゥアルド殿下のほうがお好みですかな?」
何を言われたのか、よくわからなかった。今はゲラルドがキアラを妻にしようとしている、という話の途中であって、エドゥアルドのことは関係がないはずだ。
「こ……この、み……?」
「はい。この先、神子様と結ばれた方が王位継承に近づくのは間違いございません」
導の灯火としては、どちらが王位継承者になっても構わない。しかし、神子を保護する組織である以上、キアラが心穏やかに、健やかに過ごすことが最優先なので、その意思は尊重したい。
総主のだいたいの話を、キアラは呆然と聞いていた。
「それ、は……私、は、エドゥアルド様か、ゲラルド様に……嫁がなければ、ならないということ、ですか」
「……王家の方々がそれを望んでおられますので、お断りするのは難しいかと存じます」
キアラの意思を尊重するとは、言われたけれど。
どちらかを選ばなければいけないというのは、絶対のようだった。
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