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宮殿
46.黒髪のアルファ
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だるい体を持て余しながら寝返りをうって、キアラはふと目を開けた。
小さなランプはついているが、帳の向こうはすっかり暗くなっているようだ。いつのまにか寝入っていて、夜になっていたらしい。ため息をついて起き上がり、服が肌にこすれる感触に身を震わせる。
キアラがカガルトゥラードに来てから、二度目のヒートだった。
マナヴィカに抑制剤というものはもらったのだが、体がどう反応するかわからないから、まずは弱いものから試しましょうと勧められて、一番効果が弱いものを飲んでみた。体が狂おしく支配されるほどの熱は薄れているが、どうしても、普段なら気にならないような刺激に過敏に反応してしまう。番に来てほしくてたまらない気持ちが、いくらかの冷静さを取り戻してしまっているせいで、余計に心に響く気がした。
あの、安心する香りに包まれたい。
「……神子様」
ドアをノックして呼ぶ声に、キアラはゆっくりと視線を向けた。ヒートの間はなるべく部屋に入らないよう、ミオもシアも気をつけてくれている。
「いらしてください、シア」
震えてしまわないよう気をつけて、なんとか声を張り上げる。声が届くか少し心配だったが、滑り込むように扉の隙間から姿を現したシアが、慎重にベッドの傍まで近づいてきてくれた。
「どうか、なさいましたか」
「……神子様に、どうしてもお会いしたいという方がいらっしゃって……お断りしたのですが、命令だから譲れないと……」
シアもかなり困っているらしい、というのはわかって、キアラも小首を傾げた。
キアラがオメガだという話は、おそらくカガルトゥラードでは広く知られてしまっていて、ヒートを迎えたら伏せってしまうというのも、推測できないことではないはずだ。
ヒートの間でも、どうしても会わなければならないほどの命令とは、何だろうか。
「どのような、方ですか」
「……黒髪の、兵士です」
はたり、とキアラは目を瞬いた。
「……目は、何色でしたか」
「目、ですか? 茶色……だったかと、思いますが……」
茶色の瞳をした、黒髪の兵士。
一人、心当たりがいる。
しかし、もし違う人だったら、という心配もあって、キアラは束の間ためらった。
いつか、傍に来てくれると言っていた。危ないことはしないでほしいと思ったけれど、信念を持って伝えてくれたのはわかったから、その気持ちを受け取って、大切なものを託した相手がいる。
「……シア、その方に、お名前を伺ってみてください」
「名前、ですか?」
小さくうなずいて、キアラはそっと声を潜めた。
「ルガート、とおっしゃったら、お通ししてください」
「……ルガート、ですか……」
いぶかしげな様子に苦笑し、シアの手を取って両手で包む。会ったことがないだろうから、シアが心配するのもおかしくない。
「大丈夫です。もしその方がルガート様なら、私を、助けてくださる方です」
ただ、それに返事をする声もあまりにも不満げで、キアラはくすくす笑ってシアの手を撫でた。
「……シア、あなたも、私を助けてくださる方、ですね」
「神子様……」
「心配してくださって、ありがとうございます、シア」
きちんとお礼を告げると、むにゃむにゃと口を動かし、最後には小さくため息をついて頭を下げ、シアは扉のほうに戻っていってしまった。何かまだ気になることがあったのだろうか。
また首を傾げたもののベッドの上に座り直し、キアラは訪問者を待った。シアが行ってしまったので、もはや確かめようもないし、仮に黒髪の兵士がルガートでないなら、次にどうするか考えておかなくてはいけない。
しかしいい案が思いつく前に扉が開き、静かに入ってきた二人を見て、キアラはそっと息を漏らした。シアに連れられてゆっくりベッドの傍まで来ると、少し距離を空けたまま、大柄な男が膝をつく。
「……ご無沙汰しております、神子様」
「……お久しぶりです、ルガート様」
あの日キアラが見上げた茶色の目が、今度はキアラを見上げている。あのときより少し顔つきが険しくなっているような気もするが、ルガートの周りにいる精霊は、あのころと同じように、彼を避けようとはしていない。
「皆様は、お変わりないですか」
他の四人の様子を聞こうと尋ねたものの、ルガートは軽く頭を下げただけで、何も言わなかった。温かな気配の精霊がルガートの傍で揺らめいて、ぽわぽわとシアのほうへ漂っていく。よく見れば、シアの視線も、じっとルガートを見据えたままだ。
こういうとき、何と言うのだろう。
「……ルガート様、そちらのシアは、私を助けてくださる侍従です。シア、ルガート様は、私を戦場からカガルトゥラードの国境まで、守ってきてくださった方です。ですから、二人とも……あの……意地悪をしなくても、よいの、ですよ……?」
今言うべきは意地悪という言葉ではないのはわかっていても、他にぴったりくる言葉も思いつかず、キアラは仕方なくそのまま口にした。ルガートも、シアも、一瞬きょとんとしたもののすぐに表情を緩めてくれたので、まったく伝わらなかったというわけではないだろう。
「申し訳ありません、導の灯火のもののように見受けられましたので……警戒いたしました」
「シアは、導の灯火の人、ですが……えっと……」
「……私ともう一人の侍従は、神子様に改めて忠誠を誓っております」
「なるほど」
キアラが言葉を探しているうちに、ルガートとシアで話が済んでしまった。間に立ったほうがいいと思ったのだが、うまく話せないとそれも難しいようだ。
「私はルガート、元は傭兵だが、今はカガルトゥラード軍の末端に名を連ねている。故あって、神子様を主と定めている」
「……私はシアです。導の灯火の求灯士ですが、神子様の御心に触れ、もう一人の侍従、ミオとともに、神子様に忠誠を捧げております」
ここは、名前を言うところなのだろうか。しかし、名前のあとに何を言えばいいか思いつかない。
「わ、私、は」
「神子様……?」
「神子様、神子様のことは、私もこの方も存じ上げておりますので……」
「そ、そう、ですか」
何か違ったらしい。
首を傾げていたらシアが頭を下げてから近づいてきて、キアラの襟元を直してくれた。そのまま後ろの襟まで直すようにしてキアラの耳元に唇を寄せ、小さな声で教えてくれる。
「私はこのまま下がりますが、何かあればすぐにお呼びください」
そしてキアラが何か答える前に、すっと部屋を出ていってしまった。まだ少し、ルガートに対して、警戒、しているらしい。
構えることはないのに、と思いつつ、ルガートが立ち上がると、キアラもびくりと身を震わせてしまった。どきどきと、胸が実際に脈打って見えるのではないかと思うくらい、激しく動いている。
「……ここでお話しいたしましょう」
気づいたルガートが再び膝をついてくれて、キアラはそっと上掛けを引っ張った。ルガートは、恐ろしくない人だとわかっているはずなのに、服一枚で向かい合うのが心もとない。
「も、申し訳ありません……」
「いえ……ゲラルドの蛮行については、私も聞き及んでおります」
その名前にも反応してしまって、キアラは意識的に息を吸い込んで、吐き出した。ルガートはキアラに何か用事があって来たのだろうから、気持ちを落ちつけて、きちんと話をしなければいけない。
「……私に、会いにいらしたのですよね」
「はい。ご説明申し上げます」
カガルトゥラードにいる神子はオメガである、という話は国内では周知の事実だ。それはつまり、神子がヒートを迎える期間があるということであり、ヒートを鎮めるアルファがいなければならない、ということになる。
しかし筆頭候補であったゲラルドが神子を襲い、精霊の加護を失った。ゲラルドがおらずとも、神子にはアルファが必要だ。
そこで、まずはと宮殿内や軍にいるアルファが探された。集められた候補の中に偶然黒髪のアルファがおり、もとより黒髪なら精霊の加護を取り上げられる心配もなかろうと、神子のヒートに合わせてルガートが送り込まれた。
「ルガート様は……アルファでいらしたのですか」
「……お気づきではありませんでしたか」
ふとした瞬間にルガートからユクガに似たものを感じていたのは、アルファだったからなのだろうか。
「……私は今回、神子様のヒートをお鎮めし、あわよくば番になるように、という命を受けております」
キアラは思わず、上掛けをぎゅっと握りしめた。
ルガートのことは嫌いではないし、恐ろしい人ではないとわかっている。
それでも、体がこわばるのを止められない。
「……何もいたしません」
「……はい」
穏やかに告げられて、キアラは小さく息をついた。自分ではもう落ちついたつもりでいるのに、体が反応してしまう。
「……申し訳、ありません。もっと、しっかりしなくてはいけない、ですね」
意識して口の端を上げて、ルガートに微笑む。ルガートも、命令されて来たのだ。キアラが怯えてばかりいては、きっと困ってしまう。
「……神子様、少し、お話をさせていただけませんか」
「お話し、ですか」
「はい」
こて、と一度首を傾げたものの、キアラはルガートにうなずいてみせた。
小さなランプはついているが、帳の向こうはすっかり暗くなっているようだ。いつのまにか寝入っていて、夜になっていたらしい。ため息をついて起き上がり、服が肌にこすれる感触に身を震わせる。
キアラがカガルトゥラードに来てから、二度目のヒートだった。
マナヴィカに抑制剤というものはもらったのだが、体がどう反応するかわからないから、まずは弱いものから試しましょうと勧められて、一番効果が弱いものを飲んでみた。体が狂おしく支配されるほどの熱は薄れているが、どうしても、普段なら気にならないような刺激に過敏に反応してしまう。番に来てほしくてたまらない気持ちが、いくらかの冷静さを取り戻してしまっているせいで、余計に心に響く気がした。
あの、安心する香りに包まれたい。
「……神子様」
ドアをノックして呼ぶ声に、キアラはゆっくりと視線を向けた。ヒートの間はなるべく部屋に入らないよう、ミオもシアも気をつけてくれている。
「いらしてください、シア」
震えてしまわないよう気をつけて、なんとか声を張り上げる。声が届くか少し心配だったが、滑り込むように扉の隙間から姿を現したシアが、慎重にベッドの傍まで近づいてきてくれた。
「どうか、なさいましたか」
「……神子様に、どうしてもお会いしたいという方がいらっしゃって……お断りしたのですが、命令だから譲れないと……」
シアもかなり困っているらしい、というのはわかって、キアラも小首を傾げた。
キアラがオメガだという話は、おそらくカガルトゥラードでは広く知られてしまっていて、ヒートを迎えたら伏せってしまうというのも、推測できないことではないはずだ。
ヒートの間でも、どうしても会わなければならないほどの命令とは、何だろうか。
「どのような、方ですか」
「……黒髪の、兵士です」
はたり、とキアラは目を瞬いた。
「……目は、何色でしたか」
「目、ですか? 茶色……だったかと、思いますが……」
茶色の瞳をした、黒髪の兵士。
一人、心当たりがいる。
しかし、もし違う人だったら、という心配もあって、キアラは束の間ためらった。
いつか、傍に来てくれると言っていた。危ないことはしないでほしいと思ったけれど、信念を持って伝えてくれたのはわかったから、その気持ちを受け取って、大切なものを託した相手がいる。
「……シア、その方に、お名前を伺ってみてください」
「名前、ですか?」
小さくうなずいて、キアラはそっと声を潜めた。
「ルガート、とおっしゃったら、お通ししてください」
「……ルガート、ですか……」
いぶかしげな様子に苦笑し、シアの手を取って両手で包む。会ったことがないだろうから、シアが心配するのもおかしくない。
「大丈夫です。もしその方がルガート様なら、私を、助けてくださる方です」
ただ、それに返事をする声もあまりにも不満げで、キアラはくすくす笑ってシアの手を撫でた。
「……シア、あなたも、私を助けてくださる方、ですね」
「神子様……」
「心配してくださって、ありがとうございます、シア」
きちんとお礼を告げると、むにゃむにゃと口を動かし、最後には小さくため息をついて頭を下げ、シアは扉のほうに戻っていってしまった。何かまだ気になることがあったのだろうか。
また首を傾げたもののベッドの上に座り直し、キアラは訪問者を待った。シアが行ってしまったので、もはや確かめようもないし、仮に黒髪の兵士がルガートでないなら、次にどうするか考えておかなくてはいけない。
しかしいい案が思いつく前に扉が開き、静かに入ってきた二人を見て、キアラはそっと息を漏らした。シアに連れられてゆっくりベッドの傍まで来ると、少し距離を空けたまま、大柄な男が膝をつく。
「……ご無沙汰しております、神子様」
「……お久しぶりです、ルガート様」
あの日キアラが見上げた茶色の目が、今度はキアラを見上げている。あのときより少し顔つきが険しくなっているような気もするが、ルガートの周りにいる精霊は、あのころと同じように、彼を避けようとはしていない。
「皆様は、お変わりないですか」
他の四人の様子を聞こうと尋ねたものの、ルガートは軽く頭を下げただけで、何も言わなかった。温かな気配の精霊がルガートの傍で揺らめいて、ぽわぽわとシアのほうへ漂っていく。よく見れば、シアの視線も、じっとルガートを見据えたままだ。
こういうとき、何と言うのだろう。
「……ルガート様、そちらのシアは、私を助けてくださる侍従です。シア、ルガート様は、私を戦場からカガルトゥラードの国境まで、守ってきてくださった方です。ですから、二人とも……あの……意地悪をしなくても、よいの、ですよ……?」
今言うべきは意地悪という言葉ではないのはわかっていても、他にぴったりくる言葉も思いつかず、キアラは仕方なくそのまま口にした。ルガートも、シアも、一瞬きょとんとしたもののすぐに表情を緩めてくれたので、まったく伝わらなかったというわけではないだろう。
「申し訳ありません、導の灯火のもののように見受けられましたので……警戒いたしました」
「シアは、導の灯火の人、ですが……えっと……」
「……私ともう一人の侍従は、神子様に改めて忠誠を誓っております」
「なるほど」
キアラが言葉を探しているうちに、ルガートとシアで話が済んでしまった。間に立ったほうがいいと思ったのだが、うまく話せないとそれも難しいようだ。
「私はルガート、元は傭兵だが、今はカガルトゥラード軍の末端に名を連ねている。故あって、神子様を主と定めている」
「……私はシアです。導の灯火の求灯士ですが、神子様の御心に触れ、もう一人の侍従、ミオとともに、神子様に忠誠を捧げております」
ここは、名前を言うところなのだろうか。しかし、名前のあとに何を言えばいいか思いつかない。
「わ、私、は」
「神子様……?」
「神子様、神子様のことは、私もこの方も存じ上げておりますので……」
「そ、そう、ですか」
何か違ったらしい。
首を傾げていたらシアが頭を下げてから近づいてきて、キアラの襟元を直してくれた。そのまま後ろの襟まで直すようにしてキアラの耳元に唇を寄せ、小さな声で教えてくれる。
「私はこのまま下がりますが、何かあればすぐにお呼びください」
そしてキアラが何か答える前に、すっと部屋を出ていってしまった。まだ少し、ルガートに対して、警戒、しているらしい。
構えることはないのに、と思いつつ、ルガートが立ち上がると、キアラもびくりと身を震わせてしまった。どきどきと、胸が実際に脈打って見えるのではないかと思うくらい、激しく動いている。
「……ここでお話しいたしましょう」
気づいたルガートが再び膝をついてくれて、キアラはそっと上掛けを引っ張った。ルガートは、恐ろしくない人だとわかっているはずなのに、服一枚で向かい合うのが心もとない。
「も、申し訳ありません……」
「いえ……ゲラルドの蛮行については、私も聞き及んでおります」
その名前にも反応してしまって、キアラは意識的に息を吸い込んで、吐き出した。ルガートはキアラに何か用事があって来たのだろうから、気持ちを落ちつけて、きちんと話をしなければいけない。
「……私に、会いにいらしたのですよね」
「はい。ご説明申し上げます」
カガルトゥラードにいる神子はオメガである、という話は国内では周知の事実だ。それはつまり、神子がヒートを迎える期間があるということであり、ヒートを鎮めるアルファがいなければならない、ということになる。
しかし筆頭候補であったゲラルドが神子を襲い、精霊の加護を失った。ゲラルドがおらずとも、神子にはアルファが必要だ。
そこで、まずはと宮殿内や軍にいるアルファが探された。集められた候補の中に偶然黒髪のアルファがおり、もとより黒髪なら精霊の加護を取り上げられる心配もなかろうと、神子のヒートに合わせてルガートが送り込まれた。
「ルガート様は……アルファでいらしたのですか」
「……お気づきではありませんでしたか」
ふとした瞬間にルガートからユクガに似たものを感じていたのは、アルファだったからなのだろうか。
「……私は今回、神子様のヒートをお鎮めし、あわよくば番になるように、という命を受けております」
キアラは思わず、上掛けをぎゅっと握りしめた。
ルガートのことは嫌いではないし、恐ろしい人ではないとわかっている。
それでも、体がこわばるのを止められない。
「……何もいたしません」
「……はい」
穏やかに告げられて、キアラは小さく息をついた。自分ではもう落ちついたつもりでいるのに、体が反応してしまう。
「……申し訳、ありません。もっと、しっかりしなくてはいけない、ですね」
意識して口の端を上げて、ルガートに微笑む。ルガートも、命令されて来たのだ。キアラが怯えてばかりいては、きっと困ってしまう。
「……神子様、少し、お話をさせていただけませんか」
「お話し、ですか」
「はい」
こて、と一度首を傾げたものの、キアラはルガートにうなずいてみせた。
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