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16.容易に見えて難攻不落
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前を行くロクトとダルカザが難なく魔物を倒すのを見て、やはり勇者パーティというのは強いらしい、とジーノは再認識させられていた。サビラたちが苦労して倒す、あるいは撃退で済ませていた魔物が、簡単になぎ払われていく。
「ジーノさん、次はどっちですか」
「……左だ」
セスカに聞いた話を思い出しながらなので少し時間はかかるが、道案内は何とかこなせそうだった。ジーノの案内で、ロクト、ダルカザ、イサラ、グリニア、そしてレイの六人が、モンテツェアラのダンジョンの隠し部屋に向かうことになっている。
この六人が先行してダンジョンの攻略を目指し、残りの冒険者たちは隊列を組み直してダンジョン脱出を目的とする。攻略隊にいた冒険者の代表、捜索隊にいた冒険者の代表、それぞれ顔を合わせて話し合った結果、そういうことになったそうだ。ジーノがダンジョンコアの場所を知っている理由などをどうごまかしたのかわからないが、自分で説明する勇気もないのでジーノはレイの説明をただ受け入れることにした。なぜスカベンジャーがこんなところに、という周囲の視線がきつかったのもある。勇者パーティやレイのような強い冒険者と親しくしているように見えたのも、反感を買ったのだろう。
「ここは?」
「まっすぐ」
当初の攻略隊は全員無事だったものの、第七階層にあった偽物のダンジョンコアに惑わされ、帰還が遅くなっていたそうだ。あと少しでコアを壊せそうなのに、壊したかと思うと別のコアが現れたり、コアが分裂して新たな魔物が現れたりと散々だったらしい。一度諦めて引き返そうかという協議がなされていたものの、捜索隊が現れ、物資に余裕ができたのと人数が増えたことで、継続してダンジョン攻略を目指そうという判断になった。
レイはさっさと引き上げたかったようだが、一応協調はしたらしい。積極的に魔物を倒す役を引き受けていたようだが、それにしてもきりがなく、いい加減帰還したい、と思っていた。そこへジーノが現れたので、驚きつつも守らなければいけないという気持ちが先に立って、急いで駆け寄って思わず抱きしめそうになったがぎりぎり肩を掴むだけで耐えた、だそうだ。
「本当に何もされていないな?」
「何もねぇって……金払っただけだ」
レイはサビラたちにあまりいい印象を持っていないので、ジーノが何か不都合を背負わされたのではないかとずっと絡んできて少々面倒くさい。そこに有り金をはたいたなどと言えばますます面倒くさそうなので、ジーノは金を払ったことだけを伝えるにとどめていた。
「しつこい男は嫌われるわよ?」
「うるさい」
「お子様ー」
「イサラ、およしなさい」
そういうグリニアも顔は笑っているのだが、首を突っ込むと自分もやけどしそうなのでジーノは黙っておいた。軽口を叩いてはいるが、ジーノ以外は魔物を見つければ即座に対応できる腕前の冒険者で、ほぼ休みなく戦い続けている。自分も何かできないかと思う気持ちはあるが、ジーノには戦う力はないし、今のところ道案内くらいしか、できることは見つからない。
逸る気持ちを堪え、ジーノはセスカに教えられた道を思い出すことに集中した。ダンジョンの魔物が増えているという話は本当だったし、この先にある隠し部屋にいるのは、おそらくこのダンジョンで最も強い魔物のはずだ。ジーノが出しゃばって、レイたちを邪魔するようなことをしてはいけない。
「……ジーノ」
他に何かできることはあるだろうか、と思考が逸れ始めたところに声をかけられて、ジーノはぱちぱちと瞬きをした。そのままレイに顔を向け、目線で続きを促す。
「あんたは俺が守る」
「おお……?」
唐突な宣言にジーノが首を傾げると、レイにしては珍しく、言葉に迷うようなそぶりを見せた。視線を落としてしばらく考えてから、ゆっくりと、控えめにジーノの腕を掴んでくる。
「俺が守るべきだったのに、セスカは俺のことを庇って死んだ。あんな思いは……二度としたくない」
ジーノはセスカに話を聞いたことがあるだけで、セスカの記憶そのものを知っているわけではない。
ただ、セスカが最後に見たレイが、泣き顔だったことは知っている。
「……大丈夫だよ。俺はセスカほど勇敢じゃない」
ここは魔物の巣窟で、戦う力をほとんど持たないジーノがこんな場所にいるのが不安なのだろう。年相応、というのが正しいかどうかわからないが、若者らしく落ちつかない様子のレイをなだめるために、ジーノは少しだけ柔らかい言葉で返した。
ジーノだって、第一階層くらいなら一人で歩き回れる。ただ、魔物に出くわさないよう慎重に動き、もし出会ってしまった場合には全力で逃げるという有様なので、まともにダンジョンを歩いているとは言えないだろう。魔物と戦った経験など、冒険者に話せば笑われるくらいの回数しかない。ダンジョンコアを守る魔物とくればとても強いだろうから、対峙すれば足がすくんでしまって動けないと思う。
「二回もロクトさんの剣の前に出てらっしゃるので、勇敢でないということはないかと……」
「そうねえ、普段はビビりだけどやるときはやるって感じよね、おっさん」
しかしグリニアとイサラにやんわりと否定され、ジーノは目を丸くして二人の間に視線を行き交わせた。ジーノの腕を掴んでいるレイの手に、わずかに力が増す。
「でも、あんたがついててその上勇者パーティまでいるわけでしょ? おっさんが危険な目に遭う可能性なんて、そうそうないわよ」
横道から飛び出してきた魔物を、イサラが魔法で簡単に倒してみせる。ジーノだったら慌てふためいて逃げ出すところなのだが、怖くもなんともないらしい。あれで怖がっているようだったら、そもそも冒険者など務まらないとは思うが。
「私も、しっかり結界を張ってお守りします」
聖職者であるグリニアは、魔物への攻撃手段こそ少ないが、身体機能を強化する魔法を使ったり、結界と呼ばれる目には見えない壁を作って、魔物の侵攻を防いだりすることができる。また、女神ユーライアに母神としての側面もあるからか、回復魔法を使って人々の病や怪我を治すこともできる。今も会話を続けながら、ロクトとダルカザの前に結界を張って、襲いかかる魔物の攻撃を防ぎ、二人が反撃する隙を作り出しているくらいだ。
前の二人がほとんどの魔物を倒し、傍にいるレイやイサラ、グリニアが他の魔物を全て寄せつけないでいてくれるから、ジーノは少なくとも、ここまでのところで一度も怖い思いをしていない。
「心配すんな、レイ。みんな守ってくれるみてぇだし、お前もいるし。いざとなったらちゃんと隠れとく」
それでも不安げなレイの手を外し、背中を軽く叩いてやる。ちょうどダルカザが後ろを振り返ったので、ぐいと押し出してやった。さすがにずっと前線で戦い続けることはできないから、ロクト、ダルカザ、レイの三人は交代で前に立つことになっている。
「話の途中だったんじゃないか?」
「いや……大丈夫だ」
レイと入れ替わりに下がってきたダルカザに聞かれ、ジーノは首を横に振った。レイはまだ少し揺らいでいる様子だったが、ジーノが拙い言葉を尽くしたり取り繕ったりするよりは、体を動かして余計な考えを追い払ってしまったほうがいい。
背負っていた荷物から水袋を取り出すと、ジーノはダルカザに手渡した。全員分背負えるほどの力はないが、荷物持ちの真似事くらいはジーノにもできる。
「さんきゅ」
途端に前からぴりついた空気が漂ってきて、ジーノは何事かと振り返った。隣でダルカザが苦笑している。
「全部反応してたらキリないだろ」
「うるさい」
「お子様ァ」
「やめなよ、ダルカザ」
今度はロクトが制止に入って、穏やかな空気に上書きされた。彼らにはわかる何かがあるらしい。
ぴりついているのはジーノも苦手だが、どうしてそうなったかわからないのが困る。聞いていいのか聞かないほうがいいのかわからないのも厄介で、誰に聞いても事態を悪化させそうな嫌な予感だけが確かだ。
「レイ? お前も喉渇いてたのか?」
仕方ないので、レイが反応したらしい飲み物を渡してやろうと荷物を探る。ついでにロクトの分も、と水袋を二つ取り出したジーノを見て、イサラが吹き出した。
「進展あるんだかないんだか」
進展? 何のだ?
面食らってイサラを見つめるジーノの横で、グリニアがそっと口元を押さえる。
「容易に見えて難攻不落ですわね」
どこかのダンジョンの話をしていた記憶はない。
首を捻ったジーノのもとにレイが近づいてきて、水袋を二つ取り上げた。やはり喉が渇いていたのだろう。しかし前線をロクト一人にしていいのだろうか。
「……一人になるなよ」
「わかった」
何か心配されているらしいことだけは理解して、ジーノは素直に頷いた。
なぜかレイにはため息をつかれた。
「ジーノさん、次はどっちですか」
「……左だ」
セスカに聞いた話を思い出しながらなので少し時間はかかるが、道案内は何とかこなせそうだった。ジーノの案内で、ロクト、ダルカザ、イサラ、グリニア、そしてレイの六人が、モンテツェアラのダンジョンの隠し部屋に向かうことになっている。
この六人が先行してダンジョンの攻略を目指し、残りの冒険者たちは隊列を組み直してダンジョン脱出を目的とする。攻略隊にいた冒険者の代表、捜索隊にいた冒険者の代表、それぞれ顔を合わせて話し合った結果、そういうことになったそうだ。ジーノがダンジョンコアの場所を知っている理由などをどうごまかしたのかわからないが、自分で説明する勇気もないのでジーノはレイの説明をただ受け入れることにした。なぜスカベンジャーがこんなところに、という周囲の視線がきつかったのもある。勇者パーティやレイのような強い冒険者と親しくしているように見えたのも、反感を買ったのだろう。
「ここは?」
「まっすぐ」
当初の攻略隊は全員無事だったものの、第七階層にあった偽物のダンジョンコアに惑わされ、帰還が遅くなっていたそうだ。あと少しでコアを壊せそうなのに、壊したかと思うと別のコアが現れたり、コアが分裂して新たな魔物が現れたりと散々だったらしい。一度諦めて引き返そうかという協議がなされていたものの、捜索隊が現れ、物資に余裕ができたのと人数が増えたことで、継続してダンジョン攻略を目指そうという判断になった。
レイはさっさと引き上げたかったようだが、一応協調はしたらしい。積極的に魔物を倒す役を引き受けていたようだが、それにしてもきりがなく、いい加減帰還したい、と思っていた。そこへジーノが現れたので、驚きつつも守らなければいけないという気持ちが先に立って、急いで駆け寄って思わず抱きしめそうになったがぎりぎり肩を掴むだけで耐えた、だそうだ。
「本当に何もされていないな?」
「何もねぇって……金払っただけだ」
レイはサビラたちにあまりいい印象を持っていないので、ジーノが何か不都合を背負わされたのではないかとずっと絡んできて少々面倒くさい。そこに有り金をはたいたなどと言えばますます面倒くさそうなので、ジーノは金を払ったことだけを伝えるにとどめていた。
「しつこい男は嫌われるわよ?」
「うるさい」
「お子様ー」
「イサラ、およしなさい」
そういうグリニアも顔は笑っているのだが、首を突っ込むと自分もやけどしそうなのでジーノは黙っておいた。軽口を叩いてはいるが、ジーノ以外は魔物を見つければ即座に対応できる腕前の冒険者で、ほぼ休みなく戦い続けている。自分も何かできないかと思う気持ちはあるが、ジーノには戦う力はないし、今のところ道案内くらいしか、できることは見つからない。
逸る気持ちを堪え、ジーノはセスカに教えられた道を思い出すことに集中した。ダンジョンの魔物が増えているという話は本当だったし、この先にある隠し部屋にいるのは、おそらくこのダンジョンで最も強い魔物のはずだ。ジーノが出しゃばって、レイたちを邪魔するようなことをしてはいけない。
「……ジーノ」
他に何かできることはあるだろうか、と思考が逸れ始めたところに声をかけられて、ジーノはぱちぱちと瞬きをした。そのままレイに顔を向け、目線で続きを促す。
「あんたは俺が守る」
「おお……?」
唐突な宣言にジーノが首を傾げると、レイにしては珍しく、言葉に迷うようなそぶりを見せた。視線を落としてしばらく考えてから、ゆっくりと、控えめにジーノの腕を掴んでくる。
「俺が守るべきだったのに、セスカは俺のことを庇って死んだ。あんな思いは……二度としたくない」
ジーノはセスカに話を聞いたことがあるだけで、セスカの記憶そのものを知っているわけではない。
ただ、セスカが最後に見たレイが、泣き顔だったことは知っている。
「……大丈夫だよ。俺はセスカほど勇敢じゃない」
ここは魔物の巣窟で、戦う力をほとんど持たないジーノがこんな場所にいるのが不安なのだろう。年相応、というのが正しいかどうかわからないが、若者らしく落ちつかない様子のレイをなだめるために、ジーノは少しだけ柔らかい言葉で返した。
ジーノだって、第一階層くらいなら一人で歩き回れる。ただ、魔物に出くわさないよう慎重に動き、もし出会ってしまった場合には全力で逃げるという有様なので、まともにダンジョンを歩いているとは言えないだろう。魔物と戦った経験など、冒険者に話せば笑われるくらいの回数しかない。ダンジョンコアを守る魔物とくればとても強いだろうから、対峙すれば足がすくんでしまって動けないと思う。
「二回もロクトさんの剣の前に出てらっしゃるので、勇敢でないということはないかと……」
「そうねえ、普段はビビりだけどやるときはやるって感じよね、おっさん」
しかしグリニアとイサラにやんわりと否定され、ジーノは目を丸くして二人の間に視線を行き交わせた。ジーノの腕を掴んでいるレイの手に、わずかに力が増す。
「でも、あんたがついててその上勇者パーティまでいるわけでしょ? おっさんが危険な目に遭う可能性なんて、そうそうないわよ」
横道から飛び出してきた魔物を、イサラが魔法で簡単に倒してみせる。ジーノだったら慌てふためいて逃げ出すところなのだが、怖くもなんともないらしい。あれで怖がっているようだったら、そもそも冒険者など務まらないとは思うが。
「私も、しっかり結界を張ってお守りします」
聖職者であるグリニアは、魔物への攻撃手段こそ少ないが、身体機能を強化する魔法を使ったり、結界と呼ばれる目には見えない壁を作って、魔物の侵攻を防いだりすることができる。また、女神ユーライアに母神としての側面もあるからか、回復魔法を使って人々の病や怪我を治すこともできる。今も会話を続けながら、ロクトとダルカザの前に結界を張って、襲いかかる魔物の攻撃を防ぎ、二人が反撃する隙を作り出しているくらいだ。
前の二人がほとんどの魔物を倒し、傍にいるレイやイサラ、グリニアが他の魔物を全て寄せつけないでいてくれるから、ジーノは少なくとも、ここまでのところで一度も怖い思いをしていない。
「心配すんな、レイ。みんな守ってくれるみてぇだし、お前もいるし。いざとなったらちゃんと隠れとく」
それでも不安げなレイの手を外し、背中を軽く叩いてやる。ちょうどダルカザが後ろを振り返ったので、ぐいと押し出してやった。さすがにずっと前線で戦い続けることはできないから、ロクト、ダルカザ、レイの三人は交代で前に立つことになっている。
「話の途中だったんじゃないか?」
「いや……大丈夫だ」
レイと入れ替わりに下がってきたダルカザに聞かれ、ジーノは首を横に振った。レイはまだ少し揺らいでいる様子だったが、ジーノが拙い言葉を尽くしたり取り繕ったりするよりは、体を動かして余計な考えを追い払ってしまったほうがいい。
背負っていた荷物から水袋を取り出すと、ジーノはダルカザに手渡した。全員分背負えるほどの力はないが、荷物持ちの真似事くらいはジーノにもできる。
「さんきゅ」
途端に前からぴりついた空気が漂ってきて、ジーノは何事かと振り返った。隣でダルカザが苦笑している。
「全部反応してたらキリないだろ」
「うるさい」
「お子様ァ」
「やめなよ、ダルカザ」
今度はロクトが制止に入って、穏やかな空気に上書きされた。彼らにはわかる何かがあるらしい。
ぴりついているのはジーノも苦手だが、どうしてそうなったかわからないのが困る。聞いていいのか聞かないほうがいいのかわからないのも厄介で、誰に聞いても事態を悪化させそうな嫌な予感だけが確かだ。
「レイ? お前も喉渇いてたのか?」
仕方ないので、レイが反応したらしい飲み物を渡してやろうと荷物を探る。ついでにロクトの分も、と水袋を二つ取り出したジーノを見て、イサラが吹き出した。
「進展あるんだかないんだか」
進展? 何のだ?
面食らってイサラを見つめるジーノの横で、グリニアがそっと口元を押さえる。
「容易に見えて難攻不落ですわね」
どこかのダンジョンの話をしていた記憶はない。
首を捻ったジーノのもとにレイが近づいてきて、水袋を二つ取り上げた。やはり喉が渇いていたのだろう。しかし前線をロクト一人にしていいのだろうか。
「……一人になるなよ」
「わかった」
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