Rely on

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10-1

 正午に差し掛かり、漸く目を覚ました朔斗は虚脱状態から抜け出せずにいた。

 何時の間にかシーツは取り替えられていて、肌を汚していたローションや体液も綺麗に払拭されている。

 だが、それは表面上だけの話だ。
 体内には、内臓を鈍器で直接殴られるような感覚が、まだ鮮明に残っている。

 気だるく右腕を翳す。醜怪な痣、噛み痕、爪痕と、片腕を見ただけでも昨日の性行為がどれだけ凄惨なものだったか、よく分かる。

 今日は何だか、窓すら遠い。寝返りを打つのも億劫になるほど、全身が重い。
 昇良の異常な行動に幾度も屈服してきたが、これ以上繰り返されては、内側から壊れてしまう。

 ――――だが、昨日は本当に自分にも落ち度があったのかもしれない。不満を募らせた勢いで、無神経な発言をしたのだから。
 痛い目に遭って、そこでやっと後悔する自分に嫌気が差す。

 殺人など、遠い世界の話だった。

 ゆえに、予想出来なかったのだ。少しだけ、気の毒に思う。
 失ってもなお、思い続ける程愛しい人の命を、他人の手によって奪われるというのは、想像を絶する辛さに違いない。
 憎しみと憐れみが複雑に交差する。

 その時、居間からガシャン、と甲高い音が聞こえた。びくりと肩が跳ね、全身に痺れるような痛みが走る。

 無視を決め込もうと布団に潜るも、物音が全くしなくなったことが気になって、顔を出す。

「ほっとけよ……あんな奴……」

 そう言い聞かせるが、そわそわとして気持ちが落ち着かない。
 自分の良心に嫌悪しつつも、朔斗は重い腰を上げた。
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