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正午に差し掛かり、漸く目を覚ました朔斗は虚脱状態から抜け出せずにいた。
何時の間にかシーツは取り替えられていて、肌を汚していたローションや体液も綺麗に払拭されている。
だが、それは表面上だけの話だ。
体内には、内臓を鈍器で直接殴られるような感覚が、まだ鮮明に残っている。
気だるく右腕を翳す。醜怪な痣、噛み痕、爪痕と、片腕を見ただけでも昨日の性行為がどれだけ凄惨なものだったか、よく分かる。
今日は何だか、窓すら遠い。寝返りを打つのも億劫になるほど、全身が重い。
昇良の異常な行動に幾度も屈服してきたが、これ以上繰り返されては、内側から壊れてしまう。
――――だが、昨日は本当に自分にも落ち度があったのかもしれない。不満を募らせた勢いで、無神経な発言をしたのだから。
痛い目に遭って、そこでやっと後悔する自分に嫌気が差す。
殺人など、遠い世界の話だった。
ゆえに、予想出来なかったのだ。少しだけ、気の毒に思う。
失ってもなお、思い続ける程愛しい人の命を、他人の手によって奪われるというのは、想像を絶する辛さに違いない。
憎しみと憐れみが複雑に交差する。
その時、居間からガシャン、と甲高い音が聞こえた。びくりと肩が跳ね、全身に痺れるような痛みが走る。
無視を決め込もうと布団に潜るも、物音が全くしなくなったことが気になって、顔を出す。
「ほっとけよ……あんな奴……」
そう言い聞かせるが、そわそわとして気持ちが落ち着かない。
自分の良心に嫌悪しつつも、朔斗は重い腰を上げた。
何時の間にかシーツは取り替えられていて、肌を汚していたローションや体液も綺麗に払拭されている。
だが、それは表面上だけの話だ。
体内には、内臓を鈍器で直接殴られるような感覚が、まだ鮮明に残っている。
気だるく右腕を翳す。醜怪な痣、噛み痕、爪痕と、片腕を見ただけでも昨日の性行為がどれだけ凄惨なものだったか、よく分かる。
今日は何だか、窓すら遠い。寝返りを打つのも億劫になるほど、全身が重い。
昇良の異常な行動に幾度も屈服してきたが、これ以上繰り返されては、内側から壊れてしまう。
――――だが、昨日は本当に自分にも落ち度があったのかもしれない。不満を募らせた勢いで、無神経な発言をしたのだから。
痛い目に遭って、そこでやっと後悔する自分に嫌気が差す。
殺人など、遠い世界の話だった。
ゆえに、予想出来なかったのだ。少しだけ、気の毒に思う。
失ってもなお、思い続ける程愛しい人の命を、他人の手によって奪われるというのは、想像を絶する辛さに違いない。
憎しみと憐れみが複雑に交差する。
その時、居間からガシャン、と甲高い音が聞こえた。びくりと肩が跳ね、全身に痺れるような痛みが走る。
無視を決め込もうと布団に潜るも、物音が全くしなくなったことが気になって、顔を出す。
「ほっとけよ……あんな奴……」
そう言い聞かせるが、そわそわとして気持ちが落ち着かない。
自分の良心に嫌悪しつつも、朔斗は重い腰を上げた。
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