放尿見聞録

くろねずみ

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雪の降る夜のバスガイド(後編)

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路肩にバスを止めて外に出る運転手さん。

「ちょっとトラブルみたいですね。私も見てきます」
上着を掴んで運転手さんを追いかける私。

雪の上ならおしっこしても良いじゃないですか。上から降る雪に埋まって、雪と一緒に溶けますから、立ちションにはならない筈です。
トイレでおしっこするのと同じなので、コンプライアンス的に問題ないです。

発射準備中の運転手さんの隣で
「私もおしっこ我慢の限界だったんですよ」
とひと言。

言い終わる頃にはおしっこが重力に従って二次関数のグラフを描いているという感じです。
このとき自分のおしっこ我慢が第二段階に突入していたことを確認しました。危険なラインです。
第一段階は膀胱におしっこが収まっている状況。このときは出したいおしっこをしないでいる我慢。おしっこを出すには水圧をかけて押し出す感じです。
これが第二段階に入るとおしっこが膀胱に収まりきらず、出口付近、つまり尿道におしっこが来てしまっているような状況。
このときの我慢は出口を締め上げておしっこが溢れないようにする我慢です。
この状況になったら、我慢を辞めたらおしっこの自由落下が始まります。

このときも自由落下から始まったおしっこ。
でも急いで終わらせたくて二次関数グラフの曲線になりました。
高さTからの初速vでの水平発射だった場合t時間後のおしっこは
X軸方向にはx=vt
Y軸方向にはy=T -1/2gt^2
つまりy=T -1/2g(x/v)^2

だから何?と言われると難しいですが。
角度θの場合も考えようと思った頃に膀胱のおしっこがなくなった感じです。

まだ運転手さんは途中みたいでした。速度の問題だったのか水量の問題か。ともかく生理現象と考えず物理現象と思うことで羞恥心60%オフくらいの感じでトイレを済ませた私は運転手さんを置いてさっさと暖房の効いたバスに戻りました。

「お待たせしました。大丈夫そうです」
ちなみにバスの運転手はバスが運転できるというだけで修理はできません。
バスガイドは自動車がどういう仕組みで動いているかすら知らない方の方が多いと思われます。

勘の鋭いお客さんはおしっこして来たんだろうということは解りそうな気がします。
とはいえ延々バスの中で揶揄われ続けてきた私もおしっこのことで突っ込まれることはありませんでした。
雪の上でおしっこしてきただけなので突っ込み要素ないからか、お客さんに真相が判らなかったからかは不明です。

けどこのときちょっとだけミスったなと思ってたことも2つありました。

1つはわざわざ運転手さんの隣ですることなかったよね。ということです。逆の立場だったら、何故そこでする?と思うところです。
なんかそういう趣味でもあるの?的な。
ただ、近くでしないと置いていかれる可能性がありました。そもそもめっちゃ我慢していた自信があったので、私の方が早く終わるとは思わなかったし。

もう一つはパンツ濡れてしまっているということ。
フライングで出してしまったのか、フライングで仕舞ってしまったのか。
感触の悪さと他人から見るとお漏らししたみたいに見えるのではないか。という点が気になって仕方ありませんでした。


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