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第一章
アーティファクト
しおりを挟む傷口はエリィの回復魔法で完治した
「ありがとうエリィ、おかげで傷も治ったよ」
毒もエリィの献身的な治療で取り除けた
「そんな……助けてくれたのはトーマくんです……フラッディークはわたしを狙ってました、きっとこのケースの中の物に反応したんだと思います……トーマくんとはこれから一緒にグリディア王国まで旅をしますので中身のことについて説明しておいたほうがいいですね……」
エリィがトーマに説明したことは、中に入ってるのはアースから持ち帰った「アーティファクト」であること
それはラビスに持ち帰って始めて効果が出るということ
これがラビスで魔素を吸収して初めて効果が出るから、今のこの「濃い魔素」という環境が「アーティファクトの起動」を早めているのではないかということ
「つまり魔物はそのアーティファクトに吸い寄せられてるってことか……」
トーマは確認をするとエリィはおそらくと首肯する
「じゃあカリヨン群生地に居るとどんどん「アーティファクト」が成長しちゃって魔物が寄って来ちゃうってことだよね……」
エリィはアーティファクトをバッグから取り出してトーマに見せた
「そうなんです、そしてこれをグリディア王国に届けるのがわたしの「務め」です」
その出したアーティファクトは「ソフトボール大」で少し「歪な球形」をした物体だった、それは微かに白く光っている
休憩もほどほどにして先を急ぐ二人
「このツチノコみたいなのスゲェいるな…もう慣れたけど」
バッグはトーマが持つことにした
エリィが持ってると魔物がエリィを狙って来るからとトーマが言って納得してもらったのだ
トーマは身体能力が「何故か」以前よりかなり上がってるのでスタンガンの威力というよりはパワーで倒している感じだ
ただ魔物は死骸から魔石が出るので回収して売ればお金になるからとグロテスクだがしっかり回収している
休憩を挟みながら着実に進んでいる、暗くなる前には森を抜けないと危ないということで食事もバッグに入ってた非常食の干し肉で済ましている
――食べ物まで……ありがたい……オレにサバイバルの知識でもあればこんな時……エリィ、この果実食べてみなよ!、えっ?これって食べれるの?、この果実はねこうやって処理するととても美味しく食べれるんだよ!、すごく美味しい!トーマくんって物知りさんなんですね!、いやいやこれくらい常識だよ!、ふふっじゃあトーマくんと一緒にいれば安心ですね!、オレから離れるなよエリィ……トーマくん……エリィ……――
「トーマくんはどうして「フラッディーク」を「ツチノコ」って呼んでるのですか?」
トーマが妄想に入っているとエリィが不思議そうに尋ねる
「あっああ、もといた世界の伝説上の生き物に似てるんだよねぇ……っていうかまんまツチノコ、実物見たことないけどね」
フラッディークはヘビのような頭にお腹が平たく大きくて、尻尾はあるがトカゲのような手足は無い
――そういえばオレがこっちに来たみたいにツチノコも向こうに「トリップ」してたとしたら……エリィの「アーティファクト」がこっちでしか効果がないように、「ラビス」のモノがあっちに行ったり「アース」のモノがこっちに来たり……なんかいろいろつながってる?……まあいずれ分かるだろう――
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