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第二章
標的
しおりを挟む静まり返る適正者試合会場、中央には誘爆し焼け焦げたハヤトが倒れている
かなり離れた位置にいるはずのシルフィア女王の前には片膝をつくトーマ
一瞬何が起きたのか理解出来ずにいたこの場をビオルクが仕切る
「急いでトーマくんに緊急治癒班!ハヤトくんも運んで!」
「トーマくん!」
エリィがいち早く駆け寄りトーマを兵士達と運び出して治癒を始めようとするが、トーマがそれを手で制して止める
「……エリィ……ちょっと待って……くっ……」
トーマの体から弾丸が六発落ちる、体の筋肉を操作して弾丸を取り出した
「……よし全部出たかな……シルフィアさんを安全なところで警護するように伝えて」
「でもトーマくんを先に……」
「エリィ……そのあとはオレから絶対離れないで……ゴフッ!」
トーマは喋り過ぎて吐血する
「――!ああ……トーマくん……」
「ビオルクさんとウシャスさんにすぐに……伝え……」
トーマの意識が無くなる
「僕が彼を救護室で応急処置しますのでエリィさんは頼まれた事を早急にお願いします」
イルミナが駆けつけてトーマを受け取る
「はっはい!すぐに戻ります!」
騒然とした場内は慌ただしく兵士達が入り乱れ、エリィがビオルクとウシャスにトーマの指示を伝えるとすぐに対応する事で落ち着いた
トーマは救護室でイルミナの処置後にエリィが治癒するがまだ意識は無い
ビオルクは兵士達を集めて身体検査を行う
閉鎖的空間でシルフィアが襲撃されたので兵士内に紛れ込んでいると思われる犯人探しをしているのだ
ハヤトは治癒班により別室で治癒を受け、全身のヤケドは綺麗に治ったが意識は戻らない様子
そこに付き添うのはシオン・アーテル、彼女はすでに身体検査済みで犯人でないと断定された
シオンは治癒班に自分が様子を見るからと二人きりになるように仕向ける
「役に立たない奴……まだかろうじてコッチにいるわね……」
シオンの太ももが機械のように裂けて開くと銃が収納されていた
そこから銃ではなく工具のような物を取り出し、耳の中に差し込む
ハヤトの体が電気ショックを受けたように上下に跳ねて意識を取り戻す
「……ガハッ!……ゴホッ……俺はやられたのか?」
「そうよ……「宗谷斗真」は私が殺したわ、エルフを狙ったんだけどそこをアイツが割って入ったから……まあちょうど良かったわ」
「クソッ!……これからどうする?」
「私達はもうここには居れないわ……いずれ疑われる……真田だけ置いて行くわ」
「次のイベントは?」
「エルフの皆殺しよ!」
そう言ってシオンとハヤトは騎士詰所から姿を消した
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