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10日目
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母が亡くなってから二度目の休日となった。
葬儀も終え(まだ49日が残っているけど)、とりあえず一息入れるべきところなのだが……この頃はまだ、何かをしていないと落ち着かず、と言うか、何かをしなければ! と言う強迫観念じみた衝動に常に突き動かされている最中であった。
やることを探し、見つけ次第片っ端からやっつけていく日々。
休日だったその日も、私は家で過ごすーーと言う選択肢は最初から選ばず、受付をしてくれた人たちと、花を出してくれたお客様用にとお返しを買いに行った(後、このお返し代は母の遺産扱いされず、私の自腹扱いになると知らされた。相続税対策も兼ねてたのに……)。
都心の、滅多に行かないエリアに出て、人の多さに『うぜえ』と思いつつも、人をかき分け目的のデパートへ。
地下のギフト売り場に迎えばそこはーー
人、人、人の更なる人の群れ!!
なんでだ! 別に今、イベントなどないじゃろ! ヒマなんか、己等!? と勝手極まる不満の叫びを心中で上げつつ商品を物色していると……
店先に置かれた商品は、どれもこれも華やかな春めいた装いの商品ばかり。買いに来てる客は皆、コートを羽織った真冬の装いなのにも係わらず、なのに。
季節、先取りすぎじゃろ……。
百貨店とそこに集う人々との季節感のズレに、世間についていけない典型的なオタオッサン的呆れを覚えながら、お返しに見合った品を探すーーのだけど。
やっぱり春、春、春のデザインに溢れた店内からは見つけることが出来ず……。
こんなデザインの品を送ったら、怪訝な顔されるか、ホントはお母さん死んで喜んでんじゃねぇの? と邪推されかねない。
店内を三周、四週と回りまくって、やっとこさお返しを買い揃えると、私のHPはもう0だった。
すっかり疲れ果てながら家路に着くーー前に、母の仏前に線香を上げるため、実家に立ち寄った。
すると、二匹の猫から篤い歓待を受けた。一匹は昔から私にーーと言うか、私だけによくなついてたのだけど、もう一匹の方はそうでもなく、こんなにじゃれついてくるのは稀なのに。
ぴったりくっついて甘えまくり、私の後を二匹揃ってついてくる。
そこで、ふと思ったのだ。この子たちも母の死を感じ取っているんじゃなかろうか? と。
生前、母は亡き祖母のことや伯母のことで北海道に行くことがあり、十日以上帰ってこないことも稀によくあることだった。
その時は、多少は甘えてくることはあっても、ここまでではなかったのに(懐いてる子は除く)、それとそんなに変わらない日数なのにこの甘え方。
これ、ほっといたら寂しくてどうにかなっちゃうんじゃなかろうか? と、不安を覚えさせられた。
しばらくは、実家に顔を出そう。
その日から毎日、私は仕事帰りに実家に立ちより、猫たちの相手をするという義務を自らに増やすのだった。
葬儀も終え(まだ49日が残っているけど)、とりあえず一息入れるべきところなのだが……この頃はまだ、何かをしていないと落ち着かず、と言うか、何かをしなければ! と言う強迫観念じみた衝動に常に突き動かされている最中であった。
やることを探し、見つけ次第片っ端からやっつけていく日々。
休日だったその日も、私は家で過ごすーーと言う選択肢は最初から選ばず、受付をしてくれた人たちと、花を出してくれたお客様用にとお返しを買いに行った(後、このお返し代は母の遺産扱いされず、私の自腹扱いになると知らされた。相続税対策も兼ねてたのに……)。
都心の、滅多に行かないエリアに出て、人の多さに『うぜえ』と思いつつも、人をかき分け目的のデパートへ。
地下のギフト売り場に迎えばそこはーー
人、人、人の更なる人の群れ!!
なんでだ! 別に今、イベントなどないじゃろ! ヒマなんか、己等!? と勝手極まる不満の叫びを心中で上げつつ商品を物色していると……
店先に置かれた商品は、どれもこれも華やかな春めいた装いの商品ばかり。買いに来てる客は皆、コートを羽織った真冬の装いなのにも係わらず、なのに。
季節、先取りすぎじゃろ……。
百貨店とそこに集う人々との季節感のズレに、世間についていけない典型的なオタオッサン的呆れを覚えながら、お返しに見合った品を探すーーのだけど。
やっぱり春、春、春のデザインに溢れた店内からは見つけることが出来ず……。
こんなデザインの品を送ったら、怪訝な顔されるか、ホントはお母さん死んで喜んでんじゃねぇの? と邪推されかねない。
店内を三周、四週と回りまくって、やっとこさお返しを買い揃えると、私のHPはもう0だった。
すっかり疲れ果てながら家路に着くーー前に、母の仏前に線香を上げるため、実家に立ち寄った。
すると、二匹の猫から篤い歓待を受けた。一匹は昔から私にーーと言うか、私だけによくなついてたのだけど、もう一匹の方はそうでもなく、こんなにじゃれついてくるのは稀なのに。
ぴったりくっついて甘えまくり、私の後を二匹揃ってついてくる。
そこで、ふと思ったのだ。この子たちも母の死を感じ取っているんじゃなかろうか? と。
生前、母は亡き祖母のことや伯母のことで北海道に行くことがあり、十日以上帰ってこないことも稀によくあることだった。
その時は、多少は甘えてくることはあっても、ここまでではなかったのに(懐いてる子は除く)、それとそんなに変わらない日数なのにこの甘え方。
これ、ほっといたら寂しくてどうにかなっちゃうんじゃなかろうか? と、不安を覚えさせられた。
しばらくは、実家に顔を出そう。
その日から毎日、私は仕事帰りに実家に立ちより、猫たちの相手をするという義務を自らに増やすのだった。
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