151 / 224
続々.雪豹くんと新しい家族
3-38.お医者さん
しおりを挟む
話をしながら辿り着いた医務室。
幸いなことに、一人も患者がいなかったようで、スノウたちはドリーに喜んで迎え入れられた。
「お呼びでしたら、私の方から伺いましたのに」
「俺はそうするつもりだったんだがな」
「ここ、結構居心地がいいことを知っちゃったから」
ふふ、と笑いながら答える。これは嘘ではない。
視界をスライムたちがぷよぷよと飛び跳ねている光景は、なかなか面白くて好きだ。
ルイスが「私ではご不満ですか~っ」と泣き真似をしている。他のスライム族に目を奪われているスノウに、自尊心が傷ついているらしい。
もちろんスノウはルイスのことが大好きだし、不満はない。でも、それはそれとして、ごく普通のスライムも可愛がりたいのだ。
「そんなにスライムが好きなんて、番様は変わっていらっしゃいますね……」
「ぬいぐるみ感覚なのではないか」
近づいてきたスライムを膝に抱き上げ、もちもちぷるるんとした不思議な触感を楽しむ。
さすがのアークも、スライムに嫉妬することはないようだ。お世話係にルイスを選出しているところからも、スライム族は同じ魔族というよりペット枠に近いように感じられる。
「スライムって、可愛がるものじゃないの?」
「番様は、雨上がりの後の水たまりを可愛いと思いますか?」
「……なんか、それは、ひどい」
ドリーの言葉は失礼に思えるけれど、アークばかりかルイスからも文句はでなかった。つまり、そのくらいの感覚が一般的だということ。
スライムって思っていた以上に可哀相な種族なのかな、とスノウが真剣な顔になってしまったのは仕方ない。
平和にぽよんぽよんと跳ねているスライムたちは、そんな哀れみなんて一切欲しがっていないのだろうけれど。
「ルイスって、だいぶ特殊?」
「そうだな。俺が手をかけたから」
「そうです。陛下さまさまです。頭が上がりません」
ルイスが胸を張って答える。凄いのはアークのはずなのに、なんだかルイスの功績みたいだ。
アークが少し呆れた顔でルイスを眺める。
「思い切り正面から俺を見ているぞ」
「陛下は大変お優しい方なので」
「思ってもいないことを言う。書物で余計なことを学びすぎているんじゃないか。どうせなら殊勝な態度というものを学べ」
「その言葉は、まだ私の脳内の辞書には存在していないようです」
シレッとした顔でのたまうルイスを、アークだけでなくドリーまで白い目で見ていた。
「……年々、厚かましくなる」
「それも成長なのでしょうか。一度研究させていただいても?」
「構わん」
「構いますー! スノウ様のお世話係が、私以外に務まりますか!?」
拳を握って主張するルイスに、アークがあっさりと「たくさんいるだろうな」と答えた。
たまらず、ルイスはわんわんと泣く。涙が出ていないのは御愛嬌。ルイスの嘘泣きは、まだ練習途中なのだ。
「僕はルイスがいいよ。大丈夫だよ。僕が傍にいてほしいんだって、アークにお願いするからね」
「私の味方はスノウ様だけです~!」
スノウに抱きつき、ルイスが満面の笑みを浮かべる。楽しそうでなにより。
「……スノウはルイスに甘い」
「だって、僕の一番最初のお友達で、お兄ちゃんだもん」
「はぅっ……私は、スノウ様の、お兄ちゃん……!」
恍惚とした表情でルイスが胸を押さえる。いちいち大げさな態度だけれど、面白いから止める気はない。
楽しんでいるスノウとは違い、アークとドリーは冷たい表情だったけれど、ルイスは一切気にしていないようだ。
「ごほんっ……それで、本日のご用件は卵についてですか?」
ドリーがおふざけを打ち切り、真剣な表情で口火を切る。既にスノウの状態は把握できている様子だ。さすが本職の医師である。
「うん。状態が大丈夫かな、って聞きたいのと……後、その、……夜はどうしたらいいのか、教えてもらえたらなぁって」
「夜。……なるほど、それで」
うんうん、と頷くと、ドリーはアークに生温かい目を向けた。
アークは少し気まずそうに視線を逸らしている。
「そうですねぇ。卵の状態は、ようやく柔らかい殻ができたくらいなので、今は衝撃を与えないよう気をつけていただければ」
「衝撃……。どのくらいの強さが駄目なの?」
思いがけない忠告に、スノウは真剣な眼差しでドリーを見つめる。
子どもたちを守るのは親としてのスノウの役目だ。その思いはおそらく、アークよりも強い。
「どのくらい……転んだり、机にぶつかったり、そういうのは避けてください」
「気をつける」
大きく頷く。
転んだら駄目なのか。それなら、歩く時はもっと気をつけないと。そうなると、アークに抱えてもらったのはそういう意味でもありがたいことだったのかもしれない。
「……万が一にも怪我をしないよう、守護の腕輪が働くはずだ。あまり気負わなくていい」
髪を梳かすように頭を撫でられる。その優しい仕草が、アークの慈しみの表れだった。自分の子どもへの実感が薄くとも、スノウへの想いはあふれんばかりにある。
「そっか。そういうのでも、これの効果があるんだ。嬉しいよ、ありがとう」
子どもの頃にもらった、大切な腕輪を手で撫でる。
あまり効果を確認したことはないけれど、いつだってスノウを守ってくれるものだ。
「あ、そういうことなら心配なさそうですね」
「そうみたい。後、気をつけることは?」
「栄養とかは料理人が気にかけているはずですし、その他もルイスが手配しているでしょう」
ちらりと視線を向けられたルイスが重々しく頷き返す。
「万事抜かりなく」
「意外に頼りになるから驚きます」
「意外ってひどいです。私はスライム族のエリートですよ!」
「それは否定しません」
ルイスの抗議を軽く聞き流したドリーが、「あ――」と呟く。そして、アークをちらりと眺め、肩をすくめた。
「衝撃には性交も含まれるので。殻が固くなる第二週が過ぎるまで夜はお預けです」
「え、そうなんだ」
目を丸くするスノウの横で、アークが「やはり、そうか……」と苦々しげに呟きながら肩を落とした。
幸いなことに、一人も患者がいなかったようで、スノウたちはドリーに喜んで迎え入れられた。
「お呼びでしたら、私の方から伺いましたのに」
「俺はそうするつもりだったんだがな」
「ここ、結構居心地がいいことを知っちゃったから」
ふふ、と笑いながら答える。これは嘘ではない。
視界をスライムたちがぷよぷよと飛び跳ねている光景は、なかなか面白くて好きだ。
ルイスが「私ではご不満ですか~っ」と泣き真似をしている。他のスライム族に目を奪われているスノウに、自尊心が傷ついているらしい。
もちろんスノウはルイスのことが大好きだし、不満はない。でも、それはそれとして、ごく普通のスライムも可愛がりたいのだ。
「そんなにスライムが好きなんて、番様は変わっていらっしゃいますね……」
「ぬいぐるみ感覚なのではないか」
近づいてきたスライムを膝に抱き上げ、もちもちぷるるんとした不思議な触感を楽しむ。
さすがのアークも、スライムに嫉妬することはないようだ。お世話係にルイスを選出しているところからも、スライム族は同じ魔族というよりペット枠に近いように感じられる。
「スライムって、可愛がるものじゃないの?」
「番様は、雨上がりの後の水たまりを可愛いと思いますか?」
「……なんか、それは、ひどい」
ドリーの言葉は失礼に思えるけれど、アークばかりかルイスからも文句はでなかった。つまり、そのくらいの感覚が一般的だということ。
スライムって思っていた以上に可哀相な種族なのかな、とスノウが真剣な顔になってしまったのは仕方ない。
平和にぽよんぽよんと跳ねているスライムたちは、そんな哀れみなんて一切欲しがっていないのだろうけれど。
「ルイスって、だいぶ特殊?」
「そうだな。俺が手をかけたから」
「そうです。陛下さまさまです。頭が上がりません」
ルイスが胸を張って答える。凄いのはアークのはずなのに、なんだかルイスの功績みたいだ。
アークが少し呆れた顔でルイスを眺める。
「思い切り正面から俺を見ているぞ」
「陛下は大変お優しい方なので」
「思ってもいないことを言う。書物で余計なことを学びすぎているんじゃないか。どうせなら殊勝な態度というものを学べ」
「その言葉は、まだ私の脳内の辞書には存在していないようです」
シレッとした顔でのたまうルイスを、アークだけでなくドリーまで白い目で見ていた。
「……年々、厚かましくなる」
「それも成長なのでしょうか。一度研究させていただいても?」
「構わん」
「構いますー! スノウ様のお世話係が、私以外に務まりますか!?」
拳を握って主張するルイスに、アークがあっさりと「たくさんいるだろうな」と答えた。
たまらず、ルイスはわんわんと泣く。涙が出ていないのは御愛嬌。ルイスの嘘泣きは、まだ練習途中なのだ。
「僕はルイスがいいよ。大丈夫だよ。僕が傍にいてほしいんだって、アークにお願いするからね」
「私の味方はスノウ様だけです~!」
スノウに抱きつき、ルイスが満面の笑みを浮かべる。楽しそうでなにより。
「……スノウはルイスに甘い」
「だって、僕の一番最初のお友達で、お兄ちゃんだもん」
「はぅっ……私は、スノウ様の、お兄ちゃん……!」
恍惚とした表情でルイスが胸を押さえる。いちいち大げさな態度だけれど、面白いから止める気はない。
楽しんでいるスノウとは違い、アークとドリーは冷たい表情だったけれど、ルイスは一切気にしていないようだ。
「ごほんっ……それで、本日のご用件は卵についてですか?」
ドリーがおふざけを打ち切り、真剣な表情で口火を切る。既にスノウの状態は把握できている様子だ。さすが本職の医師である。
「うん。状態が大丈夫かな、って聞きたいのと……後、その、……夜はどうしたらいいのか、教えてもらえたらなぁって」
「夜。……なるほど、それで」
うんうん、と頷くと、ドリーはアークに生温かい目を向けた。
アークは少し気まずそうに視線を逸らしている。
「そうですねぇ。卵の状態は、ようやく柔らかい殻ができたくらいなので、今は衝撃を与えないよう気をつけていただければ」
「衝撃……。どのくらいの強さが駄目なの?」
思いがけない忠告に、スノウは真剣な眼差しでドリーを見つめる。
子どもたちを守るのは親としてのスノウの役目だ。その思いはおそらく、アークよりも強い。
「どのくらい……転んだり、机にぶつかったり、そういうのは避けてください」
「気をつける」
大きく頷く。
転んだら駄目なのか。それなら、歩く時はもっと気をつけないと。そうなると、アークに抱えてもらったのはそういう意味でもありがたいことだったのかもしれない。
「……万が一にも怪我をしないよう、守護の腕輪が働くはずだ。あまり気負わなくていい」
髪を梳かすように頭を撫でられる。その優しい仕草が、アークの慈しみの表れだった。自分の子どもへの実感が薄くとも、スノウへの想いはあふれんばかりにある。
「そっか。そういうのでも、これの効果があるんだ。嬉しいよ、ありがとう」
子どもの頃にもらった、大切な腕輪を手で撫でる。
あまり効果を確認したことはないけれど、いつだってスノウを守ってくれるものだ。
「あ、そういうことなら心配なさそうですね」
「そうみたい。後、気をつけることは?」
「栄養とかは料理人が気にかけているはずですし、その他もルイスが手配しているでしょう」
ちらりと視線を向けられたルイスが重々しく頷き返す。
「万事抜かりなく」
「意外に頼りになるから驚きます」
「意外ってひどいです。私はスライム族のエリートですよ!」
「それは否定しません」
ルイスの抗議を軽く聞き流したドリーが、「あ――」と呟く。そして、アークをちらりと眺め、肩をすくめた。
「衝撃には性交も含まれるので。殻が固くなる第二週が過ぎるまで夜はお預けです」
「え、そうなんだ」
目を丸くするスノウの横で、アークが「やはり、そうか……」と苦々しげに呟きながら肩を落とした。
123
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。