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5,少しだけ賢くなりつつある子犬たち
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「第一ポイントで帰還を選らんだチームはループ砲の餌食で全滅か、相変わらず根暗なシミュレーションだな」
ミリエがそれでも楽しそうに笑いながら呟いた。
その場に居合わせた教師達は全員が放心したように動かない。
「まぁ、確かにボートのレコーダーを破壊しに来るのは当然だな。私でもそうする」
モニターの中では、既に帰還した船から亡骸を含めた要救助者が運び出されているところであった。ミリエには馴染みであるが、通常のシミュレータではここまで再現はしない。
救難ターゲットのキャラクターにはそれぞれ、擬似的な個性が与えられており、その結果により様々な表情を示す。場合によっては、遺体に縋り付き泣き叫ぶ者や、怒声を上げる者、放心する者と多種多様である。そしてそのリアクションは、現実と何ら変わりが無いことをミリエは知っていた。
今、運び出された要救助者は、エスター達の乗るボートに向けて全員が敬礼をしていた。
ミリエはモニターの前でじっと腕を組み佇むアジスの肩を叩いた。
「姫様はお前の二の轍は踏まなかったな、少々のリスクを取りつつも、最短の帰還ルートか」
アジスはゆっくりと振り向いた。かつてアジスはそのリスクを読み間違い、帰還に時間が掛かったため、要救助者数名が亡くなってしまったのだ。それがアジスの失敗であった。
「予想通りだ、あの方ならそうするだろう。一番の驚きは友弥だ。鞠音も学生時代には出来なかった事をやってのけた」
「私達は引退して正解ってことか」
「何度も言うように、私は教師になるのが夢だった。引退というほど救難会社に思い入れはない・・・ただ戸惑っている・・・・」
「何を?」
「私は鞠音に嫌々引っ張り回された。あの時の経験は確かに役に立っている。しかし、私にとっては役に立っているというだけの物であった筈だ」
にやにやと笑うミリエからアジスは視線を外した。
「鞠音は、お前こそ、救難とはなんたる物か知っている奴だと言っていたぞ」
「過剰な評価としか思えない。思えないが・・・・・・」
「悔しいか?」
ミリエの言葉にその場にいた教師達が一斉にミリエを振り向いた。
「お前でさえ、姫様達のチームは、良くてターゲットを抱えたまま次元断層の餌食になるとか思っていたんだろ?それでも私達なら、こんなシミュレータ、訓練にもならない。ターゲット宙域の攻撃艦など、無力化する方法などいくらでもあるし、実際にこの学校でその方法を教えているはずだ。ただ、情報戦を行う教科は三年にならないと無かったような気がしますね、マーキス先生どうですか?」
ミリエの言葉にマーキスが頷いた。
「それはまだ変わっていません・・・・」
「笑えるのは、あのスーパーショートワープの最中、痛みに耐えかねたマリネルがその情報戦を仕掛けようとしたということですね、しかも、彼が組み立てた情報戦はかなり強力だ、しかし、彼は自ら封印した。タイミングがアンカーを打ち出すタイミングと被ったのと、友弥の行動を妨害する可能性があるからだな」
「ミリエ先輩の言うことは半分当たっている。私は悔しい、私ならもっと上手くやる、私ならもっとスマートに解決できる、私なら、私なら・・・・・・・私は自分でも知らない内に救難にのめり込んでいた事は事実と認めましょう」
アジスは言葉を切り、その場の教師達を見渡した。
「でも教師としての私は、彼らに私の持っている知識全てをつぎ込みたいと思っている。彼らならば私の理想とする救難隊員になれるのでは無いかと思っている。そして、何よりも、一体彼らはどこまで伸びていくんだろう、どのような事をしでかすのだろう、それが見てみたい」
アジスの言葉にその場の教師達が頷いた。
「だけど、お前も友弥も放校処分だ、この理事会の決定は覆らない」
ほとんどの教員の見解では、友弥もアジスも正当な事を行っていたと判断し、ディッケの行動は職務を越えた行動であると報告をしたが、理事会の決定はこの意見を無視した形になっていた。
ミリエは意地の悪い笑みを止めようとはしない。
「で?姫様達は何を企んでいるんだ?そろそろ言っても、良いんじゃないか?ここにいる先生方は、姫様が信用に足りると判断した先生達なんだろ?」
その場の教師達は面食らったように、アジスに視線を向けた。しかしその台詞にアジスは表情を変えずに答えた。
「それには、まず先輩がここに何をしに来たかを先生方に報告する事から始まる話しですが、よろしいのですか?」
それと、とアジスは続ける。
「先輩の左隣にいるその方が、なぜここにいるのかも話した方が良いかと思いますが?」
ミリエの左隣にはこの場に一番相応しくないと思われる人物、ディッケが複雑な表情で立っていた。
アジスの言葉にミリエは参ったという風に手を挙げた。
シミュレータから出た俺達は静寂を持って迎えられた。
他のチームの者達はそれぞれのシミュレータ筐体に座り込み、こちらを無言で見ている。
俺はスクリーンを見上げた。
『俺達しか帰還出来なかったみたいだな』
『その様だな』
俺達は未だに表層心理通信で話をしていた。但し筐体から出たので通常サンプリングである。
エスターがヘルメットを脱いだ。俺もヘルメットを取り、ジャンプスーツのバックルをゆるめた。
『う・・・・』
マリネルの声に顔を上げると、ペイゼルのチームを除いた、キャットウオークやステージ上、そして筐体に座り込んでいたチームの者達が、その場に一斉に跪いた。
静かにしかしはっきりとした声で、跪いた生徒達が言葉を発した。
デクル姫様に栄光あれ
デクル姫様に栄光あれ
デクル姫様に栄光あれ
何度も何度も繰り返されるその声は、実習室を埋め尽くしていく。
『人気あるのか?お前』
『恐れ戦かれてはいた』
『え、エスターは恐れられてるけど、人気はある・・・よ、格好いいし』
腰が引けたマリネルが俺のジャケットの裾を掴んできた。
周りの声を気にもしていないエスターとブラッゲの後に俺達も続く。
ペイゼルの筐体前で、ペイゼルが上段後部に座りこちらを真っ直ぐな瞳で見ていた。
最初はそれがペイゼルだとは思わなかった。
どこか俺の知っているペイゼルとは雰囲気が異なっていたが、ログミールがこちらに親指を立ててきたので親指を立て返す。
ペイゼルがゆっくりと手を上げ、手を打ち鳴らした。
そのペイゼルの行為に習い、ノーラステイン出身と思われる先輩達が拍手を始める。
俺達は、王女を称える声と拍手の中、更衣室に向かい歩を進めた。
俺達が実習室のドアをくぐり、更衣室に戻ると、ドア越しに聞こえる実習室の声は大きな歓声に変わった。拍手と歓声にエスターが振り向いた。
エスターは俺達を見回した。
「今の私達は最高だ」
エスターの肉声を久しぶりに聞いた気がした。
穏やかに微笑んだエスターはとても綺麗だった。
「ああ、全くだ、すげー気分がいい」
心底気持ち良さそうにブラッゲが伸びをした。
「うん、うん、今の僕達、最高だよ」
マリネルが目を輝かせて頷いた。
三人の視線が俺に集中した。
俺も今の心境を思わず口にした。
「よっしゃ、次は本日のメインイベントだ。タイガーI型、取りに行くぞ」
俺は拳を握りしめる。
「・・・・・・・・・・・ったく、お前という奴は・・・・・」
エスターが額に手を当てて、首を振った。
ブラッゲが呆れた顔をした。
マリネルも呆れた顔をしていた。
「「「空気読め!この天然」」」
ついでに合唱された。
ミリエがそれでも楽しそうに笑いながら呟いた。
その場に居合わせた教師達は全員が放心したように動かない。
「まぁ、確かにボートのレコーダーを破壊しに来るのは当然だな。私でもそうする」
モニターの中では、既に帰還した船から亡骸を含めた要救助者が運び出されているところであった。ミリエには馴染みであるが、通常のシミュレータではここまで再現はしない。
救難ターゲットのキャラクターにはそれぞれ、擬似的な個性が与えられており、その結果により様々な表情を示す。場合によっては、遺体に縋り付き泣き叫ぶ者や、怒声を上げる者、放心する者と多種多様である。そしてそのリアクションは、現実と何ら変わりが無いことをミリエは知っていた。
今、運び出された要救助者は、エスター達の乗るボートに向けて全員が敬礼をしていた。
ミリエはモニターの前でじっと腕を組み佇むアジスの肩を叩いた。
「姫様はお前の二の轍は踏まなかったな、少々のリスクを取りつつも、最短の帰還ルートか」
アジスはゆっくりと振り向いた。かつてアジスはそのリスクを読み間違い、帰還に時間が掛かったため、要救助者数名が亡くなってしまったのだ。それがアジスの失敗であった。
「予想通りだ、あの方ならそうするだろう。一番の驚きは友弥だ。鞠音も学生時代には出来なかった事をやってのけた」
「私達は引退して正解ってことか」
「何度も言うように、私は教師になるのが夢だった。引退というほど救難会社に思い入れはない・・・ただ戸惑っている・・・・」
「何を?」
「私は鞠音に嫌々引っ張り回された。あの時の経験は確かに役に立っている。しかし、私にとっては役に立っているというだけの物であった筈だ」
にやにやと笑うミリエからアジスは視線を外した。
「鞠音は、お前こそ、救難とはなんたる物か知っている奴だと言っていたぞ」
「過剰な評価としか思えない。思えないが・・・・・・」
「悔しいか?」
ミリエの言葉にその場にいた教師達が一斉にミリエを振り向いた。
「お前でさえ、姫様達のチームは、良くてターゲットを抱えたまま次元断層の餌食になるとか思っていたんだろ?それでも私達なら、こんなシミュレータ、訓練にもならない。ターゲット宙域の攻撃艦など、無力化する方法などいくらでもあるし、実際にこの学校でその方法を教えているはずだ。ただ、情報戦を行う教科は三年にならないと無かったような気がしますね、マーキス先生どうですか?」
ミリエの言葉にマーキスが頷いた。
「それはまだ変わっていません・・・・」
「笑えるのは、あのスーパーショートワープの最中、痛みに耐えかねたマリネルがその情報戦を仕掛けようとしたということですね、しかも、彼が組み立てた情報戦はかなり強力だ、しかし、彼は自ら封印した。タイミングがアンカーを打ち出すタイミングと被ったのと、友弥の行動を妨害する可能性があるからだな」
「ミリエ先輩の言うことは半分当たっている。私は悔しい、私ならもっと上手くやる、私ならもっとスマートに解決できる、私なら、私なら・・・・・・・私は自分でも知らない内に救難にのめり込んでいた事は事実と認めましょう」
アジスは言葉を切り、その場の教師達を見渡した。
「でも教師としての私は、彼らに私の持っている知識全てをつぎ込みたいと思っている。彼らならば私の理想とする救難隊員になれるのでは無いかと思っている。そして、何よりも、一体彼らはどこまで伸びていくんだろう、どのような事をしでかすのだろう、それが見てみたい」
アジスの言葉にその場の教師達が頷いた。
「だけど、お前も友弥も放校処分だ、この理事会の決定は覆らない」
ほとんどの教員の見解では、友弥もアジスも正当な事を行っていたと判断し、ディッケの行動は職務を越えた行動であると報告をしたが、理事会の決定はこの意見を無視した形になっていた。
ミリエは意地の悪い笑みを止めようとはしない。
「で?姫様達は何を企んでいるんだ?そろそろ言っても、良いんじゃないか?ここにいる先生方は、姫様が信用に足りると判断した先生達なんだろ?」
その場の教師達は面食らったように、アジスに視線を向けた。しかしその台詞にアジスは表情を変えずに答えた。
「それには、まず先輩がここに何をしに来たかを先生方に報告する事から始まる話しですが、よろしいのですか?」
それと、とアジスは続ける。
「先輩の左隣にいるその方が、なぜここにいるのかも話した方が良いかと思いますが?」
ミリエの左隣にはこの場に一番相応しくないと思われる人物、ディッケが複雑な表情で立っていた。
アジスの言葉にミリエは参ったという風に手を挙げた。
シミュレータから出た俺達は静寂を持って迎えられた。
他のチームの者達はそれぞれのシミュレータ筐体に座り込み、こちらを無言で見ている。
俺はスクリーンを見上げた。
『俺達しか帰還出来なかったみたいだな』
『その様だな』
俺達は未だに表層心理通信で話をしていた。但し筐体から出たので通常サンプリングである。
エスターがヘルメットを脱いだ。俺もヘルメットを取り、ジャンプスーツのバックルをゆるめた。
『う・・・・』
マリネルの声に顔を上げると、ペイゼルのチームを除いた、キャットウオークやステージ上、そして筐体に座り込んでいたチームの者達が、その場に一斉に跪いた。
静かにしかしはっきりとした声で、跪いた生徒達が言葉を発した。
デクル姫様に栄光あれ
デクル姫様に栄光あれ
デクル姫様に栄光あれ
何度も何度も繰り返されるその声は、実習室を埋め尽くしていく。
『人気あるのか?お前』
『恐れ戦かれてはいた』
『え、エスターは恐れられてるけど、人気はある・・・よ、格好いいし』
腰が引けたマリネルが俺のジャケットの裾を掴んできた。
周りの声を気にもしていないエスターとブラッゲの後に俺達も続く。
ペイゼルの筐体前で、ペイゼルが上段後部に座りこちらを真っ直ぐな瞳で見ていた。
最初はそれがペイゼルだとは思わなかった。
どこか俺の知っているペイゼルとは雰囲気が異なっていたが、ログミールがこちらに親指を立ててきたので親指を立て返す。
ペイゼルがゆっくりと手を上げ、手を打ち鳴らした。
そのペイゼルの行為に習い、ノーラステイン出身と思われる先輩達が拍手を始める。
俺達は、王女を称える声と拍手の中、更衣室に向かい歩を進めた。
俺達が実習室のドアをくぐり、更衣室に戻ると、ドア越しに聞こえる実習室の声は大きな歓声に変わった。拍手と歓声にエスターが振り向いた。
エスターは俺達を見回した。
「今の私達は最高だ」
エスターの肉声を久しぶりに聞いた気がした。
穏やかに微笑んだエスターはとても綺麗だった。
「ああ、全くだ、すげー気分がいい」
心底気持ち良さそうにブラッゲが伸びをした。
「うん、うん、今の僕達、最高だよ」
マリネルが目を輝かせて頷いた。
三人の視線が俺に集中した。
俺も今の心境を思わず口にした。
「よっしゃ、次は本日のメインイベントだ。タイガーI型、取りに行くぞ」
俺は拳を握りしめる。
「・・・・・・・・・・・ったく、お前という奴は・・・・・」
エスターが額に手を当てて、首を振った。
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