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一章 龍王は王配と出会う
3.赤い花弁と蔓
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龍王自ら視察に出かけるのは、国民の支持を得るためでもあったし、国土を富ませるためでもあった。
水を司る龍王の一族が出向けば、その地域の治水が整う。それが龍王の加護だった。
代々龍王は水の加護を国民に授け、国民は龍王を恐れ敬うことによってこの国は成り立っていた。
志龍王国の属国になりたいと申し出る国や、志龍王国の水の加護が欲しいと領土を差し出してくる国もある。志龍王国は年々国土を増やしており、その弊害として国土の全てを守り切れなくなっていたのだ。
初めてヨシュアが出陣したときには、龍王は少なからず驚いていた。
龍王自身が近衛兵を引き連れて出陣することもあるのだが、そのときは何千、何万という兵士に守られての形となる。
ヨシュアはたった二十人の魔術騎士たちを連れて身軽に移転の魔法で東の国境の争いを治めてきた。
戦闘に出るということは命を懸けるということである。どれだけヨシュアが強かろうと、先頭に出れば傷を負うこともあるし、最悪命を落とすこともある。
王配はヨシュアしかいないのだから止めるべきなのかもしれないが、元々ラバン王国から魔術師の伴侶を得るということ自体が、この国の防衛を固めることと周囲は了承していたので、ヨシュアの出陣を龍王が止めることはできなかった。
最初に変な会話をしてしまったせいか、「気を付けるように」とも声をかけぬまま、ヨシュアは出陣していった。
政略結婚で愛がないことは分かっている。
それでも、自分の最初の態度は宰相に諫められる程度には酷かったし、改めようと思うのだが、龍王はなかなかその機会が得られずにいた。
同じ馬車で視察に出かけても、隣りに座る男の長い金色の睫毛が落とす影が美しいとか、鮮やかな青い目が吸い込まれるようだとか、意識してしまってうまく声を掛けることができない。
それなのに、相手は気軽に龍王の衣装が重くないのかとか聞いてくる。
全く意識されていない。
愛情はないのだが、ここまで意識されていないとなんとなく面白くない。
龍王は黒髪に黒い目で顔立ちもそこそこ整っているはずだが、隣りに座る男は服装が華美でない分、その豪奢な金髪や鮮やかな青い目に目が行ってしまう。
見ないように気を付けながら視察の道を進み、領地に入ると、龍王は違和感を覚えた。
国民が龍王に対する信仰心を持っているのと、龍王の加護は比例する。
信仰心のない国民の土地には龍王の加護はどうしても行き届かなくなる。
視察する領地の土地は清らかな水に満たされていないような気がするのだ。この季節ならば水田が太陽の光を反射して輝き、苗は生き生きと育っているはずなのに、どこか荒廃した雰囲気がある。
これは龍王の加護がこの領地に行き渡っていないことを示していた。
自ら視察に出かけるように言われたわけも分かる気がする。
これは龍王の威光を示さねばならない場所だ。
田畑で仕事をする者たちも、豪華な龍王の馬車と護衛たちが通り過ぎようとすると、素早く家に隠れてしまう。
龍王が歓迎されない土地などこの志龍王国にあってはならないことだった。
領主の屋敷に付くと、龍王は王配であるヨシュアと共に馬車から降りて護衛をそばに連れて屋敷に通された。
屋敷の奥には板の間があって、上座に敷かれた敷物の上に龍王とヨシュアが座れば、領主は下座に座って深く頭を下げてくる。
「こんな田舎までお越しくださってお疲れでしょう。酒と食事の用意をしましょうか?」
「必要ない。この領地は明らかに龍王の加護を得ていないように見える。そなた、心当たりはないか?」
「領地のものはみな、龍王陛下を崇め奉っております。税も間違いなく納めておりますでしょう?」
帳簿を渡されて確認すれば、税の徴収は間違いなく適切にされていると書かれている。それを信じるような龍王ではなかったが。
「そなたが民に重税をかけて苦しめているという噂、王都まで届いてきている。それで民が龍王の威光を信じなくなっているのではないか?」
「まさか。税の徴収は帳簿にある通りです」
埒が明かないと思い始めたときに、ヨシュアが立ち上がって領主の前に出た。膝をつき、頭を下げている領主の手の甲に触れると、赤い花弁が浮かび上がる。
「王配殿下、これは!?」
「それは簡単な呪い。真実を話さなければ、花弁から蔓が伸びて心臓まで達したときには、死に至る」
「な、なにを!?」
「龍王陛下に変わってもう一度聞く。民に龍王陛下が定めた以上の税を課しているのではないか?」
少し迷った後で領主が答えた。
「そんなことはございませ……ひぃぃ!?」
答える言葉の先からぞろぞろと蔓が伸びて領主の腕を這い上がっていく。袖を捲ってそれが二の腕近くまで来ていることに気付いて、領主は震えながら床に頭をこすりつけた。
青い目が領主の前に立ち尽くしたままで見下ろしている。
「お許しください。どうか、呪いを解いてくださいませ」
「おれの質問に答えるのが先だ。龍王陛下が定めた以上の税を課しているな? 次はその呪い、心の臓に達するぞ?」
「ひぃぃぃ!? お許しを! 裏帳簿がございます。これで税の分を領民に借金とさせて逃げられないようにして、税を課していました!」
慌てて裏帳簿を出してくる領主に、龍王は受け取って、ヨシュアも龍王の隣りに戻ってきた。
裏帳簿には領民の借金の額と追加で課されていた税の量が書かれている。
「近衛兵、この者を捕えよ! 領主としてしてはならぬことをした」
「お許しください! この呪い、どうなるのですか!?」
「お前が二度と嘘をつかなければ生きていけるだろうな。その呪い、解くまでもない」
あっさりと言い捨てたヨシュアに、嘘を見抜くような呪いがあるのかと聞いてみたい気もしたが、龍王には先にやることがあった。
「領民を集めろ。我が言葉を領民に伝えるのだ!」
この土地の領主は変えられること。
前の領主が課していた過剰な税は返還されて、領民のものになること。
今後は領民は龍王が課している税しか払わなくてもよくなり、借金があったものもそれを帳消しとすること。
領民は龍王を敬えば、この地に龍王の加護が戻ってくること。
侍従に書かせて領民の前で読ませると、領主の屋敷に集まってきていた領民の中から声が上がっていた。
「龍王陛下ありがとうございます!」
「我らが龍王陛下、生涯敬います」
信仰心が戻りつつあるのを感じて、龍王は奥の間に座ったままで目を閉じる。
目を閉じると、水の波動を感じる。
この地の枯れかけた水の波動を活性化させて、水の波紋が広がるように力を注いでいく。
目を開けたときには、隣りに座るヨシュアは静かに龍王に寄り添ってくれていた。
帰りの馬車で龍王は領地の田畑を見た。
まだ完全に水の輝きを取り戻してはいないが、多少は改善されている気がする。
龍王としての仕事がひと段落したと馬車の中で寛ぐと、ヨシュアが声を掛けてきた。
「これが龍王の加護なのですね。初めて実際に与えるところを見ました。水の精霊たちが活発に動き出したのを感じました」
「せいれい? あなたには精霊に見えたのか?」
「わたしは精霊魔術を使いますからね」
純粋に能力を褒められただけだが、それでも心が沸き立つような気がするのはなぜだろう。この年上の男が美しすぎるせいかもしれない。
「あなたこそ、嘘を見抜く呪いなど、よく使えたものだ」
「あれは、はったりです」
「え?」
「ただの装飾をするだけの魔術を呪いと言いました。進行速度もわたしが制御していました。赤い蔓と花の装飾が体に広がるだけの魔術です」
はったりだと言われて、完全に信じ込んでいた龍王は魔術について自分が勉強不足だったことに思い至った。
龍王として習ってきたのは水の加護を国土に行き渡らせる方法と、帝王学だけだ。
「魔術のことをもっと勉強する……」
「魔術は魔術師ごとに使う術が違いますから、わたしでもすべて把握しているわけではありません。魔力を感じ取ってどういう魔術かを解明することはできますが」
「そうなのか」
全ての魔術を把握することは難しい。
だからこそ、龍王はラバン王国の魔術師の中でも最高峰の一人、王弟を王配にしたのだと今更ながらに納得した瞬間だった。
水を司る龍王の一族が出向けば、その地域の治水が整う。それが龍王の加護だった。
代々龍王は水の加護を国民に授け、国民は龍王を恐れ敬うことによってこの国は成り立っていた。
志龍王国の属国になりたいと申し出る国や、志龍王国の水の加護が欲しいと領土を差し出してくる国もある。志龍王国は年々国土を増やしており、その弊害として国土の全てを守り切れなくなっていたのだ。
初めてヨシュアが出陣したときには、龍王は少なからず驚いていた。
龍王自身が近衛兵を引き連れて出陣することもあるのだが、そのときは何千、何万という兵士に守られての形となる。
ヨシュアはたった二十人の魔術騎士たちを連れて身軽に移転の魔法で東の国境の争いを治めてきた。
戦闘に出るということは命を懸けるということである。どれだけヨシュアが強かろうと、先頭に出れば傷を負うこともあるし、最悪命を落とすこともある。
王配はヨシュアしかいないのだから止めるべきなのかもしれないが、元々ラバン王国から魔術師の伴侶を得るということ自体が、この国の防衛を固めることと周囲は了承していたので、ヨシュアの出陣を龍王が止めることはできなかった。
最初に変な会話をしてしまったせいか、「気を付けるように」とも声をかけぬまま、ヨシュアは出陣していった。
政略結婚で愛がないことは分かっている。
それでも、自分の最初の態度は宰相に諫められる程度には酷かったし、改めようと思うのだが、龍王はなかなかその機会が得られずにいた。
同じ馬車で視察に出かけても、隣りに座る男の長い金色の睫毛が落とす影が美しいとか、鮮やかな青い目が吸い込まれるようだとか、意識してしまってうまく声を掛けることができない。
それなのに、相手は気軽に龍王の衣装が重くないのかとか聞いてくる。
全く意識されていない。
愛情はないのだが、ここまで意識されていないとなんとなく面白くない。
龍王は黒髪に黒い目で顔立ちもそこそこ整っているはずだが、隣りに座る男は服装が華美でない分、その豪奢な金髪や鮮やかな青い目に目が行ってしまう。
見ないように気を付けながら視察の道を進み、領地に入ると、龍王は違和感を覚えた。
国民が龍王に対する信仰心を持っているのと、龍王の加護は比例する。
信仰心のない国民の土地には龍王の加護はどうしても行き届かなくなる。
視察する領地の土地は清らかな水に満たされていないような気がするのだ。この季節ならば水田が太陽の光を反射して輝き、苗は生き生きと育っているはずなのに、どこか荒廃した雰囲気がある。
これは龍王の加護がこの領地に行き渡っていないことを示していた。
自ら視察に出かけるように言われたわけも分かる気がする。
これは龍王の威光を示さねばならない場所だ。
田畑で仕事をする者たちも、豪華な龍王の馬車と護衛たちが通り過ぎようとすると、素早く家に隠れてしまう。
龍王が歓迎されない土地などこの志龍王国にあってはならないことだった。
領主の屋敷に付くと、龍王は王配であるヨシュアと共に馬車から降りて護衛をそばに連れて屋敷に通された。
屋敷の奥には板の間があって、上座に敷かれた敷物の上に龍王とヨシュアが座れば、領主は下座に座って深く頭を下げてくる。
「こんな田舎までお越しくださってお疲れでしょう。酒と食事の用意をしましょうか?」
「必要ない。この領地は明らかに龍王の加護を得ていないように見える。そなた、心当たりはないか?」
「領地のものはみな、龍王陛下を崇め奉っております。税も間違いなく納めておりますでしょう?」
帳簿を渡されて確認すれば、税の徴収は間違いなく適切にされていると書かれている。それを信じるような龍王ではなかったが。
「そなたが民に重税をかけて苦しめているという噂、王都まで届いてきている。それで民が龍王の威光を信じなくなっているのではないか?」
「まさか。税の徴収は帳簿にある通りです」
埒が明かないと思い始めたときに、ヨシュアが立ち上がって領主の前に出た。膝をつき、頭を下げている領主の手の甲に触れると、赤い花弁が浮かび上がる。
「王配殿下、これは!?」
「それは簡単な呪い。真実を話さなければ、花弁から蔓が伸びて心臓まで達したときには、死に至る」
「な、なにを!?」
「龍王陛下に変わってもう一度聞く。民に龍王陛下が定めた以上の税を課しているのではないか?」
少し迷った後で領主が答えた。
「そんなことはございませ……ひぃぃ!?」
答える言葉の先からぞろぞろと蔓が伸びて領主の腕を這い上がっていく。袖を捲ってそれが二の腕近くまで来ていることに気付いて、領主は震えながら床に頭をこすりつけた。
青い目が領主の前に立ち尽くしたままで見下ろしている。
「お許しください。どうか、呪いを解いてくださいませ」
「おれの質問に答えるのが先だ。龍王陛下が定めた以上の税を課しているな? 次はその呪い、心の臓に達するぞ?」
「ひぃぃぃ!? お許しを! 裏帳簿がございます。これで税の分を領民に借金とさせて逃げられないようにして、税を課していました!」
慌てて裏帳簿を出してくる領主に、龍王は受け取って、ヨシュアも龍王の隣りに戻ってきた。
裏帳簿には領民の借金の額と追加で課されていた税の量が書かれている。
「近衛兵、この者を捕えよ! 領主としてしてはならぬことをした」
「お許しください! この呪い、どうなるのですか!?」
「お前が二度と嘘をつかなければ生きていけるだろうな。その呪い、解くまでもない」
あっさりと言い捨てたヨシュアに、嘘を見抜くような呪いがあるのかと聞いてみたい気もしたが、龍王には先にやることがあった。
「領民を集めろ。我が言葉を領民に伝えるのだ!」
この土地の領主は変えられること。
前の領主が課していた過剰な税は返還されて、領民のものになること。
今後は領民は龍王が課している税しか払わなくてもよくなり、借金があったものもそれを帳消しとすること。
領民は龍王を敬えば、この地に龍王の加護が戻ってくること。
侍従に書かせて領民の前で読ませると、領主の屋敷に集まってきていた領民の中から声が上がっていた。
「龍王陛下ありがとうございます!」
「我らが龍王陛下、生涯敬います」
信仰心が戻りつつあるのを感じて、龍王は奥の間に座ったままで目を閉じる。
目を閉じると、水の波動を感じる。
この地の枯れかけた水の波動を活性化させて、水の波紋が広がるように力を注いでいく。
目を開けたときには、隣りに座るヨシュアは静かに龍王に寄り添ってくれていた。
帰りの馬車で龍王は領地の田畑を見た。
まだ完全に水の輝きを取り戻してはいないが、多少は改善されている気がする。
龍王としての仕事がひと段落したと馬車の中で寛ぐと、ヨシュアが声を掛けてきた。
「これが龍王の加護なのですね。初めて実際に与えるところを見ました。水の精霊たちが活発に動き出したのを感じました」
「せいれい? あなたには精霊に見えたのか?」
「わたしは精霊魔術を使いますからね」
純粋に能力を褒められただけだが、それでも心が沸き立つような気がするのはなぜだろう。この年上の男が美しすぎるせいかもしれない。
「あなたこそ、嘘を見抜く呪いなど、よく使えたものだ」
「あれは、はったりです」
「え?」
「ただの装飾をするだけの魔術を呪いと言いました。進行速度もわたしが制御していました。赤い蔓と花の装飾が体に広がるだけの魔術です」
はったりだと言われて、完全に信じ込んでいた龍王は魔術について自分が勉強不足だったことに思い至った。
龍王として習ってきたのは水の加護を国土に行き渡らせる方法と、帝王学だけだ。
「魔術のことをもっと勉強する……」
「魔術は魔術師ごとに使う術が違いますから、わたしでもすべて把握しているわけではありません。魔力を感じ取ってどういう魔術かを解明することはできますが」
「そうなのか」
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だからこそ、龍王はラバン王国の魔術師の中でも最高峰の一人、王弟を王配にしたのだと今更ながらに納得した瞬間だった。
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