龍王陛下は最強魔術師の王配を溺愛する

秋月真鳥

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二章 龍王と王配の二年目

26.龍を慰める

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 バリエンダール共和国の議員のやり口にはヨシュアも怒りを覚えていた。
 龍王がバリエンダール共和国の上空に行って龍の姿となって豪雨と雷をバリエンダール共和国首都に降らせたことは、大陸中に知れ渡っているだろう。龍王は王配の乳兄弟の妻が攫われたことでバリエンダール共和国の貴族議員を許さない。それを示した瞬間だった。

 龍王が龍になった姿を公に見せるなど呪いの矢が狙ってきたとき以来だったのでヨシュアも驚いてはいた。
 本性が龍なのは知っている。眠っているときに寝台から大幅にはみ出て、部屋を埋め尽くさん勢いで龍の姿になっていたことがあった。そのときにはその太い胴を抱き締めてまた眠りについたのだが、龍王自身も龍になると元に戻るのを制御できていないのではないかという疑問はあった。

 龍になった龍王を説き伏せてバリエンダール共和国に降る豪雨と雷を止ませて、青陵殿に連れ帰ったまではよかった。
 恐らくは貴族議員は王朝を復古しようとしたことが知れて他の議員たちから責められるだろうし、相応の罰は受けるだろう。龍王の怒りを買ったのだから仕方がない。
 それはいいとしても、龍王である。
 龍の姿になった挙句に、ヨシュアの衣を引き裂いてヨシュアの口に太く長い舌をねじ込んできた。

 その様子に確かな欲望を感じ取って、ヨシュアは焦った。

 そそり立っている龍王の中心は、人間のときのものと全く違う。ごつごつとして太く、ヨシュアの腕ほどもあった。
 さすがにヨシュアでもそんなものを受け入れられるはずがない。受け入れたら体が裂けてしまいそうだ。

 そんなことになったら龍王は人間の姿になったときに深く傷つき悲しむだろう。

 自分の体に傷を付けないためにも、龍王を悲しませないためにも、ヨシュアは龍の姿の龍王の欲望を落ち着かせなければいけなかった。

 目隠しになる簡易な結界は張ってあるが、結界の外まで龍王の巨大な体がはみ出ているし、ヨシュアも龍王に翻弄されればはみ出かねないこの状況で、龍王が常日頃からヨシュアの肌を他人に見せたくないという希望と、ヨシュア自身も背中に翅の模様のある体を見せたくない気持ちがあるので、どうしても龍王には大人しくしてもらわなければいけなかった。
 じりじりと暑い夏の太陽が強い日差しを振らせてきて、ヨシュアの肌が焦げそうになっている。これは早めに処理した方がよさそうだ。

「一度、吐精したら、落ち着くかな……」

 太く人間のものとは明らかに形の違うそれに怖気づいている場合ではない。
 両手で龍王の股間のブツを掴んで扱き上げると、先端から透明な雫が溢れてくる。

「そういえば、星宇、胸が好きだったな」

 受け入れてやれないのだからせめてと体をくっつけて、胸にそれをこすりつけると、みちみちと質量が増していくのが分かる。腕以上の太さになったそれを胸筋に挟み込むようにしてこすり上げると、龍王が悶えているのが分かる。

「気持ちいいのか? 星宇、可愛いな」

 龍の姿であっても、ひとの姿であっても龍王がヨシュアにとって可愛いのは変わりない。
 何度もこすり上げると、滴る先走りでヨシュアの裸の胸がしとどに濡れる。ぐちゅぐちゅと音を立てながら抱き締めるようにしてこすり上げていくと、龍がのけぞって震えた。

 大量の白濁が吐き出されてヨシュアの顔も胸も髪も肩も、どろどろにしていく。
 これは拭いても間に合わないだろうと苦笑しながら、ヨシュアは最後まで龍王が吐精できるように下から搾り取るように腕と胸を動かした。

 全部吐き出してしまった龍の姿が解けて小さくなる。ひとの姿になった龍王を抱き留めて、破れた衣を何とか羽織って背中を隠しながら、ヨシュアは青陵殿の湯殿に向かった。

 湯殿で体を流して龍王の体も流して、意識のない龍王を抱き上げて湯殿から出て、今日はネイサンもデボラもいないので自分だけ先に着替えてから龍王の侍従を呼んで龍王を着替えさせて部屋に戻ると、龍王がうっすらと目を開けていた。

「あなたに迷惑をかけてしまいました」
「それだけデボラのことで怒ってくれたんだろう? おれも相当腹が立っていたからすっきりしたよ」
「龍の姿であなたに襲い掛かってしまうなんて思いませんでした」
「それだけおれが欲しかったんだろう? 姿が変わっても求められるなんて、嬉しいよ」

 大変だったことは否定しないが、龍王がすっかりと意気消沈しているのでヨシュアは龍王を抱き寄せて頬に口付ける。口付けを受けて龍王はうっとりと目を閉じていた。

「あなたを抱きたい」
「それは夜にな。昼餉も碌に食べられなかっただろう。お腹空いてないか?」
「空いているかもしれません」

 素直に答える龍王に、ヨシュアは龍王の侍従にお茶を入れさせてお茶菓子も用意させた。
 香ばしい匂いの胡麻団子が用意されて、茉莉花茶と一緒に出されると、熱々の胡麻団子を龍王が吹き冷ましながら食べる。ヨシュアも食べたが胡麻の食感と、熱々の団子の生地に餡がとても美味しかった。

 食べ終わると龍王がヨシュアの膝に頭を乗せてうとうととする。
 龍になっていたこともあって疲れたのだろうとヨシュアは龍王の髪を撫でながら眠るのを見ていた。

 龍王が眠ってから、ヨシュアも一緒に眠っていたようだ。
 長椅子に座ったまま眠っていたヨシュアと、ヨシュアの膝枕で眠っていた龍王。
 ヨシュアが起きると龍王も目を覚ました。

「そうでした、今日はネイサンとデボラがいないのでしたね」
「そうだよ。デボラのことを考えるとしばらく休んでほしいが、ネイサンとデボラに長期間休まれるとおれたちの世話が回らないのも確かだ」
「デボラには怖い思いをさせました」

 魔術師であるし、王宮に勤めるのだからそれなりの覚悟はしてきたであろうが、デボラは攫われて恐ろしかっただろう。それを思うとゆっくり休ませてやりたいのだが、ヨシュアと龍王の身の回りの世話を安心して任せられるのはネイサンとデボラくらいしかいなかった。
 ヨシュアの体に秘密があって、肌を見せられないのだから、龍王の侍従ではネイサンとデボラの代わりにはならない。

 ヨシュアが悩ましく思っていると、龍王が手を伸ばしてヨシュアの頬に触れる。そのまま引き寄せられて口付けられた。

「今夜はやめておきましょうね」
「いいのか?」
「ヨシュアだけに負担を押し付けるつもりはないのです」

 交わった後には龍王は体力が尽きて眠ってしまうことが多い。それだけ注がれているのだからヨシュアの方も疲労がないわけではないが、それは鍛えているのでなんとかなっている。
 ネイサンとデボラがいないとなると自分のことだけでなく龍王のこともヨシュアが面倒を見なければいけなかった。
 それが決して嫌というわけではないのだが、湯殿で龍王を溺れさせかけた経験のあるヨシュアにしてみれば、手助けする相手がいないというのは不安でもあった。

「デボラが落ち着くまでしばらく我慢します」
「抜いてやろうか?」
「ぬ、抜く?」

 上品な龍王はそういう言葉を聞いたことがなかったのだろう。驚いている様子に、ヨシュアがにやりと笑う。

「手で処理してやろうかってことだよ」
「い、いいです。余計にヨシュアとしたくなりそうですから」

 顔を赤くして辞退する龍王にヨシュアはくすくすと笑った。

「普段は孕むんじゃないかと思うくらい遠慮なくおれの中で出すのに?」
「わたしは子種がないから孕むことはないですよ」
「比喩だよ。おれの中から溢れるほど出して、それでも翌日には復活して、また抱きに来るのに、処理しなくて平気かと思って」

 ヨシュアが女性で、龍王に子種があれば、ヨシュアは腹が休む暇もないくらいに孕まされているのではないだろうか。それもヨシュアが拒否すればいいだけの話だが、ヨシュアは龍王の顔を見ると拒否できない気がする。

「口吸いだけさせてください」
「どうぞ?」

 おいで?

 招くと龍王がヨシュアの唇に唇を寄せる。
 口付けて舌を絡めると、龍王が唇をそっと離した。

「我慢できなくなりますから」
「星宇は若いな」
「ヨシュアは体力があります」

 お互いに言って抱き締め合うと、夏の暑さに汗が噴き出してきそうだった。
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