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四章 結婚十年目
14.ヨシュアの誓い
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龍王との行為はヨシュアが受け入れて、龍王がヨシュアに挿入するという形を取っているが、ヨシュアはそれで全く不服はなかった。
そもそも妖精というのは性欲が薄い。男性としてヨシュアが役に立つことなど数十年、もしかすると百年に一回くらいで、それ以外はヨシュアの中心が反応することはないし、反応したとしても中心への刺激ではなく中への刺激でなので、基本的にヨシュアは役に立たないのだ。
子種のない龍王の代わりにヨシュアに女性を進められてきたこともあったが、それは龍王がはっきりと断った。ヨシュアが女性を抱けるはずがないのだが、その後しばらくは龍王の機嫌が悪かったので妬いたのかもしれない。
龍王に子どもを産んでほしいと直談判してきた官吏もいた。ラバン王国で開発された魔術薬は、母体と子どもが無事である確率が二割ほどの粗悪品で、そんなものを龍王に使わせるわけにはいかないとヨシュアは思っていたが、龍王には迷いがあったようだった。
それもヨシュアとよく話し合うことで解決していた。
湯殿で一度抜いているとはいえ、龍王の中心は硬くそそり立ち、ヨシュアの後孔を貫いている。ヨシュアは単純に体が大きいので中心もそれに伴って大きいのだが、龍王は龍族というだけあってヨシュアと変わらないくらいの大きさの中心を持っている。龍王の方が痩せてほっそりとしていて、身長も頭半分以上小さいのに、中心だけが立派すぎて若干違和感を覚えなくもない。
使われたことのないヨシュアの色の薄い中心と違って、龍王の中心はヨシュアとの行為で使い込まれていて色も赤黒く、血管も浮いている。
息を吐きながら動くのを必死に我慢している龍王にヨシュアがその頬に手を添える。
「もう大丈夫だから、動いていいよ?」
「ひぁっ……ヨシュア、きつい……」
「久しぶりだからかな。いつもより、星宇の大きさを感じる」
添えた手を引き寄せて口付けると、龍王が腰を一度引いて、奥まで一気に突き入れてくる。内壁をこすられる快感にヨシュアが反らした喉に、龍王が噛み付く。
「好きです、ヨシュア。ヨシュア……あぁっ!」
「んっ……星宇、気持ちいいよ」
「あっ! あぁぁっ! ふっ……」
達さないように必死に我慢して腰を振り立てる龍王に、ヨシュアは甘く中心を絡め取るように締め付ける。
奥まで突き入れた龍王が達するのに、ヨシュアは腹を押さえてじわりと中が熱く濡らされるのを感じていた。
何回目の吐精かも分からない。
ほぼ毎日体を交わし合っていた日々から、記憶を失って週一回程度に回数が減って、龍王も溜まっていたのだろう。濃い白濁をたっぷりと腹に注ぎ込まれたヨシュアの胸に、龍王が倒れ込んでくる。
体力を使い果たしたのだろう。
息が整うまで待って、ヨシュアが龍王の髪を撫でていると、龍王がヨシュアの下腹に触れていた。そこにはヨシュアが放った薄い白濁が飛び散っている。
指で掬い取って口に運ぼうとする龍王をヨシュアが止めた。
「何をするつもりだ」
「ヨシュアだって口でしてくれるとき、飲んでくれるじゃないですか」
「おれはいいんだよ。星宇はそんなもの飲まなくていい」
「わたしだってヨシュアの味を知りたい」
掬い取った白濁を口に入れる龍王に、ヨシュアはため息をつく。
「そんな、思ってるほどいいものじゃないだろ? ほら、出していいよ?」
「嫌です。これがヨシュアの味……」
「しみじみ言われるとおれの身の置き場がないからやめてくれ」
言いながら結界を解いて天蓋の幕から手を出すとネイサンが濡れた布を差し出してくれる。濡れた布でヨシュアと龍王の体を清拭していると、龍王がヨシュアの胸の飾りに吸い付いた。淡い色をしているが、龍王に触れられたり、吸い付かれたりするとそこはぷっくりと立ち上がる。
「ヨシュア、一緒に過ごしてきた十年がどれだけ大事なものだったか、今回のことで思い知りました。次の結婚記念日は盛大に祝いましょう」
「ウエディングケーキというものがあるんだが」
「うえでぃんぐけーき?」
「結婚式に用意される大きなケーキのことだ。結婚式に出席してくれたひとたちと一緒に食べるんだ」
「いいですね、うえでぃんぐけーき。わたしはケーキ好きです」
戯れのように胸をもてあそびつつ龍王が言うのを、ヨシュアは龍王の髪を撫でながら聞いている。
湯殿に移動しても龍王の興味は結婚記念日にあった。
「守護の魔術が大量にかかった指輪を注文するのはどうですか? ヨシュアが二度と害されないように」
「それもありだな。星宇も害されないようにしないとな」
「わたしも油断していました。大陸に水の加護があるのは龍王あってのことなので、玉を捧げた王配に手を出してくるものなどいないと考えていました。けれど、悪意とはどこから向いて来るか分からないものですからね」
「油断したのはおれだろう。星宇に迷惑をかけた」
「ヨシュアは何も悪くないのです。悪いのは企んだものたち。ヨシュアを守れなかったことがわたしは悔しいのです」
どこまでもヨシュアを庇ってくれているが、大陸一の魔術師であるヨシュアを害せるものなどいないだろうという驕りが今回の件を呼んだのは間違いなかった。ヨシュアとしても反省するところは大きい。
湯殿で中に吐き出されたものを全部掻き出して、その量の多さに驚きつつ、体を流して湯船に入ると、龍王は疲れたのか眠そうにしていた。
あれだけの量を吐精したのだから疲れもするだろう。
「ヨシュア、明日、ラバン王国に魔術具の注文を出します。それが届くまでは、まだ魔術騎士団とは行動を共にしないでください」
魔術騎士団としての仕事ができないとなるとヨシュアも不満がないわけではないが、今回のようなことが起きて龍王に一か月も心配をさせてしまったことに関しては深く反省している。魔術具で守られなければ心配だというのならば、龍王の意思に従うのがいいだろう。
眠くて頭がぐらぐらしてきた龍王を抱き上げて脱衣所に行って、ネイサンに預けると、ヨシュアは自分の体を拭いて新しい寝間着に着替える。
部屋に戻るとどちらのものとも言えない体液でどろどろだった布団は取り換えられていて、清潔な布団に龍王を降ろして自分も横になる。
龍王に布団をかけて、自分も布団の中に入ると、龍王が甘えるようにヨシュアの胸に顔をこすり付けていた。
筋肉は力を入れていないときには柔らかい。
ヨシュアの胸を枕にするのが好きな龍王のために、抱き上げて体の上に乗せると、眠りながら胸を揉んでいる。
子猫のようなその仕草にふっと笑んで、ヨシュアは龍王の背中を撫でながら目を閉じた。
翌朝は夜明け前に龍王は目覚める。
寝間着のまま寝台を出て椅子に座った龍王に、ヨシュアも隣りに腰かけて一緒に祈る。
志龍王国の国土全体に水の加護が行き渡るように。
志龍王国のみならず、ラバン王国にも、獣人の国にも水の加護が行き渡るように。
祈りを捧げると波紋が広がるように力が広がり、水の精霊が活発に動いているのが分かる。
毎日やっていることだが、目を開けたときには龍王がヨシュアの手を強く握っていた。
「ヨシュアが帰ってきてくれたんだとよく分かります」
「記憶のなかったおれでは力不足だったか?」
「水の加護の力は使えていたのですが、完全ではなかった気がします」
完全になったヨシュアと龍王で、今年も志龍王国もラバン王国も獣人の国も豊かな実りに恵まれるだろう。
バザロフ王国とラーピン王国に下した罰を思えば、ヨシュアにも龍王にも手を出してくるものはもういないのではないかと思うのだが、それでも警戒はしておかなければいけない。
二度とこんなことは起こしてはならない。
ヨシュアは龍王の手を握り返しながら、これまで以上に警戒することを誓うのだった。
そもそも妖精というのは性欲が薄い。男性としてヨシュアが役に立つことなど数十年、もしかすると百年に一回くらいで、それ以外はヨシュアの中心が反応することはないし、反応したとしても中心への刺激ではなく中への刺激でなので、基本的にヨシュアは役に立たないのだ。
子種のない龍王の代わりにヨシュアに女性を進められてきたこともあったが、それは龍王がはっきりと断った。ヨシュアが女性を抱けるはずがないのだが、その後しばらくは龍王の機嫌が悪かったので妬いたのかもしれない。
龍王に子どもを産んでほしいと直談判してきた官吏もいた。ラバン王国で開発された魔術薬は、母体と子どもが無事である確率が二割ほどの粗悪品で、そんなものを龍王に使わせるわけにはいかないとヨシュアは思っていたが、龍王には迷いがあったようだった。
それもヨシュアとよく話し合うことで解決していた。
湯殿で一度抜いているとはいえ、龍王の中心は硬くそそり立ち、ヨシュアの後孔を貫いている。ヨシュアは単純に体が大きいので中心もそれに伴って大きいのだが、龍王は龍族というだけあってヨシュアと変わらないくらいの大きさの中心を持っている。龍王の方が痩せてほっそりとしていて、身長も頭半分以上小さいのに、中心だけが立派すぎて若干違和感を覚えなくもない。
使われたことのないヨシュアの色の薄い中心と違って、龍王の中心はヨシュアとの行為で使い込まれていて色も赤黒く、血管も浮いている。
息を吐きながら動くのを必死に我慢している龍王にヨシュアがその頬に手を添える。
「もう大丈夫だから、動いていいよ?」
「ひぁっ……ヨシュア、きつい……」
「久しぶりだからかな。いつもより、星宇の大きさを感じる」
添えた手を引き寄せて口付けると、龍王が腰を一度引いて、奥まで一気に突き入れてくる。内壁をこすられる快感にヨシュアが反らした喉に、龍王が噛み付く。
「好きです、ヨシュア。ヨシュア……あぁっ!」
「んっ……星宇、気持ちいいよ」
「あっ! あぁぁっ! ふっ……」
達さないように必死に我慢して腰を振り立てる龍王に、ヨシュアは甘く中心を絡め取るように締め付ける。
奥まで突き入れた龍王が達するのに、ヨシュアは腹を押さえてじわりと中が熱く濡らされるのを感じていた。
何回目の吐精かも分からない。
ほぼ毎日体を交わし合っていた日々から、記憶を失って週一回程度に回数が減って、龍王も溜まっていたのだろう。濃い白濁をたっぷりと腹に注ぎ込まれたヨシュアの胸に、龍王が倒れ込んでくる。
体力を使い果たしたのだろう。
息が整うまで待って、ヨシュアが龍王の髪を撫でていると、龍王がヨシュアの下腹に触れていた。そこにはヨシュアが放った薄い白濁が飛び散っている。
指で掬い取って口に運ぼうとする龍王をヨシュアが止めた。
「何をするつもりだ」
「ヨシュアだって口でしてくれるとき、飲んでくれるじゃないですか」
「おれはいいんだよ。星宇はそんなもの飲まなくていい」
「わたしだってヨシュアの味を知りたい」
掬い取った白濁を口に入れる龍王に、ヨシュアはため息をつく。
「そんな、思ってるほどいいものじゃないだろ? ほら、出していいよ?」
「嫌です。これがヨシュアの味……」
「しみじみ言われるとおれの身の置き場がないからやめてくれ」
言いながら結界を解いて天蓋の幕から手を出すとネイサンが濡れた布を差し出してくれる。濡れた布でヨシュアと龍王の体を清拭していると、龍王がヨシュアの胸の飾りに吸い付いた。淡い色をしているが、龍王に触れられたり、吸い付かれたりするとそこはぷっくりと立ち上がる。
「ヨシュア、一緒に過ごしてきた十年がどれだけ大事なものだったか、今回のことで思い知りました。次の結婚記念日は盛大に祝いましょう」
「ウエディングケーキというものがあるんだが」
「うえでぃんぐけーき?」
「結婚式に用意される大きなケーキのことだ。結婚式に出席してくれたひとたちと一緒に食べるんだ」
「いいですね、うえでぃんぐけーき。わたしはケーキ好きです」
戯れのように胸をもてあそびつつ龍王が言うのを、ヨシュアは龍王の髪を撫でながら聞いている。
湯殿に移動しても龍王の興味は結婚記念日にあった。
「守護の魔術が大量にかかった指輪を注文するのはどうですか? ヨシュアが二度と害されないように」
「それもありだな。星宇も害されないようにしないとな」
「わたしも油断していました。大陸に水の加護があるのは龍王あってのことなので、玉を捧げた王配に手を出してくるものなどいないと考えていました。けれど、悪意とはどこから向いて来るか分からないものですからね」
「油断したのはおれだろう。星宇に迷惑をかけた」
「ヨシュアは何も悪くないのです。悪いのは企んだものたち。ヨシュアを守れなかったことがわたしは悔しいのです」
どこまでもヨシュアを庇ってくれているが、大陸一の魔術師であるヨシュアを害せるものなどいないだろうという驕りが今回の件を呼んだのは間違いなかった。ヨシュアとしても反省するところは大きい。
湯殿で中に吐き出されたものを全部掻き出して、その量の多さに驚きつつ、体を流して湯船に入ると、龍王は疲れたのか眠そうにしていた。
あれだけの量を吐精したのだから疲れもするだろう。
「ヨシュア、明日、ラバン王国に魔術具の注文を出します。それが届くまでは、まだ魔術騎士団とは行動を共にしないでください」
魔術騎士団としての仕事ができないとなるとヨシュアも不満がないわけではないが、今回のようなことが起きて龍王に一か月も心配をさせてしまったことに関しては深く反省している。魔術具で守られなければ心配だというのならば、龍王の意思に従うのがいいだろう。
眠くて頭がぐらぐらしてきた龍王を抱き上げて脱衣所に行って、ネイサンに預けると、ヨシュアは自分の体を拭いて新しい寝間着に着替える。
部屋に戻るとどちらのものとも言えない体液でどろどろだった布団は取り換えられていて、清潔な布団に龍王を降ろして自分も横になる。
龍王に布団をかけて、自分も布団の中に入ると、龍王が甘えるようにヨシュアの胸に顔をこすり付けていた。
筋肉は力を入れていないときには柔らかい。
ヨシュアの胸を枕にするのが好きな龍王のために、抱き上げて体の上に乗せると、眠りながら胸を揉んでいる。
子猫のようなその仕草にふっと笑んで、ヨシュアは龍王の背中を撫でながら目を閉じた。
翌朝は夜明け前に龍王は目覚める。
寝間着のまま寝台を出て椅子に座った龍王に、ヨシュアも隣りに腰かけて一緒に祈る。
志龍王国の国土全体に水の加護が行き渡るように。
志龍王国のみならず、ラバン王国にも、獣人の国にも水の加護が行き渡るように。
祈りを捧げると波紋が広がるように力が広がり、水の精霊が活発に動いているのが分かる。
毎日やっていることだが、目を開けたときには龍王がヨシュアの手を強く握っていた。
「ヨシュアが帰ってきてくれたんだとよく分かります」
「記憶のなかったおれでは力不足だったか?」
「水の加護の力は使えていたのですが、完全ではなかった気がします」
完全になったヨシュアと龍王で、今年も志龍王国もラバン王国も獣人の国も豊かな実りに恵まれるだろう。
バザロフ王国とラーピン王国に下した罰を思えば、ヨシュアにも龍王にも手を出してくるものはもういないのではないかと思うのだが、それでも警戒はしておかなければいけない。
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