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四章 結婚十年目
26.巡行での水の加護の祈り
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馬車で泊った翌日に龍王とヨシュアは次の町に着いた。
着いた時間が早かったので、今回は少し町を見て回れそうだった。
領主に歓迎されて客間に通されると、ヨシュアは魔術騎士団の紺色の衣装に、龍王は地味な草色の長衣と下衣に着替えて、移転の魔術でそっと領主の屋敷を出た。昼餉はいらないと伝えておいたので、昼食は町で買って食べられる。
金髪を黒髪に魔術で変えたヨシュアは、龍王と共に魔術騎士のイザークとシオンに護衛されながら町を歩いていた。
ネイサンも自由時間をもらって町を見回っているところだろう。
「魔術騎士団のお方じゃないですか? 龍王陛下と王配陛下の護衛ご苦労様です」
「魔術騎士様には値引きするよ。この串焼き、どうだい?」
「王都に待たせている方がいるんじゃないですか。この髪飾り、海の向こうの島から輸入した珍しいものですよ」
「海の向こうの島から輸入したものといえば、この布と糸はいかがですか? 色男にお似合いの衣装が作れますよ」
賑わう市に顔を出すと、紺色の衣装でラバン王国の顔立ちは魔術騎士と分かっているので歓迎される。
龍王が領主の屋敷に着いたので護衛を交代にして町に出ている魔術騎士にヨシュアたちが見えるのだろう。
進められる模様の入った布をヨシュアは手に取った。
「この深緑はいいな。星に似合う」
「わたしにですか? ジョシュはこっちの青じゃないですか?」
「この青もいいな。模様はお揃いだし、これで一着仕立てさせるか」
値段を聞いて交渉するヨシュアを龍王が目を輝かせて見詰めている。
買った布は包んでもらって袋に入れる。
「ここの有名料理は何なんだ?」
「この町に来たら、海鮮の網焼きは食べてもらわなきゃ。海老の一匹串焼きも美味いよ」
露店の店主に話しかけると、お釣りを渡しながら教えてくれる。
網焼きの店に行くと、座る場所があって、その前に七輪が置いてあって自分で焼けるようになっていた。
「星、何が食べたい?」
「ホタテが新鮮そうですね。魚は食べにくそうです。この貝は何ですか?」
「牡蠣だよ、お兄ちゃん」
「ホタテと牡蠣と海老を四人分頼む」
店主と会話をして、先に料金を払ってホタテと牡蠣と海老を受け取って、ヨシュアと龍王とイザークとシオンは一つの七輪を囲んだ。七輪の上には網が置いてあって、中では炭が赤く燃えている。
七輪の上にホタテと牡蠣と海老を置くと、七輪の火がじわじわと焼き上げる。ホタテの殻が開くまで待って醤油を落として、牡蠣は焼けたところをイザークとシオンが小刀で開けてくれて、海老はヨシュアが龍王の分も殻を剥いた。
焼き上がったホタテと牡蠣と海老を食べていると隣りの露店の店主が顔を出す。
「肉饅頭、蒸し立てだよ。どうだい?」
店主同士仲がいいのだろう。こちらの露店にも売りに来ている肉饅頭をヨシュアは四つ買って、龍王とイザークとシオンと食べた。
肉饅頭にもホタテが入っていてとても美味しい。
食べ終わると、ヨシュアと龍王はイザークとシオンに護衛してもらいながら市を見て回った。新鮮な魚介が売られており、近くの島国からの輸入品も多くあって、異国情緒あふれた市はここでしか見られないものばかりだった。
市を見終わると最初の店に戻って龍王が髪飾りを真剣に選んでいる。
ヨシュアが一緒に見ていると、龍王がヨシュアに問いかける。
「デボラに何かお土産をと考えているのです。ネイサンを連れてきてしまったお詫びにでも」
「デボラなら何がいいだろうな。この赤い花の飾りはどうだ?」
「よさそうですね。これをもらおう」
ヨシュアが赤い花びらが連なる髪飾りを選ぶと、龍王はそれに決めたようだった。
店主に支払いをして髪飾りを包んでもらって袋に入れる。
領主の屋敷に帰ってから、ヨシュアはいつもの青い衣装に着替え、龍王は黒地に赤い宝石や刺繍で彩られた衣装に着替えた。
ネイサンも龍王とヨシュアが帰ってきたときには戻ってきていた。
「ネイサン、何かいいお土産が買えたかな?」
「色々と珍しいものが多くて目移りしてしまいましたが、デボラにもギデオンにもお土産が買えました」
「それはよかった」
ヨシュアが声を掛けるとネイサンは頭を下げて、「ありがとうございます」と感謝していた。
夕餉までの間ゆっくりしていると、ヨシュアと龍王の泊る客間に花が運び込まれてくる。大きく立派な花器に飾られた花は、ヨシュアと龍王への贈り物のようだった。
「領主様より、龍王陛下と王配陛下の結婚記念日を祝して、お花をお届けに上がりました」
「これはきれいだな」
「礼を伝えてくれ」
赤を基調とした花は瑞々しく、美しく咲いている。
花を飾られただけで部屋が明るくなった気すらする。
ヨシュアと龍王は花を見ながらお茶を飲んで寛いだ。
夕餉の宴に出る前に、ヨシュアは悪戯心を出して龍王の冠を脱いだ髪に花器に飾られた花を一輪挿しておいた。花で飾られて龍王は満更でもない顔をしていた。
夕餉の宴は豪勢なものになった。
料理も豪華だったが、領主が旅の踊り子を呼んで、料理を食べている前で踊らせたのだ。華やかな異国の音楽の生演奏の中、薄く透ける布を持った踊り子が優美に踊る。踊り子の肌は濃い蜜を流したような色で、顔立ちもはっきりとしていた。
足首で絞めるような下衣と、袖なしの上衣を纏った踊り子は若い青年のようだった。
踊り終えると膝を突いて深く頭を下げる。
踊りを讃えたかったヨシュアは、龍王の髪に飾っていた花を抜き取って、ネイサンに囁く。
「彼にこれを渡してくれ」
頷いたネイサンが赤い花を踊り子に渡すと、踊り子は驚き、深く深く頭を下げて胸に指輪を抱き締めて喜んでいた。
「後で彼に金一封を包んでやってくれ」
ネイサンに命じると、ネイサンは心得たように頭を下げていた。
夕餉が終わるとヨシュアと龍王はひと払いをして湯殿に湯あみをしに行く。湯あみに同行できるのはネイサンだけだ。
ネイサンが脱衣所で待っていてくれるので、その間ヨシュアは青陵殿よりも狭い湯殿で龍王の髪を洗い、自分の髪と体も洗って湯船に浸かる。龍王も自分の体を洗って湯船に浸かっていた。
「明日から帰路につきます。ヨシュアは楽しめましたか?」
「星宇と一緒だから楽しいよ」
「わたしもヨシュアと一緒なので楽しいです」
お湯の温度もちょうどよく、浸かっていると汗をかく。汗を流すように湯船から出てから、少し冷たい水を被って、ヨシュアと龍王は脱衣所に上がった。脱衣所ではネイサンが待っていて、龍王の着替えを手伝う。ヨシュアは自分でさっさと着替えてしまった。
巡行中は清い生活をしているので、反動で帰ってから龍王が毎日のようにヨシュアを求めてくるだろうというのは分かっていた。
湯殿でヨシュアを見詰める龍王の目に熱がこもっているのも気付いていた。
手か口で処理してもよかったのだが、明日から帰り始めるので龍王も我慢できるだろうとそれをしなかった。
客間の寝台でヨシュアの胸に顔を埋めるようにしている龍王は、なかなか寝付けていない様子だった。髪に手を差し入れると、手を取られて手の平に口付けされる。
熱い吐息がヨシュアの手の平にかかって、ヨシュアは湯殿で龍王の性処理をしておくべきだったかと少し後悔した。
翌朝はいつものように日の出前に目を覚ました。
龍王とヨシュアは寝台から出て椅子に座って水の加護の祈りを捧げる。祈ると波紋状に水の加護が広がって、水の精霊が活発に動き出すのが分かる。
「この地には、わたしが龍王に即位してから初めて来ました。十六年以上この地で水の加護の祈りが捧げられたことはないのです」
「今回でこの地が豊かになるといいな」
「水の加護が強く長く続くことを祈りました」
次に巡行に出るのはいつになるのか分からない。一度行った土地は後回しにされるから、この土地に来るのは何年後か。もしかすると何十年後かもしれない。そのころまで強い水の加護が残るように、ヨシュアも改めて祈った。
着いた時間が早かったので、今回は少し町を見て回れそうだった。
領主に歓迎されて客間に通されると、ヨシュアは魔術騎士団の紺色の衣装に、龍王は地味な草色の長衣と下衣に着替えて、移転の魔術でそっと領主の屋敷を出た。昼餉はいらないと伝えておいたので、昼食は町で買って食べられる。
金髪を黒髪に魔術で変えたヨシュアは、龍王と共に魔術騎士のイザークとシオンに護衛されながら町を歩いていた。
ネイサンも自由時間をもらって町を見回っているところだろう。
「魔術騎士団のお方じゃないですか? 龍王陛下と王配陛下の護衛ご苦労様です」
「魔術騎士様には値引きするよ。この串焼き、どうだい?」
「王都に待たせている方がいるんじゃないですか。この髪飾り、海の向こうの島から輸入した珍しいものですよ」
「海の向こうの島から輸入したものといえば、この布と糸はいかがですか? 色男にお似合いの衣装が作れますよ」
賑わう市に顔を出すと、紺色の衣装でラバン王国の顔立ちは魔術騎士と分かっているので歓迎される。
龍王が領主の屋敷に着いたので護衛を交代にして町に出ている魔術騎士にヨシュアたちが見えるのだろう。
進められる模様の入った布をヨシュアは手に取った。
「この深緑はいいな。星に似合う」
「わたしにですか? ジョシュはこっちの青じゃないですか?」
「この青もいいな。模様はお揃いだし、これで一着仕立てさせるか」
値段を聞いて交渉するヨシュアを龍王が目を輝かせて見詰めている。
買った布は包んでもらって袋に入れる。
「ここの有名料理は何なんだ?」
「この町に来たら、海鮮の網焼きは食べてもらわなきゃ。海老の一匹串焼きも美味いよ」
露店の店主に話しかけると、お釣りを渡しながら教えてくれる。
網焼きの店に行くと、座る場所があって、その前に七輪が置いてあって自分で焼けるようになっていた。
「星、何が食べたい?」
「ホタテが新鮮そうですね。魚は食べにくそうです。この貝は何ですか?」
「牡蠣だよ、お兄ちゃん」
「ホタテと牡蠣と海老を四人分頼む」
店主と会話をして、先に料金を払ってホタテと牡蠣と海老を受け取って、ヨシュアと龍王とイザークとシオンは一つの七輪を囲んだ。七輪の上には網が置いてあって、中では炭が赤く燃えている。
七輪の上にホタテと牡蠣と海老を置くと、七輪の火がじわじわと焼き上げる。ホタテの殻が開くまで待って醤油を落として、牡蠣は焼けたところをイザークとシオンが小刀で開けてくれて、海老はヨシュアが龍王の分も殻を剥いた。
焼き上がったホタテと牡蠣と海老を食べていると隣りの露店の店主が顔を出す。
「肉饅頭、蒸し立てだよ。どうだい?」
店主同士仲がいいのだろう。こちらの露店にも売りに来ている肉饅頭をヨシュアは四つ買って、龍王とイザークとシオンと食べた。
肉饅頭にもホタテが入っていてとても美味しい。
食べ終わると、ヨシュアと龍王はイザークとシオンに護衛してもらいながら市を見て回った。新鮮な魚介が売られており、近くの島国からの輸入品も多くあって、異国情緒あふれた市はここでしか見られないものばかりだった。
市を見終わると最初の店に戻って龍王が髪飾りを真剣に選んでいる。
ヨシュアが一緒に見ていると、龍王がヨシュアに問いかける。
「デボラに何かお土産をと考えているのです。ネイサンを連れてきてしまったお詫びにでも」
「デボラなら何がいいだろうな。この赤い花の飾りはどうだ?」
「よさそうですね。これをもらおう」
ヨシュアが赤い花びらが連なる髪飾りを選ぶと、龍王はそれに決めたようだった。
店主に支払いをして髪飾りを包んでもらって袋に入れる。
領主の屋敷に帰ってから、ヨシュアはいつもの青い衣装に着替え、龍王は黒地に赤い宝石や刺繍で彩られた衣装に着替えた。
ネイサンも龍王とヨシュアが帰ってきたときには戻ってきていた。
「ネイサン、何かいいお土産が買えたかな?」
「色々と珍しいものが多くて目移りしてしまいましたが、デボラにもギデオンにもお土産が買えました」
「それはよかった」
ヨシュアが声を掛けるとネイサンは頭を下げて、「ありがとうございます」と感謝していた。
夕餉までの間ゆっくりしていると、ヨシュアと龍王の泊る客間に花が運び込まれてくる。大きく立派な花器に飾られた花は、ヨシュアと龍王への贈り物のようだった。
「領主様より、龍王陛下と王配陛下の結婚記念日を祝して、お花をお届けに上がりました」
「これはきれいだな」
「礼を伝えてくれ」
赤を基調とした花は瑞々しく、美しく咲いている。
花を飾られただけで部屋が明るくなった気すらする。
ヨシュアと龍王は花を見ながらお茶を飲んで寛いだ。
夕餉の宴に出る前に、ヨシュアは悪戯心を出して龍王の冠を脱いだ髪に花器に飾られた花を一輪挿しておいた。花で飾られて龍王は満更でもない顔をしていた。
夕餉の宴は豪勢なものになった。
料理も豪華だったが、領主が旅の踊り子を呼んで、料理を食べている前で踊らせたのだ。華やかな異国の音楽の生演奏の中、薄く透ける布を持った踊り子が優美に踊る。踊り子の肌は濃い蜜を流したような色で、顔立ちもはっきりとしていた。
足首で絞めるような下衣と、袖なしの上衣を纏った踊り子は若い青年のようだった。
踊り終えると膝を突いて深く頭を下げる。
踊りを讃えたかったヨシュアは、龍王の髪に飾っていた花を抜き取って、ネイサンに囁く。
「彼にこれを渡してくれ」
頷いたネイサンが赤い花を踊り子に渡すと、踊り子は驚き、深く深く頭を下げて胸に指輪を抱き締めて喜んでいた。
「後で彼に金一封を包んでやってくれ」
ネイサンに命じると、ネイサンは心得たように頭を下げていた。
夕餉が終わるとヨシュアと龍王はひと払いをして湯殿に湯あみをしに行く。湯あみに同行できるのはネイサンだけだ。
ネイサンが脱衣所で待っていてくれるので、その間ヨシュアは青陵殿よりも狭い湯殿で龍王の髪を洗い、自分の髪と体も洗って湯船に浸かる。龍王も自分の体を洗って湯船に浸かっていた。
「明日から帰路につきます。ヨシュアは楽しめましたか?」
「星宇と一緒だから楽しいよ」
「わたしもヨシュアと一緒なので楽しいです」
お湯の温度もちょうどよく、浸かっていると汗をかく。汗を流すように湯船から出てから、少し冷たい水を被って、ヨシュアと龍王は脱衣所に上がった。脱衣所ではネイサンが待っていて、龍王の着替えを手伝う。ヨシュアは自分でさっさと着替えてしまった。
巡行中は清い生活をしているので、反動で帰ってから龍王が毎日のようにヨシュアを求めてくるだろうというのは分かっていた。
湯殿でヨシュアを見詰める龍王の目に熱がこもっているのも気付いていた。
手か口で処理してもよかったのだが、明日から帰り始めるので龍王も我慢できるだろうとそれをしなかった。
客間の寝台でヨシュアの胸に顔を埋めるようにしている龍王は、なかなか寝付けていない様子だった。髪に手を差し入れると、手を取られて手の平に口付けされる。
熱い吐息がヨシュアの手の平にかかって、ヨシュアは湯殿で龍王の性処理をしておくべきだったかと少し後悔した。
翌朝はいつものように日の出前に目を覚ました。
龍王とヨシュアは寝台から出て椅子に座って水の加護の祈りを捧げる。祈ると波紋状に水の加護が広がって、水の精霊が活発に動き出すのが分かる。
「この地には、わたしが龍王に即位してから初めて来ました。十六年以上この地で水の加護の祈りが捧げられたことはないのです」
「今回でこの地が豊かになるといいな」
「水の加護が強く長く続くことを祈りました」
次に巡行に出るのはいつになるのか分からない。一度行った土地は後回しにされるから、この土地に来るのは何年後か。もしかすると何十年後かもしれない。そのころまで強い水の加護が残るように、ヨシュアも改めて祈った。
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