78 / 80
第三章 結婚に向けて
28.魔女の陰謀
しおりを挟む
「あの女や! 間違いない。どうやったかは分からへんけど、ローズ女王はんの赤さんに、呪いをかけてるに違いない!」
足早にローズの元に行って進言したイサギに、ローズはその可能性に気付いたようだ。地下牢からイサギの母親を連れて来させる。
異臭を放って痩せ細り、もう長くないことを感じさせるかつて国を傾けた魔女は、目だけぎらぎらと光らせていた。
「赤さんが死にかけてるんやて。お気の毒やわぁ」
「貴様が仕組んだことか?」
「牢の中のうちに、何ができますやろ。濡れ衣もええとこやわ」
殺しかねない勢いで問いかけられて、イサギの母親は場違いにきゃらきゃらと笑う。彼女の目を見てはいけないことを、イサギは知っていた。
魅了の魔術でひとを操る彼女が、牢に食事を届けに来た衛兵を操って、王子に呪いをかけたとしても、何も不思議はない。
「あんさん、過去にも同じようなことしてはるやないか」
「クリスティアンのこと、忘れたとは言わせませんよ」
詰め寄るイサギとエドヴァルドに、後ろ手に縛られたままで、彼女は細い首を傾げる。
「勘違いやあらしまへんか? うちがしたって証拠でもありますのん?」
「最初の夫を殺し、セイリュウ領の前領主も殺し、前国王も手にかけようとして、私の可愛い妹にドラゴンになる呪いをかけ、セイリュウ領領主に罪を着せ、私を国外に行かせた。そんな女に疑う余地がないとでも思うか?」
「疑いで罪を裁かはるんですの? 大した女王様やなぁ」
喉を反らして笑う彼女の首の細さと白さに、イサギはぞっとした。折れそうに痩せた細い体で、死にかけながらも、まだ彼女は世界を憎んでいる。
「あんさんのお姉さんを自殺させた男は、次期領主の座を蹴り落されて、領地から追放になってるで」
「は、ははっ! いい気味やわ」
「それで、あんさん、何に復讐するんや?」
イサギの問いかけに、彼女は動きを止めた。
「殺したいなら、その男を追いかけて行ったらええやないか。なんも関係のない罪のない赤さんを殺そうとしてるあんさんは、その男と同じや。いや、その男以下や。亡くなったお姉さんも、そんな最悪の妹持って、可哀想になぁ」
「何が分かる! セイリュウ領の領主の従弟として愛されて育てられて、男同士の結婚にも後ろ指刺されへんお前に、何が分かるんや!」
「なぁんも分からへん。あんさんの気持ちなんか分かるわけないやろ。分かりたくもないわ。亡くなったお姉さんは赤さんを失って、悲しかったやろなぁ。同じことを、あんさんは、何の関係もないローズ女王はんとリュリュ様にさせようとしてるんやで」
「うちは、違う! 復讐をしてるんや!」
「誰に?」
「うちは……」
狂った母親の目に、一瞬、正気の色が戻った。視線の先には、睨み殺さん勢いで剣に手をかけているローズと、熱は下がったが予断は許さない状態の赤ん坊を抱いて癒しの歌を歌い続けて泣いているリュリュがいる。
「みんな、死んでしまえばええて……」
「そうやって、赤さんを殺すんか? 自分の命を絶ってしまいたいくらいに悲しんだ、赤さんを亡くしたお姉さんを、知っとるのに」
「……あんさんも、赤さんが死んだら、死んでしまいたいと思うんか?」
頼りない子どものように震えて問いかけた彼女に、ローズが赤ん坊をリュリュから受け取ってしっかりと抱き締める。
「この子が生きられるならば、私は自分の命と引き換えにしても構わない。母親とはそういうものだろう」
「うちは、イサギもツムギもいらんかった……邪魔やった……うちは……何を間違えてしもたんやろ……」
ごめんなさい、お姉はん。
くしゃりと彼女の身体が床の上に崩れ落ちる。這いつくばって泣いている彼女は、もう憎しみに囚われてはいなかった。
全てを話せと言われて、大人しくぽつぽつと話し始める。
「呪いのかかった魔術具を、作ったんや。残りの魔術を全部込めて」
髪を編んで作った細い編み紐のような魔術具を、操った衛兵に持たせて、衛兵を媒介に使用人を操り、赤ん坊のベビーベッドの布団の下に仕込ませた。
情報を得てすぐにベビーベッドが調べられて、布団の下から編まれた黒髪が出て来る。
焼き払おうとするローズの手から、ジェーンが素早くそれを取り上げた。
「かけられている魔術を解析します。イサギさん、エドヴァルドさん、調合室へ!」
ジェーンを先頭に調合室に入ったイサギとエドヴァルドは、流行り病に似た症状が出る呪いがかかっていることを突き止めて、さっそく調合を始める。菌による流行り病ではなく、魔術による流行り病なのならば、それを中和する魔術薬が必要だ。
新生児には強すぎるかもしれない薬に躊躇うイサギに、エドヴァルドが手を握る。
「イサギさんを信じています。お母さんとのこと、立派でした。何が起ころうと、ローズ女王は王子を愛して育てます。イサギさんが責められることになっても、私は決してそばを離れません」
「例え、障害が残っても、死んでしまうよりも、生きている方が親は嬉しいに決まっているじゃない」
ジェーンにも背を押されて、イサギは調合を終えた魔術薬を注射器に入れて第二王子のところに行った。ユーリを抱いたリュリュと、第二王子を抱いたローズが待っていてくれる。
「この子の名前を決めていたんだ。ラウリ。リュリュが付けてくれた。良い名だろう?」
「ラウリ、お父さんとお母さんが一緒ですからね」
抱き締められたままで弱弱しく泣くラウリのお尻に、イサギから注射器を受け取ったジェーンが魔術薬を皮下注射していく。熱の残る真っ赤な顔だったラウリは、魔術薬を打ってしばらくすると、元気な声で泣き出した。
母乳を与えると、ごくごくと今まで飲めなかった分を取り戻すように飲む。
「急に飲ませすぎませんように。吐いてしまいますので。でも、吐いても、少しは吸収しているので、水分補給だけでもできたと思って気落ちせずに、欲しがったら何度も飲ませてください」
ジェーンの説明に、ローズは胸に吸い付くラウリを愛おし気に見下ろしていた。
「良かった……ありがとうございます、イサギ様」
「そなたには二度も助けられておるな。この礼は必ず」
「礼なんて、とんでもないです。俺は、赤さんが元気やったら、それでええ。それに、俺の母親のせいやし」
「母親ともよく戦った。そなたは立派な勇者だ」
母乳を飲ませ終わってから改めて礼を言われて、イサギはくすぐったいような、申し訳ないような複雑な気分になる。二年前に王都で空回っていたときとは全く違う、達成感があった。
「イサギさんの薬草を育てる能力がこれで、認められましたね」
「俺のマンドラゴラ、なんか違うんか?」
「何も受け付けなかったラウリさんが飲めたんですよ」
あれで命を繋いでいなければ、真相に辿り着く前にラウリは死んでいたかもしれない。エドヴァルドに言われて、初めてイサギは自分が薬草を育てる能力に秀でている可能性に行き当たる。
「俺の、栄養剤で、学校のマンドラゴラが脱走したのも……?」
「普通のマンドラゴラは脱走しないし、自分たちから薬剤になろうと覚悟を決めません」
「俺は、凄いんか?」
「凄いですよ」
王宮やテンロウ領の領主の御屋敷で飼われている特殊なマンドラゴラを育てる能力を持っていると有名なイサギは、本人は全くそんな自覚はなかった。サナの薬草畑で働くように言われて、見てきたマンドラゴラは全てあんな風に個性豊かだったので、マンドラゴラとはそんなものだと信じていたのだ。
自分でまな板の上に乗って来た蕪マンドラゴラも、イサギが育てたからだと言われれば、誇らしさよりも驚きが勝る。
「エドさんと並んで劣らん男になれてるやろか?」
「女王から感謝される学生ですよ。将来が楽しみです」
「俺は良い男になれてる!?」
驚いて大きな声を出してしまったイサギの耳に、エドヴァルドがそっと囁く。
「ずっと良い男でしたよ。毎日、更新してますけど」
真っ赤になって思わず抱き着いたイサギを担いで、エドヴァルドは無事にセイリュウ領に帰ることができた。領主の御屋敷にナホを迎えに行くと、脚に飛び付いてくる。
「おかえりなさい! おうじさまをたすけたって! が、がんばったの。ナホも、がんばったの」
「ナホちゃん、お留守番頑張ったな」
「ただいま帰りましたよ」
大きな青い目からぼろぼろと涙が零れ落ちる。
「おとうさんと、おかあさんみたいに、かえってこなかったらどうしようって、こわかった……カナエちゃんはだいじょうぶだって、なぐさめてくれたの。レンさんもサナさんも、すぐにかえってくるって……かえってきてくれて、よかった」
わぁわぁと声を上げて泣くナホを、エドヴァルドとイサギで抱き締める。
ほんの一日でもナホは過去のことを思い出して不安になってしまったようだ。それを受け止められるのもまた、エドヴァルドとイサギしかいない。
「王子様が無事で良かった……エドさん、イサギくん、お疲れ様」
「色々あったわけやけど……」
「もう、あの女も妙なこと考えへんやろ。ようやった、イサギ」
「サナちゃんに、褒められた!?」
ことの顛末を報告すれば、サナが珍しくイサギを褒めて、何事かとイサギは挙動不審になってしまった。
その日から、イサギの評価は本人の与り知らぬところで高くなっていて、王都からスカウトも来るのだが、それら全てをサナとエドヴァルドがイサギに行く前にシャットダウンしているのを、イサギが知ることはなかった。
王子の一大事も落ち着いて、イサギとエドヴァルドとナホはまた、セイリュウ領で平和な暮らしを取り戻した。
足早にローズの元に行って進言したイサギに、ローズはその可能性に気付いたようだ。地下牢からイサギの母親を連れて来させる。
異臭を放って痩せ細り、もう長くないことを感じさせるかつて国を傾けた魔女は、目だけぎらぎらと光らせていた。
「赤さんが死にかけてるんやて。お気の毒やわぁ」
「貴様が仕組んだことか?」
「牢の中のうちに、何ができますやろ。濡れ衣もええとこやわ」
殺しかねない勢いで問いかけられて、イサギの母親は場違いにきゃらきゃらと笑う。彼女の目を見てはいけないことを、イサギは知っていた。
魅了の魔術でひとを操る彼女が、牢に食事を届けに来た衛兵を操って、王子に呪いをかけたとしても、何も不思議はない。
「あんさん、過去にも同じようなことしてはるやないか」
「クリスティアンのこと、忘れたとは言わせませんよ」
詰め寄るイサギとエドヴァルドに、後ろ手に縛られたままで、彼女は細い首を傾げる。
「勘違いやあらしまへんか? うちがしたって証拠でもありますのん?」
「最初の夫を殺し、セイリュウ領の前領主も殺し、前国王も手にかけようとして、私の可愛い妹にドラゴンになる呪いをかけ、セイリュウ領領主に罪を着せ、私を国外に行かせた。そんな女に疑う余地がないとでも思うか?」
「疑いで罪を裁かはるんですの? 大した女王様やなぁ」
喉を反らして笑う彼女の首の細さと白さに、イサギはぞっとした。折れそうに痩せた細い体で、死にかけながらも、まだ彼女は世界を憎んでいる。
「あんさんのお姉さんを自殺させた男は、次期領主の座を蹴り落されて、領地から追放になってるで」
「は、ははっ! いい気味やわ」
「それで、あんさん、何に復讐するんや?」
イサギの問いかけに、彼女は動きを止めた。
「殺したいなら、その男を追いかけて行ったらええやないか。なんも関係のない罪のない赤さんを殺そうとしてるあんさんは、その男と同じや。いや、その男以下や。亡くなったお姉さんも、そんな最悪の妹持って、可哀想になぁ」
「何が分かる! セイリュウ領の領主の従弟として愛されて育てられて、男同士の結婚にも後ろ指刺されへんお前に、何が分かるんや!」
「なぁんも分からへん。あんさんの気持ちなんか分かるわけないやろ。分かりたくもないわ。亡くなったお姉さんは赤さんを失って、悲しかったやろなぁ。同じことを、あんさんは、何の関係もないローズ女王はんとリュリュ様にさせようとしてるんやで」
「うちは、違う! 復讐をしてるんや!」
「誰に?」
「うちは……」
狂った母親の目に、一瞬、正気の色が戻った。視線の先には、睨み殺さん勢いで剣に手をかけているローズと、熱は下がったが予断は許さない状態の赤ん坊を抱いて癒しの歌を歌い続けて泣いているリュリュがいる。
「みんな、死んでしまえばええて……」
「そうやって、赤さんを殺すんか? 自分の命を絶ってしまいたいくらいに悲しんだ、赤さんを亡くしたお姉さんを、知っとるのに」
「……あんさんも、赤さんが死んだら、死んでしまいたいと思うんか?」
頼りない子どものように震えて問いかけた彼女に、ローズが赤ん坊をリュリュから受け取ってしっかりと抱き締める。
「この子が生きられるならば、私は自分の命と引き換えにしても構わない。母親とはそういうものだろう」
「うちは、イサギもツムギもいらんかった……邪魔やった……うちは……何を間違えてしもたんやろ……」
ごめんなさい、お姉はん。
くしゃりと彼女の身体が床の上に崩れ落ちる。這いつくばって泣いている彼女は、もう憎しみに囚われてはいなかった。
全てを話せと言われて、大人しくぽつぽつと話し始める。
「呪いのかかった魔術具を、作ったんや。残りの魔術を全部込めて」
髪を編んで作った細い編み紐のような魔術具を、操った衛兵に持たせて、衛兵を媒介に使用人を操り、赤ん坊のベビーベッドの布団の下に仕込ませた。
情報を得てすぐにベビーベッドが調べられて、布団の下から編まれた黒髪が出て来る。
焼き払おうとするローズの手から、ジェーンが素早くそれを取り上げた。
「かけられている魔術を解析します。イサギさん、エドヴァルドさん、調合室へ!」
ジェーンを先頭に調合室に入ったイサギとエドヴァルドは、流行り病に似た症状が出る呪いがかかっていることを突き止めて、さっそく調合を始める。菌による流行り病ではなく、魔術による流行り病なのならば、それを中和する魔術薬が必要だ。
新生児には強すぎるかもしれない薬に躊躇うイサギに、エドヴァルドが手を握る。
「イサギさんを信じています。お母さんとのこと、立派でした。何が起ころうと、ローズ女王は王子を愛して育てます。イサギさんが責められることになっても、私は決してそばを離れません」
「例え、障害が残っても、死んでしまうよりも、生きている方が親は嬉しいに決まっているじゃない」
ジェーンにも背を押されて、イサギは調合を終えた魔術薬を注射器に入れて第二王子のところに行った。ユーリを抱いたリュリュと、第二王子を抱いたローズが待っていてくれる。
「この子の名前を決めていたんだ。ラウリ。リュリュが付けてくれた。良い名だろう?」
「ラウリ、お父さんとお母さんが一緒ですからね」
抱き締められたままで弱弱しく泣くラウリのお尻に、イサギから注射器を受け取ったジェーンが魔術薬を皮下注射していく。熱の残る真っ赤な顔だったラウリは、魔術薬を打ってしばらくすると、元気な声で泣き出した。
母乳を与えると、ごくごくと今まで飲めなかった分を取り戻すように飲む。
「急に飲ませすぎませんように。吐いてしまいますので。でも、吐いても、少しは吸収しているので、水分補給だけでもできたと思って気落ちせずに、欲しがったら何度も飲ませてください」
ジェーンの説明に、ローズは胸に吸い付くラウリを愛おし気に見下ろしていた。
「良かった……ありがとうございます、イサギ様」
「そなたには二度も助けられておるな。この礼は必ず」
「礼なんて、とんでもないです。俺は、赤さんが元気やったら、それでええ。それに、俺の母親のせいやし」
「母親ともよく戦った。そなたは立派な勇者だ」
母乳を飲ませ終わってから改めて礼を言われて、イサギはくすぐったいような、申し訳ないような複雑な気分になる。二年前に王都で空回っていたときとは全く違う、達成感があった。
「イサギさんの薬草を育てる能力がこれで、認められましたね」
「俺のマンドラゴラ、なんか違うんか?」
「何も受け付けなかったラウリさんが飲めたんですよ」
あれで命を繋いでいなければ、真相に辿り着く前にラウリは死んでいたかもしれない。エドヴァルドに言われて、初めてイサギは自分が薬草を育てる能力に秀でている可能性に行き当たる。
「俺の、栄養剤で、学校のマンドラゴラが脱走したのも……?」
「普通のマンドラゴラは脱走しないし、自分たちから薬剤になろうと覚悟を決めません」
「俺は、凄いんか?」
「凄いですよ」
王宮やテンロウ領の領主の御屋敷で飼われている特殊なマンドラゴラを育てる能力を持っていると有名なイサギは、本人は全くそんな自覚はなかった。サナの薬草畑で働くように言われて、見てきたマンドラゴラは全てあんな風に個性豊かだったので、マンドラゴラとはそんなものだと信じていたのだ。
自分でまな板の上に乗って来た蕪マンドラゴラも、イサギが育てたからだと言われれば、誇らしさよりも驚きが勝る。
「エドさんと並んで劣らん男になれてるやろか?」
「女王から感謝される学生ですよ。将来が楽しみです」
「俺は良い男になれてる!?」
驚いて大きな声を出してしまったイサギの耳に、エドヴァルドがそっと囁く。
「ずっと良い男でしたよ。毎日、更新してますけど」
真っ赤になって思わず抱き着いたイサギを担いで、エドヴァルドは無事にセイリュウ領に帰ることができた。領主の御屋敷にナホを迎えに行くと、脚に飛び付いてくる。
「おかえりなさい! おうじさまをたすけたって! が、がんばったの。ナホも、がんばったの」
「ナホちゃん、お留守番頑張ったな」
「ただいま帰りましたよ」
大きな青い目からぼろぼろと涙が零れ落ちる。
「おとうさんと、おかあさんみたいに、かえってこなかったらどうしようって、こわかった……カナエちゃんはだいじょうぶだって、なぐさめてくれたの。レンさんもサナさんも、すぐにかえってくるって……かえってきてくれて、よかった」
わぁわぁと声を上げて泣くナホを、エドヴァルドとイサギで抱き締める。
ほんの一日でもナホは過去のことを思い出して不安になってしまったようだ。それを受け止められるのもまた、エドヴァルドとイサギしかいない。
「王子様が無事で良かった……エドさん、イサギくん、お疲れ様」
「色々あったわけやけど……」
「もう、あの女も妙なこと考えへんやろ。ようやった、イサギ」
「サナちゃんに、褒められた!?」
ことの顛末を報告すれば、サナが珍しくイサギを褒めて、何事かとイサギは挙動不審になってしまった。
その日から、イサギの評価は本人の与り知らぬところで高くなっていて、王都からスカウトも来るのだが、それら全てをサナとエドヴァルドがイサギに行く前にシャットダウンしているのを、イサギが知ることはなかった。
王子の一大事も落ち着いて、イサギとエドヴァルドとナホはまた、セイリュウ領で平和な暮らしを取り戻した。
1
あなたにおすすめの小説
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
【8話完結】勇者の「便利な恋人」を辞めます。~世界を救うより、自分の幸せを守ることにしました~
キノア9g
BL
「君は便利だ」と笑った勇者を捨てたら、彼は全てを失い、私は伝説の魔導師へ。
あらすじ
勇者パーティーの万能魔術師・エリアスには、秘密があった。
それは、勇者ガウルの恋人でありながら、家事・雑用・魔力供給係として「便利な道具」のように扱われていること。
「お前は後ろで魔法撃ってるだけで楽だよな」
「俺のコンディション管理がお前の役目だろ?」
無神経な言葉と、徹夜で装備を直し自らの生命力を削って結界を維持する日々に疲れ果てたエリアスは、ある日ついに愛想を尽かして書き置きを残す。
『辞めます』
エリアスが去った翌日から、勇者パーティーは地獄に落ちた。
不味い飯、腐るアイテム、機能しない防御。
一方、エリアスは隣国の公爵に見初められ、国宝級の魔導師として華麗に転身し、正当な評価と敬意を与えられていた。
これは、自分の価値に気づいた受けが幸せになり、全てを失った攻めがプライドも聖剣も捨てて「狂犬」のような執着を見せるまでの、再構築の物語。
【勇者×魔導師/クズ勇者の転落劇】
※攻めへのざまぁ要素(曇らせ)がメインの作品です。
※糖度低め/精神的充足度高め
※最後の最後に、攻めは受けの忠実な「番犬」になります。
全8話。
美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。
竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。
男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。
家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。
前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。
前世の記憶チートで優秀なことも。
だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。
愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる