19 / 47
一章 セラフィナ誕生
19.憧れの学園生活
しおりを挟む
実はわたくし、二歳になって「おにーたま」と言えるのだ。
言えるのだが、「にぃに」の方が言いやすいし、すぐ口から出てくるのでラファエルお兄様のことは幼さに甘えてもう少し「にぃに」と呼ばせてもらおうと思っている。
子ども部屋の窓から見える庭の景色も変わってきて、木々は紅葉し、秋も深くなっているのが分かる。
ラファエルお兄様も学園に入学してから一か月が経とうとしていた。わたくしのお誕生日からも約一か月が経ったということだ。
その間にラファエルお兄様はアルベルト様とユリウス様とアンリエット嬢を招いて、宮殿でお茶会を二回している。二回目にはヴァレリア嬢も来ていたのだが、彼女はそれなりの処分を受けたということでもう忘れることにする。
ラファエルお兄様から聞く学園の話は、とても興味深くて、ラファエルお兄様が学園から帰って少しでも子ども部屋に来ると、わたくしはいつもラファエルお兄様に駆け寄って話を聞いていた。
「がくえんのおはなち、ちて」
「セラフィナは学園の話が好きだな。学園のクラスは身分で分けられているんだ。わたしのクラスには、皇族と公爵家の子息令嬢と、侯爵家の子息令嬢しかいない」
「どうちて?」
「学園で学生は平等だと言っているが、それは建前なんだ。身分の差があるということを学ぶのも学園での大切なことだし、身分差のあるクラスメイトではいじめや上位貴族が下位貴族を馬鹿にして蔑むことが起こりやすいと言われているんだ」
「いじめ……」
「セラフィナには難しかったかな? いじめっていうのは、集団で一人を攻撃する、とても卑怯で最低の行為なんだ」
そうなのか。
わたくしは貴族であればほとんどのものが通うはずの学園に入学しなかったから知らなかったが、学園は建前上は学生は平等としているが、身分差をはっきりとさせており、身分の大きく違うものが同じクラスにならないようになっているのか。
わたくしも学園に通っていたらいじめられていただろうから、ラファエルお兄様の言ういじめの意味は重く受け止めていた。
「もっとおはなちちて」
「学園ではサロンがあって、そこで昼食やお茶の時間ができるようになっているんだ。サロンは仲のいい友人同士のグループで借りるんだ」
「アルたま? ユーリたま? アンたま?」
「そうだね。わたしはアルベルトとユリウスとサロンを借りていたけれど、アンリエット嬢とご友人の令嬢も参加することになっているよ」
「しゅてきー!」
ラファエルお兄様のサロンにアンリエット嬢も来ることになった件に関しては、わたくしは手を叩いて応援と歓迎の意を示す。拍手をするとラファエルお兄様が目を細めて喜んでくれるから、気を引きたいときには手を叩いてしまうのだ。
「そえから?」
「ごく少数だが平民の特待生も学園に来ているよ」
「とくたいしぇい……がくえん、どうちるの?」
「特待生や領地が帝都から遠くて帝都にタウンハウスがない貴族は、寮に入っているよ。昔は全寮制だったみたいだけれど、高位貴族や皇族は身を守らなければいけないから、セキュリティ上の問題で、帝都にタウンハウスがある高位貴族はそこから通ってるんだよ」
「りょう、おっちい?」
「寮は三つに分かれていて、これも身分ではっきりと差があるよ。こんなに話をしてたら、セラフィナが明日にでも学園に来ちゃうんじゃないかと心配になるよ」
前世で学園に通えなかった分、わたくしは学園の話を聞くのが楽しかった。前世も通えたならば学園に通いたかった。クラリッサを冷遇する両親のもとで学園に通いたいと主張することもできなかったが。
「わたくち、がくえん、いきちゃい」
「来る?」
「いーの?」
学園への憧れに胸をいっぱいにさせていると、ラファエルお兄様からお誘いがある。学園には十二歳になって入学してからしか行くことはできないと思っていたので、わたくしはラファエルお兄様から誘われたことに驚いていた。
「すぐには行けないんだけど、冬休みが明けたら、体育祭があるんだ。そのときに父上と母上に許可をもらって、護衛をしっかりと付ければ学園に来られるかもしれないよ」
「たいいくしゃい?」
「ダンスや乗馬、リレーなどで生徒が身体能力を見せあう学園の一大イベントだよ。わたしはアンリエット嬢を誘ってダンスに出ようかな? 乗馬でもいいな。セラフィナにわたしの格好いいところを見せたいよ」
体育祭なんていうものがあるのか。
平民の通う学校にはそんなものはなかったので、知らなかった。
そもそも、平民は六歳から十二歳までの間、学校に通う。これは国で定められた義務教育だ。義務教育を終えると、平民の子どもたちは大人と同じと扱われて、働きに出ることが多いのだ。
一部の優秀な特待生が貴族や皇族の通う学園に進学していることは知っていたが、学園での仕組みがどうなっているかは知らなかった。
平民の通う学校では、読み書きと算術と簡単な歴史くらいしか習わない。
ラファエルお兄様が家庭教師について勉強していたのをそばで見守っていたが、難しい数学や歴史、政治学などを学んでいて、それだけではなく礼儀作法も学んでいて、平民とはやはり違うのだと差には気付いていた。
「にぃに、たいいくしゃい、いく!」
「わたしもセラフィナに来てほしいな。父上と母上に頼んでおくよ」
お父様とお母様はわたくしが学園に行きたがっていることを知っているはずだ。お父様とお母様は普段は執務と社交で忙しいのであまり会うことができないが、会えるときには子ども部屋に顔を出してくれているし、お茶の時間を一緒に過ごすこともあった。そのときにラファエルお兄様がいたら、今日のように学園のことで質問攻めにしているので、お父様もお母様もわたくしが学園に興味を持っていることは知っているのだ。
「わたくち、いいこにちる」
「セラフィナはいつもいい子だよ」
「もっと、いいこにちる」
「そうだね。そうしたら、父上も母上も学園に行くことを許してくれるかもしれないね」
ラファエルお兄様が学園に通うようになってから、子ども部屋でラファエルお兄様とアルベルト様とユリウス様が勉強するようなこともなくなって、わたくしは少し退屈していた。
わたくしには様々なおもちゃが用意されていて、乳母も侍女も積極的に遊んでくれるのだが、どうしても二歳児に対する遊び方なのでつまらないのだ。
もっと知りたいことがある。もっと勉強したい。
わたくしは字も読めるので、絵本を自分で読むこともできるし、もっと難解な本を読みたいのだが、まだ二歳なので簡単な絵本しか子ども部屋には用意されていない。
かつてラファエルお兄様が読んでいたであろうちょっと高度な本でも、六歳児くらいまでが対象となる話だし、その本は高い位置に置いてあるのでわたくしは手が届かないのだ。
「にぃに、えほん、よんで」
「セラフィナはどの絵本が読みたいのかな?」
「あえ!」
本棚の手の届かない上の方を指差すと、ラファエルお兄様が苦笑する。
「あれはまだセラフィナには早いよ。とても長くて、読み聞かせるのも何日もかかってしまうし」
「あえがいーの!」
「どうしても、これがいいの? それじゃ、読むけど、途中で飽きたらやめていいからね」
上の方の本棚が見えるように抱き上げてもらって、一冊の本を選ぶと、ラファエルお兄様がそれを取ってわたくしを抱っこしてソファに座り、読んでくれる。それは分厚い本で、文字も小さく、二歳児向けではなかったけれど、平民の学校を卒業したくらいのわたくしにはぴったりの冒険譚だった。
胸をドキドキさせてラファエルお兄様が読むのを聞いて、わたくしも自分で読み進めたいと思うのだが、ラファエルお兄様は読んだところまでにしおりを挟んで本をまた同じ高い位置の本棚に戻してしまった。
「あえ、とってー!」
「続きはまた今度ね」
「にぃに、ほちーの!」
「セラフィナ、それじゃ、乳母に続きを読んでもらえるように言っておくよ。セラフィナは本当に賢いね。これはわたしが五歳くらいのときに夢中になった本だよ」
続きを乳母に読んでもらえると聞いて、わたくしは納得してそれ以上ラファエルお兄様を困らせることはなかった。
ラファエルお兄様が部屋に帰って行くと、またわたくしはつまらなくなってしまう。
お絵描きができるクレヨンと画用紙も用意されていたが、二歳の手はぐらぐらして上手に字が書けない。絵を描こうとしても、手首がぐらぐらして、全然上手に書けない。
早く文字も書けるようになりたいと、わたくしはクレヨンを手に、画用紙に真剣に向き合っていた。
言えるのだが、「にぃに」の方が言いやすいし、すぐ口から出てくるのでラファエルお兄様のことは幼さに甘えてもう少し「にぃに」と呼ばせてもらおうと思っている。
子ども部屋の窓から見える庭の景色も変わってきて、木々は紅葉し、秋も深くなっているのが分かる。
ラファエルお兄様も学園に入学してから一か月が経とうとしていた。わたくしのお誕生日からも約一か月が経ったということだ。
その間にラファエルお兄様はアルベルト様とユリウス様とアンリエット嬢を招いて、宮殿でお茶会を二回している。二回目にはヴァレリア嬢も来ていたのだが、彼女はそれなりの処分を受けたということでもう忘れることにする。
ラファエルお兄様から聞く学園の話は、とても興味深くて、ラファエルお兄様が学園から帰って少しでも子ども部屋に来ると、わたくしはいつもラファエルお兄様に駆け寄って話を聞いていた。
「がくえんのおはなち、ちて」
「セラフィナは学園の話が好きだな。学園のクラスは身分で分けられているんだ。わたしのクラスには、皇族と公爵家の子息令嬢と、侯爵家の子息令嬢しかいない」
「どうちて?」
「学園で学生は平等だと言っているが、それは建前なんだ。身分の差があるということを学ぶのも学園での大切なことだし、身分差のあるクラスメイトではいじめや上位貴族が下位貴族を馬鹿にして蔑むことが起こりやすいと言われているんだ」
「いじめ……」
「セラフィナには難しかったかな? いじめっていうのは、集団で一人を攻撃する、とても卑怯で最低の行為なんだ」
そうなのか。
わたくしは貴族であればほとんどのものが通うはずの学園に入学しなかったから知らなかったが、学園は建前上は学生は平等としているが、身分差をはっきりとさせており、身分の大きく違うものが同じクラスにならないようになっているのか。
わたくしも学園に通っていたらいじめられていただろうから、ラファエルお兄様の言ういじめの意味は重く受け止めていた。
「もっとおはなちちて」
「学園ではサロンがあって、そこで昼食やお茶の時間ができるようになっているんだ。サロンは仲のいい友人同士のグループで借りるんだ」
「アルたま? ユーリたま? アンたま?」
「そうだね。わたしはアルベルトとユリウスとサロンを借りていたけれど、アンリエット嬢とご友人の令嬢も参加することになっているよ」
「しゅてきー!」
ラファエルお兄様のサロンにアンリエット嬢も来ることになった件に関しては、わたくしは手を叩いて応援と歓迎の意を示す。拍手をするとラファエルお兄様が目を細めて喜んでくれるから、気を引きたいときには手を叩いてしまうのだ。
「そえから?」
「ごく少数だが平民の特待生も学園に来ているよ」
「とくたいしぇい……がくえん、どうちるの?」
「特待生や領地が帝都から遠くて帝都にタウンハウスがない貴族は、寮に入っているよ。昔は全寮制だったみたいだけれど、高位貴族や皇族は身を守らなければいけないから、セキュリティ上の問題で、帝都にタウンハウスがある高位貴族はそこから通ってるんだよ」
「りょう、おっちい?」
「寮は三つに分かれていて、これも身分ではっきりと差があるよ。こんなに話をしてたら、セラフィナが明日にでも学園に来ちゃうんじゃないかと心配になるよ」
前世で学園に通えなかった分、わたくしは学園の話を聞くのが楽しかった。前世も通えたならば学園に通いたかった。クラリッサを冷遇する両親のもとで学園に通いたいと主張することもできなかったが。
「わたくち、がくえん、いきちゃい」
「来る?」
「いーの?」
学園への憧れに胸をいっぱいにさせていると、ラファエルお兄様からお誘いがある。学園には十二歳になって入学してからしか行くことはできないと思っていたので、わたくしはラファエルお兄様から誘われたことに驚いていた。
「すぐには行けないんだけど、冬休みが明けたら、体育祭があるんだ。そのときに父上と母上に許可をもらって、護衛をしっかりと付ければ学園に来られるかもしれないよ」
「たいいくしゃい?」
「ダンスや乗馬、リレーなどで生徒が身体能力を見せあう学園の一大イベントだよ。わたしはアンリエット嬢を誘ってダンスに出ようかな? 乗馬でもいいな。セラフィナにわたしの格好いいところを見せたいよ」
体育祭なんていうものがあるのか。
平民の通う学校にはそんなものはなかったので、知らなかった。
そもそも、平民は六歳から十二歳までの間、学校に通う。これは国で定められた義務教育だ。義務教育を終えると、平民の子どもたちは大人と同じと扱われて、働きに出ることが多いのだ。
一部の優秀な特待生が貴族や皇族の通う学園に進学していることは知っていたが、学園での仕組みがどうなっているかは知らなかった。
平民の通う学校では、読み書きと算術と簡単な歴史くらいしか習わない。
ラファエルお兄様が家庭教師について勉強していたのをそばで見守っていたが、難しい数学や歴史、政治学などを学んでいて、それだけではなく礼儀作法も学んでいて、平民とはやはり違うのだと差には気付いていた。
「にぃに、たいいくしゃい、いく!」
「わたしもセラフィナに来てほしいな。父上と母上に頼んでおくよ」
お父様とお母様はわたくしが学園に行きたがっていることを知っているはずだ。お父様とお母様は普段は執務と社交で忙しいのであまり会うことができないが、会えるときには子ども部屋に顔を出してくれているし、お茶の時間を一緒に過ごすこともあった。そのときにラファエルお兄様がいたら、今日のように学園のことで質問攻めにしているので、お父様もお母様もわたくしが学園に興味を持っていることは知っているのだ。
「わたくち、いいこにちる」
「セラフィナはいつもいい子だよ」
「もっと、いいこにちる」
「そうだね。そうしたら、父上も母上も学園に行くことを許してくれるかもしれないね」
ラファエルお兄様が学園に通うようになってから、子ども部屋でラファエルお兄様とアルベルト様とユリウス様が勉強するようなこともなくなって、わたくしは少し退屈していた。
わたくしには様々なおもちゃが用意されていて、乳母も侍女も積極的に遊んでくれるのだが、どうしても二歳児に対する遊び方なのでつまらないのだ。
もっと知りたいことがある。もっと勉強したい。
わたくしは字も読めるので、絵本を自分で読むこともできるし、もっと難解な本を読みたいのだが、まだ二歳なので簡単な絵本しか子ども部屋には用意されていない。
かつてラファエルお兄様が読んでいたであろうちょっと高度な本でも、六歳児くらいまでが対象となる話だし、その本は高い位置に置いてあるのでわたくしは手が届かないのだ。
「にぃに、えほん、よんで」
「セラフィナはどの絵本が読みたいのかな?」
「あえ!」
本棚の手の届かない上の方を指差すと、ラファエルお兄様が苦笑する。
「あれはまだセラフィナには早いよ。とても長くて、読み聞かせるのも何日もかかってしまうし」
「あえがいーの!」
「どうしても、これがいいの? それじゃ、読むけど、途中で飽きたらやめていいからね」
上の方の本棚が見えるように抱き上げてもらって、一冊の本を選ぶと、ラファエルお兄様がそれを取ってわたくしを抱っこしてソファに座り、読んでくれる。それは分厚い本で、文字も小さく、二歳児向けではなかったけれど、平民の学校を卒業したくらいのわたくしにはぴったりの冒険譚だった。
胸をドキドキさせてラファエルお兄様が読むのを聞いて、わたくしも自分で読み進めたいと思うのだが、ラファエルお兄様は読んだところまでにしおりを挟んで本をまた同じ高い位置の本棚に戻してしまった。
「あえ、とってー!」
「続きはまた今度ね」
「にぃに、ほちーの!」
「セラフィナ、それじゃ、乳母に続きを読んでもらえるように言っておくよ。セラフィナは本当に賢いね。これはわたしが五歳くらいのときに夢中になった本だよ」
続きを乳母に読んでもらえると聞いて、わたくしは納得してそれ以上ラファエルお兄様を困らせることはなかった。
ラファエルお兄様が部屋に帰って行くと、またわたくしはつまらなくなってしまう。
お絵描きができるクレヨンと画用紙も用意されていたが、二歳の手はぐらぐらして上手に字が書けない。絵を描こうとしても、手首がぐらぐらして、全然上手に書けない。
早く文字も書けるようになりたいと、わたくしはクレヨンを手に、画用紙に真剣に向き合っていた。
327
あなたにおすすめの小説
婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました
相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。
――男らしい? ゴリラ?
クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。
デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。
「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。
下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。
レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
知らぬはヒロインだけ
ネコフク
恋愛
「クエス様好きです!」婚約者が隣にいるのに告白する令嬢に唖然とするシスティアとクエスフィール。
告白してきた令嬢アリサは見目の良い高位貴族の子息ばかり粉をかけて回っていると有名な人物だった。
しかも「イベント」「システム」など訳が分からない事を言っているらしい。
そう、アリサは転生者。ここが乙女ゲームの世界で自分はヒロインだと思っている。
しかし彼女は知らない。他にも転生者がいることを。
※不定期連載です。毎日投稿する時もあれば日が開く事もあります。
七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。
木山楽斗
恋愛
幼少期から魔法使いとしての才覚を見せていたラムーナは、王国における魔法使い最高峰の役職である聖女に就任するはずだった。
しかし、王国が聖女に選んだのは第一王女であるロメリアであった。彼女は父親である国王から溺愛されており、親の七光りで聖女に就任したのである。
ラムーナは、そんなロメリアを支える聖女補佐を任せられた。それは実質的に聖女としての役割を彼女が担うということだった。ロメリアには魔法使いの才能などまったくなかったのである。
色々と腑に落ちないラムーナだったが、それでも好待遇ではあったためその話を受け入れた。補佐として聖女を支えていこう。彼女はそのように考えていたのだ。
だが、彼女はその考えをすぐに改めることになった。なぜなら、聖女となったロメリアはとてもわがままな女性だったからである。
彼女は、才覚がまったくないにも関わらず上から目線でラムーナに命令してきた。ラムーナに支えられなければ何もできないはずなのに、ロメリアはとても偉そうだったのだ。
そんな彼女の態度に辟易としたラムーナは、聖女補佐の役目を下りることにした。王国側は特に彼女を止めることもなかった。ラムーナの代わりはいくらでもいると考えていたからである。
しかし彼女が去ったことによって、王国は未曽有の危機に晒されることになった。聖女補佐としてのラムーナは、とても有能な人間だったのだ。
7歳の侯爵夫人
凛江
恋愛
ある日7歳の公爵令嬢コンスタンスが目覚めると、世界は全く変わっていたー。
自分は現在19歳の侯爵夫人で、23歳の夫がいるというのだ。
どうやら彼女は事故に遭って12年分の記憶を失っているらしい。
目覚める前日、たしかに自分は王太子と婚約したはずだった。
王太子妃になるはずだった自分が何故侯爵夫人になっているのかー?
見知らぬ夫に戸惑う妻(中身は幼女)と、突然幼女になってしまった妻に戸惑う夫。
23歳の夫と7歳の妻の奇妙な関係が始まるー。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる