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水平線の向こうに⑨
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「あたまが重い…… アセトアルデヒドめ……」
自ら飲んだ酒だったからだろうか、痛覚耐性スキルや毒耐性スキルが発動していても遠慮がちにしか効果がない。
スキルレベルが人族の限界の先であるSであっても今は飾りでしかないことをひしひしと感じていると
「おはようございます、ケーナ」
目覚めに気づいたハクレイがベットに駆け寄ってきた。
「おはよ……ちょっと頭が……」
「昨日は飲みすぎです。普段お酒なんてあまり飲まないのに、何杯も飲むから心配でした」
「そんなに飲んでた?……記憶にない」
記憶にないことが飲み過ぎていた証拠かもしれない。
自らに解毒魔法を使い、体内の毒を分解していく。スーっと頭が軽くなるのが分かる。
「私、……失礼な事とかしてないよね」
「ケーナのことは。しっかりハクレイが止めました」
「あ、ありがと……」
「でも、フランさんは止められませんでした」
「えっ?」
「浴びるように酒を飲んで、酔った勢いで色々と…………」
これは謝罪だ。心なしかハクレイの顔色も良くない。
「ハクレイは大丈夫なの?」
「えっと実は寝てないんです」
「眠れなかった?」
「その、ケーナが昨日帝王に使ったスキルのせいで弱ってると思ったので念のため見張りをしてました」
「そっか……ごめんね」⦅あれ、嘘なんだよね……⦆
声を聞かれているかも知れないので念話に切り替える。
「ですよね……」
予想はしていたのかやっぱり、そうなのかと言いたそうな顔。
⦅ハクレイには教えておくけど……あのスキルは、常時発動出来るスキルレベルだからクールタイムは0なんだよね。あと秘密ついでに、前言ってた私に対抗できる人がいるって話だけど……⦆
急に重要そうな話になってピリッと緊張するハクレイ
⦅実はあれは私のことなんだよね。ほら私ってスキルでもう1人作り出せるから)
「今のところ、ケーナのことを傷つける者はいないってことですね」
「まっ、そゆことー」
心配事が増えずに済んで安心しているハクレイ。
そろそろ会話に割り込みが入ってきそうな予感はしたのだが、広い部屋を見渡しても私とハクレイだけ。あと一人の気配がない。
「そーいえば、フランはどこに行ったの?」
「それがですね……その、止められなかったんです」
「何したのっ!?」
「帝王様の寝室へ強引に……童てい王は今日で最後だとかなんとか……」
「ちょっ、誰か止めなかったの??」
「執事やメイドの方々はなぜが、涙を流して喜んでまして……」
お年頃な帝王様だが病気のこともあり女性に触るのも我慢していたとのこと。相手の女性に魔病がうつったり、子供ができてその子供まで魔病がうつったりしてしまうことを懸念していたとか。
だけどその心配もなくなり、酔った帝王がポロっと口にした「女を抱きたい」との言葉にフランが反応したらしい。
「え、フランって性欲あったの?」
「あー……フランさんは男というより、男の子が好きみたいです。何度か買い物を一緒にしているときに気づきました。目で追う人族は未成熟な男の子、特に帝王様のようにあどけなさが残る感じなんて、まさにですね」
そんな嗜好があったことを初めて知ったが、思い返すと子供相手には優しい一面があったのは確かだった。
だとしても、帝王の初めてを600歳が奪うなんて恐れ多い。せめて側室になってからと思ったが、もう日も昇り朝をむかえ、窓の外では鳥たちが鳴いている。
それでもフランは常識ある者だと私は信じたい……
が、その思いは一瞬で消し飛んだ。探索スキルでフランと帝王の場所を把握し、同じ場所にいることを確認。きっとベッドの上だろう、事はとっくに済んでる。
帝王に詳細鑑定
---------------------------------------
女性経験歴
初回 エイミー・アイビ
以下回数順
マーゴット・ザレア、ナタリー、キャサリン・ドラビ、キーラ・ロエ、
マリオン、ブレンダ・ハーター、パイク・リーブ、カヤ・カランコエ、
ヘレン、ダイア、ローナン、エイミー・アイビ、ナイトレイ、デンチ、ポイ・ドナ、
フリュ、チョープラー、パターニ・ハルド、カプール・ハルド、ヘグテ、
ラナ・イオール、シャルマ、ラーイ、バットイ、キンラ・ヴェル、
ディーク、シッテイ、サラン、フランメール・エルジェベート
---------------------------------------
「28番目……?」
(童てい王とは? フランが誘われた!?)
魔病だった間、本当に我慢していたのであれば、帝王の帝王様は病気になる前から幼くして暴君だったことが伺える。
そのことを踏まえると大の女好きでありながら病気の間は耐えたのだから、その精神力は凄いのかもしれない。
フランの人化は多少物足りない体つきではあるが、許容範囲は人それぞれ。帝王の好みに合うなら問題はない。しかし、帝王の経験歴を見るに遊ばれたのはフランの方かも知れないが、あえてフランの詳細鑑定はせずに威厳を保ってもらおうと思う。
どちらにせよフランが粗相をしてしまったことは事実なので、謝罪の言葉を考えとくことにした。
自ら飲んだ酒だったからだろうか、痛覚耐性スキルや毒耐性スキルが発動していても遠慮がちにしか効果がない。
スキルレベルが人族の限界の先であるSであっても今は飾りでしかないことをひしひしと感じていると
「おはようございます、ケーナ」
目覚めに気づいたハクレイがベットに駆け寄ってきた。
「おはよ……ちょっと頭が……」
「昨日は飲みすぎです。普段お酒なんてあまり飲まないのに、何杯も飲むから心配でした」
「そんなに飲んでた?……記憶にない」
記憶にないことが飲み過ぎていた証拠かもしれない。
自らに解毒魔法を使い、体内の毒を分解していく。スーっと頭が軽くなるのが分かる。
「私、……失礼な事とかしてないよね」
「ケーナのことは。しっかりハクレイが止めました」
「あ、ありがと……」
「でも、フランさんは止められませんでした」
「えっ?」
「浴びるように酒を飲んで、酔った勢いで色々と…………」
これは謝罪だ。心なしかハクレイの顔色も良くない。
「ハクレイは大丈夫なの?」
「えっと実は寝てないんです」
「眠れなかった?」
「その、ケーナが昨日帝王に使ったスキルのせいで弱ってると思ったので念のため見張りをしてました」
「そっか……ごめんね」⦅あれ、嘘なんだよね……⦆
声を聞かれているかも知れないので念話に切り替える。
「ですよね……」
予想はしていたのかやっぱり、そうなのかと言いたそうな顔。
⦅ハクレイには教えておくけど……あのスキルは、常時発動出来るスキルレベルだからクールタイムは0なんだよね。あと秘密ついでに、前言ってた私に対抗できる人がいるって話だけど……⦆
急に重要そうな話になってピリッと緊張するハクレイ
⦅実はあれは私のことなんだよね。ほら私ってスキルでもう1人作り出せるから)
「今のところ、ケーナのことを傷つける者はいないってことですね」
「まっ、そゆことー」
心配事が増えずに済んで安心しているハクレイ。
そろそろ会話に割り込みが入ってきそうな予感はしたのだが、広い部屋を見渡しても私とハクレイだけ。あと一人の気配がない。
「そーいえば、フランはどこに行ったの?」
「それがですね……その、止められなかったんです」
「何したのっ!?」
「帝王様の寝室へ強引に……童てい王は今日で最後だとかなんとか……」
「ちょっ、誰か止めなかったの??」
「執事やメイドの方々はなぜが、涙を流して喜んでまして……」
お年頃な帝王様だが病気のこともあり女性に触るのも我慢していたとのこと。相手の女性に魔病がうつったり、子供ができてその子供まで魔病がうつったりしてしまうことを懸念していたとか。
だけどその心配もなくなり、酔った帝王がポロっと口にした「女を抱きたい」との言葉にフランが反応したらしい。
「え、フランって性欲あったの?」
「あー……フランさんは男というより、男の子が好きみたいです。何度か買い物を一緒にしているときに気づきました。目で追う人族は未成熟な男の子、特に帝王様のようにあどけなさが残る感じなんて、まさにですね」
そんな嗜好があったことを初めて知ったが、思い返すと子供相手には優しい一面があったのは確かだった。
だとしても、帝王の初めてを600歳が奪うなんて恐れ多い。せめて側室になってからと思ったが、もう日も昇り朝をむかえ、窓の外では鳥たちが鳴いている。
それでもフランは常識ある者だと私は信じたい……
が、その思いは一瞬で消し飛んだ。探索スキルでフランと帝王の場所を把握し、同じ場所にいることを確認。きっとベッドの上だろう、事はとっくに済んでる。
帝王に詳細鑑定
---------------------------------------
女性経験歴
初回 エイミー・アイビ
以下回数順
マーゴット・ザレア、ナタリー、キャサリン・ドラビ、キーラ・ロエ、
マリオン、ブレンダ・ハーター、パイク・リーブ、カヤ・カランコエ、
ヘレン、ダイア、ローナン、エイミー・アイビ、ナイトレイ、デンチ、ポイ・ドナ、
フリュ、チョープラー、パターニ・ハルド、カプール・ハルド、ヘグテ、
ラナ・イオール、シャルマ、ラーイ、バットイ、キンラ・ヴェル、
ディーク、シッテイ、サラン、フランメール・エルジェベート
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「28番目……?」
(童てい王とは? フランが誘われた!?)
魔病だった間、本当に我慢していたのであれば、帝王の帝王様は病気になる前から幼くして暴君だったことが伺える。
そのことを踏まえると大の女好きでありながら病気の間は耐えたのだから、その精神力は凄いのかもしれない。
フランの人化は多少物足りない体つきではあるが、許容範囲は人それぞれ。帝王の好みに合うなら問題はない。しかし、帝王の経験歴を見るに遊ばれたのはフランの方かも知れないが、あえてフランの詳細鑑定はせずに威厳を保ってもらおうと思う。
どちらにせよフランが粗相をしてしまったことは事実なので、謝罪の言葉を考えとくことにした。
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