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エレメント正邪激闘編
398話 右隣も左隣も
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安らぎの満天、大浴場『くつろ樹』。
大自然をモチーフにしたかのような空間、壺風呂から露天風呂、サウナ室まで併設されているといった豪華っぷりだ。
ここを訪れるのは二度目である。
混み合っていそうな時間は外したため、他に入浴している人は――見当たらない。今の僕は外見と中身がアベコベなため、こういった点はすごく気を遣う。
男湯に入るわけにもいかないからなぁ。
「んーっ、疲れが取れますね」
僕の右隣、当然のようにナコがいた。
想いを伝えられてからというもの、ナコは僕に対して――制限がなくなった。お風呂も一緒、寝床にも潜り込んで来る。
唯一、裸は恥ずかしいのか――タオル一枚が救いである。
でも、それもいつかなくなるのではないか? それくらいにナコの勢いはすごく、圧倒される日々が続いていた。
「ソラ、あっちの壺風呂も行ってみましょう」
僕の左隣、ゴザルが言う。
「うんうん。いや、なんでゴザルもいるの」
何故、再入浴?
もうすでに、お風呂上がりの格好だったよね。
「なによ、仲間外れにするつもり?」
「そもそも、ナコ、ゴザル、僕が男だってこと――わかってる?」
「わかってますよ」「わかってるわよ」
二人が即答する。
「そ、そう」
それなら、いいけど――いいのか?
壺風呂とは人一人が丁度入れるサイズ、なんとも自分スペース感のあるお風呂、僕は子供のころから大好きだったりする。
失敬ながら足だけ外にだしたりと、心地よさが抜群なのだ。
「あら、先客がいるわね」
慌てて、僕は視線を逸らす。
他ギルドの女性陣だったら、不躾に肌を見るのは失礼だろう。だが、そんな心配は杞憂だったようで――聞き慣れた声が響く。
「ふっふん。今、この壺風呂は私の独占状態だよ」
「ホム、まだ入ってたの? 独占もなにも余ってるでしょ」
「ゴザルちゃん、普通に返さないでよ。なんかこう、わかる? 雰囲気的に言ってみたいセリフってあるよね」
「ホムラで安心したよ」
僕はホッと胸をなでおろす。
「あ、ソラちゃん――こっち来て来て」
「んっ?」
言われるがまま、僕は歩み寄る。
その時、ホムラの目が怪しく光った。嫌な予感を察知して離れようとしたが――遅かった。
ホムラはガバっと僕を抱き締め、
「ソラちゃん、確保っ!」
僕は同じ壺風呂に――強制的、誘われるのであった。
大自然をモチーフにしたかのような空間、壺風呂から露天風呂、サウナ室まで併設されているといった豪華っぷりだ。
ここを訪れるのは二度目である。
混み合っていそうな時間は外したため、他に入浴している人は――見当たらない。今の僕は外見と中身がアベコベなため、こういった点はすごく気を遣う。
男湯に入るわけにもいかないからなぁ。
「んーっ、疲れが取れますね」
僕の右隣、当然のようにナコがいた。
想いを伝えられてからというもの、ナコは僕に対して――制限がなくなった。お風呂も一緒、寝床にも潜り込んで来る。
唯一、裸は恥ずかしいのか――タオル一枚が救いである。
でも、それもいつかなくなるのではないか? それくらいにナコの勢いはすごく、圧倒される日々が続いていた。
「ソラ、あっちの壺風呂も行ってみましょう」
僕の左隣、ゴザルが言う。
「うんうん。いや、なんでゴザルもいるの」
何故、再入浴?
もうすでに、お風呂上がりの格好だったよね。
「なによ、仲間外れにするつもり?」
「そもそも、ナコ、ゴザル、僕が男だってこと――わかってる?」
「わかってますよ」「わかってるわよ」
二人が即答する。
「そ、そう」
それなら、いいけど――いいのか?
壺風呂とは人一人が丁度入れるサイズ、なんとも自分スペース感のあるお風呂、僕は子供のころから大好きだったりする。
失敬ながら足だけ外にだしたりと、心地よさが抜群なのだ。
「あら、先客がいるわね」
慌てて、僕は視線を逸らす。
他ギルドの女性陣だったら、不躾に肌を見るのは失礼だろう。だが、そんな心配は杞憂だったようで――聞き慣れた声が響く。
「ふっふん。今、この壺風呂は私の独占状態だよ」
「ホム、まだ入ってたの? 独占もなにも余ってるでしょ」
「ゴザルちゃん、普通に返さないでよ。なんかこう、わかる? 雰囲気的に言ってみたいセリフってあるよね」
「ホムラで安心したよ」
僕はホッと胸をなでおろす。
「あ、ソラちゃん――こっち来て来て」
「んっ?」
言われるがまま、僕は歩み寄る。
その時、ホムラの目が怪しく光った。嫌な予感を察知して離れようとしたが――遅かった。
ホムラはガバっと僕を抱き締め、
「ソラちゃん、確保っ!」
僕は同じ壺風呂に――強制的、誘われるのであった。
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