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始まりのバレンタイン
雪のバレンタイン ③
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「はぁ……はぁ……。お前たちよくやった。あとはチョコレートを待て。これで会は行われる。俺は着替えてくる」
予定通り1時間で雪かきは終わらせた。
しかし、徹夜からのこの運動量は辛い!
汗はダラダラだし、1回着替えに城に戻ろう。
「チョコレートの配給をお姫様が直接やりはしないが、ありがたいスピーチはある。心してお言葉を頂戴し、チョコレートも頂戴しろ。間違っても前回のように騒ぐなよ。遠くから見守るのが美徳だ。信者たちを見習えよ」
そうアンチたちに、『チョコレートを食べよう会』の注意事項を伝えて、俺は着替えに城へと戻った。
そしてプロデューサーとしての格好に着替えて、再び城下町へと戻ってきた。
「……なんだこれは……」
俺が着替えに行っていた間にコンビニ前は、何をどうしたのかはまったく分からないが、綺麗に飾り付けられていて、出来上がったチョコレートが運ばれてきている。
こんなのは予定になかった。だいたい、飾り付ける余裕があるやつなんていない。
「お姫様たちか? いや、違うな。さっきまでチョコレートのデコレーションに参加していたし……。となると誰が? いや、1人では無理だろう」
何があったのかは謎だが、これは非常にありがたい。そのままのコンビニ前よりずっといい。
お姫様のスピーチも盛り上がるというものだ。
ああ、アンチたちには教えたが、開催はお姫様が宣言する。
本来やるべきである王様は、寒いから欠席だ。というのは嘘で、威厳に満ち満ちている王様はあまり人前に出ない。
そうなるとその代理は娘である、お姫様になるわけだ。これが、お姫様らしくあることを強いていた理由の1つであることは間違いない。
まあ、もう強いる必要はないみたいだけどな。
お姫様はミルクちゃんとともに、本物の町娘たちと会話している。おそらく、これまではなかった光景のはずだ。
それを羨望の眼差しで見ている元アンチたちは、見なかったことにしようと思います。暖かく見守ってる信者たちはいつも通りです。
立場はあれど友達になれるだろう。きっかけはあれだが、お姫様は踏み出したのだ。
これから、お姫様を取り巻く環境は変化していくのだろう。
ふっ──、あのキャピキャピしている空間に、割っていくような野暮な真似はしないさ。
……決して女の子だらけの空間に入る勇気がないわけじゃないからな? 勘違いしないように!
「小僧、良くやったと褒めてやろう。よく何も無い状態から、ここまで漕ぎ着けた」
どこかから悪魔の声がして、あちこちキョロキョロし、最後に後ろに振り返るとセバスが立っていた。
まるで、こいつと出会った最初の時のようだった。
「セバス。お前は突然現れるよな」
「悪魔とはそういうものだ。して、どうなのだ? ここまでの感想の1つも聞かせてみろ。成功か失敗か」
そして分かった。会場の飾り付けは悪魔の仕業だ。
この飾りは、ニクスさんが頑張ってるのではないだろうか? どうでもいいけど。
「最初は、ただチョコレートが欲しかっただけだった。もちろんそれは今も変わらないが、本当に2週間で何とかなるとは思わなかった。最後までバタバタしたけど、ここまで来て失敗はないだろ?」
「十分に失敗したではないか。今年はチョコレートを貰えんのだぞ」
「……それを言うなよ。致命的なんだからさ!」
「だが、来年もやるのだろう?」
「──やるよ! チョコレートを貰うためにな! 今年は俺的には失敗だからな」
しかし、俺だけの力ではここまで来れなかった。だから、チョコレート食べる会はみんなの成果だ。
俺だけでは、バレンタイン中止にしてたかもしれないからな。
「まぁ、そこまで失敗ではあるまい」
「そりゃ、これだけ人が集まって失敗ではないだろ」
「そうでもあるし、それではない」
「よく分からないことを言うやつだな……」
◇◇◇
お姫様たちが、女子だけキャピキャピ空間にい続けているので、俺は1人で二クスによって飾り付けられた会場を見て回っている。
すると、また雪が降り出してきた。勢いはそうでもないが、雪かきしたのにと思ってしまう。
「あーあ、せっかく雪かきしたのに……。まぁ、雪の降ってるバレンタインも悪くないか。きっと記憶に残るだろうし……はっ?」
思わず『……はっ?』っと真顔で言ってしまうくらいの、衝撃的な光景を目の当たりにした。してしまった。
「……嘘だろ。うそだよね? ま、まさか……そ、そ、そ、そ、そんなはずが……!?」
見間違えでも、勘違いでもないその光景。
ガチな殺意が湧き、飛びかかりそうだったのを必死に抑え、俺はフラフラと歩き出す。
まもなくチョコレート食べよう会の開始が、お姫様によって宣言されるコンビニ前から離れていく。
予定通り1時間で雪かきは終わらせた。
しかし、徹夜からのこの運動量は辛い!
汗はダラダラだし、1回着替えに城に戻ろう。
「チョコレートの配給をお姫様が直接やりはしないが、ありがたいスピーチはある。心してお言葉を頂戴し、チョコレートも頂戴しろ。間違っても前回のように騒ぐなよ。遠くから見守るのが美徳だ。信者たちを見習えよ」
そうアンチたちに、『チョコレートを食べよう会』の注意事項を伝えて、俺は着替えに城へと戻った。
そしてプロデューサーとしての格好に着替えて、再び城下町へと戻ってきた。
「……なんだこれは……」
俺が着替えに行っていた間にコンビニ前は、何をどうしたのかはまったく分からないが、綺麗に飾り付けられていて、出来上がったチョコレートが運ばれてきている。
こんなのは予定になかった。だいたい、飾り付ける余裕があるやつなんていない。
「お姫様たちか? いや、違うな。さっきまでチョコレートのデコレーションに参加していたし……。となると誰が? いや、1人では無理だろう」
何があったのかは謎だが、これは非常にありがたい。そのままのコンビニ前よりずっといい。
お姫様のスピーチも盛り上がるというものだ。
ああ、アンチたちには教えたが、開催はお姫様が宣言する。
本来やるべきである王様は、寒いから欠席だ。というのは嘘で、威厳に満ち満ちている王様はあまり人前に出ない。
そうなるとその代理は娘である、お姫様になるわけだ。これが、お姫様らしくあることを強いていた理由の1つであることは間違いない。
まあ、もう強いる必要はないみたいだけどな。
お姫様はミルクちゃんとともに、本物の町娘たちと会話している。おそらく、これまではなかった光景のはずだ。
それを羨望の眼差しで見ている元アンチたちは、見なかったことにしようと思います。暖かく見守ってる信者たちはいつも通りです。
立場はあれど友達になれるだろう。きっかけはあれだが、お姫様は踏み出したのだ。
これから、お姫様を取り巻く環境は変化していくのだろう。
ふっ──、あのキャピキャピしている空間に、割っていくような野暮な真似はしないさ。
……決して女の子だらけの空間に入る勇気がないわけじゃないからな? 勘違いしないように!
「小僧、良くやったと褒めてやろう。よく何も無い状態から、ここまで漕ぎ着けた」
どこかから悪魔の声がして、あちこちキョロキョロし、最後に後ろに振り返るとセバスが立っていた。
まるで、こいつと出会った最初の時のようだった。
「セバス。お前は突然現れるよな」
「悪魔とはそういうものだ。して、どうなのだ? ここまでの感想の1つも聞かせてみろ。成功か失敗か」
そして分かった。会場の飾り付けは悪魔の仕業だ。
この飾りは、ニクスさんが頑張ってるのではないだろうか? どうでもいいけど。
「最初は、ただチョコレートが欲しかっただけだった。もちろんそれは今も変わらないが、本当に2週間で何とかなるとは思わなかった。最後までバタバタしたけど、ここまで来て失敗はないだろ?」
「十分に失敗したではないか。今年はチョコレートを貰えんのだぞ」
「……それを言うなよ。致命的なんだからさ!」
「だが、来年もやるのだろう?」
「──やるよ! チョコレートを貰うためにな! 今年は俺的には失敗だからな」
しかし、俺だけの力ではここまで来れなかった。だから、チョコレート食べる会はみんなの成果だ。
俺だけでは、バレンタイン中止にしてたかもしれないからな。
「まぁ、そこまで失敗ではあるまい」
「そりゃ、これだけ人が集まって失敗ではないだろ」
「そうでもあるし、それではない」
「よく分からないことを言うやつだな……」
◇◇◇
お姫様たちが、女子だけキャピキャピ空間にい続けているので、俺は1人で二クスによって飾り付けられた会場を見て回っている。
すると、また雪が降り出してきた。勢いはそうでもないが、雪かきしたのにと思ってしまう。
「あーあ、せっかく雪かきしたのに……。まぁ、雪の降ってるバレンタインも悪くないか。きっと記憶に残るだろうし……はっ?」
思わず『……はっ?』っと真顔で言ってしまうくらいの、衝撃的な光景を目の当たりにした。してしまった。
「……嘘だろ。うそだよね? ま、まさか……そ、そ、そ、そ、そんなはずが……!?」
見間違えでも、勘違いでもないその光景。
ガチな殺意が湧き、飛びかかりそうだったのを必死に抑え、俺はフラフラと歩き出す。
まもなくチョコレート食べよう会の開始が、お姫様によって宣言されるコンビニ前から離れていく。
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