57 / 101
天使のホワイトデー 後編
プロデューサーの誤算
しおりを挟む
実はお姫様に、『俺が来るまで何も喋らないでくれ』と頼んでおいた。
それと部屋の前にいる兵士には、『これから来るヤツらを、俺が現れるまで1人もお姫様に合わせるな』とも頼んでおいた。
「「ルシア様。申し訳ありませんでした! どうかお許しくださいませ──」」
しかし、ヤツらには土下座して、許してもらえるまで謝ってこいと言ってある。
ああ、土下座のやり方は、事前にお姫様の部屋の扉に貼り付けておいた。
異世界人には土下座のやり方が分からないだろうし、俺は親切で優しいからね。
「おーーっ、壮観だね。見る人が見たら卒倒しそうな光景だね。いいよー、キミたち。実にいい! 俺に構わずに、続けて続けて。おい……誰が頭を上げろって言った? ここで終わりにするか? 嫌だよな? なら、ちゃんとやろう。今から姫が御成りになる。図が高い! 控えおろう。クズ共が!」
したがってこの光景は意図して作り出したものである。この部屋の前で無様に頭を下げて、姫の御成りを待つしかない天使たちの図は。
あー、満足した! こういうのが見たかったんだよ。
これで、お姫様への狼藉も許してあげてもいいかなぁと思う。
あと、お前の方がクズだという意見は受け付けない。
「姫殿下。ルシア様の御成り」
「ははっ──」
俺の合図で扉の前の兵士たちが扉を開く。
こんなこともあろうかと思ってな、こないだ練習しておいたんだ。
使う機会があったし、やっておいて良かった。
「このように土下座にて反省を示し、己の過ちを悔い、この先の人生は人々の役に立つことを彼らは決意しております。これで、このエロ天使たちを許してやってくだせぇ……──おやーーっ?!」
俺の予想では、『何? どうしたのよ?』とお姫様が現れ、かくかくしかじかと説明し、『まぁ、私のために!? プロデューサーさんありがとう!』となる予定だ!
……しかし、その予定は大きく外れたようで、開いた扉からは憤怒の怒りを纏う姫が現れた……。
「貴様、そこまでは言ってないぞ。ヒッ──」
「これ以上、お姫様を怒らせるな。死ぬぞ。許されないし、しぬ」
ぶっちゃけると俺も怖い。とても怖い。
思わず天使たちと同じ体勢になってしまった。
何かがおかしい。こんなはずではないのにーー。
「あわわわわっ──」
「気持ちは分かるが落ち着け。つーか、おっさんがあわあわ言うな。気持ち悪い」
俺がお姫様の部屋を出て、天使たちと個別に話して謝りに来させた。この間に実は、セクハラの被害者をお姫様の元に差し向けた。
この場面で被害者の涙の一つもあれば、天使たちはより悔い改め、お姫様は友達をたいそう慰めるだろうと考えていたからだ。
そうなれば俺への追求はないだろうとかも考えていたからだ。だが、予定外の事態が起きている。
「この人たちです。この人たちにセクハラされました。私……私……」
迫真の演技なのか涙目のミルクちゃん。
目にいっぱいの涙をためて、この人たちにと指をさすのだが、この人たちの中には俺も入っているのは気のせいだよね? ね?
「ミルク。もういいわ。何も言わなくていいのよ」
「姫さま。私……」
姫祭り後から城へと泊まっているミルクちゃん。
彼女もお姫様が大好きなので、快復したお姫様を見るまでは帰らないと頑なで、城へと留まっているのだ。
「ありがとう。よく知らせてくれたわね。この人たちとは私が話します。貴女はもう休みなさい」
「はい」
彼女、口調が本気の姫モードだ。久しぶりに猫かぶりだしたよ。
これは本気でヤバい気配だ。なんか俺も怖いです。
「土下座とは最大級の謝罪を表すものであると、ここに書いてありますね。貴方がたの謝罪の気持ちは理解しました。立場のある方がするのだから、本当に反省もあるのでしょう。しかし──」
「ルシアさん? か、彼らは反省しています。処分というか裁量は、このプロデューサーに任せてはいただけませんでしょうか? その、ボクが責任者なので」
「…………。分かりました。貴方の面子も必要ですものね。それなりの対応を期待します。以上です」
そう言うだけ言って、お姫様は部屋へと引っ込んでしまう。拍子抜けというか、ミカとのバトル以降、お優しくなられたんだろうか?
俺は今、『あっ、この天使たち。全員死んだな』と思うくらいだったのに。
「た、助かった……」
「流石という迫力だったな。あれで娘なのか……」
「あわわわわっ──」
「助かったぞ。プロデューサー」
なんか、おっさんたちからの信用が上がった気がする。
予定とは違うが、怪我の功名というか良かった。助かった。
「ま、まあな! 俺ってば、みんな仲良くがモットーだからな。よし、姫が気を変えないうちに会議室に行くぞ! ついて来い!」
『プロデューサーさん。少し話しがあります。少しよろしいですか?』
「…………」
初めて部屋へと行った時のように、澄んだ声で呼ばれてしまった。
久しぶりに感じるこれは間違いであってほしい。どうかお願いします。勘違いでありますように。
「俺は呼ばれてしまったから、みんなは先に会議室に行ってくれ。すぐに追いつくから。兵士くん。彼らを会議室まで案内してあげて」
天使のおっさんたちも兵士も何も言わない。ただ、頷いて去っていく。
まるで俺の身を案じるような目をしてだ。
「な、何のお話しでしょうか? 会議があるので手短にお願いします」
拭えない恐怖を感じながらも、意を決してお姫様の部屋に入った瞬間に目に入ってきたのは、嫌な笑みを浮かべる悪魔執事。
手には天使たちにのみ! 渡したはずの悪い方の写真のリストを持っている。
「もちろん、時間はかかりませんわ。セバス、音を消して!」
お姫様の台詞に合わせてパチンとセバスは指を弾く。おそらく部屋の外への音が消え失せたのだろう。
同時に怒れる姫が襲いかかってくる。
「──たんま! これから会議だから暴力はちょっと!」
「──知らないわ! これで、あたしを騙せると思ってるの。ミルクに何をしてんのよ!」
「な、なんのことだか……」
「しらばっくれんな! この写真を撮ってるの全部あんたでしょうが! よくもまあロクでもないことばかり思いつくわね。まずはあんたが悔い改めなさい!」
そうだった。この姫は名探偵でもあったんだ。忘れていたよ。ギャァァァァ──
本当に復活が違いようで良かったよ。ギャァァァァァァ──
※
「では、これより会議を始めます。二クスくん。全員に資料を配ってくれ」
「その前に少し……。白夜さん。どうされたんですか? それ」
「ちょっとな。姫が名探偵なのを忘れていた。執事が悪魔なのもか。久しぶりに痛かったヨ」
「大丈夫ですか? 日を改めましょうか?」
「大丈夫ではないがやろう。俺は予定が詰まっているんだ。今日しか話し合いの場は作れないんだ」
会議室に来たは来たがすでに満身創痍。正直なところは、もう帰りたいと思っている。
しかし、帰るためにはお怒りの姫の横を通らなくてはならないのだ。今戻ったらまたボコられる。
「……俺を見て分かる通り、お姫様は大変お怒りだ。何もしていない俺ですらこのありさま。天使くんたちには更に厳しい沙汰というか、暴力が待っていると思ってくれ。きっと、キミたちに明日はない……」
予想外のアクシデントではあった。だが、ならばそれすら利用して事を運ぶだけだ!
俺はミカの件でそれを学んだ。すでに詰んでる状態ではあるが、より良い結果を手に入れるのだ!
「……それは嫌だろう? なら、資料によく目を通してサインしたまえ。そうすれば、お姫様はなんとかしよう」
「それは脅しか?」
「──そうだ!」
「少し貴様を買いかぶっていたようだ。そんな安易な手段に出るとは底が知れる。国交があるのだ。我らには、いかにルシア様といえど手は出せない」
「ふーん。それは周りを見てから言ってるのかな? ここにいる二クスくん以外のメンバーはね、大して成果が上がらなかった罰として、調味料禁止中なんだよねー。それに脳筋だよ。あと、お姫様大好きマンでもある。お姫様うんぬんの前に、この部屋から無事に出れるかな? あと、俺が口を滑らすと大変なことになるよ? よく考えてから発言した方がいいよ」
「えぇ……」
それと部屋の前にいる兵士には、『これから来るヤツらを、俺が現れるまで1人もお姫様に合わせるな』とも頼んでおいた。
「「ルシア様。申し訳ありませんでした! どうかお許しくださいませ──」」
しかし、ヤツらには土下座して、許してもらえるまで謝ってこいと言ってある。
ああ、土下座のやり方は、事前にお姫様の部屋の扉に貼り付けておいた。
異世界人には土下座のやり方が分からないだろうし、俺は親切で優しいからね。
「おーーっ、壮観だね。見る人が見たら卒倒しそうな光景だね。いいよー、キミたち。実にいい! 俺に構わずに、続けて続けて。おい……誰が頭を上げろって言った? ここで終わりにするか? 嫌だよな? なら、ちゃんとやろう。今から姫が御成りになる。図が高い! 控えおろう。クズ共が!」
したがってこの光景は意図して作り出したものである。この部屋の前で無様に頭を下げて、姫の御成りを待つしかない天使たちの図は。
あー、満足した! こういうのが見たかったんだよ。
これで、お姫様への狼藉も許してあげてもいいかなぁと思う。
あと、お前の方がクズだという意見は受け付けない。
「姫殿下。ルシア様の御成り」
「ははっ──」
俺の合図で扉の前の兵士たちが扉を開く。
こんなこともあろうかと思ってな、こないだ練習しておいたんだ。
使う機会があったし、やっておいて良かった。
「このように土下座にて反省を示し、己の過ちを悔い、この先の人生は人々の役に立つことを彼らは決意しております。これで、このエロ天使たちを許してやってくだせぇ……──おやーーっ?!」
俺の予想では、『何? どうしたのよ?』とお姫様が現れ、かくかくしかじかと説明し、『まぁ、私のために!? プロデューサーさんありがとう!』となる予定だ!
……しかし、その予定は大きく外れたようで、開いた扉からは憤怒の怒りを纏う姫が現れた……。
「貴様、そこまでは言ってないぞ。ヒッ──」
「これ以上、お姫様を怒らせるな。死ぬぞ。許されないし、しぬ」
ぶっちゃけると俺も怖い。とても怖い。
思わず天使たちと同じ体勢になってしまった。
何かがおかしい。こんなはずではないのにーー。
「あわわわわっ──」
「気持ちは分かるが落ち着け。つーか、おっさんがあわあわ言うな。気持ち悪い」
俺がお姫様の部屋を出て、天使たちと個別に話して謝りに来させた。この間に実は、セクハラの被害者をお姫様の元に差し向けた。
この場面で被害者の涙の一つもあれば、天使たちはより悔い改め、お姫様は友達をたいそう慰めるだろうと考えていたからだ。
そうなれば俺への追求はないだろうとかも考えていたからだ。だが、予定外の事態が起きている。
「この人たちです。この人たちにセクハラされました。私……私……」
迫真の演技なのか涙目のミルクちゃん。
目にいっぱいの涙をためて、この人たちにと指をさすのだが、この人たちの中には俺も入っているのは気のせいだよね? ね?
「ミルク。もういいわ。何も言わなくていいのよ」
「姫さま。私……」
姫祭り後から城へと泊まっているミルクちゃん。
彼女もお姫様が大好きなので、快復したお姫様を見るまでは帰らないと頑なで、城へと留まっているのだ。
「ありがとう。よく知らせてくれたわね。この人たちとは私が話します。貴女はもう休みなさい」
「はい」
彼女、口調が本気の姫モードだ。久しぶりに猫かぶりだしたよ。
これは本気でヤバい気配だ。なんか俺も怖いです。
「土下座とは最大級の謝罪を表すものであると、ここに書いてありますね。貴方がたの謝罪の気持ちは理解しました。立場のある方がするのだから、本当に反省もあるのでしょう。しかし──」
「ルシアさん? か、彼らは反省しています。処分というか裁量は、このプロデューサーに任せてはいただけませんでしょうか? その、ボクが責任者なので」
「…………。分かりました。貴方の面子も必要ですものね。それなりの対応を期待します。以上です」
そう言うだけ言って、お姫様は部屋へと引っ込んでしまう。拍子抜けというか、ミカとのバトル以降、お優しくなられたんだろうか?
俺は今、『あっ、この天使たち。全員死んだな』と思うくらいだったのに。
「た、助かった……」
「流石という迫力だったな。あれで娘なのか……」
「あわわわわっ──」
「助かったぞ。プロデューサー」
なんか、おっさんたちからの信用が上がった気がする。
予定とは違うが、怪我の功名というか良かった。助かった。
「ま、まあな! 俺ってば、みんな仲良くがモットーだからな。よし、姫が気を変えないうちに会議室に行くぞ! ついて来い!」
『プロデューサーさん。少し話しがあります。少しよろしいですか?』
「…………」
初めて部屋へと行った時のように、澄んだ声で呼ばれてしまった。
久しぶりに感じるこれは間違いであってほしい。どうかお願いします。勘違いでありますように。
「俺は呼ばれてしまったから、みんなは先に会議室に行ってくれ。すぐに追いつくから。兵士くん。彼らを会議室まで案内してあげて」
天使のおっさんたちも兵士も何も言わない。ただ、頷いて去っていく。
まるで俺の身を案じるような目をしてだ。
「な、何のお話しでしょうか? 会議があるので手短にお願いします」
拭えない恐怖を感じながらも、意を決してお姫様の部屋に入った瞬間に目に入ってきたのは、嫌な笑みを浮かべる悪魔執事。
手には天使たちにのみ! 渡したはずの悪い方の写真のリストを持っている。
「もちろん、時間はかかりませんわ。セバス、音を消して!」
お姫様の台詞に合わせてパチンとセバスは指を弾く。おそらく部屋の外への音が消え失せたのだろう。
同時に怒れる姫が襲いかかってくる。
「──たんま! これから会議だから暴力はちょっと!」
「──知らないわ! これで、あたしを騙せると思ってるの。ミルクに何をしてんのよ!」
「な、なんのことだか……」
「しらばっくれんな! この写真を撮ってるの全部あんたでしょうが! よくもまあロクでもないことばかり思いつくわね。まずはあんたが悔い改めなさい!」
そうだった。この姫は名探偵でもあったんだ。忘れていたよ。ギャァァァァ──
本当に復活が違いようで良かったよ。ギャァァァァァァ──
※
「では、これより会議を始めます。二クスくん。全員に資料を配ってくれ」
「その前に少し……。白夜さん。どうされたんですか? それ」
「ちょっとな。姫が名探偵なのを忘れていた。執事が悪魔なのもか。久しぶりに痛かったヨ」
「大丈夫ですか? 日を改めましょうか?」
「大丈夫ではないがやろう。俺は予定が詰まっているんだ。今日しか話し合いの場は作れないんだ」
会議室に来たは来たがすでに満身創痍。正直なところは、もう帰りたいと思っている。
しかし、帰るためにはお怒りの姫の横を通らなくてはならないのだ。今戻ったらまたボコられる。
「……俺を見て分かる通り、お姫様は大変お怒りだ。何もしていない俺ですらこのありさま。天使くんたちには更に厳しい沙汰というか、暴力が待っていると思ってくれ。きっと、キミたちに明日はない……」
予想外のアクシデントではあった。だが、ならばそれすら利用して事を運ぶだけだ!
俺はミカの件でそれを学んだ。すでに詰んでる状態ではあるが、より良い結果を手に入れるのだ!
「……それは嫌だろう? なら、資料によく目を通してサインしたまえ。そうすれば、お姫様はなんとかしよう」
「それは脅しか?」
「──そうだ!」
「少し貴様を買いかぶっていたようだ。そんな安易な手段に出るとは底が知れる。国交があるのだ。我らには、いかにルシア様といえど手は出せない」
「ふーん。それは周りを見てから言ってるのかな? ここにいる二クスくん以外のメンバーはね、大して成果が上がらなかった罰として、調味料禁止中なんだよねー。それに脳筋だよ。あと、お姫様大好きマンでもある。お姫様うんぬんの前に、この部屋から無事に出れるかな? あと、俺が口を滑らすと大変なことになるよ? よく考えてから発言した方がいいよ」
「えぇ……」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜
とかげになりたい僕
ファンタジー
不慮の事故で死んだ俺は、女神の力によって転生することになった。
「どんな感じで転生しますか?」
「モテモテな人生を送りたい! あとイケメンになりたい!」
そうして俺が転生したのは――
え、ここBLゲームの世界やん!?
タチがタチじゃなくてネコはネコじゃない!? オネェ担任にヤンキー保健医、双子の兄弟と巨人後輩。俺は男にモテたくない!
女神から「クリアすればもう一度転生出来ますよ」という暴言にも近い助言を信じ、俺は誰とも結ばれないバッドエンドをクリアしてみせる! 俺の操は誰にも奪わせはしない!
このお話は小説家になろうでも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる