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天使のホワイトデー 後編
寝て起きてもホワイトデー! ⑩
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お寿司、美味しかったです。
寿司はやっぱりマグロだなって思いました。
自分では躊躇ってしまうお寿司でのランチも、奢りだと思うだけで倍くらい美味しく感じました。
奢ってくれたルシアさんには感謝しかありません。本当にご馳走様でした。
水槽を見ながら食べる寿司に、初めは超不満を口にしていたルシアさんも、いざ席につけはガチの寿司屋の雰囲気に押し黙った。
その雰囲気を発するは、カウンターで寿司を握る熟年のプロである、寿司屋の大将だ。
人を見る目があるルシアさんは、寿司屋の大将の人柄と仕事ぶりに感心しているようだった。
だが、ずばりと『こんなとこで店出して正気なの?』って言いやがった時は、ビックリしすぎてお茶を吹き出しそうになった。だが、大将はトークも素晴らしかった。
世間知らずでお姫様なルシアさんすら言いくるめ……納得させるとは流石だった。
後で聞けば、同じことを言う人はいるらしい。
その度に同じようなことを言っていると大将は語っていた。
そんなルシアさんには、お子様セットを注文。玉子、エビ、サーモンの寿司三貫に、ジュースと駄菓子まで付く子供用のやつだ。お子様用のやつだ!
俺はとりあえずマグロの三貫のやつを注文。
この店は三貫で1プレートが基本だ。価格は1プレート800円を超える……。
つまり、日常のランチなら1プレートでランチ終了になる価格なんだ。
回らない寿司屋が学生が入っていい店ではないと分かるだろう。回転寿司に行きなさい。
しかし、ここはルシアさん持ちなので遠慮はしない。ルシアさんが手をつけないエビとサーモンも、俺が美味しくいただき更にマグロを追加。
「……信じらんない。一皿に飽き足らず同じものを食べるなんて……」
と、冷たく言われようと止めることはできない。
何故なら、ものすごく寿司が美味しかったからだ。この俺の評価は適切だと思うよ。
日頃食べている寿司より美味しいと思ったね。
それには、この水族館内部の雰囲気と店の雰囲気。それらが合わさって感じるものが、確かにあると感じた。
こんなに美味しい寿司を、是非ともルシアさんにも食べてもらいたい。これを食べず嫌いしているのはもったいない。
それを、『お茶のおかわりもらってくるわ』と席を離れ大将に相談。すると、可愛い彼女のためだと大将が普通はやらない寿司を握ってくれた。
彼女と言われたことに特に否定はしなかった。他人がどう思うのかは他人の自由だからね!
他人から見るとそう見えるのか~、とニヤけてしまっていたかもしれない。
ああ、話が逸れてすまない……。
大将がルシアさんのために握ってくれたのは、いわゆるサラダ寿司。
その見た目でこんな女子受け良さそうなのも作れるんだと感心した──
「……あたし頼んでないけど?」
──のもつかの間、自分の前に置かれた皿をみるなり、そう不機嫌そうに仰ったルシアさんに、『彼氏さんからのリクエストで特別に』と大将は返す。
大将ーー! って叫びたいところだったのだが、ルシアさんの様子が何やら違うので我慢した。
「いくら見た目が綺麗になっても……ても……」
先ほどまでとは様子が違い、サラダ寿司に興味があるのはバレバレだった。
「どうしてもあたしに食べさせたいらしいわね」
ってツンデレを発揮した辺りから、『あっ、チョロいな』と思ったのは言うまでもない。
本人にはそれを悟らせずにサラダ寿司を食べさせ、その後は比較的に抵抗なさそうな寿司を推していった。
「これ綺麗よね。なんなのかしら?」
って言ったのを聞き逃さず興味を持ったらしい、いくらの寿司を勧めて食べさせたりもした。
すると、いくらは好評でルシアさんのいくらの連打が始まった。
「おかわり!」
なんて最後には言うようになって良かった。
食べれば美味しいのだと知り、これでこの先も、いちいち食い物で揉めることがないようになったのではないかと思う。
「いくらだけ食べたいから、他のやつ食べて」
そう、この店にいくら単品はない。三貫の内の一貫だけがいくらなんだ。
今度回転寿司に連れて行ってやると思いつかなかったら、俺の胃袋は破裂していたかもしれない。
※
「食い過ぎ……いや、食わされ過ぎた」
「美味しかったわね。満足した?」
「しました。もう当分の間、寿司はいいです」
「あら、回転寿司というのに連れて行ってくれると確かに聞いたわよ。約束は守りなさいよ」
「はい……」
寿司ランチを終え、とてつもない満腹感を感じながら1階へと戻ってきた。
俺は少しゆっくりしたいのだが、今度はルシアさんのターンらしく、さっき少し会話に出たお土産を買いに行くらしい。
8割くらいは水族館内部を制覇しているし、お土産を買ってそのまま帰るというのもありだろう。
「とりあえず、近いところから行きましょうか」
「えっ、お土産はお土産屋さんで買うんすよね?」
「そうよ、そしてお土産屋さんは3つあるのよ?」
あー、お土産屋さんも制覇しないとダメらしい。
早く帰るどころかむしろ遅くなるらしい。
女の買い物は長いと決まっている。
お土産屋さんの説明をすると外に1つ。1階に2つだ。
「荷物持ちよろしくね」
「はい、喜んで!」
「いい返事ね。じゃあ、はりきっていきましょう」
知ってるか? 女に買い物で逆らっても無駄なんだぜ?
上手くやるには逆らわずに黙って荷物持ちをする。これが正解だ。間違っても早くしろとか、否定的なことを言ってはいけない。
「カゴ持ちました!」
「ずいぶん用意がいいじゃない……」
「慣れてるんで!」
眺める時間が多いのはあらかじめ分かっているので、サポートは迅速にだ。
気を利かせるなら口出すより、手を動かせだ。
「まあ、いいわ。最初はミカにお土産を探しましょう」
「まさかとは思うんですが、1人ずつめいめいにお土産を買うつもりで?」
「当然よ」
当然なんだ……。
ルシアさんはどこまでにお土産を買うのか。事によっては大変なんだが。
ミカ、ルイ、一愛、ミルクちゃんのお友達グループは確定。王様、セバス、二クスにはまあ買うだろう。
問題は他よ。城の人それぞれに買い始めたらヤバイな。何人いると思うのか……。
「嘘、これ……」
ヒヤヒヤしながらルシアさんの挙動を見ていたら、いきなりカゴが埋まる。
真っ白なやつの顔がこちらに向いている。
「えっ、このアザラシは誰用ですか?」
ルシアさんが始めにカゴに入れられたのはアザラシのぬいぐるみ。
その名も、ふわふわアザラシ! 3200円!
──高っ! 初っ端からこれか?!
「自分用。みんなも欲しいかしら? 5匹くらいあればいいかな?」
みんなって。5匹って。こんなの1個でも、荷物持ちは大変なんだけど!?
まだ買い物が始まったばかりなんだけど!?
「いやー、かわいいですけど人数分買うのはちょっと。他のも見たほうがいいのではないでしょうか。ぬいぐるみ大量には持って帰れないっすよ?」
これはダメだ。黙って荷物持ちしていたら、大変なことになる!
口出さないとか思ってたけど、口出すわ!
「かわいいのに……」
「自分用だけでいいと思いますよ」
「そうよね。他のぬいぐるみもあるもんね」
「ぬいぐるみから離れて! それが一番デカいから! 本当に持って帰れなくなるから!」
一愛にはぬいぐるみはいらないと訴えて、ぬいぐるみは4つで済んだ。全然済んでないけど済んだ。
この買い物をへて俺は分かったことがある。
姫の買い物に付き合う荷物持ちには、腕が2本では足りないと。
寿司はやっぱりマグロだなって思いました。
自分では躊躇ってしまうお寿司でのランチも、奢りだと思うだけで倍くらい美味しく感じました。
奢ってくれたルシアさんには感謝しかありません。本当にご馳走様でした。
水槽を見ながら食べる寿司に、初めは超不満を口にしていたルシアさんも、いざ席につけはガチの寿司屋の雰囲気に押し黙った。
その雰囲気を発するは、カウンターで寿司を握る熟年のプロである、寿司屋の大将だ。
人を見る目があるルシアさんは、寿司屋の大将の人柄と仕事ぶりに感心しているようだった。
だが、ずばりと『こんなとこで店出して正気なの?』って言いやがった時は、ビックリしすぎてお茶を吹き出しそうになった。だが、大将はトークも素晴らしかった。
世間知らずでお姫様なルシアさんすら言いくるめ……納得させるとは流石だった。
後で聞けば、同じことを言う人はいるらしい。
その度に同じようなことを言っていると大将は語っていた。
そんなルシアさんには、お子様セットを注文。玉子、エビ、サーモンの寿司三貫に、ジュースと駄菓子まで付く子供用のやつだ。お子様用のやつだ!
俺はとりあえずマグロの三貫のやつを注文。
この店は三貫で1プレートが基本だ。価格は1プレート800円を超える……。
つまり、日常のランチなら1プレートでランチ終了になる価格なんだ。
回らない寿司屋が学生が入っていい店ではないと分かるだろう。回転寿司に行きなさい。
しかし、ここはルシアさん持ちなので遠慮はしない。ルシアさんが手をつけないエビとサーモンも、俺が美味しくいただき更にマグロを追加。
「……信じらんない。一皿に飽き足らず同じものを食べるなんて……」
と、冷たく言われようと止めることはできない。
何故なら、ものすごく寿司が美味しかったからだ。この俺の評価は適切だと思うよ。
日頃食べている寿司より美味しいと思ったね。
それには、この水族館内部の雰囲気と店の雰囲気。それらが合わさって感じるものが、確かにあると感じた。
こんなに美味しい寿司を、是非ともルシアさんにも食べてもらいたい。これを食べず嫌いしているのはもったいない。
それを、『お茶のおかわりもらってくるわ』と席を離れ大将に相談。すると、可愛い彼女のためだと大将が普通はやらない寿司を握ってくれた。
彼女と言われたことに特に否定はしなかった。他人がどう思うのかは他人の自由だからね!
他人から見るとそう見えるのか~、とニヤけてしまっていたかもしれない。
ああ、話が逸れてすまない……。
大将がルシアさんのために握ってくれたのは、いわゆるサラダ寿司。
その見た目でこんな女子受け良さそうなのも作れるんだと感心した──
「……あたし頼んでないけど?」
──のもつかの間、自分の前に置かれた皿をみるなり、そう不機嫌そうに仰ったルシアさんに、『彼氏さんからのリクエストで特別に』と大将は返す。
大将ーー! って叫びたいところだったのだが、ルシアさんの様子が何やら違うので我慢した。
「いくら見た目が綺麗になっても……ても……」
先ほどまでとは様子が違い、サラダ寿司に興味があるのはバレバレだった。
「どうしてもあたしに食べさせたいらしいわね」
ってツンデレを発揮した辺りから、『あっ、チョロいな』と思ったのは言うまでもない。
本人にはそれを悟らせずにサラダ寿司を食べさせ、その後は比較的に抵抗なさそうな寿司を推していった。
「これ綺麗よね。なんなのかしら?」
って言ったのを聞き逃さず興味を持ったらしい、いくらの寿司を勧めて食べさせたりもした。
すると、いくらは好評でルシアさんのいくらの連打が始まった。
「おかわり!」
なんて最後には言うようになって良かった。
食べれば美味しいのだと知り、これでこの先も、いちいち食い物で揉めることがないようになったのではないかと思う。
「いくらだけ食べたいから、他のやつ食べて」
そう、この店にいくら単品はない。三貫の内の一貫だけがいくらなんだ。
今度回転寿司に連れて行ってやると思いつかなかったら、俺の胃袋は破裂していたかもしれない。
※
「食い過ぎ……いや、食わされ過ぎた」
「美味しかったわね。満足した?」
「しました。もう当分の間、寿司はいいです」
「あら、回転寿司というのに連れて行ってくれると確かに聞いたわよ。約束は守りなさいよ」
「はい……」
寿司ランチを終え、とてつもない満腹感を感じながら1階へと戻ってきた。
俺は少しゆっくりしたいのだが、今度はルシアさんのターンらしく、さっき少し会話に出たお土産を買いに行くらしい。
8割くらいは水族館内部を制覇しているし、お土産を買ってそのまま帰るというのもありだろう。
「とりあえず、近いところから行きましょうか」
「えっ、お土産はお土産屋さんで買うんすよね?」
「そうよ、そしてお土産屋さんは3つあるのよ?」
あー、お土産屋さんも制覇しないとダメらしい。
早く帰るどころかむしろ遅くなるらしい。
女の買い物は長いと決まっている。
お土産屋さんの説明をすると外に1つ。1階に2つだ。
「荷物持ちよろしくね」
「はい、喜んで!」
「いい返事ね。じゃあ、はりきっていきましょう」
知ってるか? 女に買い物で逆らっても無駄なんだぜ?
上手くやるには逆らわずに黙って荷物持ちをする。これが正解だ。間違っても早くしろとか、否定的なことを言ってはいけない。
「カゴ持ちました!」
「ずいぶん用意がいいじゃない……」
「慣れてるんで!」
眺める時間が多いのはあらかじめ分かっているので、サポートは迅速にだ。
気を利かせるなら口出すより、手を動かせだ。
「まあ、いいわ。最初はミカにお土産を探しましょう」
「まさかとは思うんですが、1人ずつめいめいにお土産を買うつもりで?」
「当然よ」
当然なんだ……。
ルシアさんはどこまでにお土産を買うのか。事によっては大変なんだが。
ミカ、ルイ、一愛、ミルクちゃんのお友達グループは確定。王様、セバス、二クスにはまあ買うだろう。
問題は他よ。城の人それぞれに買い始めたらヤバイな。何人いると思うのか……。
「嘘、これ……」
ヒヤヒヤしながらルシアさんの挙動を見ていたら、いきなりカゴが埋まる。
真っ白なやつの顔がこちらに向いている。
「えっ、このアザラシは誰用ですか?」
ルシアさんが始めにカゴに入れられたのはアザラシのぬいぐるみ。
その名も、ふわふわアザラシ! 3200円!
──高っ! 初っ端からこれか?!
「自分用。みんなも欲しいかしら? 5匹くらいあればいいかな?」
みんなって。5匹って。こんなの1個でも、荷物持ちは大変なんだけど!?
まだ買い物が始まったばかりなんだけど!?
「いやー、かわいいですけど人数分買うのはちょっと。他のも見たほうがいいのではないでしょうか。ぬいぐるみ大量には持って帰れないっすよ?」
これはダメだ。黙って荷物持ちしていたら、大変なことになる!
口出さないとか思ってたけど、口出すわ!
「かわいいのに……」
「自分用だけでいいと思いますよ」
「そうよね。他のぬいぐるみもあるもんね」
「ぬいぐるみから離れて! それが一番デカいから! 本当に持って帰れなくなるから!」
一愛にはぬいぐるみはいらないと訴えて、ぬいぐるみは4つで済んだ。全然済んでないけど済んだ。
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