93 / 101
天使のホワイトデー 後編
あとはお土産を買って帰るだけ ②
しおりを挟む
「ただいまー」「ただ……いま……」
お分かりになるだろうか。
本日同じところから出発し、同じことをして、同じところに帰ってきたはずの、2人の人間の明らかな疲労の差が。
「おかえりー」
「おかえり! ──どうして2人だけで遊びにいくの! アタシも誘いなさいよ! 朝起きたらもういないし。どこ行ったのか聞いたら、なんか楽しげなところに遊びに行ったって言われるし。追いかけようにもどこなのか分かんないし! ズルいズルいズルいズルいーー!」
こっちもお分かりになるだろうか。
俺たちを待ち構えていた、明らかに後半喋りが多い人と、おかえりしか言ってない人との対応に差がないことを。
「──自分だけ楽しければいいの! そんなヤツだったの! みんな仲良くじゃなかったの! なんとか言いなさい、言え、黙ってないで何か言えーー!」
「お土産、お土産、お土産。どれが一愛のかな~」
俺に掴みかかる天使ちゃんと、俺の手からお土産の袋を次々と奪い取る妹。
どちらも俺のことなんて見ているようで見ていない。
「一愛、そっちは全部あたしが買ったやつよ」
「ルシアちゃん。姫だからお金持ちなの? もしかすると、これ全部自分のやつ……」
「ちゃんと一愛の分もあるわよ」
「やったぜ! さすがはルシアちゃん! ではでは、お土産をお披露目してもらいます。れーと、邪魔。そっちでやって」
互いに半分ずつお土産を持ち、天使ちゃんにぐわんぐわんされている俺を助けることなく、茶の間へと向かう。ひとでなしたち。
特にルシアさん。誰のせいで俺がこうなってると思っているのか……。
「ミカちゃんもあきたらおいで。お土産のお披露目会だよ!」
「うん、コイツをとっちめたらすぐに行くから!」
なんで、とっちめられるのかも分からないし。なんで、俺だけなのかも分からない。
そうツッコミなり抵抗なりをしようとは思うのだが、それをするだけの元気が俺にはない。
「覚悟はいい? おいていかれた恨み、甘んじて受けなさい! ……どうしたのよ。何か喋りなさいよ……」
「やめて。疲れた。重かった」
ほらね。今の俺の口からは単語しか出ない。
せめて休憩を挟んでにしてもらいたい。
そうでないと、天使ちゃんのハイテンションについていくのは無理だ。
「えっ、本当にどうかしたの。よく見たら汗だくじゃないの。なんか顔色も悪いわよ」
「今更。遅い。早く気づけ。バカ」
「──バカって言った! バカって言うやつがバカなんだって言ってるでしょ! ……でも、このままとっちめるのは気分が悪いわね。レートが回復してからとっちめることにするわ」
「天使。優しい。マジ天使」
※
マジ天使ことミカエラさんに介抱され、なんとか一命をとりとめた俺。
今のミカの天使度合いは、俺の中でアミカちゃんに匹敵する。同じ人だけどマジ天使だから。
「だいぶ顔色が良くなってきたわね。なんか飲む?」
「いや、もうちょっとこのままでいたい」
甲斐甲斐しく介抱されている俺の近くのテーブルでは、お土産のお披露目会がずっと行われている。
なんかお店みたいにお土産が並べられていく。
お土産に夢中な妹とお土産を自慢したい姫とは、いろいろと一致するらしく、こっちを見もしない。
「で、なんで力尽きそうだったの?」
「あのお土産の袋の山とルシアを、駅から家まで運んできたからだ。あいつ1回寝たら起きなくて。バスから電車まで連れていくのも大変だったし、電車から家までも大変だった……。俺、重かったけどそこの角のとこまでおぶってきたんだぜ? そしたら狙い澄ましたように起きて、何事も無かったように『だだいまー』って家に入っていったんだ」
最初は寄りかかられて『ふぁーー!』って思ってたが、それは甘かった……。
ルシアさんは一度寝たら何をしようと起きず、無理に起こそうとすると反射的に暴力が飛んでくるしまつ。
もちろん駅からタクシーも考えたが、そんな時に限ってタクシーは捕まらない。帰らないわけにもいかないので、おぶって帰ってきたのだ。
「ああ、あの子。昔からそういうところあるわ。何かごめんなさい。とっちめるのはやめにするから」
「何の役得でもなかった」
「よしよししてあげるから」
マジ天使ちゃんは優しい。膝枕してくれるだけでなく、報われない俺に優しくしてくれる。
もう少しこのままで癒されていたい。
「「…………」」
広げすぎてテーブルがいっぱいになってしまったのか、お土産屋さんごっこはいつの間にか下にまで広がっている。
そんなお土産屋さんごっこをしていた人たちからの視線が冷たい。ゴミを見るような目をしている。
「ミカちゃん。もうそれの面倒はいいよ。一愛が代わろう」
「そうよ。ミカもこっちきて、お土産を見なさいよ」
視線だけでなく言葉も冷たい。
まったく温度がない。
その冷たさに背筋まで冷たくなっていく。
「でも……」
しかし、優しい天使ちゃんは俺を見捨てない。
あの悪魔のような2人とは違い、彼女だけは味方でいてくれる。
「ルシアちゃんがミカちゃんのために買ってきたお土産を見なよ。きっと気にいるよー」
「えっ──」
「今ならフェネックもあげるわよ」
「何それ、可愛い!」
しかし、優しさゆえに簡単に釣られてしまう。
あの狡猾な悪魔たちに対して、天使ちゃんは純粋すぎる。
「──まってくれ!」
釣られたミカは俺を簡単に畳に落とし、お土産屋さんに向かっていく。
そうして唯一の味方を失ってしまった。
「れーと、いい加減にしろや。黙っていれば調子に乗りやがって。とっくに起きられんじゃねーか!」
「誰がどう重かったのか、後できっちり説明してもらうから……」
後に待つのは恐ろしい形相の悪魔たち。
ミカにとっちめられなかったのは、何の意味もなかった……。
「あっ、これ可愛い!」
※
俺はとっちめられ、変わらず畳に寝っころがっている。膝枕はなく座布団すらもらえずにだ。
「これはミルクにあげようと思うんだけど。どう?」
「いいんじゃない。あの子、ペンとか喜ぶと思う」
お土産屋さんでは、誰にどれをあげるのかが決められている。
それぞれ決まったやつは、大量に入っていた小さいお土産の袋に入れられていく。
それを行っているのはルシアさんとミカだ。一愛は自分のお土産をもらって満足そうにしている。
「お前、それ欲しかったのか?」
「いや。まったく」
一愛がもらったのは、ダンクルオステウスぬいぐるみだ。まさかのチョイス! どうすんだよソイツ。
「その割には嬉しそうだね」
「そんなことはない」
そんなことはあると思われる。が、口に出せば収まった怒りが再燃する可能性があるので黙っておく。
「ところでだ。今日の成果を聞こうじゃないか」
「頼まれたお土産ならカバンの中だ。新発売のクランチチョコにした」
「やった、──じゃなくて! ルシアちゃんとはどうだったんだ?」
忘れずに買ってきたお土産の話ではなかった。いいチョイスだと思ったんだけどね。
ダンクルオステウスには勝てなかったらしい。
「手くらい繋いだのか? 言ってごらん」
繋いだけど言いたくはない。
もし言えば、おもしろおかしくあちこちに伝達されてしまう。
「なに、本当に手を繋いだのか!? 初デートで! れーとにそんな度胸があるなんて。みくびっていた……いやいや、そんなわけがない!」
だいぶ失礼な妹だが、だいたい当たっている。
しかし、沈黙は金。黙ってやり過ごそう。
「れーとでないとするとルシアちゃんから? あの子は意外と大胆だったのかな。それ以上のことはあったのかい?」
「……」
「黙ってないで教えろや! 誰のおかげで今日を乗り切れたと思ってんだ!」
「……」
「何か言えや!」
沈黙により妹の追撃をかわし、3月14日は終わった。一愛はルシアさんにも聞きまくっていたが、彼女も何も答えなかったようだ。
最後に、今日は何でルシアさん呼びだったのかというと、デートだったからだよ。
お分かりになるだろうか。
本日同じところから出発し、同じことをして、同じところに帰ってきたはずの、2人の人間の明らかな疲労の差が。
「おかえりー」
「おかえり! ──どうして2人だけで遊びにいくの! アタシも誘いなさいよ! 朝起きたらもういないし。どこ行ったのか聞いたら、なんか楽しげなところに遊びに行ったって言われるし。追いかけようにもどこなのか分かんないし! ズルいズルいズルいズルいーー!」
こっちもお分かりになるだろうか。
俺たちを待ち構えていた、明らかに後半喋りが多い人と、おかえりしか言ってない人との対応に差がないことを。
「──自分だけ楽しければいいの! そんなヤツだったの! みんな仲良くじゃなかったの! なんとか言いなさい、言え、黙ってないで何か言えーー!」
「お土産、お土産、お土産。どれが一愛のかな~」
俺に掴みかかる天使ちゃんと、俺の手からお土産の袋を次々と奪い取る妹。
どちらも俺のことなんて見ているようで見ていない。
「一愛、そっちは全部あたしが買ったやつよ」
「ルシアちゃん。姫だからお金持ちなの? もしかすると、これ全部自分のやつ……」
「ちゃんと一愛の分もあるわよ」
「やったぜ! さすがはルシアちゃん! ではでは、お土産をお披露目してもらいます。れーと、邪魔。そっちでやって」
互いに半分ずつお土産を持ち、天使ちゃんにぐわんぐわんされている俺を助けることなく、茶の間へと向かう。ひとでなしたち。
特にルシアさん。誰のせいで俺がこうなってると思っているのか……。
「ミカちゃんもあきたらおいで。お土産のお披露目会だよ!」
「うん、コイツをとっちめたらすぐに行くから!」
なんで、とっちめられるのかも分からないし。なんで、俺だけなのかも分からない。
そうツッコミなり抵抗なりをしようとは思うのだが、それをするだけの元気が俺にはない。
「覚悟はいい? おいていかれた恨み、甘んじて受けなさい! ……どうしたのよ。何か喋りなさいよ……」
「やめて。疲れた。重かった」
ほらね。今の俺の口からは単語しか出ない。
せめて休憩を挟んでにしてもらいたい。
そうでないと、天使ちゃんのハイテンションについていくのは無理だ。
「えっ、本当にどうかしたの。よく見たら汗だくじゃないの。なんか顔色も悪いわよ」
「今更。遅い。早く気づけ。バカ」
「──バカって言った! バカって言うやつがバカなんだって言ってるでしょ! ……でも、このままとっちめるのは気分が悪いわね。レートが回復してからとっちめることにするわ」
「天使。優しい。マジ天使」
※
マジ天使ことミカエラさんに介抱され、なんとか一命をとりとめた俺。
今のミカの天使度合いは、俺の中でアミカちゃんに匹敵する。同じ人だけどマジ天使だから。
「だいぶ顔色が良くなってきたわね。なんか飲む?」
「いや、もうちょっとこのままでいたい」
甲斐甲斐しく介抱されている俺の近くのテーブルでは、お土産のお披露目会がずっと行われている。
なんかお店みたいにお土産が並べられていく。
お土産に夢中な妹とお土産を自慢したい姫とは、いろいろと一致するらしく、こっちを見もしない。
「で、なんで力尽きそうだったの?」
「あのお土産の袋の山とルシアを、駅から家まで運んできたからだ。あいつ1回寝たら起きなくて。バスから電車まで連れていくのも大変だったし、電車から家までも大変だった……。俺、重かったけどそこの角のとこまでおぶってきたんだぜ? そしたら狙い澄ましたように起きて、何事も無かったように『だだいまー』って家に入っていったんだ」
最初は寄りかかられて『ふぁーー!』って思ってたが、それは甘かった……。
ルシアさんは一度寝たら何をしようと起きず、無理に起こそうとすると反射的に暴力が飛んでくるしまつ。
もちろん駅からタクシーも考えたが、そんな時に限ってタクシーは捕まらない。帰らないわけにもいかないので、おぶって帰ってきたのだ。
「ああ、あの子。昔からそういうところあるわ。何かごめんなさい。とっちめるのはやめにするから」
「何の役得でもなかった」
「よしよししてあげるから」
マジ天使ちゃんは優しい。膝枕してくれるだけでなく、報われない俺に優しくしてくれる。
もう少しこのままで癒されていたい。
「「…………」」
広げすぎてテーブルがいっぱいになってしまったのか、お土産屋さんごっこはいつの間にか下にまで広がっている。
そんなお土産屋さんごっこをしていた人たちからの視線が冷たい。ゴミを見るような目をしている。
「ミカちゃん。もうそれの面倒はいいよ。一愛が代わろう」
「そうよ。ミカもこっちきて、お土産を見なさいよ」
視線だけでなく言葉も冷たい。
まったく温度がない。
その冷たさに背筋まで冷たくなっていく。
「でも……」
しかし、優しい天使ちゃんは俺を見捨てない。
あの悪魔のような2人とは違い、彼女だけは味方でいてくれる。
「ルシアちゃんがミカちゃんのために買ってきたお土産を見なよ。きっと気にいるよー」
「えっ──」
「今ならフェネックもあげるわよ」
「何それ、可愛い!」
しかし、優しさゆえに簡単に釣られてしまう。
あの狡猾な悪魔たちに対して、天使ちゃんは純粋すぎる。
「──まってくれ!」
釣られたミカは俺を簡単に畳に落とし、お土産屋さんに向かっていく。
そうして唯一の味方を失ってしまった。
「れーと、いい加減にしろや。黙っていれば調子に乗りやがって。とっくに起きられんじゃねーか!」
「誰がどう重かったのか、後できっちり説明してもらうから……」
後に待つのは恐ろしい形相の悪魔たち。
ミカにとっちめられなかったのは、何の意味もなかった……。
「あっ、これ可愛い!」
※
俺はとっちめられ、変わらず畳に寝っころがっている。膝枕はなく座布団すらもらえずにだ。
「これはミルクにあげようと思うんだけど。どう?」
「いいんじゃない。あの子、ペンとか喜ぶと思う」
お土産屋さんでは、誰にどれをあげるのかが決められている。
それぞれ決まったやつは、大量に入っていた小さいお土産の袋に入れられていく。
それを行っているのはルシアさんとミカだ。一愛は自分のお土産をもらって満足そうにしている。
「お前、それ欲しかったのか?」
「いや。まったく」
一愛がもらったのは、ダンクルオステウスぬいぐるみだ。まさかのチョイス! どうすんだよソイツ。
「その割には嬉しそうだね」
「そんなことはない」
そんなことはあると思われる。が、口に出せば収まった怒りが再燃する可能性があるので黙っておく。
「ところでだ。今日の成果を聞こうじゃないか」
「頼まれたお土産ならカバンの中だ。新発売のクランチチョコにした」
「やった、──じゃなくて! ルシアちゃんとはどうだったんだ?」
忘れずに買ってきたお土産の話ではなかった。いいチョイスだと思ったんだけどね。
ダンクルオステウスには勝てなかったらしい。
「手くらい繋いだのか? 言ってごらん」
繋いだけど言いたくはない。
もし言えば、おもしろおかしくあちこちに伝達されてしまう。
「なに、本当に手を繋いだのか!? 初デートで! れーとにそんな度胸があるなんて。みくびっていた……いやいや、そんなわけがない!」
だいぶ失礼な妹だが、だいたい当たっている。
しかし、沈黙は金。黙ってやり過ごそう。
「れーとでないとするとルシアちゃんから? あの子は意外と大胆だったのかな。それ以上のことはあったのかい?」
「……」
「黙ってないで教えろや! 誰のおかげで今日を乗り切れたと思ってんだ!」
「……」
「何か言えや!」
沈黙により妹の追撃をかわし、3月14日は終わった。一愛はルシアさんにも聞きまくっていたが、彼女も何も答えなかったようだ。
最後に、今日は何でルシアさん呼びだったのかというと、デートだったからだよ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜
とかげになりたい僕
ファンタジー
不慮の事故で死んだ俺は、女神の力によって転生することになった。
「どんな感じで転生しますか?」
「モテモテな人生を送りたい! あとイケメンになりたい!」
そうして俺が転生したのは――
え、ここBLゲームの世界やん!?
タチがタチじゃなくてネコはネコじゃない!? オネェ担任にヤンキー保健医、双子の兄弟と巨人後輩。俺は男にモテたくない!
女神から「クリアすればもう一度転生出来ますよ」という暴言にも近い助言を信じ、俺は誰とも結ばれないバッドエンドをクリアしてみせる! 俺の操は誰にも奪わせはしない!
このお話は小説家になろうでも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる