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天使のホワイトデー 後編
後日談 ②
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♢28♢
今になっても何がいいのかは分からないが、列に並びタピオカのやつを買うことに成功した。
タピオカは俺たちの後ろで売り切れ、閉店時間を待たずに店じまいとなった。
そんな人気者を飲んでみた感想としては、普通。以上でも以下でもない。
ただ、それは俺だけのようで、ルイは喜び映える写真を撮りまくっていた。
「こんなん並ぶほどか? 本当に大人気なの? 騙されてない?」
駅近くの商業ビル1階のタピオカ屋さん。
中には座るところもあるにはあるのだが、主に女子で満席なので。男はいずらい空間なので。
ビルの前の公園に来て、そこのベンチに座ってる。
「平日でも売り切れんだから人気なんだよ。いろいろ増えてきてるし、次は坂の上にあるところに行きたいな」
もう17時。ばっちり夕方だし、今日ではないよな?
まあ、このくらい付き合ってやるのは構わない。ほんの少しだけ、違いというのも興味はあるし。
「ああ、次な。しかしこれがねー」
「いや、誘ったわけじゃ……」
「なんか言ったか? つーか、もう写真はいいのか。映えるいい写真は撮れた?」
「撮れた。見るか?」
ほう、夕方の感じが入っていてなかなかに素敵な写真だ。タピオカが映えている。
先月から思っていたのだが、ルイは写真撮るの上手いな。コツとかあるんだろうか。
「上手いもんだな。こうか?」
「そんな空の容器でやってもダメだろ……」
「それもそうだな。次回に持ち越すか」
俺はルイが作業している間に飲み干してしまった。
中は空だし、ゴミ箱に捨てようと思って少しグシャっとしてしまっていた。
これではゴミの写真。映えたところでゴミ。
「ところで、この後どうする? 目的は達成したが、今からだと帰りの電車の時間が微妙だぞ。すぐに駅に行って帰るか、遊んで帰るかだな。飯でも食って帰る?」
「これを飲んですぐ駅までは辛いな。どっかで遊んでいくか」
「近くにあるのはカラオケ、ゲーセン、ボーリング場だな。何かリクエストはありますか?」
「詳しいな……」
よくいるところなんで詳しいとも。
ルイは電車を乗り換えて、ホームから出ずに帰るのが普通なんだろうが、俺はここら辺で遊んで帰るのが普通なんでね。
「──んっ、悪い。電話だ。ちょっと考えてて!」
誰かと思えば真咲。別に離れる必要なかったな……むしろ……いや、そういうことか?
『あっ、出た。久しぶり。昨日ホワイトデーだったよね? ボク、お返しもらってないんだけど』
お返しは買ってはあるのだが、昨日は連絡がつかなかったんだよ。
決して、水族館から帰ってから気づいて電話したとかではない!
「真咲、電話してくるってことは時間あんだな?」
『……あるよ。あるけどお返しはあるんだろうね? ルイにはマフラーあげたらしいね』
「そのルイと今一緒だ。来れるか?」
『──いくいく! 今どこ?』
チャンスは勝手に訪れ、ルイにナイショで真咲が来ることになった。どうしようかと思っていたので渡りに船だね。やったぜ!
聞けば15分あればここまで来れるとのことなので、早々に通話を終え15分時間を稼ぎます。まあ、余裕でしょう。
「電話、誰だったんだ? なんか大声出してたけど」
「あぁ、学校のやつだ。山田くんだ。明日のテスト範囲で分からないところがあると電話してきやがったんだ。だが、もう済んだから大丈夫」
「全然、大丈夫じゃねーだろ。零斗、おまえ明日テストなのか? 遊んでる場合じゃねーだろ! 帰って勉強しろ!」
「いや、余裕だから大丈夫──」
「──帰るぞ。学年末のテストでふざけてんな。付き合わせてて成績下がったら気分が悪い。帰るぞ!」
──ぜんぜん時間稼げそうにない?!
真面目なルイちゃんにしてはいけない話だった! 真咲さん、早く来てーー!
※
駄々っ子のようにしたり、ベンチにしがみついたりしながら時間が経つのを待った。長い長い時間だった……。
人目があったが気にしていられない。むしろ人目があったからどうにかなった。
ルイちゃんも人目があっては手を出せないからだ!
「いいかげんにしろよ!」
しかし、いよいよ本気になったルイが俺を引っ張り、しがみついている手を足で踏みつける。
女の子がしていい格好ではないが、今のルイちゃんには関係ないらしい。
「いててっ──、だがもう少しのはず……──来た!」
「そんなんで注意を逸らそうなんて甘い。次の電車で帰るぞ!」
先月と同じ車。そいつが商業ビルの前に停車する。
停まるのと同時にその後部からアイドルが飛び出し、こちらにダッシュしてくる。で、その勢いのままアイドルはルイに抱きついた。
「ルイーー!」「──きゃあ?!」
今。きゃあって言った。きゃあって……。
そんな声は初めて聞いたかもしれない。
「何すんだ! 誰だ!」「──いたい!」
あー、わりと有名人が投げられた。
抱きついた人が悪いが、何も投げなくても。
「なんなんだ。って真咲?!」
「いたいよ。なにすんだよー」
「何で……」
「ビックリした? 驚かそうと思って零斗に頼んだんだ。ルイ、久しぶりだね」
携帯でのやり取りはあれど顔を合わせるのは久しぶりなのだろう。だけど、投げ飛ばした真咲に手を差し出す様子は以前と変わらない。
「そうか。さっきの電話は真咲だったんだな。なんで言わない?」
「それじゃあサプライズにならないじゃないか。ところで、零斗はなんで倒れてるの? ……覗きは犯罪だよ」
直前の状況を思い出してみてほしい。俺はベンチをしがみつき、ルイは俺を踏みつけていた。
その背後から真咲が抱きつき、バランスを崩したルイの足は俺の顔面に直撃したのだ。
起きるタイミングもなかったのでそのままだったんだよ!
「お前のせいだけどな」
「ボク、ルイにしか抱きついてないけど?」
自覚がないようなので追及しても無駄だな。
こいつはそういうやつなんだ。昔からな!
「まあいい。久しぶりに3人揃ったんだ。遊びに行こうぜ! 真咲いるしカラオケだな!」
「えー、自分たちの曲歌うのとかヤダよ。遊びに行くのはいいけどさ」
「いいじゃんか。俺にもファンサービスしようぜ」
「やだって言ったろ。プライベートはプライベートなんだよ。ルイも言ってやってよ」
真咲め。ルイに助けを求めるとは卑怯な。
この流れは2対1になって負けるパターンだ。これまで散々やってるから。
ちなみに一愛がいたら3対1になるところだ。
「真咲。悪いけど遊びには行けない。こいつは明日からテストなんだ。帰らせる」
「えっ、零斗……」
せっかく来たのに帰る宣言では真咲に申し訳ない。2人で説得して、なんとかカラオケに行かなくては……。
「帰って勉強しなよ。ボクはルイと遊んでいくから」
「あれーー?! 俺だけ仲間はずれ!?」
「テストなんだろ。しょうがないよ。ルイはちゃんと送っていくから早く帰りなよ。テスト頑張って!」
そこは自分も帰るか、何とか俺も参加する方法を考えるとかじゃないの。
俺だけ帰れと? ひどくないかい?
「零斗のリクエスト通りにカラオケに行くから」
「俺が参加してないけど!?」
「後で感想をルイから聞いたらいいじゃないか」
……それに何の意味が?
ただの自慢じゃん。嫌がらせじゃん。
「ああ、ついでにホワイトデーのお返し貰いに寄るからよろしくね! 早く行きなよ。電車の時間になっちゃうよ?」
「真咲。やっぱり私も──」
「大丈夫。零斗は帰ってちゃんと勉強するよ。そうだよね?」
この外道が。しかし、俺に付き合わせてテストじゃないルイまで帰る必要はない。
俺が帰りさえすれば、真面目で心配性なルイも真咲と遊んでいくだろう。ぐぬぬぬぬっ……。
「ああ、帰るよ。帰って勉強するよ! 見てろ、無駄に100点を量産してやる!」
「そうそう、たまには本気でやらないとね。じゃあ、また後でねーー!」
今になっても何がいいのかは分からないが、列に並びタピオカのやつを買うことに成功した。
タピオカは俺たちの後ろで売り切れ、閉店時間を待たずに店じまいとなった。
そんな人気者を飲んでみた感想としては、普通。以上でも以下でもない。
ただ、それは俺だけのようで、ルイは喜び映える写真を撮りまくっていた。
「こんなん並ぶほどか? 本当に大人気なの? 騙されてない?」
駅近くの商業ビル1階のタピオカ屋さん。
中には座るところもあるにはあるのだが、主に女子で満席なので。男はいずらい空間なので。
ビルの前の公園に来て、そこのベンチに座ってる。
「平日でも売り切れんだから人気なんだよ。いろいろ増えてきてるし、次は坂の上にあるところに行きたいな」
もう17時。ばっちり夕方だし、今日ではないよな?
まあ、このくらい付き合ってやるのは構わない。ほんの少しだけ、違いというのも興味はあるし。
「ああ、次な。しかしこれがねー」
「いや、誘ったわけじゃ……」
「なんか言ったか? つーか、もう写真はいいのか。映えるいい写真は撮れた?」
「撮れた。見るか?」
ほう、夕方の感じが入っていてなかなかに素敵な写真だ。タピオカが映えている。
先月から思っていたのだが、ルイは写真撮るの上手いな。コツとかあるんだろうか。
「上手いもんだな。こうか?」
「そんな空の容器でやってもダメだろ……」
「それもそうだな。次回に持ち越すか」
俺はルイが作業している間に飲み干してしまった。
中は空だし、ゴミ箱に捨てようと思って少しグシャっとしてしまっていた。
これではゴミの写真。映えたところでゴミ。
「ところで、この後どうする? 目的は達成したが、今からだと帰りの電車の時間が微妙だぞ。すぐに駅に行って帰るか、遊んで帰るかだな。飯でも食って帰る?」
「これを飲んですぐ駅までは辛いな。どっかで遊んでいくか」
「近くにあるのはカラオケ、ゲーセン、ボーリング場だな。何かリクエストはありますか?」
「詳しいな……」
よくいるところなんで詳しいとも。
ルイは電車を乗り換えて、ホームから出ずに帰るのが普通なんだろうが、俺はここら辺で遊んで帰るのが普通なんでね。
「──んっ、悪い。電話だ。ちょっと考えてて!」
誰かと思えば真咲。別に離れる必要なかったな……むしろ……いや、そういうことか?
『あっ、出た。久しぶり。昨日ホワイトデーだったよね? ボク、お返しもらってないんだけど』
お返しは買ってはあるのだが、昨日は連絡がつかなかったんだよ。
決して、水族館から帰ってから気づいて電話したとかではない!
「真咲、電話してくるってことは時間あんだな?」
『……あるよ。あるけどお返しはあるんだろうね? ルイにはマフラーあげたらしいね』
「そのルイと今一緒だ。来れるか?」
『──いくいく! 今どこ?』
チャンスは勝手に訪れ、ルイにナイショで真咲が来ることになった。どうしようかと思っていたので渡りに船だね。やったぜ!
聞けば15分あればここまで来れるとのことなので、早々に通話を終え15分時間を稼ぎます。まあ、余裕でしょう。
「電話、誰だったんだ? なんか大声出してたけど」
「あぁ、学校のやつだ。山田くんだ。明日のテスト範囲で分からないところがあると電話してきやがったんだ。だが、もう済んだから大丈夫」
「全然、大丈夫じゃねーだろ。零斗、おまえ明日テストなのか? 遊んでる場合じゃねーだろ! 帰って勉強しろ!」
「いや、余裕だから大丈夫──」
「──帰るぞ。学年末のテストでふざけてんな。付き合わせてて成績下がったら気分が悪い。帰るぞ!」
──ぜんぜん時間稼げそうにない?!
真面目なルイちゃんにしてはいけない話だった! 真咲さん、早く来てーー!
※
駄々っ子のようにしたり、ベンチにしがみついたりしながら時間が経つのを待った。長い長い時間だった……。
人目があったが気にしていられない。むしろ人目があったからどうにかなった。
ルイちゃんも人目があっては手を出せないからだ!
「いいかげんにしろよ!」
しかし、いよいよ本気になったルイが俺を引っ張り、しがみついている手を足で踏みつける。
女の子がしていい格好ではないが、今のルイちゃんには関係ないらしい。
「いててっ──、だがもう少しのはず……──来た!」
「そんなんで注意を逸らそうなんて甘い。次の電車で帰るぞ!」
先月と同じ車。そいつが商業ビルの前に停車する。
停まるのと同時にその後部からアイドルが飛び出し、こちらにダッシュしてくる。で、その勢いのままアイドルはルイに抱きついた。
「ルイーー!」「──きゃあ?!」
今。きゃあって言った。きゃあって……。
そんな声は初めて聞いたかもしれない。
「何すんだ! 誰だ!」「──いたい!」
あー、わりと有名人が投げられた。
抱きついた人が悪いが、何も投げなくても。
「なんなんだ。って真咲?!」
「いたいよ。なにすんだよー」
「何で……」
「ビックリした? 驚かそうと思って零斗に頼んだんだ。ルイ、久しぶりだね」
携帯でのやり取りはあれど顔を合わせるのは久しぶりなのだろう。だけど、投げ飛ばした真咲に手を差し出す様子は以前と変わらない。
「そうか。さっきの電話は真咲だったんだな。なんで言わない?」
「それじゃあサプライズにならないじゃないか。ところで、零斗はなんで倒れてるの? ……覗きは犯罪だよ」
直前の状況を思い出してみてほしい。俺はベンチをしがみつき、ルイは俺を踏みつけていた。
その背後から真咲が抱きつき、バランスを崩したルイの足は俺の顔面に直撃したのだ。
起きるタイミングもなかったのでそのままだったんだよ!
「お前のせいだけどな」
「ボク、ルイにしか抱きついてないけど?」
自覚がないようなので追及しても無駄だな。
こいつはそういうやつなんだ。昔からな!
「まあいい。久しぶりに3人揃ったんだ。遊びに行こうぜ! 真咲いるしカラオケだな!」
「えー、自分たちの曲歌うのとかヤダよ。遊びに行くのはいいけどさ」
「いいじゃんか。俺にもファンサービスしようぜ」
「やだって言ったろ。プライベートはプライベートなんだよ。ルイも言ってやってよ」
真咲め。ルイに助けを求めるとは卑怯な。
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「えっ、零斗……」
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「帰って勉強しなよ。ボクはルイと遊んでいくから」
「あれーー?! 俺だけ仲間はずれ!?」
「テストなんだろ。しょうがないよ。ルイはちゃんと送っていくから早く帰りなよ。テスト頑張って!」
そこは自分も帰るか、何とか俺も参加する方法を考えるとかじゃないの。
俺だけ帰れと? ひどくないかい?
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「俺が参加してないけど!?」
「後で感想をルイから聞いたらいいじゃないか」
……それに何の意味が?
ただの自慢じゃん。嫌がらせじゃん。
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「真咲。やっぱり私も──」
「大丈夫。零斗は帰ってちゃんと勉強するよ。そうだよね?」
この外道が。しかし、俺に付き合わせてテストじゃないルイまで帰る必要はない。
俺が帰りさえすれば、真面目で心配性なルイも真咲と遊んでいくだろう。ぐぬぬぬぬっ……。
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