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天使のホワイトデー 後編
後日談 ④
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♢29♢
「お前ら、もうお開きにしろよ。で、真咲。おまえ帰りは? マネージャーの人が迎えにくんのか?」
人が勉強している横でゲームを始めた彼女たち。
23時になっても終わる気配のないゲーム大会に、流石にイライラしてきたので真咲に帰る手段を聞いてみた。
はっきりと口には出さないが、『もう帰れ!』ということだ。送っていくにしても、タクシーを呼ぶにしてもいい時間だしな。
「言ってなかった? 今日はルイのところに泊まっていくよ」
「だから余裕なのか。それならそれで、もう行けよ。隣とはいえ迷惑な時間になるぞ。実際、俺はそろそろ迷惑だと思ってきているしな」
「なんだよそれー。 ……なんなら零斗の部屋に泊まってもいいんだよ?」
「迷惑なんでやめてください」
からかわれるのが分かっていて食いつくほど俺は愚かではない。
そんな気は『まったく!』こいつにはないのだから。
「なんだよ。カラオケに行けなかった零斗のために、こうして遊んでやってたのに!」
「俺はずっと勉強してたけどな! お前は一愛とミカと遊んでたんだよ! それに、すっごく楽しそうだったけど!?」
「同じ空間にはいたじゃないか」
「いただけだけど?! 早くルイのところに行けや!」
なんやかんや一愛は喜んでいたし、ミカも人見知りするようなやつではないのですっかり馴染んでいた。
その空間でずっと感じていた疎外感! 誰1人として俺にはコントローラーを渡しもしない!
「そうか。決着は持ち越しか……」
「えー、泊まっていくならもっとやりましょうよ」
散々ゲームをやっていたのにまだ足りないのか。
一愛にもミカにも期待はできない。俺が動くしかないようだ。
「ダメだ。夜更かしもほどほどにしろ!」
「「ケチーー」」
「ケチでいい。真咲はこっち。早く隣に行くぞ。ルイに連絡してくれ」
「ケチーー」
どうしてちゃんとしている俺が、全員からケチ呼ばわりされなくてはいけないのか。
こいつらを放っておいたら朝までゲームやってる可能性だってあるし、そうなったらおそらく『何で止めなかった?』ってママンからもルイからも、どうせ俺がお叱りを受けるんだ。間違いない!
「明日からテストの人がいるんだから気を使ってくれ。勉強はそろそろ切り上げて俺は寝るんだから」
「勉強するんじゃないんだ……」
「もう十分やったから。あとは早く教室に行き、教科書見たりするから」
実は教科書は本屋であるウチにはあったんだ。ウチは教科書を扱ってる本屋であるのだから。
しかし、テスト前に教科書すら持ってきてないことがバレると……あんまりいい想像はできないのだ。
「ルイが玄関開けてくれたって」
「そうか。なら早く行け」
「こんな夜更けに女の子を1人で行かせるのかい?」
「隣まで1分かからないけど? 1人で行けるだろ。玄関までは見送ってやるから。鍵かけなきゃなんないし」
すっげー、普通なことを言ったつもりなんだが、真咲を含む女子全員からの視線が痛い。
グサグサ突き刺さりそうなくらい痛い……。
「隣までお送りします」
「そうなんだ。なんか悪いね」
ぜんぜん悪いとか思ってない顔をしているけどね!
まあ、いいさ。これで終わりなんだから。
「忘れ物すんなよ。持っていくのとかヤダかんな」
「はいはい」
「お前たちも風呂入るなりして寝ろ」
「「はいはい」」
……何も言うまい。
何も言わずにミッションを遂行して、さっさと寝よう。それが一番いい。
※
我が家の玄関を出て、道路に出て、お隣までの何メートルかの道のりを行く。
この移動に絶対に俺は必要ない……。
「いやー、楽しかった。懐かしいゲームだったし」
「そうか。未だに俺は茶の間ではやってるぞ。あの頃は高かったソフトも、今では安くなっててな。定番のやつ以外にも手を出している」
「へー、ボクはゲームなんて久しぶりだったよ」
コントローラーも2つしかなかったところを、買い足し4つにしたし。
もう古いゲーム機になっているが、今定番のゲームタイトルも始まりはあそこからなんだから、つまらないはずがない。ゲーム初心者のミカでも参加できるほど操作も難しくないしな。
「──そうだ! 聞こうと思ってたことを思い出したんだが、一愛となんかあったのか? 何故最初、妹はあんなに抵抗していたのか? お前が抱きついたからか?」
「あぁ、違う違う。一愛を研修生に誘ってた時期があってさ。嫌だって断られても、しつこく勧誘してたからかな。今日でその気はないって分かってくれたみたいだ」
「へーー……えっ?! 今、すごいこと言わなかった! 研修生ってあれだろ。アイドル予備軍だろ!」
「なんだよアイドル予備軍って。よく考えてから……意味は変わらないのかな? まあ、昔の話だよ」
なんてもったいない……。
真咲が誘うってことは見込みがあるってことだろ。
それなのにあの妹は……。断るにしても俺に相談……はしないか。される気がしない。
「今は募集してないのか?」
「いつでも募集はしてるよ。なれるかどうかは別だけどね。けど、嫌だと言ったんだから一愛はやんないよ。あと高校生になってからじゃ遅いかもだし」
「──なんで!? まだピチピチだよ!」
「ピチピチって。本人に言ったら叩かれるぞ。とにかく諦めろって。ボクも諦めたんだから! ルイにも振られて2連敗したんだぞ!」
ルイにも? なんだ、周囲に手ありたり次第に声かけただけか。
確かに、どっちもアイドル活動するタイプには思えない。彼女たちは誘ってもうんとは言わないだろう。
俺が女子だったら間違いなくやっていたがな! そして間違いなく天下を取っていたはずだ!
「くそー、俺が女子だったらよかったのに!」
「そうだね。その通りだ」
「だろ!? そうすれば信者を従え、世界すら征服できたかもしれないのに……」
もちろん冗談だが、俺が女子だったら真咲に付き合ってアイドル活動していた。
もしもそうだったら、それはそれで面白そうだと思うから。
「はぁ……。あっ、ルイからだ。もしもし──」
『──ウチまで来んのに何分かかってんだ! さっきから玄関開けて待ってんだぞ!』
「「あっ……」」
静かな外なので漏れた音がよく聞こえる。
気のせいでなければ、電話越しでないルイの声も聞こえた。
『ホワイトデーのお返し貰ってくるって言って、何時間も戻ってこないし! 何をやってたんだ!』
「「──あっ!!」」
そうだった! 真咲は何しに家にきたのか!
俺からのホワイトデーのお返しを貰いにきたんだった!
「悪い。ちょっと行って持ってくるわ!」
「ごめん。すっかり忘れてた」
急いで取ってこないと。忘れ物ないかとか、聞いていた人が忘れていたのではどうしようもない。というわけでダッシュで行こう!
「──喋ってないでさっさと入れ!」
回れ右して一歩を踏み出す直前に、電話からでなくルイの声がして再び回れ右すると、スマホを手に持ったルイちゃんが激おこでこちらを見ていた。こわいです。
「零斗、ルイがこわいから明日の朝貰いにいくよ。テストってことは起きてるだろ?」
「遅刻はできないからな。早く教室に行く予定だし。じゃあ、明日の朝な……」
ルイちゃんが激おこなので秒で打ち合わせて解散。お返しを渡すのは明日となった。
「じゃあね。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
「お前ら、もうお開きにしろよ。で、真咲。おまえ帰りは? マネージャーの人が迎えにくんのか?」
人が勉強している横でゲームを始めた彼女たち。
23時になっても終わる気配のないゲーム大会に、流石にイライラしてきたので真咲に帰る手段を聞いてみた。
はっきりと口には出さないが、『もう帰れ!』ということだ。送っていくにしても、タクシーを呼ぶにしてもいい時間だしな。
「言ってなかった? 今日はルイのところに泊まっていくよ」
「だから余裕なのか。それならそれで、もう行けよ。隣とはいえ迷惑な時間になるぞ。実際、俺はそろそろ迷惑だと思ってきているしな」
「なんだよそれー。 ……なんなら零斗の部屋に泊まってもいいんだよ?」
「迷惑なんでやめてください」
からかわれるのが分かっていて食いつくほど俺は愚かではない。
そんな気は『まったく!』こいつにはないのだから。
「なんだよ。カラオケに行けなかった零斗のために、こうして遊んでやってたのに!」
「俺はずっと勉強してたけどな! お前は一愛とミカと遊んでたんだよ! それに、すっごく楽しそうだったけど!?」
「同じ空間にはいたじゃないか」
「いただけだけど?! 早くルイのところに行けや!」
なんやかんや一愛は喜んでいたし、ミカも人見知りするようなやつではないのですっかり馴染んでいた。
その空間でずっと感じていた疎外感! 誰1人として俺にはコントローラーを渡しもしない!
「そうか。決着は持ち越しか……」
「えー、泊まっていくならもっとやりましょうよ」
散々ゲームをやっていたのにまだ足りないのか。
一愛にもミカにも期待はできない。俺が動くしかないようだ。
「ダメだ。夜更かしもほどほどにしろ!」
「「ケチーー」」
「ケチでいい。真咲はこっち。早く隣に行くぞ。ルイに連絡してくれ」
「ケチーー」
どうしてちゃんとしている俺が、全員からケチ呼ばわりされなくてはいけないのか。
こいつらを放っておいたら朝までゲームやってる可能性だってあるし、そうなったらおそらく『何で止めなかった?』ってママンからもルイからも、どうせ俺がお叱りを受けるんだ。間違いない!
「明日からテストの人がいるんだから気を使ってくれ。勉強はそろそろ切り上げて俺は寝るんだから」
「勉強するんじゃないんだ……」
「もう十分やったから。あとは早く教室に行き、教科書見たりするから」
実は教科書は本屋であるウチにはあったんだ。ウチは教科書を扱ってる本屋であるのだから。
しかし、テスト前に教科書すら持ってきてないことがバレると……あんまりいい想像はできないのだ。
「ルイが玄関開けてくれたって」
「そうか。なら早く行け」
「こんな夜更けに女の子を1人で行かせるのかい?」
「隣まで1分かからないけど? 1人で行けるだろ。玄関までは見送ってやるから。鍵かけなきゃなんないし」
すっげー、普通なことを言ったつもりなんだが、真咲を含む女子全員からの視線が痛い。
グサグサ突き刺さりそうなくらい痛い……。
「隣までお送りします」
「そうなんだ。なんか悪いね」
ぜんぜん悪いとか思ってない顔をしているけどね!
まあ、いいさ。これで終わりなんだから。
「忘れ物すんなよ。持っていくのとかヤダかんな」
「はいはい」
「お前たちも風呂入るなりして寝ろ」
「「はいはい」」
……何も言うまい。
何も言わずにミッションを遂行して、さっさと寝よう。それが一番いい。
※
我が家の玄関を出て、道路に出て、お隣までの何メートルかの道のりを行く。
この移動に絶対に俺は必要ない……。
「いやー、楽しかった。懐かしいゲームだったし」
「そうか。未だに俺は茶の間ではやってるぞ。あの頃は高かったソフトも、今では安くなっててな。定番のやつ以外にも手を出している」
「へー、ボクはゲームなんて久しぶりだったよ」
コントローラーも2つしかなかったところを、買い足し4つにしたし。
もう古いゲーム機になっているが、今定番のゲームタイトルも始まりはあそこからなんだから、つまらないはずがない。ゲーム初心者のミカでも参加できるほど操作も難しくないしな。
「──そうだ! 聞こうと思ってたことを思い出したんだが、一愛となんかあったのか? 何故最初、妹はあんなに抵抗していたのか? お前が抱きついたからか?」
「あぁ、違う違う。一愛を研修生に誘ってた時期があってさ。嫌だって断られても、しつこく勧誘してたからかな。今日でその気はないって分かってくれたみたいだ」
「へーー……えっ?! 今、すごいこと言わなかった! 研修生ってあれだろ。アイドル予備軍だろ!」
「なんだよアイドル予備軍って。よく考えてから……意味は変わらないのかな? まあ、昔の話だよ」
なんてもったいない……。
真咲が誘うってことは見込みがあるってことだろ。
それなのにあの妹は……。断るにしても俺に相談……はしないか。される気がしない。
「今は募集してないのか?」
「いつでも募集はしてるよ。なれるかどうかは別だけどね。けど、嫌だと言ったんだから一愛はやんないよ。あと高校生になってからじゃ遅いかもだし」
「──なんで!? まだピチピチだよ!」
「ピチピチって。本人に言ったら叩かれるぞ。とにかく諦めろって。ボクも諦めたんだから! ルイにも振られて2連敗したんだぞ!」
ルイにも? なんだ、周囲に手ありたり次第に声かけただけか。
確かに、どっちもアイドル活動するタイプには思えない。彼女たちは誘ってもうんとは言わないだろう。
俺が女子だったら間違いなくやっていたがな! そして間違いなく天下を取っていたはずだ!
「くそー、俺が女子だったらよかったのに!」
「そうだね。その通りだ」
「だろ!? そうすれば信者を従え、世界すら征服できたかもしれないのに……」
もちろん冗談だが、俺が女子だったら真咲に付き合ってアイドル活動していた。
もしもそうだったら、それはそれで面白そうだと思うから。
「はぁ……。あっ、ルイからだ。もしもし──」
『──ウチまで来んのに何分かかってんだ! さっきから玄関開けて待ってんだぞ!』
「「あっ……」」
静かな外なので漏れた音がよく聞こえる。
気のせいでなければ、電話越しでないルイの声も聞こえた。
『ホワイトデーのお返し貰ってくるって言って、何時間も戻ってこないし! 何をやってたんだ!』
「「──あっ!!」」
そうだった! 真咲は何しに家にきたのか!
俺からのホワイトデーのお返しを貰いにきたんだった!
「悪い。ちょっと行って持ってくるわ!」
「ごめん。すっかり忘れてた」
急いで取ってこないと。忘れ物ないかとか、聞いていた人が忘れていたのではどうしようもない。というわけでダッシュで行こう!
「──喋ってないでさっさと入れ!」
回れ右して一歩を踏み出す直前に、電話からでなくルイの声がして再び回れ右すると、スマホを手に持ったルイちゃんが激おこでこちらを見ていた。こわいです。
「零斗、ルイがこわいから明日の朝貰いにいくよ。テストってことは起きてるだろ?」
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「ああ、おやすみ」
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