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第十七章 臨時の同盟
第二百二十九話 事態はより面倒に
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昼過ぎ。
体調が回復してきた子供達から話を聞けたと、フラウリアから連絡が来た。
どうやら3人は親から売られた子供で、5人は共和国内の大きな都市で拐われた子供だった。
残る2人は貴族の子供であり、冒険者ギルドへ捜索依頼が出ている事が分かった。
イズミはそれ以上の詳しい話は聞かなかったが、この手の誘拐話に貴族が絡んで来ると面倒なのは容易に想像出来る。
話をするフラウリアの声が、とても怠そうなのが聞いていて良く分かった。
食事を取ろうと装備を整え、宿屋を出る前に腕時計で時間を確認する。
見るとアクリルガラスに大きな傷が入っていた。
朝方の戦闘で傷が入ってしまったようだ。
磨いても取れそうにない、大きく深い傷だった。
そして最悪な事に、腕時計としての機能を失っていたのだ。
「…気に入ってたのにな」
壊れた腕時計を撫でポツリと呟くと、ランチ営業をしていそうな店を求め歩き出した。
賑やかな商店通りで散策をしていると、帽子を被った女性が給仕をしている店が目についた。
見ると料理屋なのが分かったので、ふらりと入って行く。
「いらっしゃい!」
店内のカウンター席は埋まっており、丸いテーブル席へ案内された。
客層は豊かであり、町の労働者から冒険者、獣人や女性も居る。
料理はかなり信頼出来そうである。
「何にしますか?」
「オススメは?」
「オススメはですね…」
帽子を被った金髪の女性が、店の奥を指差した。
壁にはこの世界の文字で大きく料理名が書かれている。
その手前に座っている冒険者の1人が、笑顔で店員へ手を振っている。
「先日この店が懇意にしている冒険者が討伐しました、四つ目牛のステーキセットです!」
そう言って笑顔で手を振り返す女性を見て、彼等が討伐したのだと分かった。
「では、それを頼みたい」
「かしこまりました。四つ目牛のステーキ1つ入りました!」
「応よ!」
厨房から気合の入った声がした。
料理人が肉を焼いているのを想像しつつ、イズミは静かに待つことにした。
銅貨2枚で冷たい水を提供してくれると言うのでそれを頼むと、小振りなビールジョッキサイズの木製グラスにタップリと水が入っているのがテーブルへ置かれた。
少し飲んで喉の渇きを潤しテーブルへ置くと、店の奥から男が1人近付いて来るのが分かった。
イズミは念の為に右手を自由にしておき、男の動きに注意する。
「同席しても良いかな?」
一度辺りを見渡すも満席では無かったので、明確な目的があって接近して来たと判断する。
「断っても座ると思っているが」
赤茶色の髪に日焼けした肌、翠色の目をした軽装備の男だった。
イズミの左側の席に座ると、口を開いた。
「まぁね。聞きたい事があるんだ」
「食事を害しない範囲で頼みたいね」
「なるべく努力しよう。僕はハルフォード、冒険者をしている。皆はハルと呼ぶよ」
ハルフォードと名乗った男が握手を求めて来たが、好きな漫画の主人公の台詞を言い、丁重に断わった。
「すまない。利き手を他人に預けられる程、自信家じゃなくてね…イズミだ」
伸ばしていた手を引いたハルが、早速話を切り出した。
「よろしく。では最初の質問を…今朝の騒ぎを知っているかい?」
「詳しくは知らないな」
イズミはハルの質問に動じず返答する。
「そうなのかい?それで冒険者ギルドは朝から大騒ぎだった」
「知らないな。冒険者では無くてね」
左手でジョッキを掴み、冷えている水を飲む。
「狙われたのは前日に魔族の方が救出したと言う子供達10人、理由は不明だが取り返そうとしたのか消そうとしたのかだろう」
ハルはイズミの表情を観察している。
恐らくだが、ハルは自分が何か関与していると踏んでいるのかもしれない。
「ギルドで回収した襲撃者の所持品から、特定の国の犯行では無いと思われる。装備の統一感も無ければ種族も国も違かった。魔族の方が回収したと言う資料では、営利誘拐の可能性が高い」
「…それが俺に、どう関係すると?」
イズミはハルの話を聞いてから、突き離すように聞いた。
「冒険者ギルドも僕達も、君とその仲間達が洞窟に眠るドラゴンを起こしたのでは無いか?と考えている」
忠告めいた口振りに眉をひそめながら、イズミはぶっきらぼうに答えた。
「そのドラゴンに思い当たる節があるなら、もう少し話をしても良いが…そうでないなら終いだ。ステーキが来たのでね」
給仕の女性がステーキを持ってやって来た。
目の前に置かれた鉄板の上で、肉厚なステーキが音をたてている。
野菜とパンとスープもついたセットは、久しい豪華料理である。
一緒に置かれたカトラリーでステーキを切ってみると、スッと切れて肉汁が溢れる。
イズミはハルに一声かけると、話を中断して食事を取り始めた。
体調が回復してきた子供達から話を聞けたと、フラウリアから連絡が来た。
どうやら3人は親から売られた子供で、5人は共和国内の大きな都市で拐われた子供だった。
残る2人は貴族の子供であり、冒険者ギルドへ捜索依頼が出ている事が分かった。
イズミはそれ以上の詳しい話は聞かなかったが、この手の誘拐話に貴族が絡んで来ると面倒なのは容易に想像出来る。
話をするフラウリアの声が、とても怠そうなのが聞いていて良く分かった。
食事を取ろうと装備を整え、宿屋を出る前に腕時計で時間を確認する。
見るとアクリルガラスに大きな傷が入っていた。
朝方の戦闘で傷が入ってしまったようだ。
磨いても取れそうにない、大きく深い傷だった。
そして最悪な事に、腕時計としての機能を失っていたのだ。
「…気に入ってたのにな」
壊れた腕時計を撫でポツリと呟くと、ランチ営業をしていそうな店を求め歩き出した。
賑やかな商店通りで散策をしていると、帽子を被った女性が給仕をしている店が目についた。
見ると料理屋なのが分かったので、ふらりと入って行く。
「いらっしゃい!」
店内のカウンター席は埋まっており、丸いテーブル席へ案内された。
客層は豊かであり、町の労働者から冒険者、獣人や女性も居る。
料理はかなり信頼出来そうである。
「何にしますか?」
「オススメは?」
「オススメはですね…」
帽子を被った金髪の女性が、店の奥を指差した。
壁にはこの世界の文字で大きく料理名が書かれている。
その手前に座っている冒険者の1人が、笑顔で店員へ手を振っている。
「先日この店が懇意にしている冒険者が討伐しました、四つ目牛のステーキセットです!」
そう言って笑顔で手を振り返す女性を見て、彼等が討伐したのだと分かった。
「では、それを頼みたい」
「かしこまりました。四つ目牛のステーキ1つ入りました!」
「応よ!」
厨房から気合の入った声がした。
料理人が肉を焼いているのを想像しつつ、イズミは静かに待つことにした。
銅貨2枚で冷たい水を提供してくれると言うのでそれを頼むと、小振りなビールジョッキサイズの木製グラスにタップリと水が入っているのがテーブルへ置かれた。
少し飲んで喉の渇きを潤しテーブルへ置くと、店の奥から男が1人近付いて来るのが分かった。
イズミは念の為に右手を自由にしておき、男の動きに注意する。
「同席しても良いかな?」
一度辺りを見渡すも満席では無かったので、明確な目的があって接近して来たと判断する。
「断っても座ると思っているが」
赤茶色の髪に日焼けした肌、翠色の目をした軽装備の男だった。
イズミの左側の席に座ると、口を開いた。
「まぁね。聞きたい事があるんだ」
「食事を害しない範囲で頼みたいね」
「なるべく努力しよう。僕はハルフォード、冒険者をしている。皆はハルと呼ぶよ」
ハルフォードと名乗った男が握手を求めて来たが、好きな漫画の主人公の台詞を言い、丁重に断わった。
「すまない。利き手を他人に預けられる程、自信家じゃなくてね…イズミだ」
伸ばしていた手を引いたハルが、早速話を切り出した。
「よろしく。では最初の質問を…今朝の騒ぎを知っているかい?」
「詳しくは知らないな」
イズミはハルの質問に動じず返答する。
「そうなのかい?それで冒険者ギルドは朝から大騒ぎだった」
「知らないな。冒険者では無くてね」
左手でジョッキを掴み、冷えている水を飲む。
「狙われたのは前日に魔族の方が救出したと言う子供達10人、理由は不明だが取り返そうとしたのか消そうとしたのかだろう」
ハルはイズミの表情を観察している。
恐らくだが、ハルは自分が何か関与していると踏んでいるのかもしれない。
「ギルドで回収した襲撃者の所持品から、特定の国の犯行では無いと思われる。装備の統一感も無ければ種族も国も違かった。魔族の方が回収したと言う資料では、営利誘拐の可能性が高い」
「…それが俺に、どう関係すると?」
イズミはハルの話を聞いてから、突き離すように聞いた。
「冒険者ギルドも僕達も、君とその仲間達が洞窟に眠るドラゴンを起こしたのでは無いか?と考えている」
忠告めいた口振りに眉をひそめながら、イズミはぶっきらぼうに答えた。
「そのドラゴンに思い当たる節があるなら、もう少し話をしても良いが…そうでないなら終いだ。ステーキが来たのでね」
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目の前に置かれた鉄板の上で、肉厚なステーキが音をたてている。
野菜とパンとスープもついたセットは、久しい豪華料理である。
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イズミはハルに一声かけると、話を中断して食事を取り始めた。
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