竜帝の猛愛

蒼葉

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 世話役を担う赤竜の字名あざなたまわ近侍きんじが腰を深く折る。

「お疲れ様で御座いました」

「いつもの事だ。疲れてなどいない」

「・・・。お食事の用意が出来ております。こちらは私が守護の任に付きますゆえ、どうぞ食堂へ」

「・・・お前達は気にせず食べるがいい」

「空腹でお倒れになられた姿を、彼の方にお見せになるので?」

 封印柱の中の人物を引き合いに出され、不愉快にはなったものの、言う事も一理あるからこそ仕方なしにその場を任せて食堂へと向かった。





 食事を終え、すぐ様封印柱の前へと辿り着く。
 側にいないと不安になるから。
 一度、封印柱触れられない場所に行かれた。
 今度は、消えてしまわないかと気が気でない。
 
 寝ても覚めても、あの日が記憶に蘇る。

 竜族は若い時代ときが長く、寿命も遥かに長い。
 堕落だらくに生きず、勤勉であるが故に知識量は半端ない。
 だから、記憶力も凄まじい。

 幼い頃の凶悪なあの日。鮮明に覚えているのは両親の変わり果てた姿と、目の前の青年の悲しみをたたえた笑顔。

 生かされる為に犠牲にした人達。
 亡くなった人は戻らない。
 だから。まだこの手に戻せる可能性のある、目の前の青年の事は諦めたくない。
 どんな手を使ってでも、封印柱そこから出す方法を探す決意をした。





「して、どうだった?」

 偵察に行っていた者達が帰城し、直ぐに謁見に挑んだ。
 城内に残った者達は成果に淡い期待を込めたが、思わしくない返事が返ってきた。

「力が無い分警戒心が強い。容易に城には近づけなんだ」

 悔しさを滲ませるのは近侍きんじの一人、青竜の字名あざなたまわった男。
 この中で武といんを得意とするが故に偵察に志願した。
 しかし、悪知恵の働く人族相手に一筋縄ではいかなかったらしい。

 この偵察は、未だに残るゲートを消滅させる方法を探る為に行われたもの。
 そのゲート消滅けす事により、はじめて民に掛けられた竜帝の封印が解けるのだ。
 人族の侵略の危惧きぐは勿論の事、早く封印から解放してやりたい方が大きい。

「分かった。暫し休憩を取るといい。急ぎたい気持ちはあるが、焦ってみなを巻き込みたくは無い」

「・・・有難く休憩を取らせて頂いたのち、再度偵察行って参ります」

「いや。暫し様子見だ」

「若様?」

「今朝、また奴等が現れたんだよ」

 護衛の黄竜の字名あざなたまわ近侍きんじ若様蒼月の代わりに呆れ声を出す。

「何だと⁉︎して、其奴らは・・・」

「若様が討伐した」

「お前は何をしていたのだ‼︎若様の護衛だろう‼︎」

「青竜」

「はっ」

「黄竜を呼ぶより俺がる方が早かった。それだけだ」

「しかし、黄竜は若様の護衛です」

「護られるだけの存在に、またさせるのか?」

「い、いえ・・・。申し訳御座いません」

「俺もお前達に鍛えてもらった。そこそこに戦える」

 竜帝の血族は竜帝国を守護する力を有する。
 そこにを鍛えた蒼月は歴代の竜帝の中で恐らく最強。
 竜帝ちちの封印を護り、ゲートからの侵入者を撃退。 
 残った民達の混乱を防ぎながら封印柱の解除方法を模索。
 蒼月こそいつ休憩を取っているのかと近侍きんじ達は心配になった。
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