5 / 8
サラ・ローゼトーテ
3
しおりを挟む
「ぼ…私はサラ・ローゼトーテ。多分16歳。一応オールラウンダー。でも、盾戦士は苦手かな…どうぞよろしくお願いしますッ」
5層にきたリルファナ・ダンパ+サラ・ローゼトーテは隅の方で地べたに座り込んでいた。
サラは腰まであるながい黒髪をほどいており、右側の頭からアホ毛がぴょこんと出ているのがすこし印象的。だが、その相貌は女神のようだ。大きな目は髪と同じ黒。縁どる睫毛は長く、唇は小ぶりで可愛らしい。
そんな彼女を取り囲むように座るリルファナ・ダンパ。
まずリーダーのリルファナが口を開く。
「…なんで、このダンパ、なの?」
「最初は候補に上がってたぐらいなんだけど、他のダンパに全部門前払いされた」
「それ、だけ?」
「そうだけど?」
「ぇーと…このダンパの…そのぉ…目的じゃなくて?」
「はい?」
「人気に、なりたいとか、俺らの、誰かの恋人に、なりたい、とかじゃなくて?」
「何言ってんだし!そんな訳ないじゃ~ん」
そう、前からリルファナ・ダンパには上記のような理由で入ろうとした輩がいたのだ。だからリルファナは極度の、女性嫌い。ティルナとセシルを除いて。今、こうしてサラと話せているのが奇跡なぐらい。
リルファナは気圧されたように引き下がった。
はあ、と誰かのため息。見るとセシルがうんざりしたようにリルファナを見ていた。
「では、今度は私から。あなたは私たちの足を引っ張りませんか。オールラウンダー、と言いましたが、どれほどなのですか?中途半端じゃ無いですよね?」
「やだなあ、ぼ…私結構できるよ?スキルもまあまあだしね!」
にへらっとサラは笑う。
「スキルとは?」
「んーじゃあ当ててみようか?」
「何をです?」
「皆のスキル。」
「はっ?!」
「んふふ」
セシルが目を点にする手前、サラはまたにへらっと笑った。
「セシルは弱点攻撃と、全属性対応」
セシルがぽかん、と口をあける。彼女には珍しい表情。
サラはさらに続ける。
「リルファナは威嚇と光速」
「キルアは威嚇と凶悪な剣」
「ギンダルは嫌悪収集と挑発」
「ティルナは単細胞」
どやあ。サラの顔に書いてある。
皆さんしばし沈黙。
やばい、やばいぞこの子!
「で、では、腕試ししてみましょう。タンク以外、全て」
剣士。
4層のポイズンモス(毒の鱗粉を振りまく蛾)の群れおよそ20匹撃破。
射手。
4層上空のクラウドバード全10匹外さず撃破。
驚いたのが魔導師である。
4層の強敵、ラージオックスを前にした時である。
構える得物はオーク・ステッキ。
普通はその場で構え、魔法陣を展開させるのだが…
「【雷獣よ、そなたの雷をここに導け】」
サラはそのまま詠唱を開始した。
しかも、ラージオックスの突撃に合わせ、並行詠唱。
「展開文句なしで?!しかもまた並行詠唱?!」
セシルがぶつっと言った。
「【空を駆け抜けろ。空を裂け。その雷光を、雷鳴を轟かせよ。そして今ここに】」
オーク・ステッキに真っ黄色の光が凝縮されていく。
「【降り注げ-雷の矢!】」
すっと得物をラージオックスに向けると、ずかんッ!!っと魔法がラージオックスを襲った。
衝撃が軽く辺りを襲う。
目を瞬かせ、ラージオックスを見舞うと、もうその姿は影となって消えていた。
ラージオックスが声も挙げられず、一撃で。しかも、魔導師の力を上げるマジックサークルも開かずに。
「あ、ドロップアイテムだ~」
とうの本人はラージオックスが残していったドロップアイテムを拾いに行く。
「ねえ、あなたは何者なのですか?」
サラはへ?と振り返る。
「サラ・ローゼトーテだけど?」
「ねえ、いいでしょ?もうぼ…私に力あるの見せたでしょ?入れてくださいお願いします本当にぃ~!」
サラはリルファナの腰にしがみつき、懇願していた。
190近いリルファナに対し、160程度しかないサラは傍から見れば親子のよいに見えるが、本人にしてみれば苦痛この上ないだろう。
この場を脱しようとリルファナは壁を這うようにあるいているが、サラはずるずると引きずられるばかりである。
「や、めて…離れて…」
だんだんと、しかし確実に真っ赤に染まっていくリルファナ。やがて熟れたトマトのようになってしまう。
しかし、メンバーはただ面白そうに眺めているのみ。キルアに至っては狩りに行ってしまった。
サラはずるずる引かれていたが、不意に手を離した。
リルファナはほっ、と一息。
が。
「リルファナ、熱あるんじゃない?顔真っ赤だよ?」
「ぶふおぉッ!!」
吹き出すギンダル。絶対全員にやにやしてる。
しかし、構わずにリルファナをのぞき込むサラ。
「だ、だ、大丈夫。大丈夫だから!」
「いや、ますます赤くなってる!絶対無理してるでしょ?!ほら、ちょっとしゃがんで?」
サラはリルファナの頬を両手で包み込み、こつん、と自分の額とくっつける。
「おりょ?熱あるわけじゃない?んーじゃあ、おまじないね?」
サラは額をくっつけたままにこり、と笑う。
そしてそのまま-ちゅっ。
リルファナの前髪をふわりとどけ、額にキス。
「おなじない!」
リルファナはそのままぶっ倒れた。
「あー、面白かった!!まじサイコー!サラ、いいセンスしてるぜ!」
「やったね!サンクス、ギンダル!なんのことだか分からんけどね!」
いつの間にかとてつもなく打ち解けあってる2人。
ナイーブだがさばさばしてるギンダルともっとさばさばしてるサラならこうなることを予測しなかったこともないが。
本当は今日の内にフォートに戻るつもりだったらしいが、サラのお陰で野宿である。小さな焚き火を取り囲み、食事をしているところだ。
「ほんとありがと!私をダンパに入れてくれて!」
にかーっと笑うサラはすぐ側にあったコップを手にし、ぐいっと煽る。
「あ、それ俺のコップ…」
「大丈夫でしょ、ギンダル。サラもそれぐらい気にしないって」
「いや、そうじゃなくて…ティルナ、あれ、酒。それも度数強いやつ」
「「「えっ」」」
うつらうつらしていたリルファナとセシルもくるっと振り向く。
おそるおそるサラの方を向く。
サラの目はとろん、としており、焦点があっていない。
「やばい、絶対やばいよ…」
ティルナがぼそっと呟く。
サラは瞬速の酒乱と化した。正しくは瞬速のキス魔。
まず、隣にいたキルアが犠牲となった。
「おうっ?!やめッ……!」
キルアの抵抗も虚しく、言葉の途中で口を塞がれた。
「ギャースッ!!」
「きゃっ……」
「おぶッ」
ティルナが、セシルが、ギンダルがあっという間に襲われた。
「えまってまって来ないできついって俺-」
じりじり躙り寄るサラにリルファナはガチな目で逃げようとしたが、やはり撃沈。
リルファナは一瞬で卒倒したとさ。
この日、リルファナ・ダンパは誓った。決してサラに酒を飲ませてはいけないと。飲ませた日には自分たちがヤられる、と心に刻んだ。
「え、まって橋切れとるやーん」
その頃のヒーロー・ダンパは先程の6層の橋に来ていた。
ヒーロー・ダンパのイケメンリーダー、レッドが前髪を払い、面前を見る。
「何を言っているんだ、君たちは!俺たちはヒーロー・ダンパだろう?誰よりも格好がよく、憧れの的であらなくてはならない!そうだろう?」
「レッド……!」
「ブルー、グリーン、俺と一緒に先に向こうにいくぞ!」
「おう!」
レッドに呼ばれたのはむきむきまっちょのブルーとグリーン。
余裕で橋の向こうまで行けそうだ。
「いくぞ…いちにっさんっ!」
すばぁっ!とかっこよく飛び出す3人。大きな弧をえがきながら飛んでいく。
「よし、オッケーだ!」
ブルーとグリーンは美しく着地。
が。
「うわあああああぁぁぁ?!」
レッド落下。悲鳴がこだまし、すこし鈍い音が。
「あーレッド落ちた」
「…ご愁傷様です」
「ね、イエロー、私達もいかない?」
「そうね、ピンク!」
女の子たちピンクとイエローもふわっと飛び、それぞれブルーとグリーンにキャッチされる。
「さっ、いきましょ?はやく帰らなきゃ皆がまってるわ」
ピンクが先導して颯爽と去っていく。
「…ねぇ、誰も俺を助けてくれないの?」
レッドは鼻血を垂らしながら呟いた。ついでに足も折れていた。
5層にきたリルファナ・ダンパ+サラ・ローゼトーテは隅の方で地べたに座り込んでいた。
サラは腰まであるながい黒髪をほどいており、右側の頭からアホ毛がぴょこんと出ているのがすこし印象的。だが、その相貌は女神のようだ。大きな目は髪と同じ黒。縁どる睫毛は長く、唇は小ぶりで可愛らしい。
そんな彼女を取り囲むように座るリルファナ・ダンパ。
まずリーダーのリルファナが口を開く。
「…なんで、このダンパ、なの?」
「最初は候補に上がってたぐらいなんだけど、他のダンパに全部門前払いされた」
「それ、だけ?」
「そうだけど?」
「ぇーと…このダンパの…そのぉ…目的じゃなくて?」
「はい?」
「人気に、なりたいとか、俺らの、誰かの恋人に、なりたい、とかじゃなくて?」
「何言ってんだし!そんな訳ないじゃ~ん」
そう、前からリルファナ・ダンパには上記のような理由で入ろうとした輩がいたのだ。だからリルファナは極度の、女性嫌い。ティルナとセシルを除いて。今、こうしてサラと話せているのが奇跡なぐらい。
リルファナは気圧されたように引き下がった。
はあ、と誰かのため息。見るとセシルがうんざりしたようにリルファナを見ていた。
「では、今度は私から。あなたは私たちの足を引っ張りませんか。オールラウンダー、と言いましたが、どれほどなのですか?中途半端じゃ無いですよね?」
「やだなあ、ぼ…私結構できるよ?スキルもまあまあだしね!」
にへらっとサラは笑う。
「スキルとは?」
「んーじゃあ当ててみようか?」
「何をです?」
「皆のスキル。」
「はっ?!」
「んふふ」
セシルが目を点にする手前、サラはまたにへらっと笑った。
「セシルは弱点攻撃と、全属性対応」
セシルがぽかん、と口をあける。彼女には珍しい表情。
サラはさらに続ける。
「リルファナは威嚇と光速」
「キルアは威嚇と凶悪な剣」
「ギンダルは嫌悪収集と挑発」
「ティルナは単細胞」
どやあ。サラの顔に書いてある。
皆さんしばし沈黙。
やばい、やばいぞこの子!
「で、では、腕試ししてみましょう。タンク以外、全て」
剣士。
4層のポイズンモス(毒の鱗粉を振りまく蛾)の群れおよそ20匹撃破。
射手。
4層上空のクラウドバード全10匹外さず撃破。
驚いたのが魔導師である。
4層の強敵、ラージオックスを前にした時である。
構える得物はオーク・ステッキ。
普通はその場で構え、魔法陣を展開させるのだが…
「【雷獣よ、そなたの雷をここに導け】」
サラはそのまま詠唱を開始した。
しかも、ラージオックスの突撃に合わせ、並行詠唱。
「展開文句なしで?!しかもまた並行詠唱?!」
セシルがぶつっと言った。
「【空を駆け抜けろ。空を裂け。その雷光を、雷鳴を轟かせよ。そして今ここに】」
オーク・ステッキに真っ黄色の光が凝縮されていく。
「【降り注げ-雷の矢!】」
すっと得物をラージオックスに向けると、ずかんッ!!っと魔法がラージオックスを襲った。
衝撃が軽く辺りを襲う。
目を瞬かせ、ラージオックスを見舞うと、もうその姿は影となって消えていた。
ラージオックスが声も挙げられず、一撃で。しかも、魔導師の力を上げるマジックサークルも開かずに。
「あ、ドロップアイテムだ~」
とうの本人はラージオックスが残していったドロップアイテムを拾いに行く。
「ねえ、あなたは何者なのですか?」
サラはへ?と振り返る。
「サラ・ローゼトーテだけど?」
「ねえ、いいでしょ?もうぼ…私に力あるの見せたでしょ?入れてくださいお願いします本当にぃ~!」
サラはリルファナの腰にしがみつき、懇願していた。
190近いリルファナに対し、160程度しかないサラは傍から見れば親子のよいに見えるが、本人にしてみれば苦痛この上ないだろう。
この場を脱しようとリルファナは壁を這うようにあるいているが、サラはずるずると引きずられるばかりである。
「や、めて…離れて…」
だんだんと、しかし確実に真っ赤に染まっていくリルファナ。やがて熟れたトマトのようになってしまう。
しかし、メンバーはただ面白そうに眺めているのみ。キルアに至っては狩りに行ってしまった。
サラはずるずる引かれていたが、不意に手を離した。
リルファナはほっ、と一息。
が。
「リルファナ、熱あるんじゃない?顔真っ赤だよ?」
「ぶふおぉッ!!」
吹き出すギンダル。絶対全員にやにやしてる。
しかし、構わずにリルファナをのぞき込むサラ。
「だ、だ、大丈夫。大丈夫だから!」
「いや、ますます赤くなってる!絶対無理してるでしょ?!ほら、ちょっとしゃがんで?」
サラはリルファナの頬を両手で包み込み、こつん、と自分の額とくっつける。
「おりょ?熱あるわけじゃない?んーじゃあ、おまじないね?」
サラは額をくっつけたままにこり、と笑う。
そしてそのまま-ちゅっ。
リルファナの前髪をふわりとどけ、額にキス。
「おなじない!」
リルファナはそのままぶっ倒れた。
「あー、面白かった!!まじサイコー!サラ、いいセンスしてるぜ!」
「やったね!サンクス、ギンダル!なんのことだか分からんけどね!」
いつの間にかとてつもなく打ち解けあってる2人。
ナイーブだがさばさばしてるギンダルともっとさばさばしてるサラならこうなることを予測しなかったこともないが。
本当は今日の内にフォートに戻るつもりだったらしいが、サラのお陰で野宿である。小さな焚き火を取り囲み、食事をしているところだ。
「ほんとありがと!私をダンパに入れてくれて!」
にかーっと笑うサラはすぐ側にあったコップを手にし、ぐいっと煽る。
「あ、それ俺のコップ…」
「大丈夫でしょ、ギンダル。サラもそれぐらい気にしないって」
「いや、そうじゃなくて…ティルナ、あれ、酒。それも度数強いやつ」
「「「えっ」」」
うつらうつらしていたリルファナとセシルもくるっと振り向く。
おそるおそるサラの方を向く。
サラの目はとろん、としており、焦点があっていない。
「やばい、絶対やばいよ…」
ティルナがぼそっと呟く。
サラは瞬速の酒乱と化した。正しくは瞬速のキス魔。
まず、隣にいたキルアが犠牲となった。
「おうっ?!やめッ……!」
キルアの抵抗も虚しく、言葉の途中で口を塞がれた。
「ギャースッ!!」
「きゃっ……」
「おぶッ」
ティルナが、セシルが、ギンダルがあっという間に襲われた。
「えまってまって来ないできついって俺-」
じりじり躙り寄るサラにリルファナはガチな目で逃げようとしたが、やはり撃沈。
リルファナは一瞬で卒倒したとさ。
この日、リルファナ・ダンパは誓った。決してサラに酒を飲ませてはいけないと。飲ませた日には自分たちがヤられる、と心に刻んだ。
「え、まって橋切れとるやーん」
その頃のヒーロー・ダンパは先程の6層の橋に来ていた。
ヒーロー・ダンパのイケメンリーダー、レッドが前髪を払い、面前を見る。
「何を言っているんだ、君たちは!俺たちはヒーロー・ダンパだろう?誰よりも格好がよく、憧れの的であらなくてはならない!そうだろう?」
「レッド……!」
「ブルー、グリーン、俺と一緒に先に向こうにいくぞ!」
「おう!」
レッドに呼ばれたのはむきむきまっちょのブルーとグリーン。
余裕で橋の向こうまで行けそうだ。
「いくぞ…いちにっさんっ!」
すばぁっ!とかっこよく飛び出す3人。大きな弧をえがきながら飛んでいく。
「よし、オッケーだ!」
ブルーとグリーンは美しく着地。
が。
「うわあああああぁぁぁ?!」
レッド落下。悲鳴がこだまし、すこし鈍い音が。
「あーレッド落ちた」
「…ご愁傷様です」
「ね、イエロー、私達もいかない?」
「そうね、ピンク!」
女の子たちピンクとイエローもふわっと飛び、それぞれブルーとグリーンにキャッチされる。
「さっ、いきましょ?はやく帰らなきゃ皆がまってるわ」
ピンクが先導して颯爽と去っていく。
「…ねぇ、誰も俺を助けてくれないの?」
レッドは鼻血を垂らしながら呟いた。ついでに足も折れていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる