月下の妖

てぃあな・るー

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東ノ神 青龍

陸,一週間 其ノ二

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千幸が俺の事を見なくなってから三日ぐらいたっているとおもう。
 その間俺が何をしていたかというと…まあ、ちょっと話そうか。
 木香薔薇と下駄を覚えているか。
 あれは…俺だ。
 なぜ会ったばっかなのに、と思うだろう…それはまだ語れない。
 あの手紙に書いてあることは本心だ、ということは言っておこう。
 しかし、あいつは何故か気にしたような様子がない。
 おかしい…
 そこで俺はもう一回やって見ることにした。
 前回は彼女にあった下駄だった。(千幸は青藍に会うときに履いてくれていた)
 今回は…押花だ。
 勿論木香薔薇の。
 しかし、綺麗な押花を作るには適度に管理しなくてはいけないらしい…
 という訳で三日空けていたのだ。
 そして遂に、押花ができた。
 花びらが綺麗にひらき、いい形でできた、素晴らしい出来だ。

 そして今日。俺は千幸にばれぬよう、千幸が昼の食事をとっている間に忍び込んだ。
 必ず見つけるよう、ベッドの上におく。
 そのあと、何気ないよいに三人に合流したのだった。

 
 そして夕食のとき。
 俺たちが席についたあと、珍しく遅れて千幸が席にきた。
 その頬は赤く、落ち着か投げにそわそわしている。目はせわしなく動いている。
 まともに食事も食べていない。

「千幸、どうかしたのか」

 堪らず俺が声をかけると、びくうっと千幸がはねた。

「な、なんでもないわよ?!」

 声が上擦っている。
 千凪と千雪も訝しげに千幸を見る。
 慌てて食事をかきこみ始める千幸。

可愛すぎかあっ!!………失礼した。

「…め、雨。雨ー?どうしたの、気持ち悪いよー?」

 千凪が俺をつつく。
 いつの間にか気付かぬうちに笑っていたらしい。
 俺はおもわず赤面した。

「お、思い出し笑いをしていただけだっ!!」

 俺もつくづく情けないな…
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