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南ノ神 朱雀
参,戦イ三昧
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“赫ノ星宿”は宿というからに居心地のよい所だった。
どこか和風離れした個室(いわゆる洋風)はいつも召使いのような鳥人間(背中に翼のはえた人)が毎日掃除してくれ、清潔。さらに温泉がついている。
へい、毎日ばかんす!!
朱雀の朱空はとてつもなく無愛想で不器用。ただ、根っこは優しい心の持ち主だ。
だから私には不器用に優しくしてくれるが、男どもはげしげし蹴る。
まあ、見ていて面白い。
そして何より嬉しいのは肉が食べられること!うれしー!
ここに来る途中は木の実ばっか食べてた気がする…
そして男どもはというと…毎日のように戦っておりまする。
ここには“闘技場”があり、足場が砂場になっていて安全(?)に戦えるらしい。
今日は闘技場を覗きに来たわけだ。
ちらっと隙間から中を覗くと、4匹の獣がいた。
毛並の艶やかな狐。
ほっそりとした猫又。
がっしりと逞しい狼。
輝く朱色の羽の鳥。
どれも見ていて美しいが、自然に目が追ってしまうのは…やはり狼。
黒曜石のような毛皮は逞しい筋肉に合わせて動く。大柄な体格には似合わない俊敏さ。全てが気になってしまう。
と、千雨がふっとこっちを見た。視線が絡み合う。
私は真っ赤になってしゃがみこみ、顔を隠した。
…バレちゃったかな。
そのころの千雨は私が見てくれていたことに感激し、ふさふさな尾を振っていた。
そんな私たちは私と千雨を交互に見ていた千雪の鋭い瞳に気づくことが出来なかった。
どこか和風離れした個室(いわゆる洋風)はいつも召使いのような鳥人間(背中に翼のはえた人)が毎日掃除してくれ、清潔。さらに温泉がついている。
へい、毎日ばかんす!!
朱雀の朱空はとてつもなく無愛想で不器用。ただ、根っこは優しい心の持ち主だ。
だから私には不器用に優しくしてくれるが、男どもはげしげし蹴る。
まあ、見ていて面白い。
そして何より嬉しいのは肉が食べられること!うれしー!
ここに来る途中は木の実ばっか食べてた気がする…
そして男どもはというと…毎日のように戦っておりまする。
ここには“闘技場”があり、足場が砂場になっていて安全(?)に戦えるらしい。
今日は闘技場を覗きに来たわけだ。
ちらっと隙間から中を覗くと、4匹の獣がいた。
毛並の艶やかな狐。
ほっそりとした猫又。
がっしりと逞しい狼。
輝く朱色の羽の鳥。
どれも見ていて美しいが、自然に目が追ってしまうのは…やはり狼。
黒曜石のような毛皮は逞しい筋肉に合わせて動く。大柄な体格には似合わない俊敏さ。全てが気になってしまう。
と、千雨がふっとこっちを見た。視線が絡み合う。
私は真っ赤になってしゃがみこみ、顔を隠した。
…バレちゃったかな。
そのころの千雨は私が見てくれていたことに感激し、ふさふさな尾を振っていた。
そんな私たちは私と千雨を交互に見ていた千雪の鋭い瞳に気づくことが出来なかった。
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