アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

626 恐怖の土魔法(前)

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 「「囲め囲めー!」」

 「「回れ回れ!うしろも横も全部だー!」」

 四方から俺を囲んだ13人。
 10メルを切る射程圏を確保したことで急速に自信をとり戻したんだろうね。

 余裕綽々。
 俺たちは魔法軍期待のルーキーなんだと胸を張って杖を構える13人。

 「ケケケケケケーッ!私たちの勝ちよーー!」

 「ワハハハハハ!身体中切り刻んで終わりだガキ!」

 「「ギャハハハハハ!」」

 「「アハハハハハハ!」」

 「「いくぞ!」」

 「「いくぞ!」」





 「ねぇアレク、あいつらバカなの?」

 「俺もそう思う‥‥」

 「だいたいさ、魔法は約束どおり使わないけど、俺が体術を仕掛けたらどう防ぐ気なんだ?」

 「考えてないのよ」



はっきり言ってこいつらなら体術だけで無双できる。

 そんなバカな魔法士たちがあろうことか詠唱しだしたんだ。マジか。俺‥‥待たなきゃいけないの?


 「ここに火の球を浮かびあがらせ、汝の敵を撃ち滅ぼすものなり。死ねガキめーー!ファイアボール!」

 シュッ!

 「ここに風の刃を浮かびあがらせ、汝の敵を撃ち滅ぼすものなり。脇役のガキ!主役は私たちよ!エアカッター!」

 シュッ!

 「ここに水の弾を浮かびあがらせ、汝の敵を撃ち滅ぼすものなり。私たち魔法軍の勝ちよ!死んじゃえ!ウォーターボール!」

 シュッ!




























 「あ~あ。欠伸がでるよ、まったく。
 なんで詠唱なんだよ!詠唱なんかなくても魔法くらい発現できないのかよ!
 しかも俺が待つことが確定なのか?
 そんな敵どこにいるんだよ!」

 わははははは
 ワハハハハハ
 がははははは

 騎士団、海軍、陸軍、冒険者の誰もが笑ってるわ。あり得ないって。

 ズズズーーッッ!

 それでもコイツらが魔法を発現するまで待った俺は、立ったまま塔を発現。そのまま上昇したんだ。

 ダーンッッ!
 ダーンッッ!
 ダーンッッ!
 ダーンッッ!

 あとには誰もいない塔の四方にぶつかる攻撃魔法。ぶつかる音だけは派手だけど、揺れもしないよ。

 「「くそっ!なんなんだよ!」」

 「「囲め囲め!四方からどんどん攻撃魔法を発現しろ!」」

 「「土なんかすぐに壊れる!」」

 「「ここに火の球を~‥‥ファイアボール!」」

 ダーンッッ!

 「おーい、届かねーぞー!」

 「「ここに風の刃を~‥‥エアカッター!」」

 ダーンッッ!

 「おーい、土の塔くらい切断しろよー」

 「「ここに水の弾を~‥‥ウォーターボール!」」

 ダーンッッ!

 「おーい、土の塔なんだから水で倒せばいいだけじゃんか?」

 「「ここに火の球を~‥‥ファイアボール!」」

 ダーンッッ!

 「おーい、届かねーぞー」

 「「ここに風の刃を~‥‥エアカッター!」」

 ダーンッッ!

 「おーい、揺れもしねーぞー」

 「「ここに水の弾を~‥‥ウォーターボール!」」

 ダーンッッ!

 「おっ!初めて水滴だけ飛んできたぞー」

 わははははは
 ワハハハハハ
 がははははは

 「「ここ‥‥ファイアーボール!」」

 ダーンッッ!

 「おーい!?」

 「「ここ‥‥エアカッター!」」

 ダーンッッ!

 「おーい!?」

 「「ここ‥‥ウォーターボール!」」

 ダーンッッ!

 「おーい‥‥もう終わりかー?」

 ギャハハハハ
 ガハハハハハ
 ワハハハハハ

 「「「なめるなクソガキ!」」」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「おーい!?」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「おーい!?」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「‥‥」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「‥‥」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「‥‥」

 「「ファイアボール!」」
 「「エアカッター!」」
 「「ウォーターボール!」」

 「‥‥」

























 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」


 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」


 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」


 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」
























 「なんだもう終わりかー?」

 ギャハハハハ
 ガハハハハハ
 ワハハハハハ

 この体たらくと言ったら……。これは魔法軍の関係者はめちゃくちゃ恥ずかしいだろうね。


 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」

 「魔力無くなるの早すぎ!しかもこのくらいで、なんで座り込んでるんだよ!?」

 ズズズッッ

 塔をゆっくり元に戻して元の位置に立つ俺。だけど……。

 「ほら目の前に憎たらしいガキがいるんだぞ?」

 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」

 「魔法を発現できなくなったら身体を使って攻撃して来いよ!」

 「ほら来いよ!?」

 へたりこんでた男の尻を蹴る。女の足を軽く踏む。男の腹を蹴る。
 ぐるり13人全員を足蹴にしていく。

 「「ぐはっ!」」

 「「がはっ!」」

 「「ぎゃっ!」」

 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」

 「なんでお前ら武器持ってないんだよ!
 じゃあせめてその杖で殴りかかってこいよ!
 13人もいて1人くらい‥‥マジでもうダメかよ?」

 「「「ハァハァ  ハァハァ‥‥」」」
























 「お前ら‥‥弱過ぎ!魔法軍の恥だぞ!
 まあいいよ。今度はこっちからいくぞ」

 「これなんかわかるか?」

 「2号ゴリラゴーレム2体!
 3号ゴリラゴーレムも2体!
 発進!」

 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!



























 12時と3時には2号ゴリラ、6時と9時には3号のそれぞれ2体のゴリラフィギュアを発現させたんだ。

 「「あれ先帝じゃないか?」」

 「「こっちは今のアーサー皇帝だぞ!」」


 「「「ぷっ」」」

 ワハハハハハ
 わははははは
 アハハハハハ
 あははははは

 東西南北に現れた次男ゴリラと3男ゴリラのフィギュア。もちろん動かないよ。ドラミングのポージングをするだけのゴリラフィギュアだもん。

 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!

 「‥‥おやっさん!」

 「‥‥アーサー!」

 「「あのガキあとで殺す!」」



















 「「ゴ、ゴーレムよ!」」

 「「ゴーレムだ‥‥」」

 いきなり地中から飛びだしてきたゴリラフィギュアに、自然と後退する13人……。

 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!
 ズズズッッ!

 ササササッ!
 ササササッ!
 ササササッ!
 ササササッ!

 「なんだよ!さっきから俺は1歩も動いてないんだぞ!なんでお前らが下がるんだよ!」

 ササササッ!
 ササササッ!
 ササササッ!
 ササササッ!

 
 「19ーーー、20ーーー。終わったぞアレク」

 「ありがとなおっさん。じゃあ今度は俺の番だよな」

 「2号ゴリラも3号ゴリラももう帰っていいぞ」

 ズズズッッ!
 ズズズッッ!




























 「なんじゃ?ここにおる2号も3号も、なんでまだおるんじゃ?」
 
 「本物だよ!」

 「俺たちは本物です!」

 「なんじゃアレク君は!?1号のわしも作ってくれればよかったのにの。孫が喜んだのにのぉ」

 「(くそーっ。ぜったいあのくそガキ、シメてやるわ!)」

 「(おやっさん、俺もやったる!)」




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