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オナーニッビュル国国都で

にじゅうごわめ《暴力描写(少)》

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 動けない俺を見てニヤつくコイツ……情報によればこの国の王太子らしい。
 自分の好みの子供を攫ってはこうして動物に犯させて、それを見て愉しんでいるらしい。
 その魔の手が、エルさんに伸びたのだ。
 こんな奴に、エルさんが触られるのは我慢出来ない……!

「ふぅん……コイツ程ではないが、貴様も見た目は悪くないな」
「あ゛?」

 剣をエルさんに向けて揺らめかせていたクソ王太子が俺をじっとりと見てそう言った。
 その目には欲が見てとれて、不快感が更に強まる。
 ぐぐぐーっと険しくなる俺を見ながら、クソ王太子は小声で何かブツブツ呟き始めた。
 その言葉は聞き取れなかったけれど、クソ王太子の髪が揺らめき、なんとなくソイツの周りがもやっとした。
 クソ王太子は見た目だけならカッコイイ部類に入ると思う。
 身長も俺より高そうだし、肩幅もしっかりあるし、がっしりした感じだ。
 これでクソじゃなかったら食指が動いたかもしれないが。
 とか思っていたら俺の足元に魔法陣がぶわっと光って浮かび上がってきた。
 下から上ってくる魔法陣はどうやら拘束魔法らしい。
 魔法陣が足から頭まで駆け上がり、収束して消えた。

「ふ、これで動けまい。……なぁに、コイツで愉しんだ後に、お前も遊んでやるさ」

 腹立つ笑みを浮かべながらクソ王太子は剣を鞘に仕舞う。
 そうしてゆったりとした足取りでエルさんに近づくとその顎に指をかけ、顔を上向かせた。
 そうしてニヤつきながらもエルさんの顔をじっくりと見て、舌なめずりをする。

「さて、コイツはどんな声で啼くのか」

 その言葉を聞いた瞬間、頭のどこかがプチッと音を立てて切れた。
 そうして、クソ王太子に向かって指を伸ばし、拘束魔法を放つ。
 ビシッと効果音が聞こえそうだった。
 クソ王太子はその一瞬で動くことも出来なくなり、エルさんの顎に指をかけたまま止まった。

「……な、にが……」
「エルさんに触るな、クソ野郎」
「……な、に……?」

 どうやら口は微妙に動くみたいだ。
 急いで何かで動けないようにしないと、とざっと周囲を見まわす。
 壁に……ない、と思ったら椅子の手前の方の床に4つ、盛り上がった形の何かを発見する。
 じっと見てみれば、それは拘束の為の金具だった。
 カツカツと靴音を響かせてクソ王太子の元へ移動すると、そのまま胸倉を掴んで引き摺る。

「な、はな……っ」

 動けないまま抵抗しようとするクソ王太子を無視して金具の所まで移動し、クソ王太子を床にブン投げる。
 ゴツッと頭を打ったらしい音がしたがこれも無視して、4つの金具にそれぞれ両手首、両足首を固定する。
 形は四つん這いだ。
 椅子に頭を向け、四つん這いになったクソ王太子はギシリと音がしそうな動きで緩慢に動き出した。
 どうやら異常耐性があるみたいだ。
 ギリギリ間に合った、というところか。

「き、さま……!外せ!」
「断る」
「こんな……許さんぞ!」
「別に許していらないしな」

 拘束されて尚、偉そうなクソ王太子にケッと悪態を吐く。
 とりあえず、エルさんから脅威を取り除けたことで、漸く視界が開けた。
 子供たちが、居たはずだ、と周りに顔を向ければ……どうやらジュークが対応してくれたらしい。
 全員が拘束を外され一塊になって震えている。
 子供たちを犯していた動物は……うん、首がなかった。

「まったく……」
「ごめん、ジューク」
「仕方ない。さて、ここからどうする?」
「うん、子供たちを上に連れて行って……そうだな。お風呂はあるかな?」
「風呂か」
「うん、あ、あるな。それに……」

 MAPでクソ王太子の部屋付近を調べると、部屋にお風呂がついてた。
 場所の説明をして、ジュークに回復薬を持たせる。

「じゃ、エルさん下ろしてくるよ」
「わかった」

 駆け足でエルさんの元へ行き、エルさんの状態を確認する。
 どうやら『催淫剤(特)』を使われたようだ。
 それ以外にも動きを鈍らせる薬も使われていて、動けないらしい。
 傍に布団を敷いておき、エルさんを拘束する縄をナイフで切る。
 そうしてエルさんを下ろし、布団に寝かせて呼吸を確認する。
 ……うん、問題なさそう。

「エルさん、聞こえる?俺だよ、シオン」

 ピクリともしないエルさんに悔しさと悲しさが込み上げてくる。
 そして、無事だったという安堵。

「貴様……!この俺様の言うことが聞こえないのか……!」

 キャンキャンなにかが吠えている。
 煩いな。
 喚くクソ王太子の傍に行き、その鼻っ面を蹴り上げる。

「いぎっ!?~~~いぎゃあああ!」
「うるせえよ」

 汚い悲鳴を上げる口を閉じてやろうとその頭を踏みつけてやれば、呻き声に変わり、漸く少しは静かになったか、と鼻で笑う。
 さて、コイツをどうすっかな。

 ――ゴシュ、ジン……サマ、エサ?――

 そこに聞こえた声に、俺は思わず口角を上げる。
 そうだ、ゼルがいる。
 クソ王太子の頭から足を下ろし、横を歩いて腰に刷いた剣を抜く。
 その剣を手に、クソ王太子の足元へと移動して、剣をクソ王太子のズボンへと当てる。

「な、何をする……!」
「何って……お前がエルさんにしようとしてたこと、かなぁ?」
「なっ、やめろ……!この俺様にそんな真似……っ」
「喚くなよ、エルさんだけじゃなくて、子供たちにもヤってただろ?」

 剣の切っ先をズボンに引っ掛けてブツリブツリと糸を切っていく。
 ちょっと肌も切ったかもしれないが……まあいいだろう。
 そうして俺は影の中に潜めていたゼルを喚び出した。

「じゃあゼル、コイツで遊んでいいぞ」

 ――ハ、イ……ゴシュジン、サマ――

 尻を高く上げた格好で動けないクソ王太子のパンツの上にゼルを置いて、そのまま放置することにした。
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