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第四話
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「今まで通りこの屋敷で生活を続けていい。結婚式はあちらの体調不良とエルノワの病弱を理由に、身内だけで極秘で行った事にする。これから先辺境伯家に行く必要もなければ、結婚相手に会う必要もない。妻としての役割も一切求めないそうだ」
……なんだろう、この自分にとって都合が良過ぎる条件は。
「えっと……」
「なんだ、喜ぶかと思ったが。不満かい?」
「いえ、そうではないのです。ただ、あまりにも条件がわたくしに都合がいいので……、現実味がないのです」
「ああ、確かにそうだな。辺境伯家としては結婚したという事実があればいいのだそうだ」
「なるほど。……もしやヴァイン様には別のお相手がいらっしゃるのではないでしょうか。わたくしはその都合のいい隠れ蓑。でしょう?お父様!」
「……そんな事はないはずだよ。あと条件がもう一つ」
「はい、なんでしょう?」
「エルノワのペースでいいそうなのだが、絵をたまに送って欲しいそうだ」
「絵?わたくしの描いた絵ですか?」
「ああ、エルノワの好きに描いていいと言われている」
「まあ。何故わたくしが絵を描く事をご存知なのでしょう。淑女が絵描きの真似事などと言われませんでしたか?結婚を断る材料に伝えたのですか?」
「エルノワ、絵描きの真似事などと自分を軽んじるような事を言ってはいけないよ。……いや、そう言わせてしまっているのは私達か」
「そんな事はありませんわ。一般論ですもの。ですが人様がなんとおっしゃられたとしても、わたくしは絵を描く事をやめられませんし……。幸いにもわたくしが絵を描く事をご存知の方もあまりおられませんしね。とにかく、絵をお送りすれば宜しいのですわね」
「そうだ。最初は自画像をお送りするといい。きっとお喜びになる」
別のお相手がいるかもしれない方に、わたくしの自画像?
不思議に思ったが、確かに結婚相手の顔も知らないのでは不都合があるのかもしれない。
後日、初めての手紙と自画像を送った。
すると丁寧に書かれた感謝の手紙と、なんと結婚指輪が送られてきた。
サイズは子爵に聞いたが、あわないようなら申し訳ないが直しに出して欲しいとの言葉も添えてあった。
つけてみると、寸法を測ったわけではないので少しばかりエルノワの指には緩い指輪だ。だが直しが必要な程ではなく、そのままエルノワの指に収まった。
こうして、フロスティ子爵令嬢エルノワは正式に婚姻を結びファーレンハウト辺境伯家の一員となったのである。
形ばかりの、ではあるが。
……なんだろう、この自分にとって都合が良過ぎる条件は。
「えっと……」
「なんだ、喜ぶかと思ったが。不満かい?」
「いえ、そうではないのです。ただ、あまりにも条件がわたくしに都合がいいので……、現実味がないのです」
「ああ、確かにそうだな。辺境伯家としては結婚したという事実があればいいのだそうだ」
「なるほど。……もしやヴァイン様には別のお相手がいらっしゃるのではないでしょうか。わたくしはその都合のいい隠れ蓑。でしょう?お父様!」
「……そんな事はないはずだよ。あと条件がもう一つ」
「はい、なんでしょう?」
「エルノワのペースでいいそうなのだが、絵をたまに送って欲しいそうだ」
「絵?わたくしの描いた絵ですか?」
「ああ、エルノワの好きに描いていいと言われている」
「まあ。何故わたくしが絵を描く事をご存知なのでしょう。淑女が絵描きの真似事などと言われませんでしたか?結婚を断る材料に伝えたのですか?」
「エルノワ、絵描きの真似事などと自分を軽んじるような事を言ってはいけないよ。……いや、そう言わせてしまっているのは私達か」
「そんな事はありませんわ。一般論ですもの。ですが人様がなんとおっしゃられたとしても、わたくしは絵を描く事をやめられませんし……。幸いにもわたくしが絵を描く事をご存知の方もあまりおられませんしね。とにかく、絵をお送りすれば宜しいのですわね」
「そうだ。最初は自画像をお送りするといい。きっとお喜びになる」
別のお相手がいるかもしれない方に、わたくしの自画像?
不思議に思ったが、確かに結婚相手の顔も知らないのでは不都合があるのかもしれない。
後日、初めての手紙と自画像を送った。
すると丁寧に書かれた感謝の手紙と、なんと結婚指輪が送られてきた。
サイズは子爵に聞いたが、あわないようなら申し訳ないが直しに出して欲しいとの言葉も添えてあった。
つけてみると、寸法を測ったわけではないので少しばかりエルノワの指には緩い指輪だ。だが直しが必要な程ではなく、そのままエルノワの指に収まった。
こうして、フロスティ子爵令嬢エルノワは正式に婚姻を結びファーレンハウト辺境伯家の一員となったのである。
形ばかりの、ではあるが。
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