3 / 22
サメジマエリア編
3話
しおりを挟む
「で、どうするコレ」
前略、トッパー君に賄賂を渡そうとしたら、地雷だったらしく。レーザー攻撃を受けている。
「いや、どうしようか~コレ」
「まぁ、門番だからあの場所から出て来れないとは思うけどー……」
タフちゃんは自販機の裏に隠れながら、職員カードをかざしてボタンを押す。
「パシャリさーん?」
「ん~?」
「どれが良いー?」
「……あー……コーヒーで」
「はい、どーぞ」
「はい、どーも」
自販機裏でレーザー光線を凌ぎながら、ジューっと自販機飲料を飲む。
「コレどうしよっかホント」
「どうしようね~。あ、サンドイッチもある。いる?」
「いるー」
自販機からポンと出てきた包み紙を受け取る。
「いやぁ、正職員なら職員カードで自販機無料利用できるのいいね~」
「いいでしょ~」
《抹殺執行。抹殺執行》
「それにしても、トッパー君がNTR絶対殺すマンだったとは」
「アンドロイドの性癖とか死ぬ程どうでも良い」
「裏口とか回る?」
「あー、正面ホールだからトッパー君しかいないけど、裏口とかは防犯の為にもっと強いヤツいっぱいだよ」
「普段なら素通りだけど、『サメジマエリア』なら俺らが侵入者だもんねー」
本来存在しない領域に、紛れてしまった存在しない筈の二人。ユニオンラインならともかく、今や世界が彼らを侵入者として扱う。
「ふんふ~ん?ん?」
《抹殺執行。抹殺執行》
「え、ちょっとなに。コワッ。電源オフっと」
「……もぐもぐ……あれ?なんか急に銃声やんだ?」
「レーザー飛んでこなくなったね……ごちそうさまー」
二人で食後のプリンを自販機から購入し食べていた。
「職員カードってホント便利すね~。無料って事は給料天引きじゃないんだもんなー。SSS持ち?」
「いや税金」
「仕組みが真っ黒ー」
自販機の影からこっそり顔を覗かせると、正面ホールの前に、倒れているトッパー君……そして……
「パシャリさん……あれ」
「え……何で!?」
階段の上、倒れるトッパー君の後ろに立っている影。
黒髪、赤目、そして角。分かり辛いが羽も生えてる。シルエットは女性のものだ。
「『サメジマエリア』に俺ら以外の人!?」
「ふんふ~ん?ん!?」
あ、やべ。大声出しすぎて目が合った。途端にダッシュで寄ってくる。あ、階段コケそうになった。
「ヤホヤホ!!よかった~、急に誰もいなくなったから、ウチがおかしくなったのかと思った~」
おおよそ『人』という外見から掛け離れたその人。
「すご、強化人間だ。全身かな。それも等身大のウィングモデルのゲノムなんて……」
「タフちゃんよくわかるね~。俺には『すごいな~』ぐらいの感想しか出ないよ」
「まぁ~ね。SSSに強化人間申請で変更手続きとかくるからー」
タフちゃんの言葉に、強化人間のお姉さんは反応した。
「あ、SSSの人なん?よかったー。ウチの知り合いがここにいて、手続きしに来てたんやけど~。急に視界が真っ白になって、気がつけば誰もいなくなってたんよ」
「「…………」」
タフちゃんと顔を見合わせる。超能力者ではないが、お互い考えてる事が手に取るようにわかった。
((エロビデオのカセットテープのせいでこうなったとは言えない))
「え?つまりウチは、あー……その、ナントカシステムの事故に巻き込まれたってこと?」
「まぁ、多分なんですけど。うちらだけじゃ無いって事はSSS内にいた人達をランダムで転送しちゃったのかな~……マイナンバーからランダム選出で転送されてたら厄介すぎる……」
タフちゃんはため息をついて頭を抱える。そして早口でボソッと呟いた。
(報告書だるい……)
「あのーお姉さん名前は?」
「ん?あぁウチ?ごめんごめん名乗ってなかったね」
胸元のポケットから名刺を出して手渡しされる。
「おぉ、今時アナログな名刺……『リリア』?え、歌手!?」
「『見習い』が着くんだけどね」
「いやすごいなー……『リア様』って呼ぼうかな」
「いやいや、様はやめて!メジャーデビューしてる訳じゃあないんだし!」
何となく、歌手とか芸能人とかはすごいイメージがあるのだ。無名であれ有名であれ、そこを目指そうとして、実際に歩き始める事ができる人はどれほどいるんだろう。
「一般通過庶民からすると様を付けたくなるな」
「も~、ウチに様はやめてって!」
「じゃあリアさんで」
「それならいいかな!」
翼をゆらゆらしながら、笑顔で答える。
「そういえば、リリアさんはどうやってトッパー君を止めたんですか?」
「ん?あー、なんかエライ物騒な事言ってたから~……電源切った」
「え、呆気な」
呟くと、タフちゃんが続ける。
「まぁでも、あくまで門番役だから。ほら、うちがさっき言った裏口にいる戦闘ロボはこうも行かないと思うし」
……ともすれば、あのカセットテープがトッパー君の地雷だったおかげで隙が出来たって事?役に立ったじゃんコレ。
「そういえば、リアさんは何故SSSにいたんです?」
「ん?あ~、ウチどっかでデバイス落としてもうて。紛失手続きする為に、知り合いに書類渡して待ってたんよ」
「あ、さっきも言ってましたね。SSSに知り合いがいるって。お名前聞いても?」
タフちゃんの言葉に、リアさんは快く答えた。
「うん、ジュキトって言うんだけど。知ってる?」
「「………」」
……えぇ、存じております。とっても。
「その人昼にバーベキュー行ってましたよ」
「パシャリさん、シー!!」
前略、トッパー君に賄賂を渡そうとしたら、地雷だったらしく。レーザー攻撃を受けている。
「いや、どうしようか~コレ」
「まぁ、門番だからあの場所から出て来れないとは思うけどー……」
タフちゃんは自販機の裏に隠れながら、職員カードをかざしてボタンを押す。
「パシャリさーん?」
「ん~?」
「どれが良いー?」
「……あー……コーヒーで」
「はい、どーぞ」
「はい、どーも」
自販機裏でレーザー光線を凌ぎながら、ジューっと自販機飲料を飲む。
「コレどうしよっかホント」
「どうしようね~。あ、サンドイッチもある。いる?」
「いるー」
自販機からポンと出てきた包み紙を受け取る。
「いやぁ、正職員なら職員カードで自販機無料利用できるのいいね~」
「いいでしょ~」
《抹殺執行。抹殺執行》
「それにしても、トッパー君がNTR絶対殺すマンだったとは」
「アンドロイドの性癖とか死ぬ程どうでも良い」
「裏口とか回る?」
「あー、正面ホールだからトッパー君しかいないけど、裏口とかは防犯の為にもっと強いヤツいっぱいだよ」
「普段なら素通りだけど、『サメジマエリア』なら俺らが侵入者だもんねー」
本来存在しない領域に、紛れてしまった存在しない筈の二人。ユニオンラインならともかく、今や世界が彼らを侵入者として扱う。
「ふんふ~ん?ん?」
《抹殺執行。抹殺執行》
「え、ちょっとなに。コワッ。電源オフっと」
「……もぐもぐ……あれ?なんか急に銃声やんだ?」
「レーザー飛んでこなくなったね……ごちそうさまー」
二人で食後のプリンを自販機から購入し食べていた。
「職員カードってホント便利すね~。無料って事は給料天引きじゃないんだもんなー。SSS持ち?」
「いや税金」
「仕組みが真っ黒ー」
自販機の影からこっそり顔を覗かせると、正面ホールの前に、倒れているトッパー君……そして……
「パシャリさん……あれ」
「え……何で!?」
階段の上、倒れるトッパー君の後ろに立っている影。
黒髪、赤目、そして角。分かり辛いが羽も生えてる。シルエットは女性のものだ。
「『サメジマエリア』に俺ら以外の人!?」
「ふんふ~ん?ん!?」
あ、やべ。大声出しすぎて目が合った。途端にダッシュで寄ってくる。あ、階段コケそうになった。
「ヤホヤホ!!よかった~、急に誰もいなくなったから、ウチがおかしくなったのかと思った~」
おおよそ『人』という外見から掛け離れたその人。
「すご、強化人間だ。全身かな。それも等身大のウィングモデルのゲノムなんて……」
「タフちゃんよくわかるね~。俺には『すごいな~』ぐらいの感想しか出ないよ」
「まぁ~ね。SSSに強化人間申請で変更手続きとかくるからー」
タフちゃんの言葉に、強化人間のお姉さんは反応した。
「あ、SSSの人なん?よかったー。ウチの知り合いがここにいて、手続きしに来てたんやけど~。急に視界が真っ白になって、気がつけば誰もいなくなってたんよ」
「「…………」」
タフちゃんと顔を見合わせる。超能力者ではないが、お互い考えてる事が手に取るようにわかった。
((エロビデオのカセットテープのせいでこうなったとは言えない))
「え?つまりウチは、あー……その、ナントカシステムの事故に巻き込まれたってこと?」
「まぁ、多分なんですけど。うちらだけじゃ無いって事はSSS内にいた人達をランダムで転送しちゃったのかな~……マイナンバーからランダム選出で転送されてたら厄介すぎる……」
タフちゃんはため息をついて頭を抱える。そして早口でボソッと呟いた。
(報告書だるい……)
「あのーお姉さん名前は?」
「ん?あぁウチ?ごめんごめん名乗ってなかったね」
胸元のポケットから名刺を出して手渡しされる。
「おぉ、今時アナログな名刺……『リリア』?え、歌手!?」
「『見習い』が着くんだけどね」
「いやすごいなー……『リア様』って呼ぼうかな」
「いやいや、様はやめて!メジャーデビューしてる訳じゃあないんだし!」
何となく、歌手とか芸能人とかはすごいイメージがあるのだ。無名であれ有名であれ、そこを目指そうとして、実際に歩き始める事ができる人はどれほどいるんだろう。
「一般通過庶民からすると様を付けたくなるな」
「も~、ウチに様はやめてって!」
「じゃあリアさんで」
「それならいいかな!」
翼をゆらゆらしながら、笑顔で答える。
「そういえば、リリアさんはどうやってトッパー君を止めたんですか?」
「ん?あー、なんかエライ物騒な事言ってたから~……電源切った」
「え、呆気な」
呟くと、タフちゃんが続ける。
「まぁでも、あくまで門番役だから。ほら、うちがさっき言った裏口にいる戦闘ロボはこうも行かないと思うし」
……ともすれば、あのカセットテープがトッパー君の地雷だったおかげで隙が出来たって事?役に立ったじゃんコレ。
「そういえば、リアさんは何故SSSにいたんです?」
「ん?あ~、ウチどっかでデバイス落としてもうて。紛失手続きする為に、知り合いに書類渡して待ってたんよ」
「あ、さっきも言ってましたね。SSSに知り合いがいるって。お名前聞いても?」
タフちゃんの言葉に、リアさんは快く答えた。
「うん、ジュキトって言うんだけど。知ってる?」
「「………」」
……えぇ、存じております。とっても。
「その人昼にバーベキュー行ってましたよ」
「パシャリさん、シー!!」
40
あなたにおすすめの小説
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる