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第一章 くんか、くんか SWEET

34 好き

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「やあ、怖いぃ」
「怖い?」
「きもちいぃから、こわい」
「怖くないよ。青葉を気持ちよくしたいだけ」

 そんな風に口では親切じみた言葉を紡ぐくせに、さらにほっそり長い青葉自身に手をかけて彼の官能を高め、追い詰める責め苦に手を抜かない。

「ああっ……だめ。でちゃう」
「だしていいよ?」
「ひうっ、ひい! あああ」

 身をよじればあばらが浮かぶほど白く細い身体を思うさま攻めあげて、青葉が前を放ってくったりしたあとも、締め付けてくる指でくちゃくちゃと中を掻きまわして一気に引き抜いた。
 その刺激に青葉が美しく大きな瞳を辛そうに閉じて、大粒の涙を目の端から零したから、唇でそれを拭った後、大きく自分に向けて長い脚を折りたたみながら開かせた。

「青葉……、可愛いよ」

 まだたらたらと前を零しながら弛緩した身体が持ち上がるほど、強い力で足を抱え上げたら、艶めかしい太ももに跡がつくほど口付けを散らす。すでに息が上がって小さな、はくはくという息を漏らす青葉が哀れで、だがもっと乱してしまいたくてたまらない。

「わけ分からなくなるほど、俺に身を委ねて、青葉、俺の全部、中に入れて?」

 青葉は涙を零しながらも潤んだ大きな瞳で欲望に顔つきが雄っぽく変化した小野寺を見上げてきて、儚げな微笑みを唇に浮かべながらこくっと頷いてくれた。

「青葉、好きだ」

 宛がった倹しい部分は最初こそ入り口はきつく小野寺を拒みかけたが、身をよじる青葉を最早押さえつけながら中に押し入れば、そこは柔くきゅうきゅうと小野寺を歓迎した。
 青葉がひっきりなしに息をついて苦しそうにしたから、そこで少し理性が働いて、慰めるように小さく震えながら息を漏らす唇に柔やわと口づけ、一度抜こうと腰を引きかけたら、青葉の長い脚の片方がそれを拒むように小野寺の腰に回された。

「だめ、中にいて。寂しいから。して」

 涙声でそんな風に強請られたらもう、駄目だった。

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