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第Ⅰ章 ゲーム本編①
22.こんな展開、シナリオにない
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リヨンからの呼び出しの手紙には、ウィリアムとノエルが指名されている。
(待って、ちょっと待て。何で、モブの私が? てか、リヨンから学生に手紙なんて、シナリオに書いてないんだが?)
病院イベントでは、リヨンの不審な動きに気が付いた主人公と攻略対象が、その行動を糾弾する。
魔法で押し負けて逃げられるが、それをきっかけに教会の悪事を暴いていく流れだ。
(リヨンの糾弾イベントは主人公と攻略対象だけが踏むイベントだ。百歩譲って、この手紙が糾弾に繋がるとしても、指名されるのは主人公じゃないと、おかしい)
今まで、多少のズレはあっても、何となくシナリオの流れには沿って進んで来たと思う。ここまでのイレギュラーは、初めてだ。
「ノエル、顔色が悪いが、大丈夫か?」
ウィリアムの声掛けで、はっと我に返る。
静かに頷いて、ノエルは紅茶を一口、飲み込んだ。
ユリウスが、パサリと手紙をテーブルに落とした。
「ダメだよ。ノエルは行かせない。と言いたいけど、そうもいかなそうだね。どうしようかな」
ユリウスが息を吐く。
珍しく、本当に悩んでいる様子だ。
「そもそも、この誘いには乗って良いのでしょうか? 我々に何かを仕掛けてくるつもりなのでは?」
ウィリアムの意見は尤もだ。ノエルだってそう思う。
(シナリオ通りなら、殺す気でくるはずだ。無策で臨むのは危険すぎる)
「ウィリアムを指名している時点で殺しはしないだろうね。いくら教会でも、王族を手に掛けるメリットはないよ。闇魔術師に記憶消去させるつもりなら、もうやっているだろうしね」
ユリウスの推測に、ノエルは心の中で憤慨する。
(その考えは甘い、甘いぞ。教会は王族に対する人質としてアイザックに『呪い』をかけたんだ。もうすでに喧嘩売っているんだよ)
とはいえ、この事実は物語第一部の終盤にならないと明らかにされない事実だ。
ノエルは懸命に口を噤んだ。
「ということは、やはり」
ウィリアムとユリウスが同時にノエルに視線を向ける。
「え? 何ですか」
「どうして、ノエルが呼ばれたかってこと」
「あぁ、そうですね……。私も疑問に思います」
げんなりして、目を背ける。
ノエルにも、理由はわからない。
(だって、書いてないもん。リヨン側から学生に接触するメリットなんか、今の段階でないもん)
ちょっと気弱な気分になる。
殺意以外に、何も思いつかない。
だが、ユリウスの言葉も正しいとは思う。
(アイザックを人質に取っている以上、ウィリアムは温存されるはず、と考えていいと思う。だとしたら、殺す以外にリヨンに目的があるってことか)
「私は、リヨン司祭のお誘いに乗ってみたいと思います」
一先ず、ここは会って相手の様子を窺う。そこから考えるしかない。
ウィリアムが顔色を変えた。
「何があるか、わからないんだ。危険すぎる」
「でも、お話してみないと、リヨン様の意図もわかりませんよ」
「それは、そうだが」
ノエルの真っ当な意見に、ウィリアムが言い淀む。
「ノエルの言う通り、行くしかないね。ウィリアム、ノエルをよろしくね。当日は僕も気に掛けておくから」
以外にもあっさり、ユリウスの許可が下りた。
「それと、他のメンバーには内緒にしておこうか。後々話すことになったとしても、今はその方が、都合がいいでしょ?」
ユリウスの目がウィリアムに問い掛けている。
「ありがとうございます」
ウィリアムがユリウスに礼をした。
(レイリーへの配慮かな。教会絡みなら、迂闊には話せない)
ユリウスもウィリアムも、何のかんのと善人だ。
リヨンとの対話がどう向くか、ノエルは思考を巡らせていた。
(待って、ちょっと待て。何で、モブの私が? てか、リヨンから学生に手紙なんて、シナリオに書いてないんだが?)
病院イベントでは、リヨンの不審な動きに気が付いた主人公と攻略対象が、その行動を糾弾する。
魔法で押し負けて逃げられるが、それをきっかけに教会の悪事を暴いていく流れだ。
(リヨンの糾弾イベントは主人公と攻略対象だけが踏むイベントだ。百歩譲って、この手紙が糾弾に繋がるとしても、指名されるのは主人公じゃないと、おかしい)
今まで、多少のズレはあっても、何となくシナリオの流れには沿って進んで来たと思う。ここまでのイレギュラーは、初めてだ。
「ノエル、顔色が悪いが、大丈夫か?」
ウィリアムの声掛けで、はっと我に返る。
静かに頷いて、ノエルは紅茶を一口、飲み込んだ。
ユリウスが、パサリと手紙をテーブルに落とした。
「ダメだよ。ノエルは行かせない。と言いたいけど、そうもいかなそうだね。どうしようかな」
ユリウスが息を吐く。
珍しく、本当に悩んでいる様子だ。
「そもそも、この誘いには乗って良いのでしょうか? 我々に何かを仕掛けてくるつもりなのでは?」
ウィリアムの意見は尤もだ。ノエルだってそう思う。
(シナリオ通りなら、殺す気でくるはずだ。無策で臨むのは危険すぎる)
「ウィリアムを指名している時点で殺しはしないだろうね。いくら教会でも、王族を手に掛けるメリットはないよ。闇魔術師に記憶消去させるつもりなら、もうやっているだろうしね」
ユリウスの推測に、ノエルは心の中で憤慨する。
(その考えは甘い、甘いぞ。教会は王族に対する人質としてアイザックに『呪い』をかけたんだ。もうすでに喧嘩売っているんだよ)
とはいえ、この事実は物語第一部の終盤にならないと明らかにされない事実だ。
ノエルは懸命に口を噤んだ。
「ということは、やはり」
ウィリアムとユリウスが同時にノエルに視線を向ける。
「え? 何ですか」
「どうして、ノエルが呼ばれたかってこと」
「あぁ、そうですね……。私も疑問に思います」
げんなりして、目を背ける。
ノエルにも、理由はわからない。
(だって、書いてないもん。リヨン側から学生に接触するメリットなんか、今の段階でないもん)
ちょっと気弱な気分になる。
殺意以外に、何も思いつかない。
だが、ユリウスの言葉も正しいとは思う。
(アイザックを人質に取っている以上、ウィリアムは温存されるはず、と考えていいと思う。だとしたら、殺す以外にリヨンに目的があるってことか)
「私は、リヨン司祭のお誘いに乗ってみたいと思います」
一先ず、ここは会って相手の様子を窺う。そこから考えるしかない。
ウィリアムが顔色を変えた。
「何があるか、わからないんだ。危険すぎる」
「でも、お話してみないと、リヨン様の意図もわかりませんよ」
「それは、そうだが」
ノエルの真っ当な意見に、ウィリアムが言い淀む。
「ノエルの言う通り、行くしかないね。ウィリアム、ノエルをよろしくね。当日は僕も気に掛けておくから」
以外にもあっさり、ユリウスの許可が下りた。
「それと、他のメンバーには内緒にしておこうか。後々話すことになったとしても、今はその方が、都合がいいでしょ?」
ユリウスの目がウィリアムに問い掛けている。
「ありがとうございます」
ウィリアムがユリウスに礼をした。
(レイリーへの配慮かな。教会絡みなら、迂闊には話せない)
ユリウスもウィリアムも、何のかんのと善人だ。
リヨンとの対話がどう向くか、ノエルは思考を巡らせていた。
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