鳥籠にぬくめ鳥〜スーパー攻め様と愛玩少女がツガイになるまで

タケミヤタツミ

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一章:鷹の爪に捕らわれる

06:サンダルウッド*

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いつも雛子がそれほど抵抗しなかったからか、当主は少なくとも事前に支度する時間くらいなら与えて待ってくれた。
諦めた訳でない、耐えていただけ。
そのうち娼婦の仮面を被ることを覚えてからは割り切るようになり、遊び終えたらすぐ解放されるのでそれだけは気が楽だった。

屋敷から出られない雛子が出来る戦い方などそれくらい。
もう慣れたことだと思っていたのに。


ただ、それは何年も付き合わされてきた当主だから通用すること。
回数を重ねれば、癖やパターンなどある程度なら把握して耐性もついてくる。
そして決して雛子を他の男に近付けさせなかった。
最上家の設立した学校は他にもあれど、わざわざ女子校に編入させたのもそうした理由。

ここに来てからというもの、同年代の男子と口を利く機会すら無かったのだ。
流石にほとんど知らない男相手から突然強いられたら戸惑ってしまう。


「……出来ないなら手伝ってやるって言ってるんだ」
「ひッ……あ、うぅ……」

無遠慮な視線に晒されながら、合わせ目の上で莢に包まれたままの珠を摘まれる。
敏感な部分なのでいきなり触れられたら痛いだけ。
その点で言えばまだ良かったが、鷹人の指はなんて冷たいことか。
生気の無さにも雛子は怯えていた。

ショーツを奪われて便座に座らされた雛子の前、向かい合わせに鷹人が立ちはだかっている。
金色の翳りも秘部も全て曝け出してしまっているのに、更に放尿まで見せろという命令。
そういう趣味なのか、単に屈辱を与えて泣かせたいのか。
幼児のトイレトレーニングじゃあるまいしこんなことは当主からも強いられなかった。

こんな酷いことをしながらどうしてそんなに平静でいられるのか。
栗色の前髪が垂れて影になり、こちらを見下ろす鷹人の表情はよく分からない。
嘲笑っているような、愉しんでいるような。

すぐ間近で、サンダルウッド系の香水が妙に甘い。
知らない男の匂いで全身が警戒する。


不意に花弁が押し開かれて内側までも見られ、雛子の呼吸が震えた。
まだ濡れてもいないのは鷹人も承知の上。
指を舐めて唾液で泥々にしてから挿し入れてきた。

「ん……っ、んぅ……!」

これは愛撫でなく拷問か。

鷹人が片手で雛子の奥を弄りながら、もう片手でゆっくりと腹を押してくる。
それほど激しい刺激でないにしろ内から外から責め立てられては不利。


どうせ雛子が限界を迎えるまでやめてはもらえない。
それなら我慢するだけ無駄なこと。
早く済ませてしまった方が良いと思いつつ、この男の前でそんな姿を晒すのは嫌だった。
羞恥一つで踏み留まって、苦しみが長引く。

「もぅ……やめ……指、抜いて、漏れちゃ……っ」
「良いから、このまま出しちまえ」

ぐちゅっと長い中指に押されたのがスイッチのように、とうとう尿が漏れ出した。

こうなればまるで穴の開けられた水風船。
中身が空になるまで止まらない。
弄るのを引っ込めない鷹人の手まで濡れてしまったが知るものか。


「う……あぅ……」

羞恥心など度重なる調教で磨り減ってしまったと思っていたが、あまりのことに目眩がして立ち上がれない。
当主もかなりの化け物だったが、今からまた違う化け物の相手をしなくてはならないのか。

出した尿までは流石に見られたくない。
腰を下ろしたまま何とか雛子がトイレのレバーを引くと、すぐ横でも水の流れる音。
壁に備え付けの手洗い場で鷹人が石鹸を泡立てている。
かと思えば、こちらに向き直って再び影が落ちた。

「お前も洗ってやるよ」
「やっ……い、いいです……」

拒絶も目眩が残っていては弱々しい。
雛子が脚を閉じようとしても、泡だらけの手を秘部に差し入れられて動けず。
先程から幼児扱いなのか何なのかよく分からない。
確かに羞恥を与えるには効果的であるが。

二本指で花弁を挟んで石鹸が滑り、奥の蕾までも泡で擦られて肩が跳ねた。
後でこちらも犯すと無言で告げられているのだろう、これは。

そうして手洗い場から汲んだ水で泡を洗い落とされ、敏感な部分へ浴びせられた冷気に全身が震える。
されるがままのうちに屈辱はとりあえず終わった。


とはいえ最悪の状況はまだ続いており、雛子はもう音を上げてしまいたいところだった。
一方的に辱められただけであって、まだ情交の入口にすら立ってないのだ。
正直、もう何でも良いから早く終わらせてほしい。

ここまで滅茶苦茶にされて鷹人に素顔を晒してしまった後だ。
仮面も今更なことで、こうなれば役立たず。

「お前、泣かないんだな」
「どうせ、やめてはもらえないですから……」

暗褐色の双眸は潤んでも、涙は落ちない。
代わりに冷たく雫を垂らす鷹人の手が薔薇色に染まった頰を掴んで、同じように濡らしていく。
指先が喉にも触れて、雛子は妙に息苦しくなる。
このまま首を絞められそうな緊迫感。


「……とりあえず、ここでは早めに終わらせてやるよ」

ふと張り詰めた空気を解き、鷹人が雛子の膝を再び割った。
持ち上げた脚をスーツの肩に載せて顔を寄せてくる。
そのまま固められてもう動けない。

放尿まで見られた後では羞恥も今更だが、こんな間近でなんて今度こそ泣きたくなる。
そうして冷えた外気に晒されていた秘部に生暖かな舌が触れてきた。

「ひぅ……ッ、え、ぁ……?」

舌先で花弁を開かれ、口腔に溜まっていた唾液に浸る。
鷹人の頭が埋まって見えない下腹部から淫らな水音。
もう口で勘弁してもらおうかとも思っていたところなのに、単に挿れやすくする為の行為だとしても反対にこちらが舐め回されている状況に混乱してしまう。

当主に犯されなくなってからは自分の指だけで鎮めていたので、こんなことされるのはいつぶりか。
一度は調教された身。
愛玩具に作り変えられた熱を思い出して、嫌でも火照り始める。


「感じやすいな、濡れてきた……親父にそう仕込まれたか?」
「……ッ、ふ……うぅ……っ」

指摘は雛子の傷を引っ掻くようなもの。
胸が痛くても、もう火を着けられてしまったからには止まれない。

花弁をしゃぶっていた鷹人の舌が上の方へ這い、莢を剥いて珠に吸い付く。
そうして先程は無理やり突き込んできた長い指が再び侵入してくる。
今度は蜜を掻き混ぜるような動き。
これもある意味雛子には拷問か、強制的なやり方で達せられてしまう。


「イッたなら声出せ、次からはな」

喘ぎを堪える為、懸命に口を押さえていた雛子の手は剥がされる。
代わりに小さな薄い包みが唇に触れてきた。
「噛んでいろ」と命令されて恐る恐る従うと、そのまま鷹人が引き千切って中身の避妊具が現れた。

いざ象徴的な物を目にすると静かに重い衝撃。
今までは甚振られていただけだったが、いよいよ性交が現実味を帯びてきた。

「っん……」

ゴムに包まれた雄は潤滑剤のゼリーで酷く冷たい。
花弁を抉じ開けられ、雛子が声を零す。

ただ、全ては呑み込めずに途中で止まる。
雛子が腰掛けている状態から向かい合わせに挿入したので、どうしても浅い。
ただでさえ背の高い鷹人はタンクの上に手を着き、腰を屈めているので動き難い格好になってしまう。
耳元に、不機嫌そうな溜息一つ。


「……しがみついてろ」

そう命じてから、鷹人が両手で雛子の尻を鷲掴んだ。
このまま向かい合わせで立ち上がる。

「なに、これ……っやだ、ぁ、だめ……っ」

雛子の両脚を持ち上げる対面立位、言わば駅弁。
急に抱き上げられて浮遊する不安感で思わず恐れの声が漏れる。
鷹人の肩に顎を載せて、スーツの背へ猫のように爪を立てながら自ら脚を巻き付けてしまう。

当主も体格は良かったが、発育の良い雛子を抱き上げたりなどしなかった。
流石にこんなことは知らない。

浅かったところから、いきなり自重で最奥まで深く繋がったまま揺れる身体。
隅々まで開発されているので痛みより快楽の方が強い。
鷹人が腰を打ち付けては雛子の爪先つまさきが宙を蹴る。
圧迫感が響くのは互いに同じ。
あまり長くは持たずに、二度目の波。


「イ……っ、や、やだっ、イっちゃ……ッ」
「ぐッ……ぅ、出る……っ」

ゴム越しに射精されて雛子にも脈動が伝わる。
抱き上げられたままキスで舌が捩じ込まれ、息の根すら止まりそうになる。

真っ白になった雛子の頭にサンダルウッドが深く染み込む。
御香のような甘いスパイス感に仄かな苦み。
匂いは欲情と結び付きが強い。
当主に汚された身体が上書きされていく。


「……おい、治まらないから俺の部屋行くぞ」

熱を吐き出した鷹人が冷酷な声で告げた。
一回だけで済まないことなら分かっていたつもりだったのに。
それでも腕を取られたら、もう逃げられなくなる。
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