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愛が欲しかった絹代
どこか遠くへ
しおりを挟むこの世から消えてしまいたい
絹代は何もかも嫌になった。あんなに輝いていた世界が一瞬で色を失った。
こんな気持ちになるなら誰も好きにならなければよかった。
先のこと考えれば考えるほど、もう生きていく理由が見つからなかった。
中学の時の担任の安藤先生が言っていた。
死んでしまいたいと思っても、頑張って1日過ごせと、何にもしなくてもいいから1日を過ごせと、そしたら、その次の日を生きる ただただ生きる 生きることだけを目標にして、なんとか毎日、死んでしまいたいと思っても1日を過ごすだけでいいと、そして、1週間、なんとか1週間それを続けて、1ヶ月、また1ヶ月。
もし、同じ悩みでずっと同じ悩みだけで一年後も死にたいと思っていたなら、死ぬことも選択肢の一つであるかもしれないと言っていた。
つまり若い時の死にたいとは、思春期の死にたいとはそんなものだろうということだ。
だけど今の絹代に、1年後どう思っているかなんてとても想像は、できなかった。
トイレに行った。顔を洗った。食欲はわかなかった。目は腫れていた。
母が、なにか食べるかを聞いてきたが、後でいいよとだけ答えた。
どこか遠くへ行って誰にも指図されず自分の時間を自分のためだけに使うことができたとしたら少しは気が晴れるのだろうか?
もしどこかへ行くとしても父、母には内緒にしなくてはいけない。黙って行くしかないんだ。
気が晴れるまでどこかに行ってしまおうか?
お金はある。母が作ったご飯を食べた。澤本さんを思い出すと悲しくなる。
次の日、目の腫れは引いた少し大きいバックに必要なものを詰めた。
母には仕事に行くと言って家を出た。
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