婚約破棄されたので、令嬢辞めてもふもふに生きますわ!

るてぃー

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2.使い魔・ジル 召喚!

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信じがたくも、婚約破棄となってしまったわたくし…あ、申し遅れましたが侯爵令嬢、エリーゼ・アクリエッタと申します。どうぞよしなに。

…何はともあれ、メイドのナユリーの励ましとこれからのもふもふライフに心を馳せれば、単純かよ!…とお思いかも知れませんが気分踊ると言うものです!


さてさて、先ずはお待ちかねっ!

るんるん気分で椅子から立ち上がり、すっかりと慣れ親しんだ左人差し指にはめた指輪へと魔力を込め、愛しい愛しいわたくしの使い魔の名前を呼ぶ。


「…ジル!いらっしゃい!」

キラリ、とわたくしの声に応えるかの様に指輪に埋め込まれた赤い宝石が光を放てば…___



『お呼びですか?…我が主、エリーゼ様』


そこにはわたくしよりも一回りは大きい、ライオンの様な身体に翼を持つ、使い魔・ジルが前足を軽く折り、頭を垂れた状態で現れたのである。



ジルは緊急事態でない限り、いつも気品ある一礼と共に現れる。

最初からこうであったわけではなく、わたくしのマナーやらを学ぶ様子を側で見ていたからか、気付いたら口調も含めて気品溢れる素晴らしい使い魔となっていたのだ。


以前、気になって尋ねてみたら、

『私はエリーゼ様の使い魔となれてとても誇らしく思っております。ですから、エリーゼ様の使い魔として少しでも相応しく在りたかったのですよ』と教えてくれたのだ。
…あぁ、本当にもうっ!愛してる!!ジル、大好き!!

愛しさが爆発したその後は侯爵令嬢?え?何それ?わたくしには関係ありませんわ!と、周りのメイド達の目など気にも止めず、ぼふりとジルへと抱きついて心行くまでそのビロードの様な美しいもふもふへと顔を擦り寄せ堪能したのである。


……まぁとにかく!わたくしのジルはとても素晴らしい!!という事ですわね!!


「…ジル!三日ぶりかしら?会いたかったわ!でも朗報よ!!これからは毎日いつでも会えるの!」

『私もエリーゼ様にお会いしたかったです…!…それは本当ですか?!!嬉しいです!!』


わたくしの言葉にグルルルゥ、と嬉しげに喉を鳴らしてぐりぐりと擦り寄って来てくれるジル。

「あぁあ、なんて可愛いの!もう本当に婚約破棄、様々ですわー!!!」

『婚約破棄?……エリーゼ様、婚約破棄されたのですか?急に何故です?』

「テッド様がわたくしではない令嬢を愛してしまったから、だそうよ」

『は???』

「やはりその反応になるわよね。わたくしも驚き過ぎて何も言えませんでしたもの」

『……エリーゼ様。少しあいつを消し炭にして来ても良いでしょうか?…ご安心下さい、跡形もなく綺麗に存在ごとまるっと全て消して差し上げますので』

ジルは相当頭に来ているのか、一瞬にして炎をゴウッと身に纏うと言葉通りテッド様を消し炭にすべくわたくしに許可を求めてくる。

いやいやいや、それは駄目だから!殺人だから!
もしテッド様が行方知れずになったら確実に流れ的にわたくしが犯人扱いだからね!?
わたくしが牢屋行きですわよっ!!?

ぶんぶんぶんと顔を横に振り、それは駄目だと
伝えれば、納得はしていないと言わんばかりの表情をしながらも纏った炎を納めてくれる。

「…でもね、ジル。その気持ちはとても嬉しいですわ。ありがとう」

ぎゅうううう、とこの想い伝われ!とばかりに首へと腕を回し抱きつけばどうやら伝わったらしくジルの纏う空気がいつもの優しく暖かいものへと変わっていくのを感じる。

殺人は免れましたわ、とほっと一息つくも、


『…エリーゼ様、気が変わったらご命令下さいね!いつでも消し炭にしてみせますので』


ジル?!!
自信満々に尻尾振ってるのはとーっても愛らしくて可愛いけれど!!
そこはあり得ないから諦めて下さいませね?!!



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