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3.令嬢辞めて冒険者になりますわ!
しおりを挟むぎゅうぎゅうと思う存分にジルを抱きしめ、癒されたわたくしはというと、冷静さを取り戻しこれからの事を考えていた。ジルに抱き付いたままではあるけれど。
なにせ、情報が回るのが早いこの貴族社会。
ちょっとした少しのヘマが後々恐ろしい事になるからだ。何をするにも根回しはしっかりしなければならない。本当におそろしやーなのですわ。
…だと言うのに、テッド様とリリアはよくもこんな事をしでかして下さいましたわね…貴族として生まれ、育ってきたのなら考えずとも理解出来るレベルだと思うのですが。
まぁ、ここにはいない脳内お花畑コンビにあれこれ文句を言った所で何の解決にもならず、例え直接言ったとしても十中八九会話にはなりませんわね。
今のテッド様とリリアはきっとわたくしとの婚約解消が出来て手を取り合って喜んでいそうですもの…。
テッド様のご両親は聡明であらせられるのでお二人の婚約は絶対にあり得ませんけれど。
もし僅かにでも可能性があるのならわたくしのツテを使ってでも可能性をゼロにして差し上げますわ!
うふふ、…この位の意趣返しは可愛いものでしょう?
わたくしは貴族社会では傷物扱いですもの。
悲しすぎますわね……ですが!だからと言って婚約解消によってわたくしが屋敷に引きこもっていると世間に思われるのも宜しくない。
どうしてわたくしがあんな方の為に傷付いていると思われなければなりませんの?って思ってしまいますもの。
それに今まで頑張って来た結果がこんな結末とか絶対に認めませんわ!!もふもふを我慢してきていたのは一体なんだったのかしら?!
これからはわたくしの好きに生きていくとして、案としてはやはり先程、メイドのナユリーとも話していた冒険者、かしら?
冒険者になればいつでもジルのもふもふ堪能し放題…。あぁ、なんて魅惑的。
やはりここは冒険者一択ね!
冒険者になればもふもふし放題!
もしかしたら新たなもふもふに出会えるかもしれませんし!!
令嬢としての今後は…お父様におまかせしましょう。あれで家族想いの父親ですからどうにか上手い事してくれるはず。
すっかり冒険者になる気満々なわたくしはジルと目線を合わせると、そっと毛並みを撫で付けつつ、これからの事…冒険者として生きて行くことを伝える。
「…ねぇ、ジル。わたくし、旅に出ようと思うのよ。令嬢としてではなく、冒険者として」
『エリーゼ様がそう望むなら、私はどこまでもついていきます。私はエリーゼ様の使い魔ですから』
「…ありがとう、ジル!」
いつも欲しい言葉をくれるわたくしの愛しい使い魔、ジル。
よーし!!そうと決まったらわたくしの部屋へと参りましょう!!
お父様達が帰って来てしまう前に準備を終わらせなければいけませんもの!
「…ジル!わたくしの部屋に行くわよっ」
『はいっ、エリーゼ様…!』
礼儀正しくも元気に返事をしてくれるジル。
やっぱりわたくしのジルは世界一愛しいですわねっ!!
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