姉の様子が、おかしいです。

桃次郎

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番外編

105  二人を守りたかった

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馬車が学園に着くと、馬車の扉がノックされた。

「シリウス様、ウイリアム様。学園で何かが起きているようです。
念のため、馬車の外へ出ないようにお願い致します。」

従僕が様子を見てくると言って、学園内へ向かった。

「何が起きたのだろうか?」

兄上が呟く。

私は、馬車の窓から外を見るが、塀に囲まれているため、学園内の中の様子は
分からなかった。


しばらくして、従僕が血相を変えて戻ってきた。

「シリウス様、ウイリアム様。大変でございます。スペード様が何者かに
刺されて、意識がないそうです。」

「「!!!!」」

兄上も私も、言葉が出なかった。

どうして、そのような事になったのか?

騎士団達が対応していて、従僕は詳細がわからないらしい。

従僕は、騎士団が誰かを運んでいるところを遠目で見て、近くの生徒に尋ねたらしい。

その日は、学園は休校となった。


ハート家とスペード家にすぐにでも、お見舞いに行きたかったが、突然の事で
迷惑になるかもしれない。と兄上と話し合い、後日、お見舞いに行くことにした。



ジークハルト様は、かなりの重体だったようだ。

アリス様も学園を休んでいる。

事件の詳細が明らかになった。

犯人は、あの女だった。

アリス様は、池に落ちたのではなく、あの女に落とされたという事も明らかに
なった。

二人を守ろうと誓ったのに、全然、守れなかった。

クラスの皆も落ち込んでいる。

天パヤロー君、ちびメガネヤロー君、白豚ヤロー君、水虫ヤロー君も泣いている。


私は、役立たずだ。

二人に守ると誓ったのに。

力が欲しい。

大切な友を守れるぐらい、強くなりたい。

今度こそ。




私は、騎士団に入団することに決めた。















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