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思わぬ弱点
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マークとは仲のいい兄妹のような夫婦だと思う。
よく笑い、ふざけあって、毎日が楽しく幸せだった。
マークに不満はない。それどころか、最高の夫であるとさえ思う。
私はマークと一緒にいると安心していられるし、幸せだと思う。
だが、トーマスの前では、私は自分が女であることを猛烈に意識する。
マークとは対等な感じなのだが、トーマスには全てを委ねたくなってしまう。
私はなぜマークを選んだのか分かった気がする。
私はトーマスが怖いのだ。
自分がトーマスを好きになりすぎて、彼のとろけるような優しさに包まれ、自分の弱いところですら躊躇なく曝け出し、彼に全身全霊を捧げてしまいそうで怖いのだ。
トーマスを好きになってしまったら、彼がいなくなったとき、私は生きていけないだろう。
好きになりすぎるのが怖いために、防衛本能が働くのだろう。
「エイミー、怖い顔をしてどうしたんだい?」
少し考え過ぎたようだ。
「やはりマークに悪いような気がします……」
「そうか。辛い思いをさせてごめんね。マークに手紙出す? 伝書鳩も使えるよ」
トーマスの素敵なところは、心配しなくても大丈夫だとか、適当なことを言わないで、まず最初にきちんと私の今の気持ちを受け止めてくれることだ。
周りがどうであれ、私の気持ちがどうなっているかを聞いてくれて、それを肯定するところから始めてくれる。
私の気持ちは私のものだから、そんな心配はいらない、とか言われても、もう実際に心配してしまっているのだから仕方がない。それをどうすべきかを考えて欲しい。
トーマスはそれが自然に出来る。
マークは少し自分の気持ちが出るので、優しさではやはりトーマスに軍配が上がる。
ただ、マークはそういうところがあるのが、逆に可愛いのだが。
トーマスはそういう意味では、可愛いところはまったくない。
究極の優しさで全てを包んでくれる完璧な男性、それがトーマスなのだ。
(ダメだ。私、とろけそう……)
「大丈夫です。さらわれたという報告は城から出してますので、それで十分です。あまり連絡を取ると、狂言だと思われます」
「まあ、そうなんだけど、無理することはないからね」
「はい。ところで、フローラのお腹の子ですけど、私と同じ時期でしょうか?」
「今、五ヶ月だよ。子供は作らないように頑張ってたんだけど……」
「マークから少し聞きました」
「え? あいつ、そんなことまで話したのか……」
珍しくトーマスがうろたえている。
トーマスはまったく可愛いところがないと思っていたが、下ネタに弱かったのか。
可愛い……
「何やら監禁されたとか」
私はトーマスの可愛いところをもっと見たくなった。
「そうなんだよ。政務に疲れて眠ってしまったんだけど、起きたら鎖に繋がれていて、その、素っ裸にされていたんだ」
これは鼻血ものじゃないの。
「それは災難でした。いつまで監禁されていたのですか?」
「一ヶ月だ」
「一ヶ月も!? ずっと裸なんですか?」
「そうなんだ」
「あの、おトイレとかは……?」
「壺の中にするんだ。フローラの目の前で……」
マジ? しかし、トーマス様、そんな正直に告白しなくても……。
「ほ、本当に災難でした。でも、男の方って、その、出来てしまうものなのですか?」
「エイミー、これ以上は控えておくが、一つだけ言い訳をさせてくれるかい。男はね、視覚と刺激で反応してしまうんだ。これはね、抗えないんだよ……」
ああ、トーマス様が遠い目をしてしまった。
どんなに嫌いでも、反応してしまう獣のようなあの日の自分を思い出しているのかしら。
なんとなく、トーマスに私のおっぱいを見せたら、どういう反応をするか見てみたくなって来た。
そんなことしないけど……
完璧人間のトーマスの弱点を見つけて、私は嬉しくなって来た。
よく笑い、ふざけあって、毎日が楽しく幸せだった。
マークに不満はない。それどころか、最高の夫であるとさえ思う。
私はマークと一緒にいると安心していられるし、幸せだと思う。
だが、トーマスの前では、私は自分が女であることを猛烈に意識する。
マークとは対等な感じなのだが、トーマスには全てを委ねたくなってしまう。
私はなぜマークを選んだのか分かった気がする。
私はトーマスが怖いのだ。
自分がトーマスを好きになりすぎて、彼のとろけるような優しさに包まれ、自分の弱いところですら躊躇なく曝け出し、彼に全身全霊を捧げてしまいそうで怖いのだ。
トーマスを好きになってしまったら、彼がいなくなったとき、私は生きていけないだろう。
好きになりすぎるのが怖いために、防衛本能が働くのだろう。
「エイミー、怖い顔をしてどうしたんだい?」
少し考え過ぎたようだ。
「やはりマークに悪いような気がします……」
「そうか。辛い思いをさせてごめんね。マークに手紙出す? 伝書鳩も使えるよ」
トーマスの素敵なところは、心配しなくても大丈夫だとか、適当なことを言わないで、まず最初にきちんと私の今の気持ちを受け止めてくれることだ。
周りがどうであれ、私の気持ちがどうなっているかを聞いてくれて、それを肯定するところから始めてくれる。
私の気持ちは私のものだから、そんな心配はいらない、とか言われても、もう実際に心配してしまっているのだから仕方がない。それをどうすべきかを考えて欲しい。
トーマスはそれが自然に出来る。
マークは少し自分の気持ちが出るので、優しさではやはりトーマスに軍配が上がる。
ただ、マークはそういうところがあるのが、逆に可愛いのだが。
トーマスはそういう意味では、可愛いところはまったくない。
究極の優しさで全てを包んでくれる完璧な男性、それがトーマスなのだ。
(ダメだ。私、とろけそう……)
「大丈夫です。さらわれたという報告は城から出してますので、それで十分です。あまり連絡を取ると、狂言だと思われます」
「まあ、そうなんだけど、無理することはないからね」
「はい。ところで、フローラのお腹の子ですけど、私と同じ時期でしょうか?」
「今、五ヶ月だよ。子供は作らないように頑張ってたんだけど……」
「マークから少し聞きました」
「え? あいつ、そんなことまで話したのか……」
珍しくトーマスがうろたえている。
トーマスはまったく可愛いところがないと思っていたが、下ネタに弱かったのか。
可愛い……
「何やら監禁されたとか」
私はトーマスの可愛いところをもっと見たくなった。
「そうなんだよ。政務に疲れて眠ってしまったんだけど、起きたら鎖に繋がれていて、その、素っ裸にされていたんだ」
これは鼻血ものじゃないの。
「それは災難でした。いつまで監禁されていたのですか?」
「一ヶ月だ」
「一ヶ月も!? ずっと裸なんですか?」
「そうなんだ」
「あの、おトイレとかは……?」
「壺の中にするんだ。フローラの目の前で……」
マジ? しかし、トーマス様、そんな正直に告白しなくても……。
「ほ、本当に災難でした。でも、男の方って、その、出来てしまうものなのですか?」
「エイミー、これ以上は控えておくが、一つだけ言い訳をさせてくれるかい。男はね、視覚と刺激で反応してしまうんだ。これはね、抗えないんだよ……」
ああ、トーマス様が遠い目をしてしまった。
どんなに嫌いでも、反応してしまう獣のようなあの日の自分を思い出しているのかしら。
なんとなく、トーマスに私のおっぱいを見せたら、どういう反応をするか見てみたくなって来た。
そんなことしないけど……
完璧人間のトーマスの弱点を見つけて、私は嬉しくなって来た。
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