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婚約破棄の動き
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ユリウスから話があるのは昼休み。その前にユリウスはアリサと接触するはずだ。
アリサのクラスは私のクラスの隣であるため、休み時間には来ないだろう。いつ私が現れるか分からないからだ。
ちょっと待って。アリサは親元を離れて、学園の女子寮から通っている。一方私は馬車での送り迎えだ。ユリウスは男子寮からの通いであるため、寮から学園までの登校中に二人が話している可能性もある。
というか、ひょっとすると毎日話している可能性がある。
アリサは私の親友ということになっているため、ユリウスが婚約者の親友といっしょに話していても、違和感はないだろう。ユリウスと私が婚約関係にあることは、学園ではとても有名だからだ。
授業の合間の休み時間に、私は隣に座っているレベッカに、何気なくアリサの寮での暮らしぶりを聞いてみた。彼女も寮暮らしのはずだった。
上手く誘導させて、登校の様子を聞き出したところ、案の定、アリサはよくユリウスといっしょになるそうだ。
ただ、待ち合わせるとかではなく、会えばいっしょに歩くといった感じらしい。
「でも、最近はよく一緒になることが多いみたいよ。あなたのご結婚のご相談をされておられるのではないかしら?」
そう言って、レベッカは羨ましそうな目で私を見る。
あの二人が悪い相談をしているとも知らずに。
一回目は結婚の時期をユリウスが卒業してからではなくて、私が卒業してからに変更しようという話だった。理由としては自然なように思うが、ユリウスの両親は一刻も早く、私の家から巨額の支援を引き出したいはずで、何だかおかしいと思った。
二回目は婚約の解消を考えて欲しいという内容だった。両親の事業の犠牲になる必要はない、とか言っていたが、私の家の事業は順調で、支援を欲しているのは彼の家の方だ。事業の犠牲になっているというなら、それは彼であって、私ではない。
婚約を破棄したいなら、そんなよく分からない理由ではなく、どうせ言われるのなら、はっきりと理由を言って欲しかった。
私が嫌いになったとか、他に好きな女の子が出来たとか、そういう理由であれば、諦めることはとても出来ないが、訳の分からない理由を述べられるよりは、まだ誠意があると思う。
婚約破棄自体が、誠意のかけらもないので、どっちでも同じか。
本人同士だけなら、婚約という行為はしなくてもいいように思う。婚約というのは、他人や社会に向かって、結婚するからよろしくと挨拶する行為であり、本人同士だけの約束ではなく、他人や社会を巻き込んでの契約なのだ。
契約は守らなければならないし、違反したら、相応の罰を受ける必要があると、私は思う。
婚約破棄だなんて重要なことは、昼休みの校舎裏でさらっと言うようなことではないだろう。
ユリウスって実はアホなんじゃないか、とユリウス大好きな私は、初めて彼の見たくない面を見たような気がした。
「え? 今なんて仰ったの?」
私が考えごとをしているときに、レベッカが重要なことを話した。
「アリサさんの領地で金山が発見されたみたい、って言ったのよ。かなりの埋蔵量らしいわよ」
知らなかった。
「それ、アリサが話してたの?」
「ううん、噂よ。彼女に聞いても、よく分からない、と言われたわ。ほら、彼女って、お家のことあまりお話しされないでしょう?」
そうだった。アリサは東北地方に広大な領地を持つ由緒ある伯爵家の令嬢だが、自分の出自を決してひけらかさない。少しぐらい自慢した方が、逆に人間的には親しみを持てるというものだが、謙遜ばかりしてクソ面白くない女なのだ。
(でも、よく考えたら、私もひけらかさないわ。そういうのって下品だから。でも、あの女はそういう感じじゃなくて、ただ単にぽわんとしているだけよ。そういうところも男ウケするのよ。本当に腹が立つわ)
だが、ユリウスが婚約を解消したがっている理由が分かったような気がした。
アリサのクラスは私のクラスの隣であるため、休み時間には来ないだろう。いつ私が現れるか分からないからだ。
ちょっと待って。アリサは親元を離れて、学園の女子寮から通っている。一方私は馬車での送り迎えだ。ユリウスは男子寮からの通いであるため、寮から学園までの登校中に二人が話している可能性もある。
というか、ひょっとすると毎日話している可能性がある。
アリサは私の親友ということになっているため、ユリウスが婚約者の親友といっしょに話していても、違和感はないだろう。ユリウスと私が婚約関係にあることは、学園ではとても有名だからだ。
授業の合間の休み時間に、私は隣に座っているレベッカに、何気なくアリサの寮での暮らしぶりを聞いてみた。彼女も寮暮らしのはずだった。
上手く誘導させて、登校の様子を聞き出したところ、案の定、アリサはよくユリウスといっしょになるそうだ。
ただ、待ち合わせるとかではなく、会えばいっしょに歩くといった感じらしい。
「でも、最近はよく一緒になることが多いみたいよ。あなたのご結婚のご相談をされておられるのではないかしら?」
そう言って、レベッカは羨ましそうな目で私を見る。
あの二人が悪い相談をしているとも知らずに。
一回目は結婚の時期をユリウスが卒業してからではなくて、私が卒業してからに変更しようという話だった。理由としては自然なように思うが、ユリウスの両親は一刻も早く、私の家から巨額の支援を引き出したいはずで、何だかおかしいと思った。
二回目は婚約の解消を考えて欲しいという内容だった。両親の事業の犠牲になる必要はない、とか言っていたが、私の家の事業は順調で、支援を欲しているのは彼の家の方だ。事業の犠牲になっているというなら、それは彼であって、私ではない。
婚約を破棄したいなら、そんなよく分からない理由ではなく、どうせ言われるのなら、はっきりと理由を言って欲しかった。
私が嫌いになったとか、他に好きな女の子が出来たとか、そういう理由であれば、諦めることはとても出来ないが、訳の分からない理由を述べられるよりは、まだ誠意があると思う。
婚約破棄自体が、誠意のかけらもないので、どっちでも同じか。
本人同士だけなら、婚約という行為はしなくてもいいように思う。婚約というのは、他人や社会に向かって、結婚するからよろしくと挨拶する行為であり、本人同士だけの約束ではなく、他人や社会を巻き込んでの契約なのだ。
契約は守らなければならないし、違反したら、相応の罰を受ける必要があると、私は思う。
婚約破棄だなんて重要なことは、昼休みの校舎裏でさらっと言うようなことではないだろう。
ユリウスって実はアホなんじゃないか、とユリウス大好きな私は、初めて彼の見たくない面を見たような気がした。
「え? 今なんて仰ったの?」
私が考えごとをしているときに、レベッカが重要なことを話した。
「アリサさんの領地で金山が発見されたみたい、って言ったのよ。かなりの埋蔵量らしいわよ」
知らなかった。
「それ、アリサが話してたの?」
「ううん、噂よ。彼女に聞いても、よく分からない、と言われたわ。ほら、彼女って、お家のことあまりお話しされないでしょう?」
そうだった。アリサは東北地方に広大な領地を持つ由緒ある伯爵家の令嬢だが、自分の出自を決してひけらかさない。少しぐらい自慢した方が、逆に人間的には親しみを持てるというものだが、謙遜ばかりしてクソ面白くない女なのだ。
(でも、よく考えたら、私もひけらかさないわ。そういうのって下品だから。でも、あの女はそういう感じじゃなくて、ただ単にぽわんとしているだけよ。そういうところも男ウケするのよ。本当に腹が立つわ)
だが、ユリウスが婚約を解消したがっている理由が分かったような気がした。
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