私の婚約者が伯爵令嬢に取られそうでしたので、思い詰めてその伯爵令嬢を殺したのですが、殺す前の日にタイムリープしちゃうのです

もぐすけ

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タイムリープ

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 日曜日は父の接待のお手伝いで、外国の貴族の壮年夫妻をアテンドし、昼間は王都観光、夜はオペラ座へとお連れした。

 とても楽しんでいただいて、今度ぜひ彼らの国にも遊びに来て欲しいと言われた。父からもよくやってくれたと褒められた。

 自分でも分かるぐらい、私は変わった。前の私は引っ込み思案で、とても今日のようなアテンドは出来ず、ただ単に父の後ろについていただけだったと思う。父もそのつもりだったに違いない。私は父の予想を遥かに上回る働きをしたのだ。

 上機嫌の父から今日は王都の本邸に泊まるように言われた。いつもは学園近くの別邸で寝泊まりしていたのだが、たまにはいいかなと思った。母と会うのも久しぶりだし、来年学園に入学する弟にも会える。

 本邸に戻って、久しぶりに家族団欒を楽しみ、自分の部屋のベッドに入った。

 明日は婚約解消の告知が学内に張り出されるはずだ。レベッカはパーティを楽しめただろうか。

 私は心地よい眠りについた。

***

 目が覚めたら、学園近くの別邸だった。

 おかしい、昨夜は本邸だったはず。アーニャが寝室に入って来た。

「お嬢様、ご朝食をどうぞ。旦那様からのお迎えの馬車が到着しております」

 昨日のメニューだ。嫌な予感がする。

「……今日は日曜日?」

「はい、そうですが……。旦那様といっしょにお客様に王都をご案内される日でございます」

 タイムリープしている。直感した。昨日、アリサが誰かに殺されたのだ。いや、正確に言えば、今日殺されるのだ。

 時計を見た。父親との約束の時間までまだ二時間ある。私は急いで朝食と着替えを済ませて、すぐに出発した。

「ちょっと学園に寄ってくれる?」

 馬車の御者に話しかけた。

「かしこまりました、お嬢様」

「女子寮分かるかしら?」

「はい、分かります。そちらに向かいます」

 同じ日を二回繰り返すのは辛い。特に今日のアテンドは、緊張するし、気疲れする。喜んでもらえたし、褒められたので報われたが、もう一度同じことを繰り返したくはなかった。

 今日を終わらせないと。

 女子寮に着き、寮長にアリサへの取り次ぎを依頼した。同じ学園の女生徒であったため、すんなりと面会できた。

 会えるかどうか心配していたのに、アリサが普通に現れたので、少々拍子抜けした。

「クレア、どうしたの? 日曜の朝から何事なの?」

「アリサ、今日はお暇かしら?」

「特に予定はないけど……」

「じゃあ、私と一緒に今日は王都巡りよ。父と顧客夫婦も一緒だけど構わないわよね?」

「え? なぜ……かしら?」

「いいから、制服に着替えて来てくれる?」

「理由を教えてくれる?」

「分かったわ。あなた、今日殺されるの。だから、私が守るのよ」

 アリサが私をじっと見つめた。

「……狂った?」

「狂ってないわよ。そのせいで私は今日は二回目なの。後で証明するわ」

「よく分からないけど、あなた、本当に変わったわね。こんな訳の分からない強引な誘い方をする人ではなかったわ」

「お願いだから、一緒に来て」

 アリサはふうっとため息をついた。

「……いいわよ。どうせ暇だから。少し待っててね」

 三十分ほど待って、本当に来るのか不安になって来たころに、制服姿のアリサが現れた。メイクしていて、いつもに増して綺麗だった。

「お待たせ、クレア。あなたもメイクしてたから……」

「アリサ、訳の分からない理由しか言えない私の誘いに付き合ってくれてありがとう」

「どういたしまして。意味が分からないから、逆に興味が出たのよ。今日の予定を教えてちょうだい」

「馬車の中で説明するわ」
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