言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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問題解決と言霊クラフトその3

食事は大事

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 次の日。目覚まし時計の音で私は目が覚めた。窓の外では既に、朝日が昇っている。リビングに行って、朝食を済ませる。

 朝食は必ずと言っていいほど、食パンを食べる。最近、食パンと一口で言っても、食パンを使った様々なレシピが本やテレビなどで紹介されていたりする。

 私も色々とアレンジして食べてみている。目玉焼きを載せてみたり、しらすを載せてみたり、ハムエッグを載せてみたり。日によって変えてみると、飽きないし、とても面白いんだ。

 しかも味付けにも様々なものがあって、明太マヨネーズなんかを上からかけて、オーブンで焼くと、すごくおいしかったりする。

 こうやって朝食を少しでもおいしいものにして、仕事へ行く気持ちを高めてるんだ。だって、仕事には本当は生きたくないからね。いつまででも、ふとんでごろごろしてたいのが本音。

 それから、さっさと準備をして仕事場へ出かける。職場に着くと、上司の一人が手をこまねいて私に近づいてきた。私が職場の中で、一番苦手な人間だ。この動きをして近づいてくるときは、大抵よくない情報を携えてくる。

 案の定、彼は言った。

「朝宮さん、おはよう」

 ちなみに、普段彼は自分から挨拶はしてこない。私が挨拶をしたら、仕方なくと言った感じで返してくるのが常だ。

「おはようございます」

 私が返すと、早速相手は本題に入ってきた。

「明日なんだけどさ、やってもらいたい仕事があるんだ」
「明日はお休みをいただく予定ですが」
「休日出勤手当つけていいからさ、片づけといてほしい仕事がいくつかあるんだ。頼めるよね」

 私は、休日手当がほしいわけじゃない。休みが欲しいだけだ。基本給以上の手当は必要なくて、本当に心身を休める時間がほしい。それだけ。

 けれど、私にはそれを断る度胸もなければ、断るだけの理由もない。ここでリア充さんとかだったら、「彼氏とデート」というワードさえ出せば、文句言いつつも休みを許可してくれることを、私は知っている。

 頼めるよねって言い方が気に入らない。いかにも「お前には、予定なんてないだろ」って感じ。予定はなくても、やりたいことはあるんだ。私は、唇をかみしめる。

「……わかりました」

 絞り出すように言った言葉。上司は、満足そうに頷くと、後で指示のメールを送るからとだけ言って、私に背を向けて去っていく。

 あーあ、明日はゆっくり寝られると思ってたんだけどな。私はそう思いながら仕方なく、せめて今日の夕食を豪華なものにしようと考えたのだった。

~~~

 家に帰り着いた。両手にはたくさんのお惣菜が入ったレジ袋とビール缶。おいしいお惣菜をたくさん食べながらビールを飲んで、お腹いっぱいになったら、ゲームにログインしよう。その間は、明日仕事があることは忘れよう。そう考えた。

 でも実際は、ご飯を食べながら、テレビを見ながら、時計を見るたびに心が重くなる。けれど、どれだけ思っても明日仕事である事実は変わらない。

 私は食べきらなかったお惣菜を冷蔵庫に押し込むと、ヘッドギアを掴んだ。
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