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番外編 悪役令嬢たちの心変わり
戻ってきた悪役令嬢
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夕が再びダリアとして目覚め、屋敷内を歩くと案の定体調不良を心配していたメイドやヒナ達に捕まった。
「急に大人しくなられるんですもの心配しましたわ!」
少し遅めの朝食、、、昼食とも言える食事を口にしながらダリアは不満げな表情でそっぽを向く。
「大人しくって、、、私にだって慎ましいところもあるさ。」
「まるで小さい頃のお嬢様を見た気分でしたわ!」
「、、、、可愛かっただろ?小さいころの私は。」
まるで自分ではない誰かを懐かしむように微笑むダリアにメアリーは不思議に思いながらも「そうですね」と答えた。
そして次の新月の日の朝。
夕の予想通り夕とダリアの精神が入れ替わっていた。
不安げに体を起こすとそこには一羽の鴉が止まっていた。
夕が言っていた使い魔のレイヴンであるとすぐさま理解したダリアは恐る恐る近づく。
「あなたがダリア様ですね?」
透き通った美しい声は間違いなく目の前の鴉から発せられたものだった。
「主に月が姿を消す日はあなたを守るようにと仰せつかっております。」
「ゆ、、、夕に?」
「はい。」
「わたしが別人だってわかるの?」
「立ち振る舞いも挙動も何もかも違いますし何より魂が全く違います。」
レイヴンは淡々と説明を続ける。
「わたくしはあなたの魔力から作られた使い魔ですからね、体の変化は手に取るように分かります。ですが、あなたが別人になられたことはわたくしでなくてもわかるでしょう。」
ただでさえ幼い頃のダリアと夕が入れ替わった時も「まるで別人だ」と大騒ぎになっていた。
その時は子供ゆえに色々多感なのだろうということでことは収まった。
しかしこうも頻繁に精神が入れ替わっては「悪魔憑き」なのではと疑われてしまう。
それを懸念した夕はレイヴンにダリアの護衛の他にも別のことを命じていた。
レイヴンはその事を告げるとダリアに魔法をかける。
するとダリアの姿が一瞬で変わった。
髪は腰上まで伸び鍛えられていた腕や手のひらについたマメはすっかり消えていた。
「怪しまれないようにとの事でしたが主はこうも仰りました。」
【しっかりと対策はしてあるつもりだから令嬢としてめいいっぱい楽しむように】
「令嬢として、、、?わ、わたしが?」
するとその時 コンコンと部屋をノックする音が。
状況に慌てるダリアをレイヴンが小声で
「わたくしにお任せ下さい。」
とドアの方に飛び立つと夕が振る舞うダリアの姿に変わった。
「?!」
(じ、実際に振る舞う姿を見るのは初めてだわ。本当にこれがわたしなの?)
「やぁ、メアリー。」
「ダリアお嬢様!おはようございます。もう起きられてましたか。」
「あぁ、今朝はいい天気だからね。」
「左様でございましたか。、、、お、お嬢様?部屋の中にいらっしゃるのは。」
メアリーの視線にダリアの肩がビクリと大きく揺れる。
「あぁ、クロウリー家の遠縁に当たる令嬢だよ。この間話しただろう?秘密裏に保護するよって。」
「そのお嬢様でしたか!失礼致しました!朝のご準備お手伝い致しましょうか?」
「こう見えて人見知りでね、昨夜遅くにこちらに着いたばかりだから私が支度を手伝うよ。ありがとうメアリー。」
「かしこまりました、それでは朝食のご準備をしてお待ちしております。」
メアリーが部屋を後にすると夕に扮したレイヴンはダリアをドレッサーの前に座らせ髪をとかしはじめる。
「主の立ち振る舞いはこのように熟知しておりますのでご安心くだい。そしてあなたが安心して過ごせるように主が全て手配済みですのでそちらも心配の必要はございません。」
「夕は何から何までしてくれたのね。」
「それだけ想われているのです。」
「、、、、」
「今日はわたくしが着いておりますので。」
コンコン、
「失礼しますダリアお嬢様。アルベルト殿下、ベルファ殿下、ブランディーヌ妃殿下がお見えになっております。」
(、、、、、よりにもよって今?!)
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
「急に大人しくなられるんですもの心配しましたわ!」
少し遅めの朝食、、、昼食とも言える食事を口にしながらダリアは不満げな表情でそっぽを向く。
「大人しくって、、、私にだって慎ましいところもあるさ。」
「まるで小さい頃のお嬢様を見た気分でしたわ!」
「、、、、可愛かっただろ?小さいころの私は。」
まるで自分ではない誰かを懐かしむように微笑むダリアにメアリーは不思議に思いながらも「そうですね」と答えた。
そして次の新月の日の朝。
夕の予想通り夕とダリアの精神が入れ替わっていた。
不安げに体を起こすとそこには一羽の鴉が止まっていた。
夕が言っていた使い魔のレイヴンであるとすぐさま理解したダリアは恐る恐る近づく。
「あなたがダリア様ですね?」
透き通った美しい声は間違いなく目の前の鴉から発せられたものだった。
「主に月が姿を消す日はあなたを守るようにと仰せつかっております。」
「ゆ、、、夕に?」
「はい。」
「わたしが別人だってわかるの?」
「立ち振る舞いも挙動も何もかも違いますし何より魂が全く違います。」
レイヴンは淡々と説明を続ける。
「わたくしはあなたの魔力から作られた使い魔ですからね、体の変化は手に取るように分かります。ですが、あなたが別人になられたことはわたくしでなくてもわかるでしょう。」
ただでさえ幼い頃のダリアと夕が入れ替わった時も「まるで別人だ」と大騒ぎになっていた。
その時は子供ゆえに色々多感なのだろうということでことは収まった。
しかしこうも頻繁に精神が入れ替わっては「悪魔憑き」なのではと疑われてしまう。
それを懸念した夕はレイヴンにダリアの護衛の他にも別のことを命じていた。
レイヴンはその事を告げるとダリアに魔法をかける。
するとダリアの姿が一瞬で変わった。
髪は腰上まで伸び鍛えられていた腕や手のひらについたマメはすっかり消えていた。
「怪しまれないようにとの事でしたが主はこうも仰りました。」
【しっかりと対策はしてあるつもりだから令嬢としてめいいっぱい楽しむように】
「令嬢として、、、?わ、わたしが?」
するとその時 コンコンと部屋をノックする音が。
状況に慌てるダリアをレイヴンが小声で
「わたくしにお任せ下さい。」
とドアの方に飛び立つと夕が振る舞うダリアの姿に変わった。
「?!」
(じ、実際に振る舞う姿を見るのは初めてだわ。本当にこれがわたしなの?)
「やぁ、メアリー。」
「ダリアお嬢様!おはようございます。もう起きられてましたか。」
「あぁ、今朝はいい天気だからね。」
「左様でございましたか。、、、お、お嬢様?部屋の中にいらっしゃるのは。」
メアリーの視線にダリアの肩がビクリと大きく揺れる。
「あぁ、クロウリー家の遠縁に当たる令嬢だよ。この間話しただろう?秘密裏に保護するよって。」
「そのお嬢様でしたか!失礼致しました!朝のご準備お手伝い致しましょうか?」
「こう見えて人見知りでね、昨夜遅くにこちらに着いたばかりだから私が支度を手伝うよ。ありがとうメアリー。」
「かしこまりました、それでは朝食のご準備をしてお待ちしております。」
メアリーが部屋を後にすると夕に扮したレイヴンはダリアをドレッサーの前に座らせ髪をとかしはじめる。
「主の立ち振る舞いはこのように熟知しておりますのでご安心くだい。そしてあなたが安心して過ごせるように主が全て手配済みですのでそちらも心配の必要はございません。」
「夕は何から何までしてくれたのね。」
「それだけ想われているのです。」
「、、、、」
「今日はわたくしが着いておりますので。」
コンコン、
「失礼しますダリアお嬢様。アルベルト殿下、ベルファ殿下、ブランディーヌ妃殿下がお見えになっております。」
(、、、、、よりにもよって今?!)
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
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