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青年編
第59話 悪女の目覚め
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「神殿への侵入経路を探し当てたか。」
ダリアは手紙を持つ手で紫の炎を瞬間的に出して消し炭にした。
「、、、すまない、ヒナ。まだアメリアが目覚めないんだよ。」
立ち上がり、横たわるホムンクルスの元へ歩み寄ると額に口付けをした。
「私はわからないんだ。感情がどういうものなのか。だから目覚めて私に教えてくれ。」
そう言い残すとダリア(夕)は部屋を後にした。
さて、本当のダリアはというと冷たく暖かい海の中で漂っているかのように微睡んでいた。
<、、、守ってくれる人がいるなら。あなたがいるなら。戻ってもいいんじゃないかって。>
海の底から徐々に浮上するように意識を覚醒させていくとゆっくりと瞼が開くようになった。
数ヶ月ぶりの光をゆっくりと受け入れていくと綺麗な石造りの天井が視界に入る。
視界だけを動かしていくと何度か訪れたことのある景色であったことを思い出す。
「ぁっ、、、」
声を出してみようと試みたが喉が酷く乾いていて空気しか口から吐き出すことが出来ない。
するとガチャと音を鳴らして扉が開かれる。
そこには酷く驚いたダリア(夕)の姿があった。
「ダリア?!」
「ゅっ、、ぁ、、」
起き上がろうとするダリアに夕が駆け寄ると背中に手を当てて助けた。
「無理に起き上がらなくてもいい、まずは水を飲もう。」
夕に解放されながらダリアは体を動かす練習を始めた。
どうやらホムンクルスの体でも食事と水は必要らしく動力も人間と同じ食事から補給されるようにしたらしい。
声を出して話せるようになるとダリアは夕に問いかけた。
「夕、、、あなたがわたしを助けてくれるのよね?何があっても。」
「あぁ、もちろんだ。」
「わかったわ、あなたの言うことを聞くわ。」
「それじゃあ、さっきも言ったけど今日から君はアメリアだ。アメリア・クロウリー。」
「、、、、クロウリー?」
「ウチの養女となった。」
「へ?!」
「君の体の中に光の魔法陣を刻印しておいた。父上を説得するために。」
「じゃ、、じゃあわたしは、、、」
「光属性の生まれ、ということになっている。ちなみに魔法の元は私だ。」
「ど、どういうこと?」
「私は闇属性以外全ての属性魔法を操ることができるらしい。」
「そんなことが、、、」
「魔法の訓練して暫くした頃わかった事だ。もしかしたら訓練を怠らなかったら前世で君もできたのかもしれないな。」
いたずらっぽく笑うダリア(夕)にアメリア(ダリア)は顔を赤らめて恥じた。
「や、やめてよ、、、」
「さ、食事にしよう。ウンディーネ、アメリアの支度を頼むよ。」
「かしこまりました。」
ウンディーネはダリアが水の魔法で呼び出した使い魔である。
レイヴンと同様、普段は人間の姿でアメリアのメイドとして仕えている。
「それじゃあまた後でね、アメリア。」
「えぇ。」
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
ダリアは手紙を持つ手で紫の炎を瞬間的に出して消し炭にした。
「、、、すまない、ヒナ。まだアメリアが目覚めないんだよ。」
立ち上がり、横たわるホムンクルスの元へ歩み寄ると額に口付けをした。
「私はわからないんだ。感情がどういうものなのか。だから目覚めて私に教えてくれ。」
そう言い残すとダリア(夕)は部屋を後にした。
さて、本当のダリアはというと冷たく暖かい海の中で漂っているかのように微睡んでいた。
<、、、守ってくれる人がいるなら。あなたがいるなら。戻ってもいいんじゃないかって。>
海の底から徐々に浮上するように意識を覚醒させていくとゆっくりと瞼が開くようになった。
数ヶ月ぶりの光をゆっくりと受け入れていくと綺麗な石造りの天井が視界に入る。
視界だけを動かしていくと何度か訪れたことのある景色であったことを思い出す。
「ぁっ、、、」
声を出してみようと試みたが喉が酷く乾いていて空気しか口から吐き出すことが出来ない。
するとガチャと音を鳴らして扉が開かれる。
そこには酷く驚いたダリア(夕)の姿があった。
「ダリア?!」
「ゅっ、、ぁ、、」
起き上がろうとするダリアに夕が駆け寄ると背中に手を当てて助けた。
「無理に起き上がらなくてもいい、まずは水を飲もう。」
夕に解放されながらダリアは体を動かす練習を始めた。
どうやらホムンクルスの体でも食事と水は必要らしく動力も人間と同じ食事から補給されるようにしたらしい。
声を出して話せるようになるとダリアは夕に問いかけた。
「夕、、、あなたがわたしを助けてくれるのよね?何があっても。」
「あぁ、もちろんだ。」
「わかったわ、あなたの言うことを聞くわ。」
「それじゃあ、さっきも言ったけど今日から君はアメリアだ。アメリア・クロウリー。」
「、、、、クロウリー?」
「ウチの養女となった。」
「へ?!」
「君の体の中に光の魔法陣を刻印しておいた。父上を説得するために。」
「じゃ、、じゃあわたしは、、、」
「光属性の生まれ、ということになっている。ちなみに魔法の元は私だ。」
「ど、どういうこと?」
「私は闇属性以外全ての属性魔法を操ることができるらしい。」
「そんなことが、、、」
「魔法の訓練して暫くした頃わかった事だ。もしかしたら訓練を怠らなかったら前世で君もできたのかもしれないな。」
いたずらっぽく笑うダリア(夕)にアメリア(ダリア)は顔を赤らめて恥じた。
「や、やめてよ、、、」
「さ、食事にしよう。ウンディーネ、アメリアの支度を頼むよ。」
「かしこまりました。」
ウンディーネはダリアが水の魔法で呼び出した使い魔である。
レイヴンと同様、普段は人間の姿でアメリアのメイドとして仕えている。
「それじゃあまた後でね、アメリア。」
「えぇ。」
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