冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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二人の関係

第十六話

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ある真夜中。

ローズはこっそりベッドを抜け出し薔薇の庭園に足を運んでいた。

すぅっと息を吸うと優しく、撫でるように。

語りかけるように。

祈るように。

縋るように歌を口にする。

[謳え、謳え、花の唄を。訊け、訊け、我が声を。花が歌うは愛の詩。我が叫ぶは絶望の謡。お前に囁くは恋の歌。]

母が教えてくれたモノのひとつ。

寂しい時、切ない時に歌えといわれていた。

この歌を歌うと心が落ち着く。

特に心が乱れていた訳では無いが、歌いたくなってしまったのだ。

歌っているとローズを後ろから抱きしめる者がいた。

リアムだ。

「こんな夜中にどうした?」

「夜風に、、、あたりたくて。」

リアムはローズの肩に顔を埋めると、はぁっとため息をついた。

「急に居なくなるな、心臓に悪い。」

「申し訳ございません。」

「さぁ、冷えるから部屋に戻ろう。」

そう言ってリアムはローズの手を取り部屋に戻って行った。

握られている手にローズは少しばかり頬を染める。

優しく、大きな暖かい手。

自分にはもう感じることの無い感触だと思っていたことが、リアムによって叶えられている。

「リアム?」

「なんだ?」

「その、、、もし、お時間がある時に。よ、良ければまた街に行きませんか?」

恥ずかしがりながら言うローズに目を細めると、ローズの頬にキスを落とす。

「あぁ、行こう。お前が望むのなら。」

ローズはキスされた頬を手で抑えると少し赤らめながら微笑んだ。

リアムは自分に向けられるローズの笑顔が何よりも愛おしく尊いものだと思った。



約束の街に出かける当日、今回はお忍びではなく公爵として馬車に乗り街に出掛けるとリアムは言った。
ローズも公爵夫人として街に出るのは初めてであり、また何故急に公爵として出掛けるのか気になっていた。

「リアム?何故急に公爵としてなんて。」

「お前に似合うドレスがあれば買うつもりだからな。どうせそこで公爵であるとバレるのだ。問題ないだろう。」

「ど、ドレス?もう沢山買っていただきました!」

ローズがヴェルグラ城に移り住む時、「入り用だろう」と沢山の服や宝石、日常品を買い揃えローズに与えていた。

「また新しいのが出てるかもしれないだろう?」

「で、では!おひとつだけリアムにおねだりさせていただきます!そ、それでご勘弁を、、、」

「ほぉ?悪くないな、初めて俺にねだるとは。ドレスか?宝石か?それとも香水か?」

「、、、本、、を。」

モジモジとさせながら言うローズにリアムは目をまん丸くさせていた。

「ほん?」

「そ、その、、、どうしても欲しい本がありまして。」

「ドレスや宝石は?」

「言わなくてもリアムがお求めになられてしまうではありませぬか!」

「気に入らんと?」

少しムッとするリアムに反しローズは目をそらす。

「き、気に入らないわけでは。ですが少し多い気が致します。」

「では約束をしろ。欲しいものが出来た時必ず俺にねだると。」

「や、約束致します!必ずリアムにお願いいたします!」

真っ直ぐ目を見つめるローズにリアムは満足気に笑った。





次回につづく!






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