冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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新たな家族

第二十四話

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ノエルに案内をされながらアヒンの心臓は手を胸に当てなくても分かるくらい酷く打ち鳴らされていた。
それは一歩、また一歩、、、足を踏み入れるほど激しくなっていく。
傍から見ればたかが使用人の母親を見に行くだけであるが、こんなにも容姿が似ていて他人とは思えないこの少年の母親が一体どんな姿をしているのか。
何故こんなにも気になるのかも分からぬままアヒンは道を進んでいく。
しばらく歩いているとノエルがチラリと後ろのアヒンを見ながら口を開く。

「申し訳ありません、坊っちゃま。」

急に謝罪の言葉を口にするノエルに眉をひそめ問いただす。

「なんだ、まだリンゴのことを気にしているのか?」

「そ、それもありますが、、、その。」

歯切れの悪いノエルに少しばかり苛立ちを覚える。

「はっきりと申せ。」

「は、はい!その、、、僕なんかと容姿が似ているものだから、家の人たちからなにか言われているのではと、、、、」

「、、、私の父がメイドに手を出し産まれたのがお前だ。少しばかり似ていてもおかしくは無い。それに、家の者に何を言われようとも私は私だ。」

「、、、、」

「お前も父の血を受け継いでいるのだ。本来ならばこのような使用人まがいの扱いは許したくないのだがな。」

複雑そうな表情をするノエルの瞳を真っ直ぐ見つめるアヒン。
そんなにノエルは心が揺らいだ。

「そもそも、貧しい土地であるにも関わらず民たちを助けようともしない父が嫌いだ。そんな民たちを下民だと蔑む母も嫌いだ。そしてなにより、何も出来ない自分が一番嫌いだ。」

「ですが坊っちゃまは使用人にも民にもお優しいと皆が口を揃えて言っています!何も出来ないなんて、、、」

沈黙が2人を包み込むとアヒンはノエルの背中を少しばかり押す。

「行こう、、、」


城の庭園から少し離れた場所にそれはあった。

ボロという言葉だけでは足りない小屋がひとつ。
隙間だらけでこれでは外にいても中にいても同じであるような酷い有様であった。
あっても無くても変わらないドアを開けるとベッドに上半身だけ起こし窓の外を見つめるやせ細った女性が一人。
ドアの異変に気が付きこちらを振り返り見つめる瞳はノエル、アヒンと同じ美しい蜂蜜色であった、、、
そして、長い白髪が窓から入ってくる風でなびいていた。

思わず目を見開き、言葉を失う。

その瞳、髪色、顔の面立ち、、、、全てがアヒンに似ているからだ。

「、、、、、シエル?」

女性はアヒンを見つめながらそう呟いた。


次回へ続く!
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